・CSIS、その歴史と日本との関係(7)
https://isoladoman.hatenablog.com/entry/2019/09/25/153534
1.植民地における「四方良し」の構造
有色人種を戦争で打ち負かし、奪い取った領土から利益を搾り取るために、およそ500年にわたって研究を重ねてきた人達がいる。彼らにとって、植民地支配は国家の基幹事業である。しかし、私がそれを「悪」だと言って非難しても、世界は何も変わらない。このブログの目的は、隠された「悪」を告発することではない。事実を知ることによって自分自身の物の見方を変えることが目的である。
相手を非難することは非生産的であるが、相手を知ることは生産的である。彼らの思考様式がわかれば、我々のような平和ボケの日本人であっても、日常のニュースをまったく違ったものとして見ることができるようになる。軍事と学問と市民生活は、深い関係にある。この観点を基準点として、日常のニュースを読み解けばいい。
そのスコープから見えてくるものは、この日本という国も、いつの間にか軍産複合体に組み込まれているという事実である。例えば、四国の田舎に、官邸の肝いりで農獣医系の大学が新設される。日本のマスコミは右も左も官邸の味方であるから、頓珍漢な論点で騒ぎ立てる。つまり、総理大臣のお友達を税金で優遇するのかという問題で騒ぎ立てるのだ。
これは明らかにトリックである。日本においては、毛細血管にいたるまでCIAが入り込んでいる。ある新聞記者が病気で入院したら、CIAの人がお見舞いに来るわけである。となると、大手マスコミが本当のことを書くはずがない。しかし、何も書かないのでは仕事にならない。それゆえ、本題とは別のところを論点にして騒ぎ立てる。そうやって、国民に本題が見えないようにする。これがプロのマスコミの仕事である。
見えにくい本題は、政府と軍事と学術研究の深い関係である。つまり、あえて人口の少ない地域にバイオ関係の研究施設を新設するわけである。となれば、話の筋は見えてくる。生物兵器の開発である。つまり、フォート・デトリック(Fort Detrick)の下請け的な仕事である。最先端の生物兵器は、甚大な殺傷力を持つので、万が一漏れた場合のことを考えると、人口の少ない地域でなければ困るわけだ。
そう考えると、問題はお友達行政よりもセキュリティである。最先端の生物兵器がそこにあるとなれば、それを欲しがるテロリストは世界中にいる。果たして、四国の学園の横には、それをガードするための自衛隊の基地はあるだろうか。これは東京都武蔵村山市の感染研でも同じことである。エボラ関係のウィルス兵器を、どこかの国の手練れの軍人が盗みに来た時、警備員や警察官で対処できるはずがない。
しかし、自衛隊による物々しい警備をしてしまうと、市民に怪しまれてしまう。そこで、官僚はいつもの得意技で対処する。すなわち、「事故は起こらない」という信仰を持つのだ。この信仰は思考停止である。マスコミも含め、皆でこのことを考えないようにする。戦前から現在にまで続く日本人の伝統芸である。
高致死率ウイルス初輸入へ 今夏にもエボラなど 感染研「了承」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019053102000141.html
この記事は、感染研に危険なウイルスが入ってくる理由を、「東京五輪・パラリンピックを踏まえ、多様な国の人が集まり感染症が持ち込まれる可能性に対処するため」と述べている。しかし、それは政府発表を九官鳥のようにそのまま言っているだけである。真実を知りたい人からすれば、その政府発表が果たして本当であるかをジャーナリストに調べてもらいたいわけである。
もちろん、感染症対策としてウイルス研究をするというのは本当であろう。しかし、研究所と軍事力の深い関係という視点からすれば、それだけの理由で大量の税金が動くとは思えない。政府発表は嘘ではないが、氷山の一角しか言っていないはずである。そして、ベテラン記者なら、そのことに気づいているはずである。
しかし、日本の場合はこれでいいのだろう。宗主国からすれば、植民地の奴隷たちが軍事情報について知る必要はない。政府からすれば、政府が憲法違反をしていることを国民が知る必要はない。新聞記者からすれば、余計なことを言って左遷されるよりも、つまらない記事を書いて年収1000万を確保する方がいい。国民からすれば、恐いことは知りたくないので知る必要はない。
これはまさに「三方良し」ならぬ「四方良し」である。「良し」と言っても、日本国民にとって「良い」わけではなく、支配者にとって「良い」わけである。しかし、宗主国にとって都合の「良い」体制を下支えしているものは、国民の「知りたくない」という心情である。これがわかると、支配者と奴隷の共犯関係が見えてくる。
2.国民の思考停止が植民地経営を下支えする
戦前において、真っ当な精神の日本人は「この戦争、負けだな」と心の中で確信していた。しかし、それを口に出して言うことは、治安維持法違反の疑いがあり、逮捕される可能性があった。戦後、治安維持法はなくなったが、この伝統芸自体は続いている。例えば、熊本県の内科医、小野俊一さんは、東京電力の社員の信仰心について著書(「フクシマの真実と内部被曝」七桃舎)の中で述べている。
彼は医師になる前は東京電力で働いていた。小野さんは、東京大学を卒業後、東電に就職した。若い時の彼は、まだ日本の伝統芸を十分に理解していなかったのだろう。放射性廃棄物を1000年間どうやって東電が管理するのか。そういう真っ当な疑問を持ったわけである。しかし、そういう疑問を持った若手達を、当時原子力技術課長であった武藤栄氏は一喝したそうである。「東電がきちんと管理すると言っているのになぜ納得しないんだ!納得しないのはおかしい!」
日本社会においては、疑問を持たずに黙々と働くことが推奨される。だから、戦前の日本では「こんなことやってても負けるんじゃないか」とか「竹やりの訓練は何のためにやるんだろう」とか考えずに、ただ言われたことを黙々とやることが求められた。
戦後の日本でも基本的に同じであり、「こんなズサンな施設だと、いつか大変なことになるのではないか」とか「1000年間放射性物質を管理するってどうやってやるんだろう」とか考えずに、ただ黙々と上からの命令を実行することが大事なのである。小野さんは後に東電を辞めるが、武藤さんはその美徳を貫き、篤い信仰心によって東電の副社長になった。
これは四国のバイオ大学や武蔵村山市のバイオ研究所の件でも同じである。「バイオ施設がテロリストに襲われたらどうしよう」とか、「そもそも軍事用の生物兵器の開発って憲法違反じゃないのかな」とか、余計なことを考えることは、この社会では推奨されない。
余計なことを考えずに、黙って目の前の業務をこなす。こうした日本人の美徳と信仰心は、植民地経営に大いに役に立っている。宗主国と植民地との一心同体の関係は、真実を知らせたくないという宗主国と、余計なことを考えずに、ただ黙々と目の前の仕事をこなしていきたいという植民地との絶妙な関係により成り立っている。
アメリカの植民地は日本だけではないが、日米関係ほど穏やかにうまくいっている関係はない。それは、信じさせたい支配者と、信じたい奴隷との間の蜜月関係である。この蜜月を維持するための人材が、この国では出世する。余計なことを考える人間は出世しない。
それは、宗主国から求められていないという理由だけではない。奴隷の間でも、そんな人物は求められていないのだ。奴隷は真面目に目の前の仕事を黙々とこなし、仕事が終わったら家に帰って小さな幸せを満喫する。そういった箱庭の幸せをかき乱す人間は、この国では求められていないのだ。
この構造が植民地支配を下支えしている。それは、アメリカが暴力で日本を支配している構造ではなく、日本人が大きなものを信じたいという気持ちを強く持っていることから成り立っている構造である。信じたい国民は、信じたい政治家を選ぶ。国を信じたい国民は、アメリカを信じたい政治家を選ぶのだ。そのため、洗脳された政治家を国家のリーダーに選んでしまうのである。
3.蜜月という犬舎の愛玩犬
現在の日本の政治家で、若手のホープは、何と言っても小泉進次郎(1981-)であろう。古い政治家たちの出世コースは、CIAの申し子になることであったが、新しい世代の政治家の出世コースは、CSISの申し子となることである。現在38歳の彼は、恐らく、40代のうちに総理の椅子に座るだろう。
彼は、関東学院大学を卒業後、ジェラルド・カーティス(Gerald Curtis 1940-)の手引きでコロンビア大学に留学している。その後、CSISで洗脳教育を受けている。彼の教育係がジョンズ・ホプキンス大学出身のマイケル・グリーン(Michael Green 1961-)である。彼は元NSC(United States National Security Council)のアジア担当であり、東京大学に留学経験もあり、日本語に堪能である。CFRの研究員やジョージタウン大学の准教授を務め、現在はCSISの副理事長である。
つまり、マイケル・グリーンは日本支配のスペシャリストであり、日本人よりも日本人の弱点をよく知っている。日本人は強欲でなく、質素倹約で満足するが、小さな幸せに対する執着心は物凄く強い。そのため、大きなものを必死になって信じようとする。それが日本人の弱点だ。それゆえ、アメリカは常に日本を脅しつつ、その強さと大きさを見せて、この懐に入れば安心だと言い続ければいい。不安と安心の飴と鞭を使い続ければいいのである。
そういう日本支配のスペシャリストと小泉進次郎では、植民地支配に関する知力の点で、とてつもない差がある。その差はザビエルとヤジロウの差よりも大きく、キッシンジャーと中曽根の差よりも大きいだろう。その点では、小泉があっけなくCSISで洗脳されてしまったとしても、致し方ないと言える。グリーンからすれば、小泉はいつまでも「かわいい」忠犬である。
小泉進次郎の覚悟「国会では友人はできない」 - FNN.jpプライム
https://www.fnn.jp/posts/00338310HDK
戦後、GHQは優秀な忠犬を探し、岸信介を見出した。その後、キッシンジャーは中曽根を教育した。そして20世紀、CSISのマイケル・グリーンは小泉進次郎を教育した。戦後70年以上が経っても、日米のこうした主従関係はまったく変わっていない。アメリカという巨漢の主人の足元で、子犬は安心して夢を見るのである。
ただ、時が経つにつれ、蜜月の在り方も変わった。忠犬の知力は時が進むにつれ、低下する。昔と違い、ヤジロウは必ずしも優秀である必要はなくなった。岸信介、中曽根康弘、小泉進次郎というように、その知力は階段を転がり落ちるように劣化した。かつての忠犬は主人の悪巧みと共謀する狡猾な犬だったが、時が経ち、主人を信じる「かわいい」忠犬となってしまった。
岸信介は「昭和の妖怪」と呼ばれた鋭い頭脳を持つ軍用犬であったが、小泉進次郎はそれに比べれば愛玩犬でしかない。シェパードとポメラニアンくらいの違いがある。しかし、現在求められている総理大臣の資質はそんなものなのかもしれない。失言しない程度の知力があればいい。国民の人気があり、血統がよく、見た目がいいならば、忠犬はそれほど優秀でなくていい。その点では、これはこれで、コロンビア大学やCSISというアメリカの軍事的Intelligenceの傑作と言えるのだろう。
小泉進次郎という政治家を徹底分析してみる
https://toyokeizai.net/articles/-/291310?page=2
・CSIS、その歴史と日本との関係(8)
https://isoladoman.hatenablog.com/entry/2019/10/02/170519
1.ヤジロウの例:緒方貞子
ここまで順番にこのブログを読んできた読者の皆様には、バラバラに分割されたように見えたものが、いかに密接なつながりによって成り立っているか、よくわかっていただけたと思う。イエズス会、GHQ、CIA、CFR、CSIS、ジョージタウン大学、ジョンズ・ホプキンス大学、コロンビア大学、アメリカ軍、そして現代のヤジロウたち。それらは一見、別々のようであるが、実際には一心同体である。
その一つの具体例として、緒方貞子(1927-)がどんな人物なのか見てみよう。緒方貞子をGoogle検索すれば、元国連難民高等弁務官であり、上智大学名誉教授と出てくる。しかし、その経歴の上っ面だけを眺めていても、彼女については何もわからない。しかし、彼女がこれだけの華々しい出世街道を歩いたのならば、一つの仮説をもとに彼女について考えることができる。つまり、彼女もヤジロウなのではないかということである。
最近では上級国民や下級国民という言葉があるらしいが、白人の資本家が支配するこの世界では、日本人という人種自体が上級人種ではない。そのため、日本人が「上級」に近づくためには、上級白人の忠犬になる必要がある。それゆえ、彼女もヤジロウなのではないかという仮説をもとに、彼女の人的ネットワークを見てみよう。すると、彼女のまわりの人間が立派なヤジロウなのだとわかる。
彼女の夫は、日銀理事の緒方四十郎(1927-2014)である。緒方四十郎の父は緒方竹虎(1888-1956)である。竹虎は元朝日新聞副社長であり、吉田茂内閣の副総理である。覚えておられるだろうか。緒方竹虎は、CIAの忠犬9匹のうちの一匹である。竹虎のCIAコードネームは「POCAPON」(ポカポン)である。
