以下「In Deep」様より転載

https://indeep.jp/all-worlds-embark-on-the-deprivation-of-all-freedoms/

・終わらないコロナ百景 : 鎖国化するアメリカ、すべての自由の剥奪に乗り出すニュージーランド、そして監視社会を作ろうとあがく日本

2021年4月20日

(前略)

※思い返せば、ニュージーランドとオーストラリアは、この新型コロナウイルスのパンデミックで、ずいぶんと印象が変わりましたからねえ…。最も強圧的で恐ろしい抑圧を、最初に堂々とおこなったのが、これらの国でした。

以下の過去記事などでふれています。

アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド…。各国の当局が「新型コロナウイルスのワクチン接種は強制的なものになり、投獄や強制収容もあり得る」と発言。しかも接種は「毎月」のようになり得ることも
投稿日:2020年8月22日

https://indeep.jp/corona-vaccinations-will-be-being-forced-around-some-countries/

この記事には、ジャシンダ・アーダーンさんというニュージーランドの女性首相のフェイスブックでの発言を載せていますが、

・感染者を強制隔離キャンプに入れる

・検査を拒否した者も14日間の強制隔離施設に入れる

というような「健康を理由とした自由の剥奪」を、初めて公にしたのが、この人でした。


ニュージーランド首相のフェイスブックの発言より抜粋

私たち政府は、感染者全員を隔離します。現在、検査も義務付けています。これは新型コロナウイルス対策として世界で最も厳格な政策だと思います。他の国では、自宅においての自己分離を必要としている国もありますが、私たちは少し先に進んでいます(検疫所に完全に隔離するという意味)。

すべて監視されているため、隔離された人たちが共通のエリアに移動したり、屋外に出るようなことを行うことはできません。私たちニュージーランド政府は、これらを実現するために数百万ドルを投入しました。

また、新型コロナウイルスの検査を拒否する人々をどうするか、ということについて多くの質問がありますが、検査の拒否は現在はできません。

検査が行われる施設で検査を拒否した場合、その人たちは隔離施設に 14日間、滞在し続けなければなりません。場合により、さらに 14日間隔離されます。

これにより、多くの人たちが、検査を受けたいと思うようになるはずで、いい傾向が現れると思われます。


この投稿を見た時、「ナチスかよ」と思いましたが、そういう強行政策をとったニュージーランドが「ウイルス征圧勝利国」と見なされているわけで、アメリカでも「最も安全な国のひとつ」とされているのが現状です。

そして、ニュージーランドでは、コロナの死者と比較ならないほど「自死者の数が増えている」ことも上の記事で取りあげています(コロナの死者の 30倍以上は自死でなくなっていると思われます)。いつの間にか、ニュージーランドは「ディストピア最前線」となっていました。

このニュージーランドの首相は、最近またも「健康的な政策」を発表しています。

「 2025年までにニュージーランドでタバコを違法にする」

という提案です。

以下に報道があります。


ツールとしての「健康」

以下は4月16日の英国ガーディアンの報道です。特に内容を書かずとも、タイトル通りの報道です。

An end to cigarettes? New Zealand aims to create smoke-free generation
タバコの終わり? ニュージーランドは喫煙者ゼロ世代の創出を目指している

このタバコというものは嫌いな方が多いと思いますので、「タバコを社会からなくするのはいいことじゃないか」と思われる方も多いかと思います。

しかし、健康を建前に、これが許されれば、何もかも適用できる。

昨年のロックダウンの際に、ヨーロッパ各国で「アルコールの販売を禁止する」という措置がとられたことをご記憶の方は多い思われます。

・酒
・タバコ

どちらも嫌いな方が多いものですので、それは仕方ないとしましょう。

では、現在、「健康に悪い」とされているものは何があるでしょう。

砂糖?
塩?
油?

