・中国初のバイオハザード高度安全実験室—中国科学院武漢P4実験室が竣工

2015/02/01

https://crds.jst.go.jp/dw/20150319/201503194980/

※2015年2月1日付の「中国科学報」ネット版は、「中国初のバイオハザード実験室—中国科学院武漢P4実験室が竣工した」と報じた。

ウイルス·微生物の研究は伝染症の予防、コントロールと治療の最も重要な基礎である。1月31日、中国科学院武漢バイオハザード実験室(P4実験室)の竣工は、中国の強病原体の研究·利用のハードウェアを持つことを示し、中国の衛生サービスシステムの建設にとって新たな一章を開くものであった。国内初の最高レベルのP4実験室として中国衛生システムの建設と世界健康安全の保障に重要な役割を果たすだろう。

武漢P4実験室の袁志明主任は、「P4実験室はウイルス学の研究用の大型の施設であり、バイオハザード実験室として最もレベルの高いものである。国際慣例として、強いウイルスの研究はP4(物理的封じ込めレベル4)タイプの高度な安全性を持つ実験室でしか行わなわれない。2003年、中国でSARSウイルスが大流行し、中国政府は同年7月にP4実験室の建設を決意し、10年余りを経て世界最先端のP4実験室を完成した」と述べた。

武漢P4実験室は、フランスのリヨンP4実験室の技術と設備を導入しており、中国とフランスが共同で設計したものである。

武漢P4実験室の竣工は新たなスタートである。中国科学院の白春礼院長は、「われわれは改革·イノベーションの発展の道を堅持して、更に管理体制の改革を深化し、武漢P4実験室がトップレベルのビッグサイエンス研究センターになるように努力する」と語った。

・中国初のバイオハザード高度安全実験室(人民網日本語版 2015年2月1日)

※中国科学院武漢国家バイオハザード実験室(「武漢P4実験室」)の建設が湖北省武漢市でスタートした。完成すればバイオハザード実験室として国内初の最高レベルの高度安全実験室(P4)になる。

同実験室は国家発展改革委員会が認可した国の重大科学技術インフラで、中国科学院と武漢市政府が共同で建設を進める。実験室の設計は中国とフランスが共同で行い、建設作業と主要施設・設備の設置は中国の建設機関が担当する。同実験室が完成すれば、中華人民共和国の建国から65年にして急性伝染病の研究・利用のためのハードウエア環境が整うことになる。このプロジェクトを請け負う中国科学院武漢病毒(ウイルス)研究所の話によると、P4実験室は急性伝染病の研究・利用を専門とする大型の設備であり、人類が建設したバイオハザード実験室として最もレベルの高いものになる。これまでは主要先進国にしかこのような設備はなかった。

・中国初のP4実験施設が武漢に完成(新華網 2015年2月1日)



※中国で初のP4実験施設が武漢に完成しました。P4はBSL(バイオセーフティレベル)4とも呼ばれ、最高レベルの感染症に対応する研究環境を意味し、世界でも日本を含めて15カ国程度にしか設置されていません。日本にも国立感染症研究所(武蔵村山市)と理化学研究所(つくば市)の2箇所存在しますが、住民の反対に合ったためレベル4の運営はしていないそうです。

SARSのパンデミックを経験し、鳥インフルエンザが後を絶たない中国において、感染症や伝染病に関する研究は非常に重要だと認識されており、このP4実験室設立のニュースはかなり大きく伝えられています。今回の建築にあたっては、設計からフランスと共同で実施していることもあり、中国科学院が入っていることからも、ハードウェア的には問題はないでしょう。問題はソフトウェア、オペレーション。高速鉄道(新幹線)や地下鉄でも、運用当初は事故が絶えませんでしたから、今回も多少の問題は発生すると思われます。無事に立ち上がることを祈ります。

新華網武漢は2015年1月31日に、中国で初めての「バイオセーフティレベル(BSL)」が最高(4)の実験室、中国科学院武漢国家安全実験室(武漢P4実験室と略)が31日に武漢にて竣工(完成)し、中国が正式に病原体の研究と利用を進めるハードウェアを手に入れました。将来的に、実験室の中でエボラ出血熱に関する研究を行うことができます。

過去30年、地球規模で新型の伝染病が猛威を振るっています。数年ごとに新型の伝染病疾患が出現し、世界経済と社会の発展に重大な影響をもたらしています。2014年から、アフリカなどの地区においてエボラ出血熱が発生し、人類にとって伝染病の怖さを再認識させるに十分な勢いを保っています。

伝染病の感染力と危険性について、国際的に研究室、実験室はBSLにもとづいてP1, P2, P3, P4の4段階が設定されています。P4実験室は、最も活性度が高く感染度の強い病原体と大型装置を用いる、人類が現時点で設置できる最高等級のBSLの実験室です。

