・サウジ攻撃の武器はイラン製 連合軍発表(AFPBB 2019年9月17日)
※サウジアラビア主導の連合軍は16日、サウジの石油施設への攻撃に使われた武器はイラン製だったと発表した。これに先立ち米国は攻撃への報復を示唆しており、域内での衝突の懸念が高まっている。
先週末に行われたこの攻撃については、イエメンの親イラン派反政府武装組織フーシ派(Huthi)が犯行声明を出したが、米国はイランを非難。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は米国が「臨戦態勢」にあると述べ、マーク・エスパー(Mark Esper)国防長官も米国が対抗措置を準備していると表明した。
一方、ロシアは「すべての国に対し、状況を悪化させ得る早まった手段や結論を避けるよう」要請。欧州連合(EU)も当事者すべてが「最大の自制」を示すべきだと強調した。
サウジのエネルギー施設はこれまでにも攻撃を受けたことがあるが、今回の攻撃は異例の規模で行われ、同国の原油生産の約50%が停止。これは世界の石油供給の約6%に相当する。
連合軍のトゥルキ・マリキ(Turki al-Maliki)報道官はサウジアラビアの首都リヤドで記者団に対し、攻撃に使われた武器は「イランからのもの」だったと明言。現在「どこから発射されたか」を調べていると述べた。さらにマリキ氏は「この攻撃は、フーシ派が装っているようにイエメン領土からなされたものではない」と述べ、調査が始まったとも明らかにした。
フーシ派は、サウジ施設を無人機10機で攻撃したと主張。イランのハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)両大統領と開いた記者会見で、攻撃はフーシ派が「自衛」のために行ったと説明した。
だが、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)の報道によると、米当局が入手した衛星画像では攻撃が北あるいは北西の方向から実施されたことが示されている。これは、攻撃がペルシャ湾(Persian Gulf)北側のイラン、または同国がさまざまな武装集団を支援しているイラクから行われたことを示唆している。
・サウジ防空システムに欠陥、ドローン攻撃に無防備(ロイター 2019年9月18日)
※サウジアラビアは、高高度からの攻撃を抑止するため、数十億ドルを費やして西側から最新鋭の防空システムを購入してきた。だが、同国の巨大な石油産業の施設が大打撃を受け、安価な小型無人機ドローンや巡航ミサイルによる攻撃からの防御には、全く役立たないことが、図らずも証明されてしまった。
14日の攻撃で、サウジの原油生産量は約半分に落ち込んだ。隣国・イエメンとの4年半に及ぶ戦争で何度も重要資産が攻撃を受けながら、同国が適切な防衛態勢を整えていない実態を露呈した。
サウジと米国は、恐らく今回の攻撃の背後には、イランがいるとの見方をしている。ある米政府高官は17日、攻撃の起点はイラン南西部だったというのが米政府の考えだと説明した。3人の米政府高官は、攻撃にはドローンと巡航ミサイルの両方が使われたと語った。
イラン側は関与を否定し、サウジが主導する有志連合に敵対しているイエメンの集団が攻撃を実行したと主張。イエメンの親イラン武装勢力フーシ派は、自分たちが単独で攻撃したとする声明を発表している。
米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)によると、イランの弾道ミサイルと巡航ミサイルの発射能力は、中東で最強であり、イランや同国が支援する近隣の武装勢力とサウジの距離の近さを踏まえれば、サウジのいかなるミサイル防衛システムも事実上圧倒する可能性がある。
ただ、より限定的な攻撃でも、サウジにとって手に余ることが分かっている。例えば最近フーシ派は、サウジの民間空港や石油ポンプ設備、同国東部のシェイバー油田などの攻撃に成功した。
サウジのある安全保障関係者は「われわれは無防備だ。どの施設にも実質的な防空態勢が存在しない」と話した。
14日に攻撃されたのは、国営石油会社サウジアラムコの2つの石油精製施設。石油関連施設の被害としては、1990─91年の湾岸危機時にサダム・フセインのイラク軍がクウェートの油田を炎上させて以来の規模となった。
サウジ政府は暫定的な調査結果として、イラン製の兵器が使用されたと分かったが、発射地点はなお不明だと説明している。
当初、専門家はドローンによる攻撃と特定していたが、3人の米政府高官は、ドローンと巡航ミサイルを組み合わせた攻撃方法であり、初めに考えられたよりも複雑で高度な作戦だったことがうかがえると述べた。
サウジの安全保障専門家の1人は「サウジにとってこの攻撃は(米中枢同時攻撃の)9・11のようなものだ。今回の攻撃は、これまでの状況を一変させるゲームチェンジャーだ」と指摘。さらに「われわれが国防のために数十億ドルを投じた防空システムと米国製兵器は、どこにあるのか。これほど精密な攻撃ができるなら、海水淡水化工場などもっと多くの施設が標的になりかねない」と懸念する。
主要な都市や施設にサウジが配備している防空システムでは、長らく米国製の長距離地対空ミサイル「パトリオット」が、主要な役割を果たしてきた。実際、フーシ派がサウジの都市に向けて発射した高高度飛行の弾道ミサイルは、首都・リヤドを含む主要都市で見事に迎撃されてきた。
ところが、ドローンや巡航ミサイルは、より低速かつ飛行高度も低く、パトリオットにとって検知・迎撃が難しい。
ペルシャ湾岸諸国のある高官は「ドローンは、サウジにとって非常に大きな試練だ。なぜなら、しばしばレーダーをかいくぐって飛んでくる上に、イエメンやイラクとの国境線が長いためで、大変脆弱な状況に置かれている」と指摘した。
<安価な攻撃手段>
アラムコの操業に詳しい関係者は、今回攻撃を受けたアブカイクの施設は、ドローンに対する防衛態勢が不完全だったと証言した。当局は、レーダーが適切にドローンを捉えたかどうか調査を進めている。
サウジと取引がある西側の防衛企業幹部は、1年前までアブカイクの防衛用にパトリオットが配備されていたと話す。
14日に適切な迎撃ができなかった理由について、記者団から聞かれた有志連合の報道官は「230発を超える弾道ミサイルが有志連合によって迎撃された。われわれはあらゆる脅威に対応しており、サウジの安全保障を確保する防衛能力がある」とだけ答えた。
サウジ政府の報道担当部門は、コメント要請に回答しなかった。
先のサウジ安全保障関係者と2人の業界関係者によると、同国政府は数年前からドローンの脅威を認識し、コンサルタントや関連業者と解決策を話し合っていたものの、新たな具体的措置を講じてこなかった。
米国防総合大学のデーブ・デロッシュ氏は「従来のほとんどの防空レーダーは、高高度からの脅威に向けて設計されている。巡航ミサイルとドローンは地表すれすれを飛んで来るが、地平線が丸い関係でレーダーに映らない。また、ドローンは小さ過ぎて、大半のレーダーに熱源として探知されない」と解説する。
たかだか数百ドル程度のドローンに対し、1発約300万ドルの高額なパトリオットミサイルで撃ち落とすのは、あまりにも割に合わない面がある。
米国の防空専門企業・ディドローンのヨルク・ランプレヒト最高経営責任者(CEO)兼共同創業者は、より有効なドローン迎撃策として、こちらからもドローンのスウォーム(群れ)を向かわせることを提案する。
また、ジャミング(電波妨害)などの技術によって、ドローンを制御不能にできるとしている。
ただ、頻繁にジャミングを行えば、産業活動が損なわれたり、周辺住民に健康被害を与えることにつながる恐れもある。
いずれにしても武装されたドローンは入手しやすくなる一方で、重要なインフラへの脅威は過剰なほどに高まりつつある、と専門家はみている。
サウジの政策担当者がずっと前から恐れているのは、中部と東部に淡水を供給している同国東部・ジュバイルの淡水化施設が攻撃される事態だ。
この施設が破壊されれば、数百万人が水を利用できなくなり、修理に長い期間を要する可能性があるとみられている。
・サウジ石油施設への攻撃はイラン製の新型巡航ミサイルと初確認の新型自爆ドローン
JSF | 軍事ブロガー
2019年9月19日
https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20190919-00143227/
※サウジアラビアの石油施設が9月14日に攻撃を受けて炎上した事件について、イエメンの武装勢力フーシ派が自爆ドローンで行ったと犯行声明を出しました。しかしアメリカはイランが直接攻撃したと疑っており、緊張が高まっています。
そして9月18日、石油施設攻撃についてサウジアラビア国防省は巡航ミサイル7機と自爆ドローン18機の合わせて25機の飛翔体による攻撃だったと発表しました。現場に落ちていた巡航ミサイルと自爆ドローンの残骸を公開しましたが、それらは驚くべきものでした。
7月に発表されたばかりのイラン製新型巡航ミサイルと、今回初めて公開されたデルタ翼(三角翼)を持つ自爆ドローンだったのです。
巡航ミサイル「Quds-1」