なんでもいいですけれど、「健康のために」という名目がひとつでも通用してしまえば、何でも統制できるのが今の現実です。

ともかく、ニュージーランドは、「パンデミックに対しての厳格な国民コントロール」に続いて、嗜好品の厳格な規制に乗り出しています。

以前、以下の記事で、医師の大脇幸志郎さんという方の著作に少しふれたことがありました。

「健康という宗教」が世界中に拡大する中で強行された医療戒厳令。今や、医療と健康概念は神であり宗教となっているという現実
投稿日:2020年10月5日

https://indeep.jp/medical-martial-law-enforced-as-the-religion-of-health-spreads/

そこでは、大脇幸志郎さんの『「健康」から生活をまもる - 最新医学と12の迷信』という著作から少し取り上げていましたが、この本の第二章のタイトルは、

「タバコ、酒、次の標的」

というものでした。

この大脇幸志郎さんご自身はタバコは吸わないですし、「タバコの煙は嫌いだ」と書かれている上に、「タバコが健康に悪いことは間違いない」と書かれています。基本的には、この章はタバコの害についての健康データも示してくれています。

それを前提として、この章の後半には以下のように書かれているのです。

現代の日本はそれなりにリスクを許容している寛容な社会なのだが、なぜかタバコにだけはきわだって強硬になる。そうなったのは最近のことだ。

だから、次に同じことが酒にも起きないとは言えない。いや、酒のリスクはタバコと似たところがいくつもあり、同じことは遅かれ早かれ繰り返されるかもしれない。

憶測だけで言うのではない。現に飲酒運転はたびたびニュースの見出しになっている。世界の医師も飲酒を減らそうと動き始めている。酒は以前より嫌われるようになっている。

タバコと酒に起こりつつあることは、実はほかのさまざまなことについても繰り返されている

たとえば、砂糖。砂糖をたっぷり使った甘いお菓子を食べると、いかにも太りそうな感じがする。実際に太っていて甘いものが大好きな人を、誰でもひとりやふたりは知っているはずだ。たしかに砂糖は太る。だから砂糖は体に悪いとも言われがちだ。肥満は病気を近づけるから、太るのは悪いことだと考えるなら、砂糖を悪いというのも間違ってはいない。

というように書かれた後に、砂糖や運動についての医学論文などを紹介された後、以下のように述べています。

タバコは吸いたけれぱ吸えばいいし、酒は飲みたければ飲めばいいし、甘いものは食べたければ食べ、がまんしたければがまんすればいい。

人の指図は要らない。一事が万事、私たちには自由に生きて不健康になる権利がある。

そして、

健康を気にしていると、生活のあらゆる範囲を監視することになってしまう。

と書かれていました。

「不健康に寛容ではない」システムは日本でも着々と進んでいました。

いつのまにか時代は「健康」を楯にすれば、何でも許されるようになってしまったようです。

日本でも以下のようなニュースが流れていました。

「まん延防止」飲食店見回り 5月11日までに約10万8000店

東京都は、まん延防止等重点措置の期限となる5月11日までに、対象地域の飲食店およそ10万8,000件の点検を行う方針を明らかにした。

東京都の小池知事は19日、飲食店の“見回り隊”に同行して、東京・新宿区内の居酒屋を訪問し、感染対策の点検を行った。 (FNN 2021/04/20)

飲食店と感染拡大の科学的な因果関係がまったく証明されていない中で、このようなことは強行されるわけです。

ひとつの抑圧を「受け入れた」場合、次の抑圧も受け入れなければならないことになるということは、今回のパンデミックがとてもよく示していると思います。

それはすでに止められない段階に達しています。

「いつか終わる」という幻想を私が捨てたのは昨年の 3月でしたが、これは終わりに向かっているのではなく、「別の社会の始まり」に向かっていることが示されていることに気付いたのは最近です。

この責任は誰かにあるというよりも、私も含めた全員にあると思っています。

一瞬でもそれを許容したすべての人たちに。