Wikipediaで緒方貞子の経歴を見てみると、聖心女子大学英文科を卒業した後、ジョージタウン大学に留学したと出てくる。これは典型的なヤジロウの出世コースである。アンクル・トム(Uncle Tom)が小さな黒人小屋(Uncle Tom's Cabin)で一生を終えたくないのなら、宗主国の大学に進学すべきである。植民地の大学を卒業しただけでは、宗主国で相手にされない。
なおかつ、政治家や軍人やスパイを目指すなら、留学先も厳選すべきである。ハーバード大学やケンブリッジ大学、オックスフォード大学やパリ大学といった一般の日本人にとって有名な海外の大学に進学しても、学者になるならともかく、植民地経営のIntelligenceを学びたいのなら、そういったところに進学することは適切ではない。その点、彼女がジョージタウン大学を選んだことは適切である。
その後の彼女の勤め先も、POCAPON一族として非常に納得のいくものである。つまり、国連、外務省、ユニセフ、上智大学、JICAである。これらは全て、同じ村の中の様々な家である。つまり、名前も組織も別々であるが、出所は一つ、同じ穴である。こうした同じ穴の中で様々な職場を経験することを、回転ドア(Revolving Door)と言う。
2.Revolving Door:同じ穴のムジナ
この回転ドア(Revolving Door)がわからないと、世界支配の構造は永久にわからない。学校では絶対に教えないが、World Orderというものは、この回転ドア(Revolving Door)によって成り立っている。例えば、その高いコンピューター技術によって暴露以前までは出世街道を歩んでいたエドワード・スノーデン(1983-)も、様々な場所で働いてきた。肩書だけ見れば、若いわりには相当の転職を重ねてきたように見える。
スノーデンの職歴
2004年 アメリカ軍
2005年 NSA
2006年 CIA
2009年 DELLコンピューター
2013年 ブーズ・アレン・ハミルトン
20代から30代前半までの約10年で、スノーデンは五カ所の職場を転々としたことになっている。前の三つは公務員であり、後の二つは私企業である。しかし、実際には、彼が就職活動をしたのは一回だけである。最初の米軍への志願入隊だけが、彼が行った唯一の就職活動である。足の負傷によって除隊した後、彼はNSAからスカウトされて、その後はずっと同じ職場である。つまり、支配者による奴隷農場という職場である。それゆえ、彼が形式的に何回か転職をしていても、中身的には一回も転職はしていない。
ここで緒方貞子の経歴に戻ると、彼女もスノーデンと同じく、一回も転職をしていないと言える。国連、外務省、ユニセフ、上智大学、JICAというのは、形式的には別組織であるが、中身的には同じ穴である。
また、緒方貞子のWikipediaを読んでいると、興味深い文章を見つけることができる。
「2007年11月のデイヴィッド・ロックフェラー来日時には、回顧録出版記念パーティーの発起人を務めた」
なぜロックフェラー家の大ボスと彼女との間に親密な関わりがあるのか。普通に考えてもよくわからない。そこで、「緒方貞子 CFR」というワードでGoogle検索してみる。すると、彼女がCFR(Council on Foreign Relations外交問題評議会)のメンバーであることがわかる。Wikipediaには、偶然なのか意図的なのかはわからないが、彼女がCFRの一員であるとは書いていない。
そのようなキーポイントがわかれば、上記Wikipediaの謎の文章の意味も、よくわかってくる。CFRの名誉会長はデイヴィッド・ロックフェラーであるから、大ボスが来日したら部下が接待するのが当然である。緒方は英語に堪能であり、CFRやロックフェラーについてよく知っているのであるから、彼女が日本に滞在中のボスの面倒を見るというのは、当たり前なのだ。
なお、緒方貞子が理事長をつとめたJICAは、ロックフェラー財団との深い関わり抜きにはあり得ない組織である。それは陰謀論でもなければ、私の勝手な推測でもない。JICAのホームページに書いてあることである。
概要 | 事業・プロジェクト - JICA
https://www.jica.go.jp/activities/issues/special_edition/security/summary.html
3.緒方貞子とCSIS
肩書の上っ面だけを眺めるならば、まるで緒方貞子とCSISは無関係に見える。実際、緒方がCSISの職員だったことはない。それゆえ、マイケル・グリーンと緒方貞子は、まったく関係のない二者に見える。しかし、両者がともにCFRのメンバー、つまりロックフェラーのエージェントなのだとわかれば、彼らの職場が別であっても、同じ穴の住人なのだとわかる。
地上の穴だけを見るなら、穴は無数にある。国連、JICA、ロックフェラー財団、世界銀行、IMF、CIA、CFR、NSA、CSIS、イエズス会、ジョージタウン大学、上智大学、外務省、アメリカ国務省、アメリカ軍・・・全てを列挙しようとするなら、何日かかるかわからない。穴は無数にあるからだ。しかし、単純にわかることがある。それらの無数の穴が、地下で一つにつながっているということである。
色々な場所を出たり入ったりしているように見えても、それは同じ建物の回転ドア(Revolving Door)を通過しているだけである。緒方貞子も、マイケル・グリーンも、表だけ見れば、様々な職場で様々なことを経験している人物に見える。確かに、彼らは様々なことを経験し、様々な知識と技能を身につけたであろう。しかしどの部署に属していようとも、彼らはずっと同じ仕事しかしていないとも言える。
つまり、世界人口の5%が残りの95%を支配するWorld Orderに彼らは属し、その支配システムの維持管理のために働いてきたということである。緒方貞子とマイケル・グリーンは、片方は国連で片方はCSISであるから、肩書的にはまったく関係のない人物である。しかし、彼らは同じ村の構成員である。だから、関係のないように見える二人の職場が、ある時に重なっても、まったく不思議はない。彼らは同僚になる以前から、同じ穴のムジナだったからである。
マイケル・グリーン 上智大学特任教授就任
https://www.sophia.ac.jp/jpn/news/PR/2017/1002001.html
・CSIS、その歴史と日本との関係(9)
https://isoladoman.hatenablog.com/entry/2019/10/09/165300
1.カポー
かつてナチスは、アウシュビッツなどの強制収容所において、カポーと呼ばれるユダヤ人管理者たちに、ユダヤ人の管理をさせた。ユダヤ人を強制労働させる際に、彼らにムチを打ったのは、ドイツ人よりもむしろ、カポーと呼ばれたユダヤ人であった。ヴィクトール・E・フランクル(1905-1997)は、次のように書いている。
夜と霧 V.E.フランクル 霜山徳爾訳 みすず書房 76頁
囚人が飢え、そして飢え死にしている間に、カポー達は少くとも栄養の点では悪くなかった。それどころか若干のカポーは、彼の生涯で今までなかった程、恵まれていたのであった。従ってこれらのカポーのタイプは心理的・性格的にはナチス親衛隊員や収容所の看視兵と同じように判断されてよい。すなわちカポーは彼等と心理学的・社会学的に同化したのであり、彼等に協力したのであった。カポー達はしばしば収容所の看視兵よりも「手厳しく」普通の囚人を悪意をもって苦しめた人々であり、例えば親衛隊員すらよりも遥かに多く普通の囚人を殴打したのであった。そういう行為に適した囚人だけが一般にカポーになったのであり、この意味において「協力」しなければ直ちにおとしめられたのである。
ユダヤ人をムチで激しく殴打したのはユダヤ人であった。これはナチスが発明したメソッドではない。西洋で長年にわたり蓄積してきた植民地支配のノウハウの一つである。ムチで打つのは疲れるし、相手にも怨まれる。罪悪感も生じる。どう考えても、いい仕事ではない。それゆえ、奴隷にムチを打つ役割は、宗主国の人間よりも、現地人のエージェントに担わせる方がよい。
これまで、植民地管理の手法と歴史について見てきたので、これから、現代の植民地支配機関であるCSISと日本との関わりについて、具体的に見ていきたいと思う。日本におけるCSIS関連人物や関連組織、つまりカポーやカポー団体について列挙し、CSISと日本との具体的な関係性について考察していきたい。
2.日本のカポーたち
(1)笹川グループ
笹川良一(1899-1995)は戦前の右翼系暴力団の大物として有名であるが、戦後は巣鴨プリズンに入った後、CIAのエージェントとなっている。戦前、彼は国粋大衆党のボスであったが、当時の部下だった児玉誉士夫(1911-1984)も、戦後はCIAのエージェントになっている。児玉と最も親密な政治家が、中曽根康弘であった。
日本財団グループは、建前的には笹川良一の言う「人類みな兄弟」の精神を体現する組織ということになっているが、中身的には「人類みなCIA」の精神で成り立っている。それゆえ、ボスだけでなく、部下たちも皆CIAである。例えば、郵政民営化の運動で小泉純一郎というエージェントと一緒に活動し、日本人の郵貯財産を全てモルガンなどの白人たちに譲渡した竹中平蔵は、東京財団の元理事長である。
グループ内組織の一つ、公益財団法人笹川平和財団は、2013年、CSISと共同で日米の政策立案者と研究者から成る「日米安全保障研究会」を設立した。日本からは羽生次郎(笹川平和財団会長)、山口昇(防衛大学教授)、折木良一(元統合幕僚長)、加藤良三(元駐米大使)、田波耕治(元大蔵事務次官)といった錚々たる人物たちが参加している。
笹川平和財団 SPFフェローシップ
https://www.spf.org/_jpus-j_media/fellowship/spf.html
日本の官僚や自衛隊のトップは、CSISと一心同体であることがわかる。笹川グループはその仲介役を担っているのである。笹川グループは、笹川良一というヤクザ兼CIAエージェントを教祖とする巨大グループであるが、笹川亡き後も、その役割は変わっていない。つまり、ヤジロウとして宗主国に仕えることである。
(2)松下政経塾
MRA(Moral Re-Armament 道徳再武装運動)には岸信介や中曽根康弘といった政治家のみならず、松下幸之助などの財界の大物も参加した。共産主義者や労働組合の大嫌いな松下幸之助は、反共産主義運動としての道徳再武装運動に参加したのである。彼はそこで抜け目なくロックフェラーなどの国際的な人脈とつながり、松下グループをさらに発展させるためのきっかけを持った。
その松下が70億の私財を投じて設立した私塾が松下政経塾である。当然、松下がつくった塾である以上、ここの門下生たちはロックフェラーのエージェントとなる。つまり、エネルギー産業や軍需産業に「No」を言わない人材となる。卒業生には自民党の政治家だけにとどまらず、野党議員も多数いる。また、政界のみならず、学界、経済界、マスコミにも多くの人材を輩出している。つまり、カポーによるカポー養成機関である。
松下政経塾 卒塾生の進路
https://www.mskj.or.jp/almuni/index.html
宗主国からすれば、植民地の奴隷が自主的にカポーを養成してくれることは、大変都合のいいことである。また、政界だけでなく、幅広い分野にカポーを広げてくれること、あるいは自民党だけでなく、野党にもエージェントが分配されていることは、宗主国にとって大変に都合のいいことである。
民主党政権時代の野田佳彦や前原誠司も、松下政経塾出身のエージェントである。それゆえ、民主党野田政権時代の日本も、CSISと一心同体であり、看板以外は基本的に安倍政権と同じである。
ハムレ米戦略国際問題研究所(CSIS)一行による野田総理大臣表敬
https://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/1210_usa_3.html
竹下派七奉行の一人として自民党の大物政治家だった渡部恒三(1932-)は、後に民主党最高顧問となっている。彼は2012年に政界を引退している。長男の渡部恒雄(1963-)はCSIS非常勤研究員であり、笹川平和財団上席研究員である。
(3)稲盛和夫
稲盛和夫は日本のビジネス界におけるビッグネームであるが、最近では「生き方」「働き方」「心」などの人生論関係の本も多数出しており、ビジネスの枠にとどまらない、カリスマ的存在である。どこの本屋においても稲盛のコーナーがあり、彼はまさに、日本人にとって、人生の師匠のような地位を築いている。しかし、もともと松下幸之助(1894-1989)に心酔していた彼は、松下と同様、ロックフェラーのエージェントである。稲盛和夫は松下政経塾の相談役でもある。
彼は日本の政界や財界とCSISをつなげるパイプ役である。現在、財界では最もCSISとつながりの深い人物が稲盛であり、彼は「アブシャイア・イナモリ リーダーシップ・アカデミー」(Abshire-Inamori Leadership Academy 略称AILA)をCSIS内に設立している。