ここに至るまで、中国にはこのような研究条件はありませんでした。世界では、フランス、カナダ、アメリカ、スウェーデンなど20カ国のみがこのような研究室を保有しています。

2003年、中国でSARSのパンデミックが起こりました。専門家によると、新型の伝染病の流行は人類の健康に十大な脅威をもたらすため、研究者たちにとっての最大の挑戦となります。同時に、中国には、このような新型の急性的な伝染病や、新型ウィルス、公衆衛生に関する基礎的な研究も含め、経験が不足しています。

2003年7月、中国政府はP4実験室の建設を開始、10年を経て世界最先端のP4実験室を完成するに至りました。武漢P4実験室は中国科学院と武漢市人民政府が共同で、国際的なバイオセーフティ実験室の要求と中国の関係基準にもとづいて建設したものです。また、この実験室は、フランスのリヨンP4実験室の技術と設備を導入しており、中国とフランスが共同で設計を行いました。

フランス政府と議会の担当秘書官は竣工式の祝辞で、この日は中国とフランスの医学共同研究において非常に重要であり、両国政府はこの華々しい出来事への貢献を感謝すると述べました。世界の衛生環境において、中国で初めてとなるP4実験室が、中国と世界のバイオテクノロジーに関して多方面での共同研究の場となって欲しいということを話しました。

記者が更に取材した内容によると、P4実験室は武漢市江夏区にある中国科学院武漢分室の中に設置され、実験室の内部はハンガーで吊るされている構造、4層からなります。一番下の層は汚水処理と生命維持系統である空気供給システム、二番目が実験室で、三番目が濾過システム、二番目と三番目の間には配管があり、最上層には空調システムが設置されています。

「いわゆる、1, 3, 4層と配管系等が第2層の実験室を正常運行するために、負圧による一方向の気流を作り出します。室内にあるものを外に持ち出すことは不可能で、外にあるものを室内に持ち込むことのみが可能です」。中国科学院分室の室長で、P4実験室の主任である袁志明の言葉です。

室内の第二層、実験室の区分ですが、3つの細胞実験室、2つの動物実験室、1つの動物解剖室・滅菌消毒室などがあります。

実験室の技術エンジニア総監である董践潇曰く、周辺環境安全を保証するために、各方面からP4実験室への侵入経路は全てセキュリティコントロールがされています。実験室で排出されるガス、水、物質などは濾過系統で処理がされます。気体は濾過器、液体は活性毒素排水装置、物質については二重扉型の滅菌器などで処理がなされます。

中国科学院院長である白春礼によると、武漢P4実験室は中国公衆衛生システムの中で最重要な機能のひとつであり、中国が新型伝染病、ウィルスへの対応能力を向上させ、ワクチンの開発などへ繋げる重要な要素であると言います。

国家衛生委員会の主任である李斌によると、中国初のP4実験室は世界の1/5の人口の健康福祉に繋がると同時に、国際的な伝染病を防止することに貢献できると力説しています。


・ 米国で細菌戦についても研究しているDARPAと関係の深い大学が武漢で研究に参加

2020.02.04

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202002040000/

※新型コロナウィルスの感染が拡大していることを利用し、アメリカやその属国の有力メディアは危機感を煽る「報道」を続けているようだが、その一方で​アメリカ国防省のDARPA(国防高等研究計画局)​が注目され始めた。

この研究機関は全人類を監視するシステムや行動や嗜好を分析することで体制に反抗する可能性の高い人間を探り出す研究にも手を出している。

そのDARPAは2018年からコロナウィルスのコウモリからヒトへの感染に関する研究へ数百万ドル以上を提供している。コウモリが媒介するウィルスが人間に感染するようになった原因を解明するためのプロジェクトへこの機関は2018年に1000万ドルを出したともいうが、それだけでなくウィルスの生物兵器としての可能性についても関心を持っているという。

アメリカ国防総省のDTRA(国防脅威削減局)が資金を出している別の研究では​カザフスタンのコウモリが媒介するコロナウィルス​が発見され、研究が始まっているが、この研究にはアメリカのデューク大学が参加している可能性がある。

この大学は病原体に関する研究でDARPAと手を組んでいるほか、中国の武漢大学とも提携、2018年には中国にデューク崑山大学を開設した。今回の感染が始まった湖北省の武漢ではアメリカ国防省の研究機関と関係の深い大学が研究を始めていたのである。


・デューク・スタンダードで世界トップレベルを目指す―昆山杜克(デューク)大学(Science Portal China 2014年12月26日)