(上)9月18日、サウジアラビア国防省発表より
サウジアラビア国防省が9月18日に公開した青い色の細長い残骸は、イエメンのフーシ派が今年7月に発表したばかりの新型地対地巡航ミサイル「Quds-1(クッズ-1/コッズ-1、意味はエルサレム)」の後半部とエンジンです。垂直尾翼と水平尾翼の形状、取り付け位置、使用エンジン(チェコ製TJ-100ターボジェットエンジンの同型)などから特定できます。フーシ派は自分たちで開発したと主張していますが、イラン製であることは確実と見られています。

(上)2019年7月、イエメンのフーシ派が発表した映像より巡航ミサイル「Quds-1」
※Quds-1巡航ミサイルの飛行時の姿勢はエンジンが下側と推定
なおこの巡航ミサイルの残骸についてはサウジアラビアの正式発表前から現場付近で発見されていたことが写真で報告されていて、この時に既に巡航ミサイルQuds-1であることは判明していました。



実は2年前の2017年にイエメンのフーシ派はUAEの原子力発電所を巡航ミサイルで攻撃しようとして失敗した事例があります。この時のミサイルはフーシ派自身が公開した映像からイラン製巡航ミサイル「Soumar(スーマール)」と推定されていました。

(上)スーマール

(上)ホヴェイゼ
スーマールと派生型「Hoveizeh(ホヴェイゼ)」はロシア製空対地巡航ミサイル「Kh-55」に形状が酷似しており、イランはウクライナ経由でKh-55を密輸して模倣し、ブースターを追加して地対地型に改造したと見られています。Kh-55は巡航ミサイルとしては珍しいエンジンポッドを機体外部に吊り下げる形式で、スーマール/ホヴェイゼもその特徴的な外観を受け継いでいます。Quds-1も同じ外観ですが全体的に小型化されており、形状を参考にしつつ別系統の巡航ミサイルとして開発されています。
初めて確認されたデルタ翼型自爆ドローン

(上)サウジアラビア国防省の発表写真より石油施設を攻撃した兵器の残骸 9月18日、サウジアラビア国防省発表より
サウジアラビア国防省が9月18日に公開した自爆ドローンの残骸は、デルタ翼(三角翼)で尾部にプロペラを持ち、今回初めて公開された新兵器です。これまでフーシ派はイラン製の自爆ドローン「Qasef(カセフ)」シリーズをよく使用しており、今回のサウジアラビア石油施設攻撃での攻撃でもカセフを使用したと追加で声明を出していますが、実際に現場から見つかったこの残骸はカセフとは形状が全く異なっています。

(上)フーシ派のQasef(カセフ)-2K。航続距離は約600km。

(上)イランのAbabil(アバビール)-2。カセフはアバビール-2の双尾翼バージョン。
このデルタ翼の自爆ドローンが誘導方式についてはカセフと同じ標的機の派生だとした場合、プログラム飛行型で操縦者が存在せず通信を行わない方式です。慣性航法装置とGPS受信電波で飛行位置を修正しながら事前に設定した経路通りに飛んで行くので固定目標にしか攻撃を行えず、ドローンというよりは巡航ミサイルに近い運用になります。プロペラ推進なのでターボジェット推進の巡航ミサイルより移動速度が大幅に遅くなるのが欠点になりますが、製造コストが安いのが利点になります。
なおアメリカは石油施設攻撃についてイランからの直接攻撃と見ており、イラク経由で内陸を飛行しレーダー網を掻い潜ったと考えています。しかしイエメンのフーシ派は犯行声明を出しており、イランは自国領土からの直接攻撃を否定し、サウジアラビアはフーシ派の所有兵器による攻撃ではないとしつつ「北の方から飛来した」と、イランからの攻撃を匂わせながらイラン領土からの攻撃とは明言していない状況となっています。