なお、アブシャイアとはDavid Manker Abshire(1926-2014)のことであり、ジョージタウン大学出身の軍事と諜報の専門家である。彼はCSISの創設メンバーの一人であり、ミサイル問題にも精通していることから、レーガン政権時代にはNATOの大使を務めたこともある。
・CSIS、その歴史と日本との関係(10)
https://isoladoman.hatenablog.com/entry/2019/11/03/133204
1.政界、財界とCSIS
第三十一回ブログで、CSISとつながりの深い日本のカポーおよびカポー団体を取り上げた。しかし、そもそも経団連という組織自体がCSISと深いつながりを持った団体であるから、日本の経済界のトップで、CSISとつながっていない人物を探す方が困難である。
米戦略国際問題研究所(CSIS)と懇談
https://www.keidanren.or.jp/journal/times/2014/0731_04.html
政界も同様であり、CSISとつながりを持てない政治家や官僚は、出世できない。カポーまで出世できない日本人は、カポーに使われる地位に甘んじる他はない。それゆえ、政界人や財界人は、必死で英語を勉強したり、アメリカの大学に留学したり、アメリカ人とつながりを持とうとして頑張るのである。
防衛省がCSISに毎年職員派遣 6年間で3億円寄付も
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/11453
2.マスコミとCSIS
日本における二大新聞は読売と朝日である。この二社は新聞屋にはとどまらない。雑誌やテレビ局などを保有する総合メディア企業である。この二社は、反対のカラーを持っているとされている。すなわち、読売が右翼的・保守的な顔を持ち、朝日が左翼的・革新的な顔を持っていると、一応見なされている。しかし、そういった表の顔はカモフラージュなので、どうでもいいことである。
実際には、両紙ともにCIAのエージェントである。正力松太郎(読売新聞)のコードネームは「PODAM(ポダム)」であり、緒方竹虎(朝日新聞)のコードネームは「POCAPON」(ポカポン)である。つまり、戦後の読売と朝日は、CIAのエージェントによって経営された会社である。これは現在まで続いていることであるから、どちらが保守でどちらが革新なのかは、ある意味どうでもいいことである。ライバルのように見えながら、両社の親会社は同じである。
この巨大二社を補う地位にある経済専門紙が、日本経済新聞である。日経は巨大二社のような総合新聞ではなく、現役バリバリのビジネスマンをターゲットにした新聞である。そのため、CIA新聞のような総花的な新聞ではなく、より現場感覚を持ったCSIS新聞としての役割を果たしている。
日経・CSISバーチャル・シンクタンクの概要
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO24771720Y7A211C1M13100/
読売や朝日や日経を読んでも無意味だと言いたいわけではない。情報収集として、これらの新聞を読むことが有益な場合もある。ただし、こういった巨大紙はCIAやCSISが毛細血管にまで行き渡ったカポーであるから、こういったペーパーに日本や国際情勢の真実を期待しても無駄である。逆に、割り切って読むのなら、巨大紙を読むことも有益であろう。
3.メディアによる植民地管理
CSISは、形式的には単なる民間のシンクタンクである。だから、彼らが日本に対して行う命令は、形式的には単なる提言であり、参考意見にしか過ぎない。だから、そういった意見を実際に政策として日本政府が実行するかどうかは、形式的には自由である。つまり、形式的には日本政府はCSISの提言を無視する権利がある。日本は、形式的には独立国だからである。
しかし、形式はともかく、内容的には日本は独立国ではない。つまり、CSISの提言を無視するなんてことは恐ろしくてできない。それゆえ、政治、経済、マスメディアはCSISの言いなりとなる。副島隆彦は、CSISに逆らった田中真紀子がどうなったか、次のように述べている。
売国者たちの末路 副島隆彦 植草一秀 祥伝社 201頁
2002年1月に、田中角栄の娘である田中真紀子外務大臣を追い落とす動きがありました。リチャード・アーミテージ国務副長官が、自分と会わないと言った田中真紀子に怒り狂ったのです。真紀子大臣は、アメリカが日本に押しつけようとした、合計で4、5兆円もするMD(missile defense ミサイル防衛網)を買うことに反対し「日本は中国と敵対する必要はない」という考えからです。それで「田中真紀子を潰せ」となって、アーミテージは後藤田正晴事務所で岡崎久彦さん、佐々淳行さんと話し込んだそうです。
そしてこのあと、日本のテレビ局5社、新聞5社の政治部長たちを集めて、裏の政治部長会議が開かれた。次の日から一斉に田中真紀子叩きが始まりました。このようなかたちでアメリカは、今も日本のメディアを自分たちの手足として操って使います。
副島隆彦は同書において、頻繁にテレビ出演していた政治評論家の森田実が、突然、テレビに出なくなった理由を次のように語っている。
売国者たちの末路 副島隆彦 植草一秀 祥伝社 205-206頁
政治評論家の森田実さんはテレビから追放処分を受けました。森田さんは、フジテレビの「めざましテレビ」にレギュラー出演していたのですが、突然、出られなくなりました。その理由は、郵政民営化の裏側の真実を森田さんが暴いたからです。
5社・5社に合計で5000億円が流れた。郵政民営化法(2005年10月成立)のために日本国民を煽動する。その宣伝広告費として、アメリカが日本のメディアに5000億円を投入した。テレビを使って日本国民洗脳をやった――と森田さんが書いて、それでテレビに出演できなくなりました。森田さんから私は直接、聞きました。
テレビ局の社長が、森田さんにはっきり言ったそうです。「電通の意向があって、森田先生はわが社ではもう使えない」と。こういう恐ろしい事実があるのです。森田実さんの言葉を拝借すれば、今の日本のテレビはまさに国民に向けられた刃物になっている。
勘違いしてはいけないのは、御主人に逆らう奴隷を始末するのは、アメリカ人ではないということである。奴隷を始末する処刑人も奴隷である。白人は直接に手をくださない。日本人のカポーが、日本人に対して、ムチを打つのである。こうして今日も日本という植民地は、日本人カポーによって安定的に経営される。反逆や革命とは無縁な、穏便な日本社会が維持されるのだ。
ただ、カポー達のこうした行動は、一概に祖国に対する裏切りとは言えない。カポー達はある意味、日本人のニーズをみたしたいという動機から行動しているのだと言える。日本人は冒険よりも安定を好む。安定は希望である。日本人は真実を知って心が不安定になるよりも、安定した現状維持(ゆっくりとした滅亡・ゆでガエル)を求める。そんな日本人の心のニーズをみたすために、カポーたちは今日も頑張っている。
カポー達は、日本国民に夢を提供したいのだろう。国民の方も、日本は独立国であるという夢を信じたい。信じさせたいカポーと、信じたい国民の共犯関係により、この国の夢空間は成り立っている。そこでの日本人は主権を持った独立国の国民である。日米関係は対等である。日本は誇り高き世界の先進国である。
寝た子を起こせば、その子は起こした相手を怨むだろう。カポー達は確かに安定した収入と自己保身からカポーという仕事をやっている。しかし、彼らの動機はそれだけではない。それは、夢空間を壊したくないという動機である。つまり、カポー達は宗主国の味方であると同時に、この夢空間の味方なのである。
・CSIS、その歴史と日本との関係(11)
https://isoladoman.hatenablog.com/entry/2019/11/10/142444
1.植民地における司法制度
司法制度とは、国家が犯罪者などの無法者を捕まえる制度である。警察、検察、裁判所、刑務所によって成り立っている。これが司法権である。司法権の内容については、刑法などの法律に明文化されている。
明文化されている犯罪は、皆がよく知っている犯罪である。殺人や窃盗などの犯罪によって国民が害された場合、加害者は司法制度によって裁かれるわけである。しかし植民地の場合には、明文化されていない犯罪がある。それが、宗主国反逆罪である。これは六法に載っていない犯罪であるが、司法制度によって裁かれることとなる。
国民は、刑法の条文に載っている犯罪をしなければ警察に捕まらないと勝手に思い込んでいる。しかし、植民地における警察は、二つの役割がある。これは植民地経営の基本であるが、普通の日本人は極めて無頓着である。二つの役割とは、(1)現地の犯罪を取り締まること、(2)宗主国の利益に反する人物を取り締まることである。
宗主国反逆罪で逮捕された人物は、例えば、経済学者の植草一秀氏である。氏は、郵政民営化に反対であるとTVなどで発言し、小泉、竹中を批判した。また、当時の自民党の実力者である青木幹雄、野中広務、亀井静香らは、竹中を引きずりおろし、植草を後釜の大臣に据えようとした。
これは明文化された日本の法律では合法であるが、明文化されていない法律、すなわち宗主国反逆罪の観点からすれば違法である。日本人の郵貯資産300兆円は、アメリカの国際金融資本家が全ていただくということに決まっていたからであり、この計画に反対することは宗主国に対する反逆だからである。植草氏が民営化に反対した理由は、これが「民営化」ではなく「米営化」であったからである。郵政の「米営化」については、経済学者の菊池英博氏の以下の著書が参考になる。
やっぱり郵政民営化は郵政私物化であり、郵政米営化だった
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/181388
菊池氏のような地味な学者と違い、植草氏はTVに頻繁に出ていたため、国民に対する影響力が大きかった。そのため痴漢を捏造され、氏は逮捕されることとなった。その経緯については「売国者たちの末路」(副島隆彦 植草一秀 祥伝社)に書かれているので、興味のある方はそちらを読んでいただきたいが、植草氏の例は氷山の一角に過ぎない。
例えば、政治学者の白井聡は、元外務省の佐藤優と対談した時に、次のような話を聞いたそうである。佐藤優も、宗主国反逆罪によって逮捕された経験がある。
属国民主主義論 白井聡 内田樹 東洋経済新報社 35頁
佐藤優さんとお話をしていて爆笑したことがあります。本人がなぜ自分が逮捕・起訴されることになったかを端的にこう説明したのです。「僕だってね、全然対米従属派だよ。『日米安保体制、これは日本外交の基本、堅持するべき』って言ってたんだけどね。外務省主流のアメリカ追随派はこう思ったらしいんだな、『お前の言葉には真心を感じない、口先だけだ』。で、真心を感じてもらえなかったから牢屋に行く羽目になった」。そうです、まさにこの「真心」の問題なんですね。
安倍政権は戦後最長の政権であるらしいが、これは安倍政権が「真心」に満ち溢れた政権であるからであろう。もちろん、日本人も一枚岩ではないので、いつの時代も、常に宗主国に反逆する人物は存在する。しかし、政界、財界、マスコミの三界の主流派はカポーであるし、警察、検察、裁判所の主流派もカポーである。そのため、反逆者がのし上がってくると、カポーはそれを取り締まる。
国民は「警察」や「検察」という言葉を聞くと、犯罪を取り締まるプロだとイメージするかもしれない。確かに彼らは犯罪取締のプロである。しかし、彼らは窃盗や殺人などの取締のプロであるのみならず、植民地に反逆する人物(あるいは真心に欠けた人物)を取り締まるプロでもある。それゆえ、植民地の住人で、それなりの地位にある人は、刑法に違反していなくても、宗主国に対する「真心」が不足していないか、常に注意しなければならない。
2.軍事、薬物、食品、原発
政界、財界、司法界、マスコミがCSISと一心同体なのであるから、CSISの動向を見ることは、日本の現在と将来を見ることである。CSISの基本政策は、植民地支配であり、その背後にはアメリカの軍産複合体などのグローバル企業がいる。つまり、そういった企業の利益になるための政策が、日本で実行されるに決まっている。
イージス・アショアについては、第二十二回ブログで取り上げたが、秋田と山口にイージス・アショアが設置されることも、CSISの意向であるから決定事項である。秋田と山口で市民による反対運動が起きているらしいが、日本政府からすればそんなものはどうでもいい。
共産党などの野党は安倍政権が間違っていると言うが、イージス・アショアは安倍政権がやりたがっている政策ではない。彼らは命令に従っているだけである。野党は全て安倍政権が悪いように言うが、それは焦点をずらすためである。安倍政権という日本人カポーを攻撃し、CSISという親玉についてはほとんど語らない。その点では野党も与党の共犯者である。
こうした軍事面のみならず、CSISの提言(命令)は、国民の健康問題にも深くかかわってくる。アメリカの製薬会社を儲けさせるために、日本人の体に危険な薬物が注入される。しかし、既にCSISは日本の医療界にも深く食い込んでいるために、厚労省や医師会も含め、日本の医療界はCSISの提言(命令)に反対しない。
