
(上) 1933.5.24 (昭和8)
・灯台社の後楯に恐るべき暗殺団(大阪時事新報 1933年5月24日)
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=10070616&TYPE=HTML_FILE&POS=1
※赤手は伸びる 「神」の仮面にかくれ全世界に覇を狙う
「神の名のもとに」の美しい仮面に隠れて全世界にその魔手を延ばし、細胞組織によってグループの獲得に努め、国際愛を提唱して帝国の危機を招来せんとする。
米国ニューヨーク市に本部を有し全世界300箇所にその支部を有する灯台社(ウォッチタワー・バイブル・アンド・トラクト・ソサイエティー)の怪るべき行動は本紙の特報によって暴露され、全国民に異常なセンセーションを捲き起し、我が大阪を始め兵庫京都各府県特高課でも連絡を取って一味の厳重な取調べを行った結果、灯台社極東支部は神戸にあって、全世界の帝政王国の組織破壊を目的とする世界的秘密結社フリーメイソン結社と連絡あること判明。
大阪憲兵隊でも、国民及び兵営にこの思想の侵入することを恐れ、大活動を開始したが、メイソン結社こそ18世紀から全世界に活動を開始し、フランスのルイ16世を最初として、1918年ロシアのニコライ二世、同皇后、皇太子、皇女4名を暗殺するまで、実に二十数名の君主帝王を暗殺し、その間隙に乗じてロシア、独逸を始め数箇国に大革命を起さしめ遂に政体を破壊して彼等の実権下に納め、尚シオン会議の決議条項に基く指令を全世界各国に配布し、恐るべき魔手を延べていたもので、メイソン結社の全貌こそ実に恐るべきもので横の連繋をたどって近く徹底的検挙を行うと。
物凄い破壊力 戦慄猶太人の暗躍
灯台社もドイツのイルミナティ結社と同様にメイソン結社の宗教布教を担当し、メイソン結社員同様「エホバの証者」と呼ばれ、専ら街頭に立ってエホバの神イスラエルの道を説き、細胞組織によって横の連鎖を完全にし、ユダヤ人は神の創造された人間で世界の各人種は人間では無く、宇宙の宝は神の恵み給うたもので、全部ユダヤ民族のもので、他の民族の所有は我々の紛失したものであるから、如何なる方法によってもこれを没収せよ—、と云うのが中心思想で、ユダヤ人にあらざる人種もイスラエルの道エホバの証者となれば信仰上の加入を許されるものと規定され、もし我々民族以外の者が手を附すならば死刑に処せとあって、その真意に基いて世界の全部は吾々が享有せねばならぬものとし、タルムード(ユダヤ聖書)を発し、この実行方法としては、世界の存在を自由にし、この実行の第一として世界の黄金を獲得し、第二に言論機関を統制し、進んで各国を無政府状態に陥れて其目的を達し、その第一方法として各国民に対し、愛国的信念の撲滅を企て、国家機構に対して不平を起さしめ、攪乱に乗じて革命の実をあげることとし、人類の平等を提唱し、その統一力を失わしめて目的に到達することとし、文書によりまた伝道により、イスラエルの最高貴の花であったソロモン殿堂を築いた石工のあの熱と力によって、全世界を破壊して、ソロモン神殿を築かねばならぬものとし、堂々と会員の向上を計るを表看板として、全世界の国家殊に帝国又は王国に革命を起し、恐怖政治を招致して、無政府混乱状態に陥れることとしている。
(記述がでたらめなので省略)
ドイツ、ロシアを始めとして十数箇国を完全なる共和制とし、結社員が何れも統轄し、1897年にはスイス・バーゼル市にシオン会議を開催して、世界各国の赤化を計画し、700ページに亘る恐るべきシオン議定書を作成し、全世界の結社に配布し、各国民の愛国心を減じて、世界統一を容易ならしむべきを決議、この実行方法に就いて、今年まで回を重ねること24回に及び、何れも世界の結社に対して指令しているが謎の灯台社こそ、このメイソン結社の宗教伝道機関として設立されたもので、全世界に300の支部を有し、国境を認めぬ全世界の把握に迄進んでいる。
・美しき仮面こそ恐るべき人類の敵大暗殺団(神戸新聞 1933年5月25日)