※以下異論
18日、サウジアラビア 国防省のマリキ報道官がブリーフィング。14日深夜、アブカイク(Abqaiq)製油所を襲ったのは18機のデルタ翼自爆ドローン。3機の巡航ミサイル も同所を目指していたが途中で墜落。クライス(Khurais)油田を襲ったのは4機の巡航ミサイル。

サウジアラビア 国防省は18日、14日の石油関連施設への攻撃で使われたドローンと巡航ミサイルの残骸を公開。今まで知られていなかったデルタ翼のドローンだが、写真ではあまり大きくないようだ。ソルジャーと比べると Qasef-2K と同程度の大きさに見える

サウジアラビア 国防省のマリキ報道官がブリーフィング(9/18)。「アブカイク製油所を襲ったのは18機のデルタ翼自爆ドローン」。デルタ翼ドローンはイスラエル のハーピイ Harpy 徘徊型自爆ドローンにそっくり。大きさも矛盾ないし、エンジンはロータリー。特にロータリーエンジンがそっくり。ロータリーエンジンはイラン製のようにも見える。イスラエル製機体にイラン製エンジン・・・これがイランのコピー品ではなくて、本物のイスラエル製ハーピイだったらアメリカとサウジはどう説明するの?









9.14ドローン攻撃で使用されたデルタ翼自爆ドローンはイスラエル IAI社製ハーピイ Harpy 徘徊型自爆ドローンにそっくり。Harpy は少なくとも2バージョンあるようだ。ハーピイの新型バージョンの名前は Harpy NG らしい。航続時間最大9時間、航続距離1500km(推定)。Harpy NG なら紅海から発射すればアブカイク に届く。