 石川 晶(中国総合研究交流センター)

https://spc.jst.go.jp/experiences/coverage/coverage_1428.html

※2014年、上海市から程近い江蘇省昆山市に新しい大学が開学した。昆山杜克(デューク)大学である。

アメリカのノースカロライナ州ダーラムに本部を置くデューク大学、湖北省の国立武漢大学、そして昆山市政府の三者の合作による「チャイニーズ・ジョイントベンチャー」として昆山杜克大学は設立された。中国では国内の教育機関と海外の教育機関が協力して大学等を運営する「中外共同運営機関・プロジェクト」を近年は一段と積極的に推進しているが、昆山杜克大学もその一例である。

筆者は開学間もないこの大学を取材した。上海虹橋駅から高速鉄道に乗り、一駅目の昆山南駅で下車。昆山南駅から大学キャンパスまでは車で30分ほどで到着した。

そのキャンパスの印象は、中国の従来の大学とはイメージが異なり、近未来的な建物が立ち並んでいた。建物を含むキャンパス全体のデザインもアメリカのデューク大学の関連企業によるものであるという。その一方、周辺の開発はこれからのようで、空き地が非常に多かった。ちなみにキャンパスの土地はすべて昆山市からの提供によるものである。

大学に到着すると、李慧教授(校長助理)らがカンファレンスセンターで取材に応じてくれた。まだアカデミックビルディングの内装工事などが終わっておらず、暫くはホテルのような事務作業には向いていないカンファレンスセンターで業務をこなさなければならないとのことであった。

昆山杜克大学のカンファレンスセンターは、アメリカのデューク大学からの関係者や国際学術会議などで海外から訪れた研究者らが宿泊できる部屋を多数備えている。それらの部屋はまさに欧米の高級ホテル並みのクオリティを誇るものであった。このような施設が必要なのは、海外から大学関係者、研究者の往来が頻繁であるためだという。

開学初年は医学物理学専攻、グローバル健康理学専攻、経営学(管理学)専攻の3つの専攻を設置している。いずれも2014年度は碩士課程(日本の修士・博士前期課程に相当)の募集のみであったが、2015年度には、上記専攻の本科生(学部生)、博士課程、また人文科学、物理・自然科学、社会科学等の学科、専攻も設置する予定となっている。

中でもグローバル健康理学専攻は、設置している大学がこれまでのところ多くなくい。この研究分野はアメリカで提唱された、全人類の健康増進、健康の公平性を実現することを目的とする医学、公共衛生学、生物学、法学、公共政策学など複合的な要素をもち、バックボーンを異にする研究者の英知を集め、全人類が抱える困難な問題の解決に立ち向かうという。

このほか、環境管理・エネルギー政策研究センターの設立も準備が急ピッチで進められている。昆山杜克大学での環境・エネルギー政策の研究は、世界そして中国の社会経済の発展から、また中国長三角(長江デルタ地域)の発展により環境・エネルギー問題が顕在化したために強く要望され、アメリカでの研究の蓄積を長江デルタ地域に位置する昆山杜克大学を通じてその成果を実装するねらいもある。

李教授によると、デューク大学と同様に学生はまずリベラルアーツから学習をはじめ、例えば専攻に関係なくギリシャ哲学なども研究するという。このような基礎教養を重視している点が、従来型の中国の大学と異なるといえよう。

i現在の学生数は約120人で、そのうちの40%超が海外からの学生で、非常に国際色が豊かな人員構成となっている。海外からの学生のほとんどはアメリカのデューク大学からの学生で、出身地域別ではインド、アフリカ各国が多いとのことである。

入試制度もデューク大学と同様の基準が設けられ、特に英語能力の要求水準はTOEFLスコアで最低90ポイント、もしくはIELTSスコアで7.0ポイント以上に設定されている。なお中国の大学入試「高考」の得点は全く関係ないという。

昆山杜克大学の学生は、課程修了後、デューク大学に進学することを目標とするケースがひとつのモデルとなって確立している。中国国内ではアメリカをはじめとする海外の大学への進学やアカデミックポストを目指すトップクラスの学生・研究者は多いが、そのニーズも汲み取っているといえよう。

教員はその9割がデューク大学から派遣されている。また新規採用の教員についても、デューク大学の基準と全く同じ基準をクリアすることが要求されている。

数多くの優秀な人材を輩出したアメリカのデューク大学同様、昆山杜克大学も「デューク・スタンダード」で世界トップクラスの大学を目指していると李教授が熱く語っていたことが最も印象的であった。


・新型コロナウイルスは対中生物学的戦争か(ParsToday 2020年1月30日)

※マレーシア首相の特別補佐を歴任したマティアス・チャン氏が、「人工的に製造されたの新型コロナウイルスは、中国に対するアメリカの生物学的戦争に等しい」と語りました。

