・コロナワクチン治験を簡略化 数万から3千人程度に 国産開発後押し(朝日新聞DIGITAL 2021年10月25日)

※国産の新型コロナウイルスワクチン開発を後押しするため、臨床試験(治験)に偽薬を使わない手法を検討してきた厚生労働省と医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、新しい仕組みの詳細をまとめた。これまで数万人必要だった治験参加者は、最低限の安全性を確認するために最少で3千人まで減らせ、開発スピードも上がるという。

新しい仕組みでは、開発中のワクチンをうった後に体内でつくられてウイルス感染を防ぐ「中和抗体」の量を、すでに実用化されたワクチンと比べることで有効性を評価する。原則として、「m(メッセンジャー)RNA」など同じタイプのワクチン同士で結果を比較する。日本を含む規制当局の国際的な組織で議論されてきた。塩野義製薬などの国内企業がこの手法による治験実施を表明している。


・国産“次世代型ワクチン”初期臨床試験開始(NNN24 2021年10月18日)

※新型コロナウイルスの「次世代型ワクチン」として日本の創薬ベンチャーが開発を進める国産ワクチンが、初期の臨床試験を開始しました。

VLPセラピューティクス・ジャパン赤畑渉代表「新しいテクノロジーを使って日本初のワクチンとして今後新たな感染症が広まった際に素早く対応可能な国産ワクチン」

日本の創薬ベンチャー「VLPセラピューティクス・ジャパン」は、今月12日に、45人を対象に新型コロナワクチンの初期の臨床試験を開始したと発表しました。

このワクチンは、「レプリコンワクチン」という次世代型の新しいタイプで、少量の投与で体内に取り込んだRNAが自ら増殖し、多くの抗体を作ることができるため、大量生産が可能な上、副反応を抑えることなどが期待できるということです。

今後、安全性などを確認して来年の実用化を目指し、最大で年間5000万回分を目標に、富士フイルム富山化学が製造を担う予定だということです。


・国産“次世代”ワクチン 特徴・副反応は?(NNN24 2021年10月19日)

※国産で“次世代型”の新型コロナワクチンの臨床試験が始まったと、18日、発表されました。その名も「レプリコンワクチン」、どういうものなのでしょうか。

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■国産で“次世代型”「レプリコンワクチン」の仕組みとは?

小野高弘・日本テレビ解説委員

「日本の創薬ベンチャー『VLPセラピューティクス・ジャパン』が国のバックアップの下で、大学などと協力して、研究しているものです。レプリコンとは、レプリカという言葉からきてます。『複製、コピー』という意味です。体の中に入ると、自らコピーして増えるというのが、新しい特徴だということです」

「詳しくお話します。新型コロナウイルスの周りには、感染の足がかりとなる『スパイク』と呼ばれる突起がついています。ファイザーなどのmRNAワクチンは、スパイクの遺伝情報を含んだ物質を注射して、体内に入れます。すると、体内にスパイクができます。本当はウイルスが入っていないのですが、ウイルスが入ってきたと体が錯覚して、ウイルスと闘うための抗体を作ります」

「レプリコンワクチンは、基本的な仕組みは同じですが、スパイクの遺伝情報が体内でどんどん増殖します。遺伝情報が増殖するのでスパイクがたくさん作られて、抗体もたくさん作られるということになります。だだ『自己増殖』といっても、10日前後で遺伝情報はなくなるため、安全性に問題はないといいます」

■“接種量少なく副反応小さい”期待

有働由美子キャスター

「気になるのが副反応です」

小野解説委員

「開発者は『副反応を小さく抑えられる』と期待しています。というのも、接種の量に注目してみましょう。ファイザーは1回30マイクログラム入れます。モデルナは1回100マイクログラムです。レプリコンワクチンは、これらの『10分の1』から『100分の1』程で済むのではないかと想定されています。量が少ない分、副反応も小さいというわけです。さらにメリットとして、少量で済むのでワクチンを素早く生産できる、ということも挙げられています」

■国産ワクチンの実用化いつに…

小野解説委員

「国産ワクチンをめぐっては、国内の複数の企業が競い合っている状況です。実用化がいつになりそうかというと、『第一三共』は来年中に、『塩野義製薬』は来年3月までに、『KMバイオロジクス』は来年度中の実用化を目指しているということです」

有働キャスター

「ワクチン開発で日本は遅れをとりました。今後も必要になるものですので、切磋琢磨(せっさたくま)する中でよりいいものが出てくるといいなと思います」

10月18日放送『news zero』より。


※ブログ主コメント:スパイクタンパクそのものが有害だっていうの!それを大量に体内で作るのに副反応(本当は主作用)が少ないわけがないだろうが!