・恐るべき無人機攻撃、世界最強の防空システムも突破(JBpress 2019年10月3日)
北村 淳:軍事社会学者
※先月(9月14日)、イエメンの反政府武装組織「フーシ派」(アメリカなどはイランによるものと考えている)が長距離巡航ミサイルと無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)を用いてサウジアラビアの石油施設を攻撃した。その詳細が明らかになるにつれ、かねてより懸念されていた自爆攻撃をはじめとするUAVによる攻撃の脅威が高まっている現実が再認識されている。
巡航ミサイルと新鋭自爆型UAVが攻撃
石油施設攻撃直後には、10機以上のUAVによる自爆攻撃と考えられたが、やがて長距離巡航ミサイルと自爆型UAVによる、より高度な攻撃であることが判明した。サウジアラビア当局は、攻撃を受けた現場の残骸を公表するとともに、今回の攻撃は7基のクッズ-1長距離巡航ミサイルと18機の自爆型UAVによるものであったことを明らかにした。
クッズ-1巡航ミサイルは、2019年7月にフーシ派が保有していることを公表した新鋭ミサイルである。フーシ派は自らが開発した巡航ミサイルであると主張しているが、イランが開発したものと考えられている。
ロシア製のkh-55巡航ミサイルのバリエーションと考えられるイラン製のソーマール巡航ミサイルを若干小型にしたクッズ-1巡航ミサイルにはチェコ製ジェットエンジンが搭載されており、最大射程は2000キロメートル前後と考えられている。
自爆型UAVの残骸からは、かねてよりフーシ派が手にしていたイラン製自爆型UAV「カセフ」ではなく新型UAVであることが確認された。三角翼で尾部にプロペラを持つ新型UAVは巡航ミサイルに比べると飛行速度は極めて低速だが、1500キロメートル以上の長距離を飛翔して自爆攻撃を敢行したものと考えられている。
アメリカ当局はそれらの巡航ミサイルと自爆型UAVはいずれもイラン国内から発射されてものと考えている。だが、イラン当局は全面的に否定しており、フーシ派は自らが攻撃を実施したことを宣言している。いずれにせよ、長距離巡航ミサイルにせよ自爆型UAVにせよ、弾道ミサイルのように直線的に飛翔するのではなく自由自在に飛行経路を設定することが可能なため、どこから発射されたのかを特定することは困難だ。
打ち破られた世界最強の防空システム
今回の巡航ミサイルと自爆型UAVによる攻撃の“成功”に関して、アメリカ軍関係者などが強く懸念しているのは、「サウジアラビアが配備しているアメリカ製防空システム、それもアメリカ防衛産業が誇る高額な防空システムが全く役に立たなかった」という事実が国際社会に明らかになってしまったことである。
サウジアラビアは日本同様にアメリカの軍事的庇護を受けており、アメリカから見ると、やはり日本と同じく戦闘機や弾道ミサイル防衛システムを含む防空システムなどの高額兵器を気前よく購入してくれる最上の顧客である。
イランという不倶戴天の隣国が存在するサウジアラビアは、イランの強力な弾道ミサイル、長距離巡航ミサイル、戦闘機などの航空攻撃戦力から身を守るために、1つの独立軍種としてサウジアラビア王室防空軍を設置している。
王室防空軍は、ロッキード・マーチン社製AN/FPS-117フェーズドアレイレーダーシステム17基、ノースロップ・グラマン社製AN/TPS-43・3次元戦術レーダーシステム6基を含む、極めて高度な防空レーダーネットワークを保有している。
そしてロッキード・マーチン社製THAAD弾道ミサイル防衛システム、レイセオン社製MIM-104ペイトリオット防空ミサイルシステム、レイセオン社製改良ホーク対空ミサイルシステムなど強力なミサイルシステムがレーダーネットワークと連動し、サウジアラビアの空に睨みを利かせている。
このような、アメリカ製高額防空兵器で身を固めているサウジアラビア王室防空軍は世界でも最高水準の防空システムを誇っていたのだ。
ところが、その世界最高峰といわれていた防空システムは、7基の長距離巡航ミサイルと18機の自爆型UAVを探知することすらできず、フーシ派(もしくはイラン)によって石油施設を破壊されてしまったのである。
世界の趨勢から落伍している日本
今回の石油施設攻撃は比較的小規模であったが、長距離巡航ミサイルと自爆型UAVを組み合わせた航空攻撃の有効性を実証した。したがって、フーシ派以上に強力なミサイルやUAVを大量に投入できる正規軍が、長距離巡航ミサイルとUAVを連動させた、より大規模な攻撃を敢行した場合、防衛がはるかに困難となることは確実だ。
それだけではない。今回用いられたのは自爆型UAVという原初的な攻撃用無人航空機であったが、アメリカや中国をはじめとする軍用UAV先進メーカーでは、より高度な攻撃型UAV(UAV自身から誘導爆弾やミサイルを発射する)の開発が進み、それらの攻撃型UAVが少なからぬ国々に拡散し始めている。
また、UAVそのものの技術的進化と並行してUAV運用技術も飛躍的に発展し、大量のUAVを同時に運用して攻撃を実施する「UAV大群攻撃」の研究開発も盛んになってきている。
いすれにせよ、各種UAVは長距離巡航ミサイルや弾道ミサイルと並んで、航空攻撃力の主役としての地位を獲得しつつある。
そして現在の国際社会では、UAVだけでなく、無人潜水艇、無人潜水艦、無人水上戦闘艦、無人輸送艦、無人パトロール車両、無人装甲戦闘車両など、空、海、陸すべての領域で無人機の開発競争に打ち勝つことが軍事的優位を占めることに直結する状況に立ち至っている。残念ながら、このような世界の趨勢から落伍してしまっているのが日本防衛力の現状なのだ。
・トランプ氏 イラン中央銀行への制裁表明 サウジ施設攻撃で(FNN 2019年9月21日)
※サウジアラビアの石油関連施設への攻撃をめぐり、アメリカのトランプ大統領は、イランの中央銀行に対し、制裁を科すことを発表した。
トランプ大統領とムニューシン財務長官は20日、イランの中央銀行を制裁対象としたうえで、アメリカの銀行システムから切り離す措置を発表した。