マティアス・チャン氏は、マレーシア・クアラルンプールでIRIB通信との電話インタビューに、「研究所で製造されたコロナウイルスは、中国に対するアメリカの生物学戦争の手段に等しい」と述べています。

また、昨年10月に中国・武漢市にアメリカ軍300人が軍事計画への参加を目的に滞在していた事にも触れ、「この出来事からちょうど2週間後にあたる、昨年11月に武漢市で最初の新型コロナウイルスへの感染例が報告された」としました。

さらに、「この2週間という期間は、学術的な発見によればこのウイルスの潜伏期間に相当する」とし、「60の国際便、100の国内便、国内最大の特急列車網を備えた交通の要所である武漢市での感染例の報告から2ヶ月後、そしてちょうど中国の新年の前夜に、危険なウイルスの発生が発表された」と語っています。

そして、「新型コロナウイルスの蔓延は、アメリカの支持を受けた香港での民主主義支持者による暴動、および米中通商戦争の激化の時期とちょうど重なっており、またこの時期は豚インフルエンザや鳥インフルエンザによる経済損失が回復してきた時期にもあたり、現在では新型コロナウイルスという新しい形で中国を襲っている」と述べました。

チャン氏はまた、アメリカとの通商戦争を理由とした中国経済の没落、というタイトルでの報告の一部に、アメリカCNNが最近満足感を示している事に触れ、「このウイルスの蔓延は、中国に対抗する手段としてアメリカが必要としていたものだった」としています。

アメリカは、1940年代にもグアテマラで梅毒や淋病を、また2014年にはアフリカ・シエラレオネでエボラウイルスを、キューバではデング熱を多数の人々に意図的に感染させるなど、生物テロ手段の行使に関しても長い経歴を有しています。

・アメリカが武漢の研究所に資金援助していたことが発覚(ParsToday 2020年4月13日)

※英国の新聞は、新型コロナウイルスの発生源とされる中国・武漢の研究所に、米国が370万ドルの寄付をしていたことを暴露しました。

英紙デイリーメールは12日日曜の記事で、新型コロナウイルスの発生源とされる中国・武漢のウイルス研究所が、新型コロナウイルス発生の主原因とされるコウモリを利用した研究を米政府の予算で行っていたと報じました。

この研究所は、米政府から資金提供を受けた370万ドル規模のプロジェクトの中で、5000㎞近く離れた中国・雲南省で捕獲されたコウモリを使ってコロナウイルスに関する研究を行っていました。

新型コロナウイルスの発生源は中国・武漢の海鮮市場で、コウモリから人間に感染したとする論が一般的です。

しかし、この武漢のウイルス研究所が米政府の資金で実験を行っていたということは、武漢の市場ではなくこの研究所自体が新型コロナウイルス蔓延の主原因ではなかったかとの疑惑が深まっています。

※菊池‏ @kikuchi_8

米国のFOXニュースがコロナウイルスは武漢ウイルス研究所が感染源との説を今更のように報道している由。この情報はウイルス感染拡大の初期にイスラエルの元情報員の発言として旧統一協会系のワシントンタイムズが流していた。FOXニュースはルパート・マードックが創設したネオコン系のメディアである。

「コロナウイルスの感染源は武漢ウイルス研究所」という情報を旧統一系のワシントンタイムズとネオコン系メディアのFOXニュースが流した。情報の真偽は別としてもネオコン・シオニスト勢力による情報戦が激化していると見る事が出来る。彼らは中国のウイルス研究が欧米に支援されてきた事は言わない。

武漢病毒(ウイルス)研究所のP4実験室(4段階ある内の最高の安全レベルの実験室)は仏蘭西と中国の共同設計であるし、武漢大学は米国のデューク大学(DARPAと協力関係。ウイルス研究も)と協力関係にあり「デューク昆山大学」という大学を共同設立した。ウイルス研究は中国が単独で出来た事ではない。

バイオテクノロジーだけでなく半導体などのハイテク技術の移転も然りである。欧米の裏権力は何故中国を支援するのか。米国などの欧米の大国に拮抗し得る「仮想敵」を育成する事(それによる両建でコントロールする)や一党独裁体制なので“効率的に”NWO実験が可能な実験場とする事などが考えられる。

欧米の裏権力にとって中国は「敵にして敵に非ず」である。「敵」とは旧ソ連の如く「仮想敵」として国際政治の両建操作に無くてはならない存在という事である。「敵に非ず」とはNWO実験国家として育成し、あわよくば米国に代わる又は相並ぶ「新世界秩序=NWO」の中心拠点にしようという意図が想定可能。