【開催報告・政策提言】CSIS-日本医療政策機構 共催 グローバル専門家会合
https://hgpi.org/events/686.html
子宮頸がんワクチンが、日本の医療界やマスコミでこれだけ強力にアピールされている背景には、CSISがある。
外資系製薬会社の“実験場”日本(フリージャーナリスト 横田 一)
http://cpri.jp/1546/
フォート・デトリック(Fort Detrick)を中心として生物兵器開発に余念のないアメリカは、バイオ先進国でもある。そうした兵器の開発は、民間用としては薬物やバイオ食品に転用される。つまり、危険な食品を製造するプロであるアメリカの食品会社は、常に買い手を世界中に探している。そうした企業群は、当然にアメリカの政治家やシンクタンクのスポンサーとなっている。彼らからすると、食品や薬品の危険性に無頓着な日本人は、いいカモである。
猪瀬聖 ゲノム食品解禁にトランプの影
https://news.yahoo.co.jp/byline/inosehijiri/20190802-00136669/
また、日本国民の過半数が原発の再稼働に反対でも、CSISが原発再稼働を提言(命令)するなら、日本の政・財・官・マスコミの四角形は一体になって、再稼働に邁進する。彼らからすれば、世論調査の結果なんてものはどうでもいい。カポーは上からの命令を忠実に実行することしか考えない。
世論調査―質問と回答〈福島県、2月23、24日実施〉
https://www.asahi.com/articles/ASM2T4TW2M2TUZPS007.html
「日本は原発を放棄するな」“アーミテージ報告書”驚愕の内容
https://biz-journal.jp/2012/09/post_706.html
3.カポー新聞のオトボケ報道
CSISの忠実なるカポーである日経新聞は、次のような「とぼけた」報道をする。
原発ゼロ、日本に再考促す 米CSIS所長
https://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1204L_S2A910C1FF2000/
日経はこの記事で、「日本側は長島昭久首相補佐官らを派遣して米政府に説明する考えだ」と書いている。しかし、長島自体がジョンズ・ホプキンス大学出身のカポーであることは、日経というカポー新聞の記者ならよく知っているはずである。
長嶋は衆議院議員になる前は、CFR(外交問題評議会)の研究員であり、ここでアーミテージやマイケル・グリーンとつながりを得ている。これは陰謀論でもなければ裏情報でもなく、本人がホームページで堂々と述べていることである。
長島昭久|プロフィール
http://www.nagashima21.net/profile.php
長島は議員になる前は研究員であり、その職場は、CFR、ジョンズ・ホプキンス大学、東京財団というRevolving Door(回転ドア)である。当然、こうなるとCSIS人脈ともつながりが深いに決まっている。つまり、彼が渡米して米政府に原発に関する日本側の立場を説明するといっても、支店のムジナが本店に挨拶に行っているに過ぎない。つまり、茶番劇でしかない。日経はそういうカラクリを知っていながら、このようなとぼけた報道をする。
結局、カポーからすれば、国民のほとんどが原発に反対であることは問題にはならない。カポーが見ている顔色は、常にご主人様の顔色である。それゆえ、ご主人様が原発再稼働と言うのなら、カポーは「わかりました!」と言って再稼働するのみである。
日経が報じているように、日本政府は「2030年代に原発稼働ゼロ」と述べている。しかし、そんなことは政府も日経も信じていない。というか、そんな先のことはどうでもいいのである。2030年代に原発がどうなっているかは、ご主人様の命令次第であって、日本人が決めることではない。日本人はその時々のご主人様の命令に従うだけなのである。
・CSIS、その歴史と日本との関係(12)
https://isoladoman.hatenablog.com/entry/2019/11/17/162606
今回で、12回にわたったCSISシリーズを終了したい。
1.カポーと一般国民の格差
CSISは、形式的にはアメリカのシンクタンクであり、小さな民間団体に過ぎない。しかし、その背後には在日米軍やアメリカ企業などがおり、その人脈を辿るとCFR(Council on Foreign Relations外交問題評議会)に行き着く。そのため、店の規模として小さなものであっても、その厨房の裏口のドアは、相当に大きなものへ通じている。
アメリカの政権は4年または8年で変わる。日本の政権も数年で変わる。となると、実質的に両国を動かしている権力はそうした表舞台ではなく、継続的な裏舞台だと考えられる。裏舞台には選挙による交代がない。すなわち、官僚、企業、司法、軍隊、大学、シンクタンク、マスコミである。そうした顔の見えない団体が、国家における実質的な権力を握っている。
この制度は、日米両国の国民のほとんどにとっては、利益にならない。アメリカの国民のほとんども、貧困に喘いでいる。植民地の人々は宗主国の搾取によって青色吐息であるが、宗主国の国民も青色吐息なのだ。しかし、いつまで経っても、このシステムが転覆される兆しはない。これは、民主主義という奴隷制度が非常にうまくいっていることの証明である。
これは、青色吐息の国民が、民主主義という形に騙されるということである。国民は選挙権を持っているために自分を主権者だと勘違いするが、実際にはA党もB党も同じボスの配下にいるエージェントである。保守系の新聞も革新系の新聞も、同じ穴のムジナである。TVニュースは絶対に本質を語らない。官僚や学者や警察は、カポーである。彼らは自分が下層階級に落ちないために、必死になって自国民に対してムチをふる。
それゆえ、日本政府がCSISの言いなりになっていることを山本太郎が国会で取り上げても、日本社会は冷ややかなものである。マスコミも取り上げない。なぜなら、カポーからすれば、そんなことはあまりにも当たり前すぎて、真正面から言われてもシラけるだけだからだ。政治学者の白井聡は、この点について、次のように述べている。
属国民主主義論 白井聡 内田樹 東洋経済新報社 26頁
ところで、国会で山本太郎議員が、「安倍政権の目玉政策はアーミテージ・レポートの引き写しではないか」と追及したことがあります。その指摘はまったく正しいわけですけれども、それを聞いたときの他の議員たちの反応が象徴的でした。「それを言ったらおしまいだろう」とでもいう雰囲気で、妙にシラケたものでした。「そんなことぐらい、国会議員ならみんな知っている。知っているけれどそれを口に出さないことで、俺たちは国会議員ごっこ、政治家ごっこができるんじゃないか。それなのに、お前は何を野暮なことを言ってるんだ」という反応で、「日本はアメリカの属国である」という状況を完全に容認してしまっている。「こいつらが日本国民の代表なのか」と思ったら、猛烈に腹が立ってきましたね。
「今回の安保法案は、第3次アーミテージ・ナイ・レポートの完コピだ!」
https://www.taro-yamamoto.jp/national-diet/5047
多くの日本人は、日本という国が平等社会であることを夢想している。しかし、実際にはその格差は凄いものである。格差の源は物質的なものに限らない。年収や貯金額の格差は、知的格差に比べれば重要ではない。甚だしい格差は知識の格差である。カポー達からすれば、CSISに関する知識は当たり前なことであるが、奴隷たちはCSISの存在すら知らない。
こんな状況で選挙に行って国政の在り方を決めろと言われても、サルの投票に等しい。何も知らない人達が何色のカポーを選ぶかという選挙をしても、カポーが奴隷にムチを打つという構造は変わらない。ムチの色が青から赤に変わっても、ムチであることに変わりはない。同じように奴隷はムチで打たれ続け、警察は反逆者を逮捕し、マスコミはそれを報じない。
マスコミはいつでも、国民に対して「選挙に行け!」と言って煽るが、彼らは選挙によっては何も変わらないことをよく知っている。肝心なことを報道せず、事実を隠しながら、「投票に行こう!」と言って国民を煽り続ける。国民もそのカラクリを知らないために、「打倒安倍政権!」のデモはするが、「打倒CSIS!」のデモは絶対にしない。
宗主国からすれば、これは大変に都合のいいことである。日本人がアメリカ人ではなく、カポーを恨み、日本人同士で喧嘩することは、「分断して統治せよ」という植民地支配の大原則に合致するからである。植民地の有色人種は何百年もこれに気づかず、仲間内で喧嘩をし続ける。常に分断され、同じ民族同士で喧嘩をさせられるのである。
なぜ有色人種はいつまで経っても、いいように支配され続けるのか。それの原因が知的格差である。宗主国と植民地の間には相当の知的格差があり、カポーと一般国民の間にも相当の知的格差がある。カポーからすればCSISが日本を牛耳っていることは常識だが、一般国民は何も知らない。
CSISのことを一言も述べない野党は、その点では与党の共犯者である。彼らは喧嘩するフリをしながら、宗主国の支配体制を支え続ける。マスコミも同様であり、左翼風情のメディアは安倍政権を批判するが、CSISのことは一言も述べない。そうやって彼らも支配体制を下支えする。こうして、一般国民は真実を知らされないまま、無駄な選挙が繰り返され、宗主国に搾取され続け、今日もTVでは茶番劇の政治論争が繰り返されるのである。
2.日本人という人殺し
日本がアメリカの奴隷であるということは、日本人が頑張って働いたことの利益がアメリカの企業に吸い取られることを意味している。また、軍事、医療、食品、原発といったアメリカ企業の奴隷になることは、それらによる健康被害を日本人が甘んじて受けるということを意味している。しかし、問題は経済的な損失や健康問題のみではない。もっと深刻な問題がある。それは、日本人が人殺しの共犯者になることである。
日本は主権国家といえるのか? 米軍優位の日米地位協定・日米合同委員会と横田空域(16)
http://www.asiapress.org/apn/2019/09/japan/nichibei-16/
CSISは、アメリカの安全保障政策にもっと積極的に参与して欲しいと日本に対して言う。これは具体的に言えば、アメリカが実行する戦争に日本人も手を汚し、血に染まりながら参加してほしいということである。
かつて、イエズス会が日本に来た時には、彼らの目的は布教であった。もちろん、その先には侵略と占領という目標があったが、それは遠い目標であった。その後、GHQが日本を占領し、CIAは日本の毛細血管に行き渡った。そして現在では政策センターであるCSISが、戦争という公共事業に、もっと積極的に参加してもらいたいと、積極的に日本に働きかけている。
それは、日本人が対岸の火事として戦争を眺めることではない。現場で血と汗を流して欲しいという要求である。その要求は今後、ますますエスカレートしてくるだろう。中東でCIAが行っているスパイ活動を自衛隊にも手伝って欲しい。中東でばら撒く生物兵器を日本の研究所で開発してほしい。中東に自衛隊を派遣して、現場で戦闘に参加して欲しい。
陸自のレンジャー隊員だった井筒高雄さんは、アメリカ軍が望んでいることは兵站部門のアウトソーシングであり、安保法制は戦争ビジネスの一環であると述べている。補給部門は戦闘現場の生命線であるから、当然、死傷者が出る確率も高い。補給が途絶えれば現場の兵士は窮地に陥るため、相手も補給部隊を狙ってくる。
イラク戦争で4000人以上のアメリカ人が死に、30000人以上の負傷者が出ている。アメリカからすると、再び中東での戦争で米兵が大量に死ぬと、アメリカ世論がうるさい。しかし、自衛隊員が死ぬのならアメリカとして損はない。それゆえ、米軍は自衛隊が兵站部門を担うことを期待している。
11・26 井筒高雄浜松講演「自衛隊と日本はどう変わるのか」
http://www.pacohama.sakura.ne.jp/no15/1511idutu.html
例えば中東で戦争が起こり、自衛隊が前線で兵站部門を担うとなれば、日本人はもう傍観者ではない。間接的な犯人ではなく、直接的な戦犯である。そうなった場合、日本人お得意の「知らなかった」という言い訳を被害者が聞いて納得してくれるだろうか。人殺しをしておいて、「自分は目の前の仕事を黙々とやっただけだ」という言い訳が通じるだろうか。
日本社会では、「知らなかった」という言い訳や、「上からの命令で仕方なくやった」という弁明は、非常に受け入れられやすい。この言い訳はあまりにも効き目があるために、我々はあえて余計なことに首を突っ込まないようにして生きている。「知りすぎた人」にならないようにしているのだ。しかし、日本社会で受け入れられる言い訳が、外国でも通用するとは限らない。
知らない間に戦争に巻き込まれ、知らない間に自衛隊が人殺しをしても、その責任は日本国民全体が取ることになる。中東で起きる殺人の報復として、将来、東京でイスラム教徒の自爆テロが起きるようになっても、それは日本人全体が責任を取らなければならない。戦争で金儲けをする人達の言いなりになって生きてきたことの責任は、無知の日本人も含め、全員で取らなければならないのである。