この措置により、イスラム革命防衛隊やテロなどへの資金が断ち切られると説明している。
そのうえで、トランプ大統領は「他国に科した制裁の中で最大のものだ。上層部にまで及ぶ」と強調した。
※74: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/20(金) 14:06:13.065 ID:ncgHifBTa
イエメンだよ。アラビア半島最南端にある国。
イエメンの前政権『フーシ派』が犯行声明を出してるんだけど、ドローン爆撃の技術なんてどっから手に入れたかが問題なの。
イエメンはほんの20年前に初めて国民投票で大統領が選ばれたんだけど、
いわゆる『アラブの春』ってイスラム教民主革命が中東各国で起きた時に、イエメン大統領もなんか国民から「辞めろ辞めろぃ」ってよくわからん批判受けて辞任しちゃった。
そんで副大統領が暫定大統領やってたんだけど、4年前2015年にシーア派武装勢力のフーシ派が軍事クーデターを起こして政権を奪取した。
暫定大統領は北接する大国サウジアラビアに逃亡。
暫定大統領派はサウジアラビアの支援を受け、フーシ派は同じシーア派の国イランの支援を受けた為、イエメン国内でサウジアラビアとイランが戦う代理戦争状態になった。
この時、サウジアラビアの空爆によって民間人の死者が大勢出たらしく、実態調査をさせろといったオランダとサウジアラビアが喧嘩状態になったほど。
しかしこの空爆が効いたのか暫定大統領側が徐々にイエメンの重要拠点各地を奪還。
フーシ派は政権を追われ立場上「単なるゲリラ組織」に格下げになったが、所持する武力は半端なく、ついにはイラン製の弾道ミサイル2発でサウジアラビアを直接攻撃するにまで至った。もちろんこの時ミサイルを提供したのはイランなのは間違いない。
そして今回のドローン攻撃なワケだが、前回のイラン製弾道ミサイル使用と、今回のドローン攻撃がイエメン国内の大統領派ではなくサウジアラビアを攻撃した事をかんがえると、イランが疑われて当然とも言える。
もはやフーシ派はイエメン国内の反政府組織というよりイラン直属の国外活動組織状態になっていると言わざるを得ない。
いや、ひょっとして軍事クーデターを起こした初めからイランの下部組織だったのカモ知れない。
いったい何故イスラム教全体の中では少数派に過ぎないシーア派の国イランが、ここまで積極的に他国の内政内戦に関与しようとするのか?
その背後には間違いなくロシア・プーチン大統領の強力なバックアップがあるのは間違いない。
まず基本として覚えて欲しいのは
イスラム教には大きく分けて『スンニ派(スンナ派』と、『シーア派』ってのの2派に分かれるって事。
そんでスンニ派はイスラム教全体の90%ぐらい。シーア派は10%ぐらいの少数派なんだが、
実は根本的に『スンニ派=アラブ人』『シーア派=ペルシャ人』と人種が違うんだ。
人種が違うって事は住んでる国も違うって事で
イランは国民の殆どがペルシャ人だから国民の90%ぐらいがシーア派でスンニ派はほぼゼロ。
逆にその他の中東アラブ諸国は逆にほぼスンニ派ばかりの国。
だからイランは周辺の「同じイスラム教徒の国」と仲が悪いの。
人種と宗派が違うからね。恨みもあるし。
但し例外がイラクとイエメン。
イラクはイランの隣りでシーア派60%スンニ派30%、今回出てきたフーシ派のいるイエメンはシーア派40%でスンニ派55%。
イランとしては何とか「自分達と同じシーア派の国にしたい」と思ってるワケ。
そうはさせるかってフーシ派によるイエメン国の運営を邪魔したのがスンニ派の大国サウジアラビアってわけよ。
・南米エクアドル ハッカー攻撃でほぼ全国民の情報流出(NHK NEWS web 2019年9月18日)
※南米エクアドルの政府は、国民の情報の管理を委託していた民間の会社がハッカーの攻撃を受け、ほぼすべての国民の個人情報が盗み取られたと発表しました。
エクアドル政府は16日、国民の情報の管理を委託していた民間の会社がアメリカのハッカーから攻撃を受け、2000万人分の個人情報が盗まれたと発表しました。
エクアドルの人口はおよそ1700万人で、ほぼすべての国民の個人情報が盗み取られたほか、すでに亡くなった人の死亡日時や死因などの情報も流出したと言うことです。
盗まれた情報には、個人の名前や生年月日のほか、学歴や職歴、それに、携帯電話の番号や銀行口座の番号、納税者番号などさまざまな個人情報が含まれていたということです。
エクアドル政府は盗まれた情報が悪用された場合に対応できるよう、3日以内に新たな個人情報の保護に関する法律を制定するとしています。
今回の犯罪には、情報部門に勤務していた元政府関係者も関与していた疑いがあるということで、エクアドルの捜査当局が行方を追っています。
※政府の電子化はこのような事態を招くので危険。実物の書類と情報管理における行政組織の縦割り分散が、国民の情報と自由を守る。
・郵便局がキャッシュレス化 窓口がクレカや交通系IC、モバイル決済に対応(ITmedia NEWS 2019年10月25日)
※日本郵便は10月25日、郵便窓口でキャッシュレス決済を2020年2月3日から導入すると発表した。切手の代金や配送料などの支払いで、クレジットカードや交通系ICカード、モバイル決済などを使えるようにする。
これまで郵便局の窓口では現金のみ取り扱っていたが、切手やはがきの代金、郵便物の配送料、店頭で売っている商品などをキャッシュレスで決済できるようにする。対応するのは「VISA」「MasterCard」などのクレジットカード、「Suica」などの交通系ICカード、「QUICPay」などの電子マネー、「PayPay」「Alipay」などのモバイル決済。
利用者の利便性向上や訪日観光客への対応が目的。20年2月3日に全国65の郵便局で導入し、5月には8500局に拡大する予定。
※外国人を口実にしてんじゃねーよ(怒)!日本は外国人のためにあるんじゃないっ!
・日米貿易協定が発効 市場開放、経済成長狙い―車・サービスで交渉第2弾(時事ドットコム 2020年01月01日)