実際「コロナ後の世界は中国が中心になる」という主張もなされている(「コロナ後」NWO誘導の一つ)。中国のデジタル・レーニン主義を西洋文明のあるべき未来像とする「中華未来主義」いう思潮がある。これも新手のNWO思想。この思潮の中心的なイデオローグがニック・ランド(上海在住の由)である。

今の中国は革命前のような「東洋文明の担い手」というより西欧近代文明のある種の側面(「功利性」「効率性」「目的合理性」「技術信仰」)を極度に発達させた近代主義的国家である。文化大革命で否定された東洋文明の廃墟の上に作られたNWO実験国家。デジタル・レーニン主義はその究極的表現である。

中国が伝来の東洋文明に回帰すると裏権力にとっての真の「敵」となり得るが、デジタル・レーニン主義を行うNWO実験国家であり続ける以上、真の意味での「敵」にはなり得ない。裏権力は肩入れし続けるであろう。明治以後の我が国とて同様である。他人事に非ず。欧化主義の克服が急務である所以である。

欧米の中華未来主義者は東洋文明の担い手としての中国に憧れている訳ではない。西欧近代文明の究極的な発達モデルとしてNWO実験国家・中国のデジタル・レーニン主義に願望を投影させている。彼らは中国を「人権」や「民主主義」という「非効率」な要素を廃した「効率的」な文明モデルと見なしている。

日本と中国では欧化主義のモデルが異なる。西欧での“思想の配電盤”でもあったフリーメイソンで系統分けすると分かり易い。日本は明治以来、主に英国系フリーメイソンの影響下に置かれた。一方、中国は中国共産党の初期メンバーが仏蘭西留学していたように仏蘭西系フリーメイソンの思想的影響下にある。

近代以降の日中対立構造は「英国系フリーメイソンVS仏蘭西系フリーメイソン」両建構造の反映と見る事が出来る。日本国内の左右両建構造も同じである。国際的・国内的な両建構造は相似形。このように「欧化主義」と言っても日本と中国では微妙にモデルが異なる。日本は独逸啓蒙主義の影響も強かった。

・英国が昨年中に新型ウイルス蔓延を警告されていたとする機密文書が発覚(ParsToday 2020年4月25日)

※イギリスの機密文書から、昨年中に同国政府に対し新型コロナウイルス蔓延に関して強い警告がなされていたことが明らかになりました。

ロシア・スプートニク通信が25日土曜、報じたところによりますと、これらの機密文書はイギリス内閣関係者の日誌の中で発覚したものです。それによれば、昨年中にイギリス内閣に対し、同国内に新型コロナウイルスが流入した場合、その対策として強固で包括的な計画が必要となると警告され、その理由として、英国内でのこのウイルス蔓延により数千人が死亡する可能性が指摘されていました。

この文書は公式の機密文書としてNARSA・国家安全危険査定機関が署名し、昨年中に同国ジョンソン政権のヴァランス首席科学顧問や国家安全顧問の手に渡っていました。

600ページにわたるこの文書の中では、「イギリスに新型コロナウイルス侵入しただけで多数の人々の死亡につながる。この先予想される危険を未然に防止するため、重要な決定を伴う対策が必要になる」と警告しています。

この文書で提起された対策案には、個人用保健防護用品の備蓄、今後必要となる措置の実施に向けた合意への署名、感染ルートの管理と追跡、死者の大幅増への対処策、イギリス人感染者を帰国させることなどが挙げられています。

さらにこの文書では、イギリス人のおよそ50%が、3回にわたり連続してコロナ蔓延の波に巻き込まれた後、同国経済が大きく落ち込み社会インフラが深刻な被害を受けることから、同国が医療・社会サービスの切迫した必要性にせまられるだろうとしています。

現在、イギリスの新型コロナウイルス感染者は14万3464人、死亡者数は1万9506人に上ります。


・霊長類フォーラム:人獣共通感染症(第84回)9/30/99

https://www.jsvetsci.jp/05_byouki/prion/pf84.html

・フランス・リヨンに新設されたP4実験室

※9月23日からフランスのリヨンで世界獣医学会議が開かれました。これは4年に 一度開かれる獣医学領域での最大の会議で、前回は1995年にパシフィコ横浜で開 かれました。この会議の前日にリヨンに新たに建設されたP4実験室を国立感染研の小 船富美夫、東大獣医微生物の甲斐知恵子の両先生と訪問しました。

 この実験室の建設計画はフランスINSERM(Institut National Scientifique Reche rche Medecin国立医学研究所)のフェビアン・ワイルドFabian Wildが中心になって 始められたものです。フェビアンは英国人ですがフランスが好きなようで、20年以 上、INSERMで麻疹、ジステンパーなどのモービリウイルスの研究を行っています。私 たち3人とはモービリウイルスの研究を通じての長い付き合いがあります。私の場合 は1984年に彼の研究所でセミナーを行った時からの友人です。小船先生はWHOの 麻疹根絶計画の麻疹ワクチン開発委員会で一緒に仕事をしたことがあります。甲斐先 生は文部省の学術調査官としての出張でINSERMを視察した際にフェビアンに世話にな ったことがあります。それはたまたまP4実験室の建設計画の始まった時でした。