https://isoladoman.hatenablog.com/entry/2019/09/25/153534
1.植民地における「四方良し」の構造
有色人種を戦争で打ち負かし、奪い取った領土から利益を搾り取るために、およそ500年にわたって研究を重ねてきた人達がいる。彼らにとって、植民地支配は国家の基幹事業である。しかし、私がそれを「悪」だと言って非難しても、世界は何も変わらない。このブログの目的は、隠された「悪」を告発することではない。事実を知ることによって自分自身の物の見方を変えることが目的である。
相手を非難することは非生産的であるが、相手を知ることは生産的である。彼らの思考様式がわかれば、我々のような平和ボケの日本人であっても、日常のニュースをまったく違ったものとして見ることができるようになる。軍事と学問と市民生活は、深い関係にある。この観点を基準点として、日常のニュースを読み解けばいい。
そのスコープから見えてくるものは、この日本という国も、いつの間にか軍産複合体に組み込まれているという事実である。例えば、四国の田舎に、官邸の肝いりで農獣医系の大学が新設される。日本のマスコミは右も左も官邸の味方であるから、頓珍漢な論点で騒ぎ立てる。つまり、総理大臣のお友達を税金で優遇するのかという問題で騒ぎ立てるのだ。
これは明らかにトリックである。日本においては、毛細血管にいたるまでCIAが入り込んでいる。ある新聞記者が病気で入院したら、CIAの人がお見舞いに来るわけである。となると、大手マスコミが本当のことを書くはずがない。しかし、何も書かないのでは仕事にならない。それゆえ、本題とは別のところを論点にして騒ぎ立てる。そうやって、国民に本題が見えないようにする。これがプロのマスコミの仕事である。
見えにくい本題は、政府と軍事と学術研究の深い関係である。つまり、あえて人口の少ない地域にバイオ関係の研究施設を新設するわけである。となれば、話の筋は見えてくる。生物兵器の開発である。つまり、フォート・デトリック(Fort Detrick)の下請け的な仕事である。最先端の生物兵器は、甚大な殺傷力を持つので、万が一漏れた場合のことを考えると、人口の少ない地域でなければ困るわけだ。
そう考えると、問題はお友達行政よりもセキュリティである。最先端の生物兵器がそこにあるとなれば、それを欲しがるテロリストは世界中にいる。果たして、四国の学園の横には、それをガードするための自衛隊の基地はあるだろうか。これは東京都武蔵村山市の感染研でも同じことである。エボラ関係のウィルス兵器を、どこかの国の手練れの軍人が盗みに来た時、警備員や警察官で対処できるはずがない。
しかし、自衛隊による物々しい警備をしてしまうと、市民に怪しまれてしまう。そこで、官僚はいつもの得意技で対処する。すなわち、「事故は起こらない」という信仰を持つのだ。この信仰は思考停止である。マスコミも含め、皆でこのことを考えないようにする。戦前から現在にまで続く日本人の伝統芸である。
高致死率ウイルス初輸入へ 今夏にもエボラなど 感染研「了承」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019053102000141.html
この記事は、感染研に危険なウイルスが入ってくる理由を、「東京五輪・パラリンピックを踏まえ、多様な国の人が集まり感染症が持ち込まれる可能性に対処するため」と述べている。しかし、それは政府発表を九官鳥のようにそのまま言っているだけである。真実を知りたい人からすれば、その政府発表が果たして本当であるかをジャーナリストに調べてもらいたいわけである。
もちろん、感染症対策としてウイルス研究をするというのは本当であろう。しかし、研究所と軍事力の深い関係という視点からすれば、それだけの理由で大量の税金が動くとは思えない。政府発表は嘘ではないが、氷山の一角しか言っていないはずである。そして、ベテラン記者なら、そのことに気づいているはずである。
しかし、日本の場合はこれでいいのだろう。宗主国からすれば、植民地の奴隷たちが軍事情報について知る必要はない。政府からすれば、政府が憲法違反をしていることを国民が知る必要はない。新聞記者からすれば、余計なことを言って左遷されるよりも、つまらない記事を書いて年収1000万を確保する方がいい。国民からすれば、恐いことは知りたくないので知る必要はない。
これはまさに「三方良し」ならぬ「四方良し」である。「良し」と言っても、日本国民にとって「良い」わけではなく、支配者にとって「良い」わけである。しかし、宗主国にとって都合の「良い」体制を下支えしているものは、国民の「知りたくない」という心情である。これがわかると、支配者と奴隷の共犯関係が見えてくる。
2.国民の思考停止が植民地経営を下支えする
戦前において、真っ当な精神の日本人は「この戦争、負けだな」と心の中で確信していた。しかし、それを口に出して言うことは、治安維持法違反の疑いがあり、逮捕される可能性があった。戦後、治安維持法はなくなったが、この伝統芸自体は続いている。例えば、熊本県の内科医、小野俊一さんは、東京電力の社員の信仰心について著書(「フクシマの真実と内部被曝」七桃舎)の中で述べている。
彼は医師になる前は東京電力で働いていた。小野さんは、東京大学を卒業後、東電に就職した。若い時の彼は、まだ日本の伝統芸を十分に理解していなかったのだろう。放射性廃棄物を1000年間どうやって東電が管理するのか。そういう真っ当な疑問を持ったわけである。しかし、そういう疑問を持った若手達を、当時原子力技術課長であった武藤栄氏は一喝したそうである。「東電がきちんと管理すると言っているのになぜ納得しないんだ!納得しないのはおかしい!」
日本社会においては、疑問を持たずに黙々と働くことが推奨される。だから、戦前の日本では「こんなことやってても負けるんじゃないか」とか「竹やりの訓練は何のためにやるんだろう」とか考えずに、ただ言われたことを黙々とやることが求められた。
戦後の日本でも基本的に同じであり、「こんなズサンな施設だと、いつか大変なことになるのではないか」とか「1000年間放射性物質を管理するってどうやってやるんだろう」とか考えずに、ただ黙々と上からの命令を実行することが大事なのである。小野さんは後に東電を辞めるが、武藤さんはその美徳を貫き、篤い信仰心によって東電の副社長になった。
これは四国のバイオ大学や武蔵村山市のバイオ研究所の件でも同じである。「バイオ施設がテロリストに襲われたらどうしよう」とか、「そもそも軍事用の生物兵器の開発って憲法違反じゃないのかな」とか、余計なことを考えることは、この社会では推奨されない。
余計なことを考えずに、黙って目の前の業務をこなす。こうした日本人の美徳と信仰心は、植民地経営に大いに役に立っている。宗主国と植民地との一心同体の関係は、真実を知らせたくないという宗主国と、余計なことを考えずに、ただ黙々と目の前の仕事をこなしていきたいという植民地との絶妙な関係により成り立っている。
アメリカの植民地は日本だけではないが、日米関係ほど穏やかにうまくいっている関係はない。それは、信じさせたい支配者と、信じたい奴隷との間の蜜月関係である。この蜜月を維持するための人材が、この国では出世する。余計なことを考える人間は出世しない。
それは、宗主国から求められていないという理由だけではない。奴隷の間でも、そんな人物は求められていないのだ。奴隷は真面目に目の前の仕事を黙々とこなし、仕事が終わったら家に帰って小さな幸せを満喫する。そういった箱庭の幸せをかき乱す人間は、この国では求められていないのだ。
この構造が植民地支配を下支えしている。それは、アメリカが暴力で日本を支配している構造ではなく、日本人が大きなものを信じたいという気持ちを強く持っていることから成り立っている構造である。信じたい国民は、信じたい政治家を選ぶ。国を信じたい国民は、アメリカを信じたい政治家を選ぶのだ。そのため、洗脳された政治家を国家のリーダーに選んでしまうのである。
3.蜜月という犬舎の愛玩犬
現在の日本の政治家で、若手のホープは、何と言っても小泉進次郎(1981-)であろう。古い政治家たちの出世コースは、CIAの申し子になることであったが、新しい世代の政治家の出世コースは、CSISの申し子となることである。現在38歳の彼は、恐らく、40代のうちに総理の椅子に座るだろう。
彼は、関東学院大学を卒業後、ジェラルド・カーティス(Gerald Curtis 1940-)の手引きでコロンビア大学に留学している。その後、CSISで洗脳教育を受けている。彼の教育係がジョンズ・ホプキンス大学出身のマイケル・グリーン(Michael Green 1961-)である。彼は元NSC(United States National Security Council)のアジア担当であり、東京大学に留学経験もあり、日本語に堪能である。CFRの研究員やジョージタウン大学の准教授を務め、現在はCSISの副理事長である。
つまり、マイケル・グリーンは日本支配のスペシャリストであり、日本人よりも日本人の弱点をよく知っている。日本人は強欲でなく、質素倹約で満足するが、小さな幸せに対する執着心は物凄く強い。そのため、大きなものを必死になって信じようとする。それが日本人の弱点だ。それゆえ、アメリカは常に日本を脅しつつ、その強さと大きさを見せて、この懐に入れば安心だと言い続ければいい。不安と安心の飴と鞭を使い続ければいいのである。
そういう日本支配のスペシャリストと小泉進次郎では、植民地支配に関する知力の点で、とてつもない差がある。その差はザビエルとヤジロウの差よりも大きく、キッシンジャーと中曽根の差よりも大きいだろう。その点では、小泉があっけなくCSISで洗脳されてしまったとしても、致し方ないと言える。グリーンからすれば、小泉はいつまでも「かわいい」忠犬である。
小泉進次郎の覚悟「国会では友人はできない」 - FNN.jpプライム
https://www.fnn.jp/posts/00338310HDK
戦後、GHQは優秀な忠犬を探し、岸信介を見出した。その後、キッシンジャーは中曽根を教育した。そして20世紀、CSISのマイケル・グリーンは小泉進次郎を教育した。戦後70年以上が経っても、日米のこうした主従関係はまったく変わっていない。アメリカという巨漢の主人の足元で、子犬は安心して夢を見るのである。
ただ、時が経つにつれ、蜜月の在り方も変わった。忠犬の知力は時が進むにつれ、低下する。昔と違い、ヤジロウは必ずしも優秀である必要はなくなった。岸信介、中曽根康弘、小泉進次郎というように、その知力は階段を転がり落ちるように劣化した。かつての忠犬は主人の悪巧みと共謀する狡猾な犬だったが、時が経ち、主人を信じる「かわいい」忠犬となってしまった。
岸信介は「昭和の妖怪」と呼ばれた鋭い頭脳を持つ軍用犬であったが、小泉進次郎はそれに比べれば愛玩犬でしかない。シェパードとポメラニアンくらいの違いがある。しかし、現在求められている総理大臣の資質はそんなものなのかもしれない。失言しない程度の知力があればいい。国民の人気があり、血統がよく、見た目がいいならば、忠犬はそれほど優秀でなくていい。その点では、これはこれで、コロンビア大学やCSISというアメリカの軍事的Intelligenceの傑作と言えるのだろう。
小泉進次郎という政治家を徹底分析してみる
https://toyokeizai.net/articles/-/291310?page=2
・CSIS、その歴史と日本との関係(8)
https://isoladoman.hatenablog.com/entry/2019/10/02/170519
1.ヤジロウの例:緒方貞子
ここまで順番にこのブログを読んできた読者の皆様には、バラバラに分割されたように見えたものが、いかに密接なつながりによって成り立っているか、よくわかっていただけたと思う。イエズス会、GHQ、CIA、CFR、CSIS、ジョージタウン大学、ジョンズ・ホプキンス大学、コロンビア大学、アメリカ軍、そして現代のヤジロウたち。それらは一見、別々のようであるが、実際には一心同体である。
その一つの具体例として、緒方貞子(1927-)がどんな人物なのか見てみよう。緒方貞子をGoogle検索すれば、元国連難民高等弁務官であり、上智大学名誉教授と出てくる。しかし、その経歴の上っ面だけを眺めていても、彼女については何もわからない。しかし、彼女がこれだけの華々しい出世街道を歩いたのならば、一つの仮説をもとに彼女について考えることができる。つまり、彼女もヤジロウなのではないかということである。
最近では上級国民や下級国民という言葉があるらしいが、白人の資本家が支配するこの世界では、日本人という人種自体が上級人種ではない。そのため、日本人が「上級」に近づくためには、上級白人の忠犬になる必要がある。それゆえ、彼女もヤジロウなのではないかという仮説をもとに、彼女の人的ネットワークを見てみよう。すると、彼女のまわりの人間が立派なヤジロウなのだとわかる。
彼女の夫は、日銀理事の緒方四十郎(1927-2014)である。緒方四十郎の父は緒方竹虎(1888-1956)である。竹虎は元朝日新聞副社長であり、吉田茂内閣の副総理である。覚えておられるだろうか。緒方竹虎は、CIAの忠犬9匹のうちの一匹である。竹虎のCIAコードネームは「POCAPON」(ポカポン)である。