・第一三共のコロナワクチン、初期治験で有効性確認…22年の実用化めざす(読売新聞 2021年10月21日)

※第一三共は21日、新型コロナウイルスワクチンの初期段階の治験で、一定の有効性と安全性を確認したと発表した。

治験は、20歳以上の男女142人を対象に実施した。2回接種後、副反応などの経過を4週間までの期間で調べた結果、安全性に大きな問題はなかったという。接種を受けた人は、ウイルスの感染を防ぐ抗体が増えていることも確認した。

同社は、11月に中間段階の治験を始める方針だ。順調なら年度内に最終段階の治験に進み、国外での治験も検討する。実用化は22年をめざしている。

同社はさらに、他社製の新型コロナワクチンを2回接種した人を対象に、3回目となる追加接種を想定した治験を、来年1月にも行うことを構想している。

同社のワクチンは、ウイルスの遺伝情報「メッセンジャーRNA(mRNA)」が主成分で、国内で接種が進む米ファイザー製や米モデルナ製と同じタイプのワクチンになっている。


・塩野義製薬がワクチン治験開始 国内メーカーで2例目

2020/12/16
 
https://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/202012/0013943000.shtml

※塩野義製薬(大阪市)は16日、新型コロナウイルスに対するワクチンの承認取得を目指した臨床試験(治験)を始めたと発表した。国内メーカーが日本で実施する治験としては、アンジェス(大阪府茨木市)に続いて2例目という。

塩野義のワクチンは、ウイルスが人の細胞に侵入する際に使う「スパイクタンパク質」を昆虫の細胞に作らせ、精製したもの。これを接種して体の免疫に覚えさせ、実物が侵入した際に増殖し、発症の阻止を目指す。

アンジェスや米モデルナなどの方式と違い、既存のインフルエンザワクチンに使われる確立済みの技術。塩野義は「早期開発と提供に取り組む」とコメントした。


・塩野義製薬が第2/3相試験を始めた「コロナワクチン」の仕組み(ニュースイッチ 2021年10月23日)

※塩野義製薬は新型コロナウイルス感染症向けワクチンについて、開発の後半に当たる第2/3相臨床試験を国内で始めた。3000人を対象としている。8月に開始した開発前半の国内第1/2相試験の60人への投与結果を踏まえ、臨床試験の段階を進めた。これまでに副反応が一定程度に抑えられる点と、感染を抑える中和抗体の上昇が良好である点を確認している。

同ワクチンは子会社のUMNファーマ(秋田市)による昆虫細胞などから目的のたんぱく質を発現する「BEVS」技術を活用した遺伝子組み換えたんぱくワクチン。当初、免疫応答を調整する2種類の細胞のバランスを最重視したが、中和抗体を作る効果を高める必要があると判断。補助剤変更の結果、良好な結果が得られ、製品化に向け前進した。

同社は重要課題の一つに感染症を掲げる。早期承認に向け、今回の試験と並行して国内外で複数の臨床試験を行う準備も進める。



・国産ワクチン2000人治験開始、来年度の実用化目指す…熊本の製薬企業(読売新聞 2021年10月25日)

※製薬企業のKMバイオロジクス(熊本市)は、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、中間段階の治験を22日に始めたと発表した。2022年度中の実用化を目指している。

感染力や毒性をなくしたウイルスを使う「不活化ワクチン」というタイプで、国立感染症研究所や東京大などと開発した。治験は、他社製のワクチンを打っていない18歳以上の男女2000人が対象で、27日の間隔を置いて2回接種する。ウイルスが感染するのを防ぐ抗体の量の変化や安全性を調べる。

この治験で有効性と安全性を確認できれば、さらに大人数が参加する最終段階の治験へ進み、22年7~9月頃には厚生労働省に製造・販売の承認を申請する計画だ。