 そこでフェビアンに見学の手配を依頼した結果、所長のスーザン・フィッシャーホ ックSuzan Fisher-Hochを紹介してもらい、メールでスケジュール調整をして会議の 前日に訪問することになったわけです。彼女はCDCの特殊病原部いわゆるホットゾー ンで8年間出血熱ウイルスの研究を行ってきました。有名な仕事としては、エボラウ イルスのザイール株、スーダン株、レストン株のサルへの感染実験を行って、それぞ れのウイルスの病原性の程度を比較した論文があります。また、特殊病原部長のジョ ー・マコーミックの奥さんで、ふたりが著者となったVirus Huntersという本を書い ています。Huntersと複数なのは夫婦のことを指しているからです。

 あいにくフィッシャーホックは留守でしたが、Chef de laboratoire(実験室主任 )の肩書きのジャック・グランジュJacques Grange教授が案内してくれました。短時 間プログラムと長時間プログラムのどちらが希望かと言われたので後者を頼んだとこ ろ、午前中いっぱい、くわしい説明を交えながら、実験室区域(内部は外の廊下から だけですが大きな透明ガラスなのでよく見えます)、空調施設、、排水処理施設まで くまなく案内していただきました。この訪問の際のメモを参考にしながら、この新し いP4実験室をご紹介をしようと思います。きわめてフランス語的な英語の説明であっ たため、理解不足の面もあるかと思います。その点をあらかじめお断りしておきま す。

建設の経緯

 これまでにフェビアン・ワイルドとCDCのウイルス・リケッチア病部門長のブライ アン・マーヒーから聞いていた話を総合すると、フェビアンがP4実験室の必要性をメ リユー財団の理事長シャルル・メリューCharles MerieuxにP4実験室の重要性を訴え 、資金提供を依頼したのが建設計画の発端です。シャルル・メリューの祖父マルセル ・メリューはパスツールと一緒に研究にたずさわった人です。そして彼の息子のジャ ン・メリューはパスツール研究所で学び、後にフランスでのポリオ根絶に貢献した人 ですが、1994年にTWAの航空機事故で死亡しました。

 ジャン・メリューの遺産の寄付を受けたメリュー財団がP4実験室の建設資金を提供 して昨年12月に実験室は完成しました。正式名称はジャン・メリューの名前をとっ て、Laboratoire Haute Securite P4 Jean Merieux(ジャン・メリューP4高度安全実 験室)です。なお、スーザン・フィッシャーホックからのメールではタクシーの運転 手にle P quatro (英語のP4)と言えば通じるという話です。

 グランジュ教授はケミカル・エンジニアリングを学んだ後に、INSERMで学位(微生 物学?)をとり27年間ポックスウイルスなどの研究にたずさわったとのことです。 微生物学からエンジニアリングまで理解していて、実験室の運転・設備のメンテナン スなど管理面の責任者のようです。一方のフィッシャー・ホックは使用する研究者の 立場です。ついでですが、電気設備の一部はグランジュ教授の息子さんが担当したと いって、その内容も説明してくれました。電気制御システムのことで、私にはよく理 解できませんでしたが。

P4実験室の立地条件と構造・設備

 P4実験室はリヨンの街の中心から車で10分くらいのところにあります。昔、屠畜 場のあった広い敷地に10年あまり前にINSERM、獣医大学、パスツールメリューのワ クチン製造所などが集まった、いわばリサーチパークといったところです。そこのマ ルセル・メリュー研究所の屋上にP4実験室は建設されました。敷地は広いのですが多 くの建物が建っていて余裕がなく、さらにINSERMなど協力機関に近い場所といった場 所にしなければならなかったために、INSERMとつながっているマルセル・メリュー研 究所の上が選ばれたわけです。

 実験室は1階が排水処理施設、2階が隔離実験室区域、3階が給排気処理施設の3 階建てです。これがなんと、地下7メートルまで埋められた大きな柱3本で支えられ て、既存の建物の上に設置されています。ほかの国では考えられない方式です。建物 の周囲は透明なガラスでおおわれ、外から内部がすけて見える開放的な雰囲気です。 しかも、もっとも目立つガラス壁の部分にはP4 Jean Merieuxのネオンサインが付け られています。P4実験室を取り囲む窓のすぐ下は激しい交通量の道路で、四方の窓か らのリヨンの街の眺めは展望台からの感じがします。とてもP4施設に居るという気は しません。