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=10070823&TYPE=HTML_FILE&POS=1
※18世紀来二十余の君主暗殺 灯台社の正体暴露
「神の名の下に」の美しい仮名にかくれて、全世界にその魔手をのばし、細胞組織によってグループの獲得に努め、国際愛を提唱して、帝国の危機を招来せんとする、アメリカ、ニューヨーク州に本部を置き全世界三百ヶ所にその支部を有する「灯台社」(ウォッチタワー・バイブル・アンド・トラクト・ソサイエティー)の恐るべき行動は、さきに遺憾なく暴露され、全国民に異常なセンセーションを捲き起し、京阪神の各特高課でも連絡をとって、一味の厳重な取調べを行った結果、灯台社の極東支部が神戸にあり、全世界の帝政王国の組織破壊を目的とする、世界的秘密結社フリーメイソン結社と連絡あること判明、大阪憲兵隊でも、国民及び兵営にこの思想の侵入するをおそれ、大活動を開始したが、メイソン結社こそ遠く18世紀から全世界に活動を開始し、フランスのルイ16世を最初として1918年ロシアのニコライ二世、同皇后、皇太子、皇女四名を暗殺するまで実に二十数名の君主帝王を暗殺し、その間隙に乗じてロシア、ドイツを始め数ヶ国に大革命を起さしめ、遂に政体を破壊して彼らの実権下におさめ、なおシオン会議の決議条項に基く指令を全世界各国に配布し、赤手をのばしていたもので、メイソン結社の全貌こそ実に恐るべきものである。
ロシアを攪乱 皇帝皇族ら二千余を暗殺 メイソン結社の分派
灯台社は、ドイツのイルミナティ結社と同様に、メイソン結社の宗教布教を担当し、メイソン結社は「エホバの聖者」と呼ばれ、専ら街頭に起ってエホバの神イスラエルの道を説き、世界の財物は全部ユダヤ民族のもので、他の民族の所有は我れわれの紛失したものであるから、如何なる方法によってもこれを没収しなければならぬというのが中心思想で、その実行の第一として世界の黄金を獲得、第二に言論機関を統制し、進んで各国を無政府状態に陥れんと企図し、まず第一の方法として、各国民に対して愛国的真意の撲滅を企て、国家機構に対して不平を起こさしめ、攪乱に乗じて革命の実を挙げることとし、人類の平等を提唱し、その統一力を失わしめ、文書にまた伝道に全世界を破壊して、ソロモン神殿を築かねばならぬとしている。殊に彼ら結社員が全力を傾けて来たのは、東亜ではロシアで、1801年にパーヴェル一世を暗殺して以来、1918年まで、僅僅120年間に皇帝、皇族、重臣ら2000名を暗殺している。
神戸市内から機関雑誌を配布 県下の活動は西宮市が本拠 中心人物、潜入を探る
エホバの神を讚えつつ、巧に危険思想を流布していた灯台社員の暗躍に関して、本県外事、特高両課では、神戸市内で発見した過激文書の内容に基き、海外関係の最も密なる海港神戸を中心として、阪神沿線より県下各方面に魔の手が伸ばされたものと予測し、厳重内偵を進めた結果、果して東京にある前記灯台社から神戸林田区四番町鉄工業吉藤常太郎(仮名)という基督教信者の元へ毎月百部ずつ同社の機関雑誌「黄金時代」を輸送して居り、常太郎の手から広く市内各方面に配布して居る事実を発見したが、この機関紙「黄金時代」は注意出版物で、発禁になったものも相当多方面に配布されている模様があるので、引続き購読者範囲を取調べているが、この調査の進展に伴い県下に於ける同社員の活動は西宮に根拠を置くものの如く、又前記灯台社員が曩きに千葉県で発見されるや、逸早く姿を晦した同社の中心人物、明田十蔵(仮名)は昭和二年米国より帰朝し、一時知人の須磨区一ノ谷の某家に寄食し基督教の講演に廻っていたが、昭和四年四月ごろ米国から前記灯台社の日本支部責任者として推薦され東上した事情も判明したので、両課の視察は新たに明田が在神中の行動と友好関係のあった内外人の上に注意の眼が注がれ、更にまた東京を遁走し知人を頼って神戸に潜入した形跡がないか、極力内偵を進め警戒に努めている。