Wikipediaで緒方貞子の経歴を見てみると、聖心女子大学英文科を卒業した後、ジョージタウン大学に留学したと出てくる。これは典型的なヤジロウの出世コースである。アンクル・トム(Uncle Tom)が小さな黒人小屋(Uncle Tom's Cabin)で一生を終えたくないのなら、宗主国の大学に進学すべきである。植民地の大学を卒業しただけでは、宗主国で相手にされない。
なおかつ、政治家や軍人やスパイを目指すなら、留学先も厳選すべきである。ハーバード大学やケンブリッジ大学、オックスフォード大学やパリ大学といった一般の日本人にとって有名な海外の大学に進学しても、学者になるならともかく、植民地経営のIntelligenceを学びたいのなら、そういったところに進学することは適切ではない。その点、彼女がジョージタウン大学を選んだことは適切である。
その後の彼女の勤め先も、POCAPON一族として非常に納得のいくものである。つまり、国連、外務省、ユニセフ、上智大学、JICAである。これらは全て、同じ村の中の様々な家である。つまり、名前も組織も別々であるが、出所は一つ、同じ穴である。こうした同じ穴の中で様々な職場を経験することを、回転ドア(Revolving Door)と言う。
2.Revolving Door:同じ穴のムジナ
この回転ドア(Revolving Door)がわからないと、世界支配の構造は永久にわからない。学校では絶対に教えないが、World Orderというものは、この回転ドア(Revolving Door)によって成り立っている。例えば、その高いコンピューター技術によって暴露以前までは出世街道を歩んでいたエドワード・スノーデン(1983-)も、様々な場所で働いてきた。肩書だけ見れば、若いわりには相当の転職を重ねてきたように見える。
スノーデンの職歴
2004年 アメリカ軍
2005年 NSA
2006年 CIA
2009年 DELLコンピューター
2013年 ブーズ・アレン・ハミルトン
20代から30代前半までの約10年で、スノーデンは五カ所の職場を転々としたことになっている。前の三つは公務員であり、後の二つは私企業である。しかし、実際には、彼が就職活動をしたのは一回だけである。最初の米軍への志願入隊だけが、彼が行った唯一の就職活動である。足の負傷によって除隊した後、彼はNSAからスカウトされて、その後はずっと同じ職場である。つまり、支配者による奴隷農場という職場である。それゆえ、彼が形式的に何回か転職をしていても、中身的には一回も転職はしていない。
ここで緒方貞子の経歴に戻ると、彼女もスノーデンと同じく、一回も転職をしていないと言える。国連、外務省、ユニセフ、上智大学、JICAというのは、形式的には別組織であるが、中身的には同じ穴である。
また、緒方貞子のWikipediaを読んでいると、興味深い文章を見つけることができる。
「2007年11月のデイヴィッド・ロックフェラー来日時には、回顧録出版記念パーティーの発起人を務めた」
なぜロックフェラー家の大ボスと彼女との間に親密な関わりがあるのか。普通に考えてもよくわからない。そこで、「緒方貞子 CFR」というワードでGoogle検索してみる。すると、彼女がCFR(Council on Foreign Relations外交問題評議会)のメンバーであることがわかる。Wikipediaには、偶然なのか意図的なのかはわからないが、彼女がCFRの一員であるとは書いていない。
そのようなキーポイントがわかれば、上記Wikipediaの謎の文章の意味も、よくわかってくる。CFRの名誉会長はデイヴィッド・ロックフェラーであるから、大ボスが来日したら部下が接待するのが当然である。緒方は英語に堪能であり、CFRやロックフェラーについてよく知っているのであるから、彼女が日本に滞在中のボスの面倒を見るというのは、当たり前なのだ。
なお、緒方貞子が理事長をつとめたJICAは、ロックフェラー財団との深い関わり抜きにはあり得ない組織である。それは陰謀論でもなければ、私の勝手な推測でもない。JICAのホームページに書いてあることである。
概要 | 事業・プロジェクト - JICA
https://www.jica.go.jp/activities/issues/special_edition/security/summary.html
3.緒方貞子とCSIS
肩書の上っ面だけを眺めるならば、まるで緒方貞子とCSISは無関係に見える。実際、緒方がCSISの職員だったことはない。それゆえ、マイケル・グリーンと緒方貞子は、まったく関係のない二者に見える。しかし、両者がともにCFRのメンバー、つまりロックフェラーのエージェントなのだとわかれば、彼らの職場が別であっても、同じ穴の住人なのだとわかる。
地上の穴だけを見るなら、穴は無数にある。国連、JICA、ロックフェラー財団、世界銀行、IMF、CIA、CFR、NSA、CSIS、イエズス会、ジョージタウン大学、上智大学、外務省、アメリカ国務省、アメリカ軍・・・全てを列挙しようとするなら、何日かかるかわからない。穴は無数にあるからだ。しかし、単純にわかることがある。それらの無数の穴が、地下で一つにつながっているということである。
色々な場所を出たり入ったりしているように見えても、それは同じ建物の回転ドア(Revolving Door)を通過しているだけである。緒方貞子も、マイケル・グリーンも、表だけ見れば、様々な職場で様々なことを経験している人物に見える。確かに、彼らは様々なことを経験し、様々な知識と技能を身につけたであろう。しかしどの部署に属していようとも、彼らはずっと同じ仕事しかしていないとも言える。
つまり、世界人口の5%が残りの95%を支配するWorld Orderに彼らは属し、その支配システムの維持管理のために働いてきたということである。緒方貞子とマイケル・グリーンは、片方は国連で片方はCSISであるから、肩書的にはまったく関係のない人物である。しかし、彼らは同じ村の構成員である。だから、関係のないように見える二人の職場が、ある時に重なっても、まったく不思議はない。彼らは同僚になる以前から、同じ穴のムジナだったからである。
マイケル・グリーン 上智大学特任教授就任
https://www.sophia.ac.jp/jpn/news/PR/2017/1002001.html
・CSIS、その歴史と日本との関係(9)
https://isoladoman.hatenablog.com/entry/2019/10/09/165300
1.カポー
かつてナチスは、アウシュビッツなどの強制収容所において、カポーと呼ばれるユダヤ人管理者たちに、ユダヤ人の管理をさせた。ユダヤ人を強制労働させる際に、彼らにムチを打ったのは、ドイツ人よりもむしろ、カポーと呼ばれたユダヤ人であった。ヴィクトール・E・フランクル(1905-1997)は、次のように書いている。
夜と霧 V.E.フランクル 霜山徳爾訳 みすず書房 76頁
囚人が飢え、そして飢え死にしている間に、カポー達は少くとも栄養の点では悪くなかった。それどころか若干のカポーは、彼の生涯で今までなかった程、恵まれていたのであった。従ってこれらのカポーのタイプは心理的・性格的にはナチス親衛隊員や収容所の看視兵と同じように判断されてよい。すなわちカポーは彼等と心理学的・社会学的に同化したのであり、彼等に協力したのであった。カポー達はしばしば収容所の看視兵よりも「手厳しく」普通の囚人を悪意をもって苦しめた人々であり、例えば親衛隊員すらよりも遥かに多く普通の囚人を殴打したのであった。そういう行為に適した囚人だけが一般にカポーになったのであり、この意味において「協力」しなければ直ちにおとしめられたのである。
ユダヤ人をムチで激しく殴打したのはユダヤ人であった。これはナチスが発明したメソッドではない。西洋で長年にわたり蓄積してきた植民地支配のノウハウの一つである。ムチで打つのは疲れるし、相手にも怨まれる。罪悪感も生じる。どう考えても、いい仕事ではない。それゆえ、奴隷にムチを打つ役割は、宗主国の人間よりも、現地人のエージェントに担わせる方がよい。
これまで、植民地管理の手法と歴史について見てきたので、これから、現代の植民地支配機関であるCSISと日本との関わりについて、具体的に見ていきたいと思う。日本におけるCSIS関連人物や関連組織、つまりカポーやカポー団体について列挙し、CSISと日本との具体的な関係性について考察していきたい。
2.日本のカポーたち
(1)笹川グループ
笹川良一(1899-1995)は戦前の右翼系暴力団の大物として有名であるが、戦後は巣鴨プリズンに入った後、CIAのエージェントとなっている。戦前、彼は国粋大衆党のボスであったが、当時の部下だった児玉誉士夫(1911-1984)も、戦後はCIAのエージェントになっている。児玉と最も親密な政治家が、中曽根康弘であった。
日本財団グループは、建前的には笹川良一の言う「人類みな兄弟」の精神を体現する組織ということになっているが、中身的には「人類みなCIA」の精神で成り立っている。それゆえ、ボスだけでなく、部下たちも皆CIAである。例えば、郵政民営化の運動で小泉純一郎というエージェントと一緒に活動し、日本人の郵貯財産を全てモルガンなどの白人たちに譲渡した竹中平蔵は、東京財団の元理事長である。
グループ内組織の一つ、公益財団法人笹川平和財団は、2013年、CSISと共同で日米の政策立案者と研究者から成る「日米安全保障研究会」を設立した。日本からは羽生次郎(笹川平和財団会長)、山口昇(防衛大学教授)、折木良一(元統合幕僚長)、加藤良三(元駐米大使)、田波耕治(元大蔵事務次官)といった錚々たる人物たちが参加している。
笹川平和財団 SPFフェローシップ
https://www.spf.org/_jpus-j_media/fellowship/spf.html
日本の官僚や自衛隊のトップは、CSISと一心同体であることがわかる。笹川グループはその仲介役を担っているのである。笹川グループは、笹川良一というヤクザ兼CIAエージェントを教祖とする巨大グループであるが、笹川亡き後も、その役割は変わっていない。つまり、ヤジロウとして宗主国に仕えることである。
(2)松下政経塾
MRA(Moral Re-Armament 道徳再武装運動)には岸信介や中曽根康弘といった政治家のみならず、松下幸之助などの財界の大物も参加した。共産主義者や労働組合の大嫌いな松下幸之助は、反共産主義運動としての道徳再武装運動に参加したのである。彼はそこで抜け目なくロックフェラーなどの国際的な人脈とつながり、松下グループをさらに発展させるためのきっかけを持った。
その松下が70億の私財を投じて設立した私塾が松下政経塾である。当然、松下がつくった塾である以上、ここの門下生たちはロックフェラーのエージェントとなる。つまり、エネルギー産業や軍需産業に「No」を言わない人材となる。卒業生には自民党の政治家だけにとどまらず、野党議員も多数いる。また、政界のみならず、学界、経済界、マスコミにも多くの人材を輩出している。つまり、カポーによるカポー養成機関である。
松下政経塾 卒塾生の進路
https://www.mskj.or.jp/almuni/index.html
宗主国からすれば、植民地の奴隷が自主的にカポーを養成してくれることは、大変都合のいいことである。また、政界だけでなく、幅広い分野にカポーを広げてくれること、あるいは自民党だけでなく、野党にもエージェントが分配されていることは、宗主国にとって大変に都合のいいことである。
民主党政権時代の野田佳彦や前原誠司も、松下政経塾出身のエージェントである。それゆえ、民主党野田政権時代の日本も、CSISと一心同体であり、看板以外は基本的に安倍政権と同じである。
ハムレ米戦略国際問題研究所(CSIS)一行による野田総理大臣表敬
https://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/1210_usa_3.html
竹下派七奉行の一人として自民党の大物政治家だった渡部恒三(1932-)は、後に民主党最高顧問となっている。彼は2012年に政界を引退している。長男の渡部恒雄(1963-)はCSIS非常勤研究員であり、笹川平和財団上席研究員である。
(3)稲盛和夫
稲盛和夫は日本のビジネス界におけるビッグネームであるが、最近では「生き方」「働き方」「心」などの人生論関係の本も多数出しており、ビジネスの枠にとどまらない、カリスマ的存在である。どこの本屋においても稲盛のコーナーがあり、彼はまさに、日本人にとって、人生の師匠のような地位を築いている。しかし、もともと松下幸之助(1894-1989)に心酔していた彼は、松下と同様、ロックフェラーのエージェントである。稲盛和夫は松下政経塾の相談役でもある。
彼は日本の政界や財界とCSISをつなげるパイプ役である。現在、財界では最もCSISとつながりの深い人物が稲盛であり、彼は「アブシャイア・イナモリ リーダーシップ・アカデミー」(Abshire-Inamori Leadership Academy 略称AILA)をCSIS内に設立している。