 建物の壁はポリウレタンを吹き付けた厚さ12センチメートルの鉄製で、シリコン で接着されています。実験室全体をとりまいているガラスは3.5 cmの防弾ガラスです 。グランジュ教授は潜水艦に近いものになっていると自慢していました。

 実験室区域への入り口には、建物の内部の配置と作業の内容を模式的に示した大き な図があります。メリユー研究所は牛のもっとも危険な感染症である口蹄疫のワクチ ンを古くから製造しており、私は10数年前にその工場を訪問したことがありますが 、そこで見た隔離状態での口蹄疫ワクチン製造の図を思い出しました。この隔離施設 の経験が生かされているものと思います。

 実験室は2つのユニットからできています。平面図にスケールが入っていないので 正式の広さは分かりませんが、感じではCDCのものとほぼ同じように思われます。四 方を緩衝帯としての廊下がとりまいており、ここは非隔離区域で、大きなガラス窓を 通して内部がよく見えるようになっています。実験室の中からも外の景色が見えるは ずです。基本的には現在のCDCのP4施設と同じですが、使用開始前で内部がきれいな ためもあってか、CDCのものよりもすっきりした感じです。

 これまでいろいろな人から聞いていた話とは異なり、最新のテクノロジーが応用さ れている面がいくつもあります。私はこれまでにCDCの古いP4実験室(現在は多剤耐 性結核菌研究用)、現在のP4実験室、フォートデトリックの生物兵器研究施設、米陸 軍微生物病研究所USAMRIID、国立癌研究所、英国の生物兵器研究施設(ポートンダウ ンにあります)など、南アフリカのP4施設以外の主なP4施設はすべて訪問しています が、このリヨンの施設はたしかにユニークです。最新のテクノロジーが応用されてお り、グランジュ教授が自慢するように21世紀の施設といえるかもしれません。

 特徴的なところは、フランスの原子力産業の技術が積極的にとりいれられている点 です。まずプラスチックスーツですが、CDCなどで使用しているものは5キログラム もあり、作業者には重労働になっていますが、ここのスーツは改良されて2キログラ ムです。工業技術面のことでよく理解できませんでしたが、いろいろな配管の電気溶 接はウラン精製の際の方式だそうです。配管が壁を貫通する箇所のシールは建物の機 密性を保つために重要ですが、これにも原子力施設の方式が使用されています。排水 処理などの配管からのリークは電気伝導度の検査装置が付けられており、リークが生 じる前に検出できるようになっています。これは原子力施設で使用されているものだ そうです。排気用ダクトの継ぎ目の部分には柔軟性を確保するためにパラシュートの 素材が用いられています。余談ですが、グランジュ教授は英語の語彙が多くなく言葉 を選ぶのに苦労しており、パラシュートの英語も大分考えていましたが、パラシュー トはフランス語から生まれた英語だったようです。

消毒・除染処理

 スーツ方式のP4実験室では作業者がスーツの中に封じこめられて、感染防止がはか られます。スーツの外側には病原体が付着する可能性があるため、作業終了後にまず 、スーツの外側を薬液シャワーで完全に消毒することがもっとも重要です。さもない と実験者がスーツを脱いだ際に感染するおそれがあります。消毒薬としてこれまで、 CDC, USAMRIIDなどではいずれもフェノールを用いてきています。レベル4に分類さ れているのはエンベロープを持ったウイルスだけで、すべてフェノールで容易に不活 化されます。しかし、フェノールには発癌物質である塩酸オルトフェノールが生じる 危険性があります。そこで、この新しいP4実験室では、氷酢酸、次亜塩素酸ソーダな どを含めて15の消毒剤を試験した結果、最後に残ったものがSanytexという薬剤で した。これはRochexが販売しているもので病院や実験室の床の清掃などに用いられて いるものだそうです。成分は4塩化アンモニウム、アルデヒド、パインオイルの混合 物ということでした。パインオイルには抗カビ作用もあるそうです。この薬剤をヒト 免疫不全ウイルス、アデノウイルス、ポックスウイルス、バチルス、カビなどで試験 して消毒効果を確認した上で採用したとということでした。匂いもよく、市販のもの があるのも好都合ということです。ただし皮膚に付くと傷害を与えます。

 これまでのP4実験室では薬液シャワーは頭上から浴びる方式です。ここのは両側の 12個のノズルから薬剤がエアポンプで放出されます。4分間、この薬液シャワーを 浴びたのち、2分間普通の水のシャワーでゆすいでからスーツを脱いではだかになり 、普通のシャワーを浴びることになります。