※日本と米国の2国間貿易協定が1日、発効した。日本は牛肉など農産物の市場を環太平洋連携協定(TPP)の水準内で開放し、米国は幅広い工業品の関税を撤廃・削減。自由貿易の拡大で経済成長を後押ししたい考え。日米は自動車やサービス分野をめぐる追加交渉を次の課題に挙げており、政治・外交日程を視野に入れた駆け引きが2020年、本格化する。
日米間では電子商取引のルールを定めたデジタル貿易協定も1日に発効。世界全体の国内総生産(GDP)の3割を占める両国間で貿易やデジタル取引の自由化が進む。交渉を主導した茂木敏充外相は、既に発効したTPP、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)と合わせると「世界全体の6割をカバーする経済圏が生まれる」と成果を強調している。
日米貿易協定の発効により、米国産牛肉に対する関税は従来の38.5%から26.6%に下がり、33年度には9%となる。粉チーズやワイン、高価格の豚肉に対する関税は最終的にゼロになる。
米国は日本企業が強みを持つエアコン部品や燃料電池の関税を即時撤廃。一方、対米輸出額の3割を超える自動車・同部品の関税撤廃は見送られ、継続交渉の対象となった。
日米は協定発効から4カ月以内に「第2段階」の交渉範囲について協議する。日本は自動車分野の関税撤廃を求める構えだが、11月の米大統領選再選を目指すトランプ氏が受け入れる公算は小さい。選挙情勢次第では逆にコメなどの市場開放やサービス、投資の自由化を迫られる恐れもある。
日本にとっては、米国以外との貿易自由化の推進も大きな課題となる。中国と韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国など16カ国と交渉中の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は、20年中の協定署名が目標。EUを離脱する英国とも自由貿易協定(FTA)を早期に締結し、「国内企業、生産農家が海外展開しやすい環境を広げる」(外務省幹部)意向だ。
・死者64万人想定のコロナ緊急宣言は妥当なのか インフル特措法の想定に第一人者が唱える異議(東洋経済ONLINE 2020年3月18日)
辰濃 哲郎
※国民の私権を制限する緊急事態宣言を可能とする新型インフルエンザ等対策特別措置法(「新型インフル特措法」)の改正案が成立し、3月14日に施行された。
安倍晋三首相は記者会見のなかで「宣言を出すような状態ではない」と慎重な姿勢を示したが、そもそも新型インフル特措法は、国内で最大64万人もの人が死亡するパンデミックを想定したものであることをご存じだろうか。
当時「そんな被害をもたらす新型インフルエンザは出現しない」と疑問を呈した専門家もいたが、病原性の高い未知のウイルスを想定して「等」の文字を挿入することで折り合いがついたという。その成立経過をたどると、緊急事態を宣言する正統性さえ危うくなってくる。
新型インフル特措法が成立した2012年、北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター統括の喜田宏特任教授のもとに、内閣府の幹部らが訪ねてきた。新型インフルエンザ対策の計画や措置を定める特措法について意見を聞かせてほしいという依頼だった。喜田氏は8時間にわたってウイルス学の立場から説明したうえで、「特措法は不要だ」と伝えたという。
喜田氏が立法に反対したのは、当時の政府が前提としていた新型インフルエンザが、あまりにも現実離れしていたからだという。
被害想定が大きすぎた
まずは政府が試算していた新型インフルエンザによる被害想定だ。米疾病対策センター(CDC)が示した推計モデルに従って、スペインかぜ(1918年)とアジアかぜ(1957年)による致死率を当てはめるなどしてはじき出した推計死亡者数は、17万~64万人となっていた。
このとき新型インフルエンザ特措法が検討された背景の1つに、鳥インフルエンザウイルスによる人的な被害が広がっていたこともある。鳥インフルエンザウイルスは、基本的にはヒトには感染しない。ところが、H5N1の鳥インフルエンザウイルスが中国や東南アジアで人に感染して多数の死者を出していた。2003年12月から2009年1月の間に403人が発症して、うち254人が亡くなっている。
ウイルスに感染した鶏などに濃厚接触した人に限られていたが、一部の専門家からは、この病原性の高い鳥インフルエンザウイルスがヒトの間で感染・伝播する性質を身に付けたら、莫大な被害が出ると警告されていた。
2009年2月に改訂された「新型インフルエンザ対策行動計画」の総論には、背景としてH5N1ウイルスが流行して死亡例が報告されていることが明記されている。そのうえで「このような鳥インフルエンザのウイルスが変異することにより、人から人へ感染する能力を獲得する危険性が高まっている」などと行動計画を策定した経緯が記され、17万~64万人の推計死者数が紹介されている。
ところが、その数カ月後に始まった新型インフルエンザのパンデミックウイルスは、H5N1ではなくH1N1という予想外のものだった。しかも死者は、そのシーズンは約200人で、翌年からの季節性インフルエンザ関連の死者数は5000人前後に跳ね上がっている。もちろん季節性のインフルエンザには、H3N2やB型のウイルスも混在しているが、季節性のインフルエンザになってからの死者数のほうが圧倒的に多いことがわかる。
2009年に発足した民主党政権は、17万~64万人の推計死者数と、「病原性の強いH5N1ウイルスが新型になって襲ってくるのは秒読み段階」という一部の専門家の警告を背景に新型インフルエンザ対策を進めていった。その1つが、新型インフル特措法の立法だった。
喜田氏は、その過程で内閣府の役人から相談を持ちかけられていたのだ。だが、「新型インフルエンザで、それほどの死者が出るわけがない」と一蹴した。
「非科学的」に映った理由
喜田氏といえば、1968年の香港かぜウイルス(H3N2)について、カモ由来のウイルスがアヒルなどの家禽を経由してブタに感染し、ヒトのアジアかぜウイルス(H2N2)がブタに同時感染して生まれたことを突き止めた、人獣共通感染症の第一人者だ。その喜田氏にとって新型インフル特措法案の根拠は、あまりに非科学的に映った。
なぜ非科学的か? 理由は2つある。
第1の理由が、スペインかぜやアジアかぜが流行したときとは比べ物にならないほど医療が進歩していること。スペインかぜでは感染者の多くが、ウイルスそのものではなく2次感染による細菌性肺炎で亡くなったのだが、当時は細菌に効く抗生物質がなかった。明らかに医療水準が異なるスペインかぜ当時の致死率を、単純に当てはめて推計した死者数に違和感を覚えたという。
第2に、鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染するのは、その人が鳥型のレセプター(ウイルスをやり取りする受容体)を持っていたからで、鳥インフルエンザウイルスがブタを介さずにヒトからヒトへ感染する能力を持つことは考えられない。
つまりヒトからヒトへの感染の広がりは、簡単には起きないのだ。さらに言えば、新型インフルエンザウイルスに変異する可能性はH5N1だけでなく、144通りの亜型のインフルエンザウイルスのすべてにある。
喜田氏は、ありえない根拠と被害想定によって、私権を制限する緊急事態宣言が盛り込まれた法律には反対の意思を示した。
それでも2012年4月、緊急事態宣言を盛り込んだ法律が成立した。喜田氏のもとには内閣府の役人から電話があったという。被害想定に疑問を持つ喜田氏の考えに納得しつつも、今後、病原性の強い未知のウイルスが出現したときのために「新型インフルエンザ等対策特措法」の「等」を入れた、との説明だったという。
こうしてできた新型インフル特措法に、安倍政権はコロナウイルスを適用する法改正を成立させた。喜田氏は、今でもこの法は「悪法」だと言い、コロナウイルスを適用することにも反対だ。
今回の法改正によって新型コロナウイルスでの緊急事態宣言に疑問を持つ専門家は喜田氏だけではない。
新型インフル特措法の成立時に厚生労働省の専門家会議の議長を務め、現在は新型コロナウイルスの専門家会議のメンバーである岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は、「対策を取るためには(事前に)法はあってもよいが、今回の新型コロナウイルスのレベルで宣言するのは、経済的にも社会的にも混乱を招くおそれがある。宣言は抑制的であるべき」と話す。
安倍首相にとって、この緊急事態宣言のハンドリングには政権の浮沈がかかっている。3月9日の参院予算委員会の答弁で「患者数の急速な拡大といった事態に備え、緊急事態宣言の発出等を可能とする法案の提出を予定している」と述べるなど「緊急事態宣言」に前のめりだった。
強権発動は妙手
ある意味で、こういった非常時における強権発動は妙手だ。抑え込みに成功すれば英雄視される。仮に緊急事態宣言を出して効果がなかったとしても、それはウイルスが強大ゆえのことであって、責められることはないだろう。新型コロナで初動の対応が後手に回ったと批判されている安倍首相からすれば、「攻め」の政策で国民にアピールできる材料の1つが、緊急事態宣言を発動できるような法改正だったと見ることができる。
死者数が中国に迫るイタリアやイランなどの状況をみると、とても他人事とは思えない。外出の自粛や、さらには都市封鎖までもが現実味を増している。だが一方では、ウイルスの封じ込めを徹底すれば市民生活が奪われ、全世界で経済の停滞を招くのは明らかだ。