なお、アブシャイアとはDavid Manker Abshire(1926-2014)のことであり、ジョージタウン大学出身の軍事と諜報の専門家である。彼はCSISの創設メンバーの一人であり、ミサイル問題にも精通していることから、レーガン政権時代にはNATOの大使を務めたこともある。
・CSIS、その歴史と日本との関係(10)
https://isoladoman.hatenablog.com/entry/2019/11/03/133204
1.政界、財界とCSIS
第三十一回ブログで、CSISとつながりの深い日本のカポーおよびカポー団体を取り上げた。しかし、そもそも経団連という組織自体がCSISと深いつながりを持った団体であるから、日本の経済界のトップで、CSISとつながっていない人物を探す方が困難である。
米戦略国際問題研究所(CSIS)と懇談
https://www.keidanren.or.jp/journal/times/2014/0731_04.html
政界も同様であり、CSISとつながりを持てない政治家や官僚は、出世できない。カポーまで出世できない日本人は、カポーに使われる地位に甘んじる他はない。それゆえ、政界人や財界人は、必死で英語を勉強したり、アメリカの大学に留学したり、アメリカ人とつながりを持とうとして頑張るのである。
防衛省がCSISに毎年職員派遣 6年間で3億円寄付も
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/11453
2.マスコミとCSIS
日本における二大新聞は読売と朝日である。この二社は新聞屋にはとどまらない。雑誌やテレビ局などを保有する総合メディア企業である。この二社は、反対のカラーを持っているとされている。すなわち、読売が右翼的・保守的な顔を持ち、朝日が左翼的・革新的な顔を持っていると、一応見なされている。しかし、そういった表の顔はカモフラージュなので、どうでもいいことである。
実際には、両紙ともにCIAのエージェントである。正力松太郎(読売新聞)のコードネームは「PODAM(ポダム)」であり、緒方竹虎(朝日新聞)のコードネームは「POCAPON」(ポカポン)である。つまり、戦後の読売と朝日は、CIAのエージェントによって経営された会社である。これは現在まで続いていることであるから、どちらが保守でどちらが革新なのかは、ある意味どうでもいいことである。ライバルのように見えながら、両社の親会社は同じである。
この巨大二社を補う地位にある経済専門紙が、日本経済新聞である。日経は巨大二社のような総合新聞ではなく、現役バリバリのビジネスマンをターゲットにした新聞である。そのため、CIA新聞のような総花的な新聞ではなく、より現場感覚を持ったCSIS新聞としての役割を果たしている。
日経・CSISバーチャル・シンクタンクの概要
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO24771720Y7A211C1M13100/
読売や朝日や日経を読んでも無意味だと言いたいわけではない。情報収集として、これらの新聞を読むことが有益な場合もある。ただし、こういった巨大紙はCIAやCSISが毛細血管にまで行き渡ったカポーであるから、こういったペーパーに日本や国際情勢の真実を期待しても無駄である。逆に、割り切って読むのなら、巨大紙を読むことも有益であろう。
3.メディアによる植民地管理
CSISは、形式的には単なる民間のシンクタンクである。だから、彼らが日本に対して行う命令は、形式的には単なる提言であり、参考意見にしか過ぎない。だから、そういった意見を実際に政策として日本政府が実行するかどうかは、形式的には自由である。つまり、形式的には日本政府はCSISの提言を無視する権利がある。日本は、形式的には独立国だからである。
しかし、形式はともかく、内容的には日本は独立国ではない。つまり、CSISの提言を無視するなんてことは恐ろしくてできない。それゆえ、政治、経済、マスメディアはCSISの言いなりとなる。副島隆彦は、CSISに逆らった田中真紀子がどうなったか、次のように述べている。
売国者たちの末路 副島隆彦 植草一秀 祥伝社 201頁
2002年1月に、田中角栄の娘である田中真紀子外務大臣を追い落とす動きがありました。リチャード・アーミテージ国務副長官が、自分と会わないと言った田中真紀子に怒り狂ったのです。真紀子大臣は、アメリカが日本に押しつけようとした、合計で4、5兆円もするMD(missile defense ミサイル防衛網)を買うことに反対し「日本は中国と敵対する必要はない」という考えからです。それで「田中真紀子を潰せ」となって、アーミテージは後藤田正晴事務所で岡崎久彦さん、佐々淳行さんと話し込んだそうです。
そしてこのあと、日本のテレビ局5社、新聞5社の政治部長たちを集めて、裏の政治部長会議が開かれた。次の日から一斉に田中真紀子叩きが始まりました。このようなかたちでアメリカは、今も日本のメディアを自分たちの手足として操って使います。
副島隆彦は同書において、頻繁にテレビ出演していた政治評論家の森田実が、突然、テレビに出なくなった理由を次のように語っている。
売国者たちの末路 副島隆彦 植草一秀 祥伝社 205-206頁
政治評論家の森田実さんはテレビから追放処分を受けました。森田さんは、フジテレビの「めざましテレビ」にレギュラー出演していたのですが、突然、出られなくなりました。その理由は、郵政民営化の裏側の真実を森田さんが暴いたからです。
5社・5社に合計で5000億円が流れた。郵政民営化法(2005年10月成立)のために日本国民を煽動する。その宣伝広告費として、アメリカが日本のメディアに5000億円を投入した。テレビを使って日本国民洗脳をやった――と森田さんが書いて、それでテレビに出演できなくなりました。森田さんから私は直接、聞きました。
テレビ局の社長が、森田さんにはっきり言ったそうです。「電通の意向があって、森田先生はわが社ではもう使えない」と。こういう恐ろしい事実があるのです。森田実さんの言葉を拝借すれば、今の日本のテレビはまさに国民に向けられた刃物になっている。
勘違いしてはいけないのは、御主人に逆らう奴隷を始末するのは、アメリカ人ではないということである。奴隷を始末する処刑人も奴隷である。白人は直接に手をくださない。日本人のカポーが、日本人に対して、ムチを打つのである。こうして今日も日本という植民地は、日本人カポーによって安定的に経営される。反逆や革命とは無縁な、穏便な日本社会が維持されるのだ。
ただ、カポー達のこうした行動は、一概に祖国に対する裏切りとは言えない。カポー達はある意味、日本人のニーズをみたしたいという動機から行動しているのだと言える。日本人は冒険よりも安定を好む。安定は希望である。日本人は真実を知って心が不安定になるよりも、安定した現状維持(ゆっくりとした滅亡・ゆでガエル)を求める。そんな日本人の心のニーズをみたすために、カポーたちは今日も頑張っている。
カポー達は、日本国民に夢を提供したいのだろう。国民の方も、日本は独立国であるという夢を信じたい。信じさせたいカポーと、信じたい国民の共犯関係により、この国の夢空間は成り立っている。そこでの日本人は主権を持った独立国の国民である。日米関係は対等である。日本は誇り高き世界の先進国である。
寝た子を起こせば、その子は起こした相手を怨むだろう。カポー達は確かに安定した収入と自己保身からカポーという仕事をやっている。しかし、彼らの動機はそれだけではない。それは、夢空間を壊したくないという動機である。つまり、カポー達は宗主国の味方であると同時に、この夢空間の味方なのである。
・CSIS、その歴史と日本との関係(11)
https://isoladoman.hatenablog.com/entry/2019/11/10/142444
1.植民地における司法制度
司法制度とは、国家が犯罪者などの無法者を捕まえる制度である。警察、検察、裁判所、刑務所によって成り立っている。これが司法権である。司法権の内容については、刑法などの法律に明文化されている。
明文化されている犯罪は、皆がよく知っている犯罪である。殺人や窃盗などの犯罪によって国民が害された場合、加害者は司法制度によって裁かれるわけである。しかし植民地の場合には、明文化されていない犯罪がある。それが、宗主国反逆罪である。これは六法に載っていない犯罪であるが、司法制度によって裁かれることとなる。
国民は、刑法の条文に載っている犯罪をしなければ警察に捕まらないと勝手に思い込んでいる。しかし、植民地における警察は、二つの役割がある。これは植民地経営の基本であるが、普通の日本人は極めて無頓着である。二つの役割とは、(1)現地の犯罪を取り締まること、(2)宗主国の利益に反する人物を取り締まることである。
宗主国反逆罪で逮捕された人物は、例えば、経済学者の植草一秀氏である。氏は、郵政民営化に反対であるとTVなどで発言し、小泉、竹中を批判した。また、当時の自民党の実力者である青木幹雄、野中広務、亀井静香らは、竹中を引きずりおろし、植草を後釜の大臣に据えようとした。
これは明文化された日本の法律では合法であるが、明文化されていない法律、すなわち宗主国反逆罪の観点からすれば違法である。日本人の郵貯資産300兆円は、アメリカの国際金融資本家が全ていただくということに決まっていたからであり、この計画に反対することは宗主国に対する反逆だからである。植草氏が民営化に反対した理由は、これが「民営化」ではなく「米営化」であったからである。郵政の「米営化」については、経済学者の菊池英博氏の以下の著書が参考になる。
やっぱり郵政民営化は郵政私物化であり、郵政米営化だった
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/181388
菊池氏のような地味な学者と違い、植草氏はTVに頻繁に出ていたため、国民に対する影響力が大きかった。そのため痴漢を捏造され、氏は逮捕されることとなった。その経緯については「売国者たちの末路」(副島隆彦 植草一秀 祥伝社)に書かれているので、興味のある方はそちらを読んでいただきたいが、植草氏の例は氷山の一角に過ぎない。
例えば、政治学者の白井聡は、元外務省の佐藤優と対談した時に、次のような話を聞いたそうである。佐藤優も、宗主国反逆罪によって逮捕された経験がある。
属国民主主義論 白井聡 内田樹 東洋経済新報社 35頁
佐藤優さんとお話をしていて爆笑したことがあります。本人がなぜ自分が逮捕・起訴されることになったかを端的にこう説明したのです。「僕だってね、全然対米従属派だよ。『日米安保体制、これは日本外交の基本、堅持するべき』って言ってたんだけどね。外務省主流のアメリカ追随派はこう思ったらしいんだな、『お前の言葉には真心を感じない、口先だけだ』。で、真心を感じてもらえなかったから牢屋に行く羽目になった」。そうです、まさにこの「真心」の問題なんですね。
安倍政権は戦後最長の政権であるらしいが、これは安倍政権が「真心」に満ち溢れた政権であるからであろう。もちろん、日本人も一枚岩ではないので、いつの時代も、常に宗主国に反逆する人物は存在する。しかし、政界、財界、マスコミの三界の主流派はカポーであるし、警察、検察、裁判所の主流派もカポーである。そのため、反逆者がのし上がってくると、カポーはそれを取り締まる。
国民は「警察」や「検察」という言葉を聞くと、犯罪を取り締まるプロだとイメージするかもしれない。確かに彼らは犯罪取締のプロである。しかし、彼らは窃盗や殺人などの取締のプロであるのみならず、植民地に反逆する人物(あるいは真心に欠けた人物)を取り締まるプロでもある。それゆえ、植民地の住人で、それなりの地位にある人は、刑法に違反していなくても、宗主国に対する「真心」が不足していないか、常に注意しなければならない。
2.軍事、薬物、食品、原発
政界、財界、司法界、マスコミがCSISと一心同体なのであるから、CSISの動向を見ることは、日本の現在と将来を見ることである。CSISの基本政策は、植民地支配であり、その背後にはアメリカの軍産複合体などのグローバル企業がいる。つまり、そういった企業の利益になるための政策が、日本で実行されるに決まっている。
イージス・アショアについては、第二十二回ブログで取り上げたが、秋田と山口にイージス・アショアが設置されることも、CSISの意向であるから決定事項である。秋田と山口で市民による反対運動が起きているらしいが、日本政府からすればそんなものはどうでもいい。
共産党などの野党は安倍政権が間違っていると言うが、イージス・アショアは安倍政権がやりたがっている政策ではない。彼らは命令に従っているだけである。野党は全て安倍政権が悪いように言うが、それは焦点をずらすためである。安倍政権という日本人カポーを攻撃し、CSISという親玉についてはほとんど語らない。その点では野党も与党の共犯者である。
こうした軍事面のみならず、CSISの提言(命令)は、国民の健康問題にも深くかかわってくる。アメリカの製薬会社を儲けさせるために、日本人の体に危険な薬物が注入される。しかし、既にCSISは日本の医療界にも深く食い込んでいるために、厚労省や医師会も含め、日本の医療界はCSISの提言(命令)に反対しない。