 普通、P4実験室では入室の時はシャワーを浴びる必要はありません。出る時に汚染 を除去するためにシャワーを浴びます。ここも同様と思っていましたら、後で述べる 火星からのサンプルについての作業では入室の際にも浴びることになると言っていま した。地球上の微生物で火星サンプルを汚染してはいけないということでしょうか。

 排水は128度の高圧蒸気滅菌で処理されます。そのために1階に2つの高圧蒸気 滅菌タンクが備え付けられています。容量は1立方メートルで、スチームジャケット が取り囲む方式です。これはほかのP4施設のものより大分小型です。私の記憶では感 染研のP4実験室は5立方メートルだったと思います。滅菌処理する排水の80%は消 毒用シャワーの水です。

今後の利用計画

 この実験室の建設費は4000万フラン(約8億円)で、すべてメリュー財団が支 出しました。完成後はINSERMのヨーロッパ・ウイルス・免疫センターに移管する予定 でしたが、まだ調整作業中で、移管は実現していません。現在はメリュー財団が維持 費もすべて負担しています。

 施設の使用開始に向けての安全確認に関して、リヨンとパリの両方の行政からの許 可を現在待っているところです。これが済めば実験が開始されることになります。現 在具体的に検討されている実験にはラッサ熱ワクチンがあります。これはカナリアポ ックスウイルスをベクターとして、それにラッサウイルスの糖蛋白遺伝子を組み込ん だ、いわゆるベクターワクチンです。ワクチンの各種の性状はレベル2で実験できま すので、P4実験室ではサルにワクチンを接種した後、ラッサウイルスで攻撃して免疫 力を確認する実験が行われるのだろうと思います。研究費はパスツールメリューとEC の両方から提供されるそうです。

 サルの飼育ケージとしては1ラック、4ケージ1組のものが4台ありますから、最 大16頭のサルでの実験が可能です。観察用の赤外線カメラは天井に設置されていま す。

 そのほかに多剤耐性結核菌、多剤耐性チフス菌などへの使用も考慮中だそうです。 これらはレベル3でも可能ですが、リヨンでは最近、ルーマニアから来た人の中で4 例の多剤耐性の結核患者が見つかっており、この分野でも協力しなければならないだ ろうとのことです。

 一方、フェビアン・ワイルドはモービリウイルス専門家の立場から、マレーシアで 130人の人の死亡と100万頭の豚の殺処分を引き起こしたニパウイルスの研究を 行いたいと話していました。

 非常に意欲的に計画しているものに火星サンプルの試験があります。ここのP4実験 室には2つのユニットがありますが、そのひとつを2008年にヨーロッパのロケッ トが火星から採取してくるサンプルの研究に利用する計画が進められています。地球 上に存在しない微生物を持ち込むおそれがあるかもしれないという考えからです。実 は、このような計画は1960年代にアポロが月から持ち帰ったサンプルについて実 施されたことがあります。その際の月サンプル研究室Lunar Receiving Laboratoryの 概念図や経緯は私の著書「エマージングウイルスの世紀」で紹介しています。宇宙か らの微生物という発想にもとずいたマイケル・クライトンの「アンドロメダ病原体」 という推理小説は、このNASA計画がヒントになったものです。アンドロメダの話がま た復活するわけです。なお、NASAでも月サンプル研究室は老朽化したため独自に新た に火星サンプル用の実験室建設計画を進めていて、リヨンのP4実験室の視察にもきた そうです。


訪問を終えて

 見学を終えた後、フェビアン・ワイルドのオフィスを訪問しました。彼によれば資 金を提供したシャルル・メリューがこの建設に際して付けた条件はただひとつ、自分 が生きている間に完成させるということだったそうです。フェビアンには100%こ の計画に従事してほしいと要求したそうですが、フェビアンはINSERMという国立研究 所の職員であり、自分のウイルスの研究も忙しく、とてもそれだけの時間はさけない ということから、CDCにかって所属していたスーザン・フィッシャーホックにバトン タッチしたということです。

 建設計画の最初にはCDCの専門家を呼んで、2カ月間検討を行った後、全部で5カ 月で建設計画がまとまりました。シャルル・メリューの要求はとにかく、時間を急ぐ ことで予算は問題外であったとのことです。そして、昨年12月の開所式にシャルル ・メリューは出席できました。彼は現在、92才です。4年前の横浜での世界獣医学 会議ではフランスのアルフォール獣医大学の元学長のシャルル・ピレ教授と私とが企 画したパスツール記念シンポジウムに出席されましたが、大変お元気でした。しかし 、現在は重態とのことです。

 アメリカのP4実験室とは非常に異なって開放的でかつ、フランスの独自性を強調し た施設には大変強い印象を受けました。また、設立のいきさつにはパスツールの意思 が現代にも脈々と続いていることが感じられました。