生活、経済、そしてパンデミックの規模やウイルスの病原性などの相対的なバランスが問われている。そのバランスを無視した政権浮上のための強権発動だとすれば、国の形をゆがめてしまいかねない。私たち国民も、パンデミックの恐怖に流されず、その本質を見極める冷静な目を持ちたいものだ。
※サウジアラビア主導の連合軍は16日、サウジの石油施設への攻撃に使われた武器はイラン製だったと発表した。これに先立ち米国は攻撃への報復を示唆しており、域内での衝突の懸念が高まっている。
先週末に行われたこの攻撃については、イエメンの親イラン派反政府武装組織フーシ派(Huthi)が犯行声明を出したが、米国はイランを非難。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は米国が「臨戦態勢」にあると述べ、マーク・エスパー(Mark Esper)国防長官も米国が対抗措置を準備していると表明した。
一方、ロシアは「すべての国に対し、状況を悪化させ得る早まった手段や結論を避けるよう」要請。欧州連合(EU)も当事者すべてが「最大の自制」を示すべきだと強調した。
サウジのエネルギー施設はこれまでにも攻撃を受けたことがあるが、今回の攻撃は異例の規模で行われ、同国の原油生産の約50%が停止。これは世界の石油供給の約6%に相当する。
連合軍のトゥルキ・マリキ(Turki al-Maliki)報道官はサウジアラビアの首都リヤドで記者団に対し、攻撃に使われた武器は「イランからのもの」だったと明言。現在「どこから発射されたか」を調べていると述べた。さらにマリキ氏は「この攻撃は、フーシ派が装っているようにイエメン領土からなされたものではない」と述べ、調査が始まったとも明らかにした。
フーシ派は、サウジ施設を無人機10機で攻撃したと主張。イランのハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)両大統領と開いた記者会見で、攻撃はフーシ派が「自衛」のために行ったと説明した。
だが、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)の報道によると、米当局が入手した衛星画像では攻撃が北あるいは北西の方向から実施されたことが示されている。これは、攻撃がペルシャ湾(Persian Gulf)北側のイラン、または同国がさまざまな武装集団を支援しているイラクから行われたことを示唆している。
・サウジ防空システムに欠陥、ドローン攻撃に無防備(ロイター 2019年9月18日)
※サウジアラビアは、高高度からの攻撃を抑止するため、数十億ドルを費やして西側から最新鋭の防空システムを購入してきた。だが、同国の巨大な石油産業の施設が大打撃を受け、安価な小型無人機ドローンや巡航ミサイルによる攻撃からの防御には、全く役立たないことが、図らずも証明されてしまった。
14日の攻撃で、サウジの原油生産量は約半分に落ち込んだ。隣国・イエメンとの4年半に及ぶ戦争で何度も重要資産が攻撃を受けながら、同国が適切な防衛態勢を整えていない実態を露呈した。
サウジと米国は、恐らく今回の攻撃の背後には、イランがいるとの見方をしている。ある米政府高官は17日、攻撃の起点はイラン南西部だったというのが米政府の考えだと説明した。3人の米政府高官は、攻撃にはドローンと巡航ミサイルの両方が使われたと語った。
イラン側は関与を否定し、サウジが主導する有志連合に敵対しているイエメンの集団が攻撃を実行したと主張。イエメンの親イラン武装勢力フーシ派は、自分たちが単独で攻撃したとする声明を発表している。
米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)によると、イランの弾道ミサイルと巡航ミサイルの発射能力は、中東で最強であり、イランや同国が支援する近隣の武装勢力とサウジの距離の近さを踏まえれば、サウジのいかなるミサイル防衛システムも事実上圧倒する可能性がある。
ただ、より限定的な攻撃でも、サウジにとって手に余ることが分かっている。例えば最近フーシ派は、サウジの民間空港や石油ポンプ設備、同国東部のシェイバー油田などの攻撃に成功した。
サウジのある安全保障関係者は「われわれは無防備だ。どの施設にも実質的な防空態勢が存在しない」と話した。
14日に攻撃されたのは、国営石油会社サウジアラムコの2つの石油精製施設。石油関連施設の被害としては、1990─91年の湾岸危機時にサダム・フセインのイラク軍がクウェートの油田を炎上させて以来の規模となった。
サウジ政府は暫定的な調査結果として、イラン製の兵器が使用されたと分かったが、発射地点はなお不明だと説明している。
当初、専門家はドローンによる攻撃と特定していたが、3人の米政府高官は、ドローンと巡航ミサイルを組み合わせた攻撃方法であり、初めに考えられたよりも複雑で高度な作戦だったことがうかがえると述べた。
サウジの安全保障専門家の1人は「サウジにとってこの攻撃は(米中枢同時攻撃の)9・11のようなものだ。今回の攻撃は、これまでの状況を一変させるゲームチェンジャーだ」と指摘。さらに「われわれが国防のために数十億ドルを投じた防空システムと米国製兵器は、どこにあるのか。これほど精密な攻撃ができるなら、海水淡水化工場などもっと多くの施設が標的になりかねない」と懸念する。
主要な都市や施設にサウジが配備している防空システムでは、長らく米国製の長距離地対空ミサイル「パトリオット」が、主要な役割を果たしてきた。実際、フーシ派がサウジの都市に向けて発射した高高度飛行の弾道ミサイルは、首都・リヤドを含む主要都市で見事に迎撃されてきた。
ところが、ドローンや巡航ミサイルは、より低速かつ飛行高度も低く、パトリオットにとって検知・迎撃が難しい。
ペルシャ湾岸諸国のある高官は「ドローンは、サウジにとって非常に大きな試練だ。なぜなら、しばしばレーダーをかいくぐって飛んでくる上に、イエメンやイラクとの国境線が長いためで、大変脆弱な状況に置かれている」と指摘した。
<安価な攻撃手段>
アラムコの操業に詳しい関係者は、今回攻撃を受けたアブカイクの施設は、ドローンに対する防衛態勢が不完全だったと証言した。当局は、レーダーが適切にドローンを捉えたかどうか調査を進めている。
サウジと取引がある西側の防衛企業幹部は、1年前までアブカイクの防衛用にパトリオットが配備されていたと話す。
14日に適切な迎撃ができなかった理由について、記者団から聞かれた有志連合の報道官は「230発を超える弾道ミサイルが有志連合によって迎撃された。われわれはあらゆる脅威に対応しており、サウジの安全保障を確保する防衛能力がある」とだけ答えた。
サウジ政府の報道担当部門は、コメント要請に回答しなかった。
先のサウジ安全保障関係者と2人の業界関係者によると、同国政府は数年前からドローンの脅威を認識し、コンサルタントや関連業者と解決策を話し合っていたものの、新たな具体的措置を講じてこなかった。
米国防総合大学のデーブ・デロッシュ氏は「従来のほとんどの防空レーダーは、高高度からの脅威に向けて設計されている。巡航ミサイルとドローンは地表すれすれを飛んで来るが、地平線が丸い関係でレーダーに映らない。また、ドローンは小さ過ぎて、大半のレーダーに熱源として探知されない」と解説する。
たかだか数百ドル程度のドローンに対し、1発約300万ドルの高額なパトリオットミサイルで撃ち落とすのは、あまりにも割に合わない面がある。
米国の防空専門企業・ディドローンのヨルク・ランプレヒト最高経営責任者(CEO)兼共同創業者は、より有効なドローン迎撃策として、こちらからもドローンのスウォーム(群れ)を向かわせることを提案する。
また、ジャミング(電波妨害)などの技術によって、ドローンを制御不能にできるとしている。
ただ、頻繁にジャミングを行えば、産業活動が損なわれたり、周辺住民に健康被害を与えることにつながる恐れもある。
いずれにしても武装されたドローンは入手しやすくなる一方で、重要なインフラへの脅威は過剰なほどに高まりつつある、と専門家はみている。
サウジの政策担当者がずっと前から恐れているのは、中部と東部に淡水を供給している同国東部・ジュバイルの淡水化施設が攻撃される事態だ。
この施設が破壊されれば、数百万人が水を利用できなくなり、修理に長い期間を要する可能性があるとみられている。
・サウジ石油施設への攻撃はイラン製の新型巡航ミサイルと初確認の新型自爆ドローン
JSF | 軍事ブロガー
2019年9月19日
https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20190919-00143227/
※サウジアラビアの石油施設が9月14日に攻撃を受けて炎上した事件について、イエメンの武装勢力フーシ派が自爆ドローンで行ったと犯行声明を出しました。しかしアメリカはイランが直接攻撃したと疑っており、緊張が高まっています。
そして9月18日、石油施設攻撃についてサウジアラビア国防省は巡航ミサイル7機と自爆ドローン18機の合わせて25機の飛翔体による攻撃だったと発表しました。現場に落ちていた巡航ミサイルと自爆ドローンの残骸を公開しましたが、それらは驚くべきものでした。
7月に発表されたばかりのイラン製新型巡航ミサイルと、今回初めて公開されたデルタ翼(三角翼)を持つ自爆ドローンだったのです。
巡航ミサイル「Quds-1」