【開催報告・政策提言】CSIS-日本医療政策機構 共催 グローバル専門家会合
https://hgpi.org/events/686.html
子宮頸がんワクチンが、日本の医療界やマスコミでこれだけ強力にアピールされている背景には、CSISがある。
外資系製薬会社の“実験場”日本(フリージャーナリスト 横田 一)
http://cpri.jp/1546/
フォート・デトリック(Fort Detrick)を中心として生物兵器開発に余念のないアメリカは、バイオ先進国でもある。そうした兵器の開発は、民間用としては薬物やバイオ食品に転用される。つまり、危険な食品を製造するプロであるアメリカの食品会社は、常に買い手を世界中に探している。そうした企業群は、当然にアメリカの政治家やシンクタンクのスポンサーとなっている。彼らからすると、食品や薬品の危険性に無頓着な日本人は、いいカモである。
猪瀬聖 ゲノム食品解禁にトランプの影
https://news.yahoo.co.jp/byline/inosehijiri/20190802-00136669/
また、日本国民の過半数が原発の再稼働に反対でも、CSISが原発再稼働を提言(命令)するなら、日本の政・財・官・マスコミの四角形は一体になって、再稼働に邁進する。彼らからすれば、世論調査の結果なんてものはどうでもいい。カポーは上からの命令を忠実に実行することしか考えない。
世論調査―質問と回答〈福島県、2月23、24日実施〉
https://www.asahi.com/articles/ASM2T4TW2M2TUZPS007.html
「日本は原発を放棄するな」“アーミテージ報告書”驚愕の内容
https://biz-journal.jp/2012/09/post_706.html
3.カポー新聞のオトボケ報道
CSISの忠実なるカポーである日経新聞は、次のような「とぼけた」報道をする。
原発ゼロ、日本に再考促す 米CSIS所長
https://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1204L_S2A910C1FF2000/
日経はこの記事で、「日本側は長島昭久首相補佐官らを派遣して米政府に説明する考えだ」と書いている。しかし、長島自体がジョンズ・ホプキンス大学出身のカポーであることは、日経というカポー新聞の記者ならよく知っているはずである。
長嶋は衆議院議員になる前は、CFR(外交問題評議会)の研究員であり、ここでアーミテージやマイケル・グリーンとつながりを得ている。これは陰謀論でもなければ裏情報でもなく、本人がホームページで堂々と述べていることである。
長島昭久|プロフィール
http://www.nagashima21.net/profile.php
長島は議員になる前は研究員であり、その職場は、CFR、ジョンズ・ホプキンス大学、東京財団というRevolving Door(回転ドア)である。当然、こうなるとCSIS人脈ともつながりが深いに決まっている。つまり、彼が渡米して米政府に原発に関する日本側の立場を説明するといっても、支店のムジナが本店に挨拶に行っているに過ぎない。つまり、茶番劇でしかない。日経はそういうカラクリを知っていながら、このようなとぼけた報道をする。
結局、カポーからすれば、国民のほとんどが原発に反対であることは問題にはならない。カポーが見ている顔色は、常にご主人様の顔色である。それゆえ、ご主人様が原発再稼働と言うのなら、カポーは「わかりました!」と言って再稼働するのみである。
日経が報じているように、日本政府は「2030年代に原発稼働ゼロ」と述べている。しかし、そんなことは政府も日経も信じていない。というか、そんな先のことはどうでもいいのである。2030年代に原発がどうなっているかは、ご主人様の命令次第であって、日本人が決めることではない。日本人はその時々のご主人様の命令に従うだけなのである。
・CSIS、その歴史と日本との関係(12)
https://isoladoman.hatenablog.com/entry/2019/11/17/162606
今回で、12回にわたったCSISシリーズを終了したい。
1.カポーと一般国民の格差
CSISは、形式的にはアメリカのシンクタンクであり、小さな民間団体に過ぎない。しかし、その背後には在日米軍やアメリカ企業などがおり、その人脈を辿るとCFR(Council on Foreign Relations外交問題評議会)に行き着く。そのため、店の規模として小さなものであっても、その厨房の裏口のドアは、相当に大きなものへ通じている。
アメリカの政権は4年または8年で変わる。日本の政権も数年で変わる。となると、実質的に両国を動かしている権力はそうした表舞台ではなく、継続的な裏舞台だと考えられる。裏舞台には選挙による交代がない。すなわち、官僚、企業、司法、軍隊、大学、シンクタンク、マスコミである。そうした顔の見えない団体が、国家における実質的な権力を握っている。
この制度は、日米両国の国民のほとんどにとっては、利益にならない。アメリカの国民のほとんども、貧困に喘いでいる。植民地の人々は宗主国の搾取によって青色吐息であるが、宗主国の国民も青色吐息なのだ。しかし、いつまで経っても、このシステムが転覆される兆しはない。これは、民主主義という奴隷制度が非常にうまくいっていることの証明である。
これは、青色吐息の国民が、民主主義という形に騙されるということである。国民は選挙権を持っているために自分を主権者だと勘違いするが、実際にはA党もB党も同じボスの配下にいるエージェントである。保守系の新聞も革新系の新聞も、同じ穴のムジナである。TVニュースは絶対に本質を語らない。官僚や学者や警察は、カポーである。彼らは自分が下層階級に落ちないために、必死になって自国民に対してムチをふる。
それゆえ、日本政府がCSISの言いなりになっていることを山本太郎が国会で取り上げても、日本社会は冷ややかなものである。マスコミも取り上げない。なぜなら、カポーからすれば、そんなことはあまりにも当たり前すぎて、真正面から言われてもシラけるだけだからだ。政治学者の白井聡は、この点について、次のように述べている。
属国民主主義論 白井聡 内田樹 東洋経済新報社 26頁
ところで、国会で山本太郎議員が、「安倍政権の目玉政策はアーミテージ・レポートの引き写しではないか」と追及したことがあります。その指摘はまったく正しいわけですけれども、それを聞いたときの他の議員たちの反応が象徴的でした。「それを言ったらおしまいだろう」とでもいう雰囲気で、妙にシラケたものでした。「そんなことぐらい、国会議員ならみんな知っている。知っているけれどそれを口に出さないことで、俺たちは国会議員ごっこ、政治家ごっこができるんじゃないか。それなのに、お前は何を野暮なことを言ってるんだ」という反応で、「日本はアメリカの属国である」という状況を完全に容認してしまっている。「こいつらが日本国民の代表なのか」と思ったら、猛烈に腹が立ってきましたね。
「今回の安保法案は、第3次アーミテージ・ナイ・レポートの完コピだ!」
https://www.taro-yamamoto.jp/national-diet/5047
多くの日本人は、日本という国が平等社会であることを夢想している。しかし、実際にはその格差は凄いものである。格差の源は物質的なものに限らない。年収や貯金額の格差は、知的格差に比べれば重要ではない。甚だしい格差は知識の格差である。カポー達からすれば、CSISに関する知識は当たり前なことであるが、奴隷たちはCSISの存在すら知らない。
こんな状況で選挙に行って国政の在り方を決めろと言われても、サルの投票に等しい。何も知らない人達が何色のカポーを選ぶかという選挙をしても、カポーが奴隷にムチを打つという構造は変わらない。ムチの色が青から赤に変わっても、ムチであることに変わりはない。同じように奴隷はムチで打たれ続け、警察は反逆者を逮捕し、マスコミはそれを報じない。
マスコミはいつでも、国民に対して「選挙に行け!」と言って煽るが、彼らは選挙によっては何も変わらないことをよく知っている。肝心なことを報道せず、事実を隠しながら、「投票に行こう!」と言って国民を煽り続ける。国民もそのカラクリを知らないために、「打倒安倍政権!」のデモはするが、「打倒CSIS!」のデモは絶対にしない。
宗主国からすれば、これは大変に都合のいいことである。日本人がアメリカ人ではなく、カポーを恨み、日本人同士で喧嘩することは、「分断して統治せよ」という植民地支配の大原則に合致するからである。植民地の有色人種は何百年もこれに気づかず、仲間内で喧嘩をし続ける。常に分断され、同じ民族同士で喧嘩をさせられるのである。
なぜ有色人種はいつまで経っても、いいように支配され続けるのか。それの原因が知的格差である。宗主国と植民地の間には相当の知的格差があり、カポーと一般国民の間にも相当の知的格差がある。カポーからすればCSISが日本を牛耳っていることは常識だが、一般国民は何も知らない。
CSISのことを一言も述べない野党は、その点では与党の共犯者である。彼らは喧嘩するフリをしながら、宗主国の支配体制を支え続ける。マスコミも同様であり、左翼風情のメディアは安倍政権を批判するが、CSISのことは一言も述べない。そうやって彼らも支配体制を下支えする。こうして、一般国民は真実を知らされないまま、無駄な選挙が繰り返され、宗主国に搾取され続け、今日もTVでは茶番劇の政治論争が繰り返されるのである。
2.日本人という人殺し
日本がアメリカの奴隷であるということは、日本人が頑張って働いたことの利益がアメリカの企業に吸い取られることを意味している。また、軍事、医療、食品、原発といったアメリカ企業の奴隷になることは、それらによる健康被害を日本人が甘んじて受けるということを意味している。しかし、問題は経済的な損失や健康問題のみではない。もっと深刻な問題がある。それは、日本人が人殺しの共犯者になることである。
日本は主権国家といえるのか? 米軍優位の日米地位協定・日米合同委員会と横田空域(16)
http://www.asiapress.org/apn/2019/09/japan/nichibei-16/
CSISは、アメリカの安全保障政策にもっと積極的に参与して欲しいと日本に対して言う。これは具体的に言えば、アメリカが実行する戦争に日本人も手を汚し、血に染まりながら参加してほしいということである。
かつて、イエズス会が日本に来た時には、彼らの目的は布教であった。もちろん、その先には侵略と占領という目標があったが、それは遠い目標であった。その後、GHQが日本を占領し、CIAは日本の毛細血管に行き渡った。そして現在では政策センターであるCSISが、戦争という公共事業に、もっと積極的に参加してもらいたいと、積極的に日本に働きかけている。
それは、日本人が対岸の火事として戦争を眺めることではない。現場で血と汗を流して欲しいという要求である。その要求は今後、ますますエスカレートしてくるだろう。中東でCIAが行っているスパイ活動を自衛隊にも手伝って欲しい。中東でばら撒く生物兵器を日本の研究所で開発してほしい。中東に自衛隊を派遣して、現場で戦闘に参加して欲しい。
陸自のレンジャー隊員だった井筒高雄さんは、アメリカ軍が望んでいることは兵站部門のアウトソーシングであり、安保法制は戦争ビジネスの一環であると述べている。補給部門は戦闘現場の生命線であるから、当然、死傷者が出る確率も高い。補給が途絶えれば現場の兵士は窮地に陥るため、相手も補給部隊を狙ってくる。
イラク戦争で4000人以上のアメリカ人が死に、30000人以上の負傷者が出ている。アメリカからすると、再び中東での戦争で米兵が大量に死ぬと、アメリカ世論がうるさい。しかし、自衛隊員が死ぬのならアメリカとして損はない。それゆえ、米軍は自衛隊が兵站部門を担うことを期待している。
11・26 井筒高雄浜松講演「自衛隊と日本はどう変わるのか」
http://www.pacohama.sakura.ne.jp/no15/1511idutu.html
例えば中東で戦争が起こり、自衛隊が前線で兵站部門を担うとなれば、日本人はもう傍観者ではない。間接的な犯人ではなく、直接的な戦犯である。そうなった場合、日本人お得意の「知らなかった」という言い訳を被害者が聞いて納得してくれるだろうか。人殺しをしておいて、「自分は目の前の仕事を黙々とやっただけだ」という言い訳が通じるだろうか。
日本社会では、「知らなかった」という言い訳や、「上からの命令で仕方なくやった」という弁明は、非常に受け入れられやすい。この言い訳はあまりにも効き目があるために、我々はあえて余計なことに首を突っ込まないようにして生きている。「知りすぎた人」にならないようにしているのだ。しかし、日本社会で受け入れられる言い訳が、外国でも通用するとは限らない。
知らない間に戦争に巻き込まれ、知らない間に自衛隊が人殺しをしても、その責任は日本国民全体が取ることになる。中東で起きる殺人の報復として、将来、東京でイスラム教徒の自爆テロが起きるようになっても、それは日本人全体が責任を取らなければならない。戦争で金儲けをする人達の言いなりになって生きてきたことの責任は、無知の日本人も含め、全員で取らなければならないのである。