(上)9月18日、サウジアラビア国防省発表より
サウジアラビア国防省が9月18日に公開した青い色の細長い残骸は、イエメンのフーシ派が今年7月に発表したばかりの新型地対地巡航ミサイル「Quds-1(クッズ-1/コッズ-1、意味はエルサレム)」の後半部とエンジンです。垂直尾翼と水平尾翼の形状、取り付け位置、使用エンジン(チェコ製TJ-100ターボジェットエンジンの同型)などから特定できます。フーシ派は自分たちで開発したと主張していますが、イラン製であることは確実と見られています。

(上)2019年7月、イエメンのフーシ派が発表した映像より巡航ミサイル「Quds-1」
※Quds-1巡航ミサイルの飛行時の姿勢はエンジンが下側と推定
なおこの巡航ミサイルの残骸についてはサウジアラビアの正式発表前から現場付近で発見されていたことが写真で報告されていて、この時に既に巡航ミサイルQuds-1であることは判明していました。



実は2年前の2017年にイエメンのフーシ派はUAEの原子力発電所を巡航ミサイルで攻撃しようとして失敗した事例があります。この時のミサイルはフーシ派自身が公開した映像からイラン製巡航ミサイル「Soumar(スーマール)」と推定されていました。

(上)スーマール

(上)ホヴェイゼ
スーマールと派生型「Hoveizeh(ホヴェイゼ)」はロシア製空対地巡航ミサイル「Kh-55」に形状が酷似しており、イランはウクライナ経由でKh-55を密輸して模倣し、ブースターを追加して地対地型に改造したと見られています。Kh-55は巡航ミサイルとしては珍しいエンジンポッドを機体外部に吊り下げる形式で、スーマール/ホヴェイゼもその特徴的な外観を受け継いでいます。Quds-1も同じ外観ですが全体的に小型化されており、形状を参考にしつつ別系統の巡航ミサイルとして開発されています。
初めて確認されたデルタ翼型自爆ドローン

(上)サウジアラビア国防省の発表写真より石油施設を攻撃した兵器の残骸 9月18日、サウジアラビア国防省発表より
サウジアラビア国防省が9月18日に公開した自爆ドローンの残骸は、デルタ翼(三角翼)で尾部にプロペラを持ち、今回初めて公開された新兵器です。これまでフーシ派はイラン製の自爆ドローン「Qasef(カセフ)」シリーズをよく使用しており、今回のサウジアラビア石油施設攻撃での攻撃でもカセフを使用したと追加で声明を出していますが、実際に現場から見つかったこの残骸はカセフとは形状が全く異なっています。

(上)フーシ派のQasef(カセフ)-2K。航続距離は約600km。

(上)イランのAbabil(アバビール)-2。カセフはアバビール-2の双尾翼バージョン。
このデルタ翼の自爆ドローンが誘導方式についてはカセフと同じ標的機の派生だとした場合、プログラム飛行型で操縦者が存在せず通信を行わない方式です。慣性航法装置とGPS受信電波で飛行位置を修正しながら事前に設定した経路通りに飛んで行くので固定目標にしか攻撃を行えず、ドローンというよりは巡航ミサイルに近い運用になります。プロペラ推進なのでターボジェット推進の巡航ミサイルより移動速度が大幅に遅くなるのが欠点になりますが、製造コストが安いのが利点になります。
なおアメリカは石油施設攻撃についてイランからの直接攻撃と見ており、イラク経由で内陸を飛行しレーダー網を掻い潜ったと考えています。しかしイエメンのフーシ派は犯行声明を出しており、イランは自国領土からの直接攻撃を否定し、サウジアラビアはフーシ派の所有兵器による攻撃ではないとしつつ「北の方から飛来した」と、イランからの攻撃を匂わせながらイラン領土からの攻撃とは明言していない状況となっています。

※以下異論
18日、サウジアラビア 国防省のマリキ報道官がブリーフィング。14日深夜、アブカイク(Abqaiq)製油所を襲ったのは18機のデルタ翼自爆ドローン。3機の巡航ミサイル も同所を目指していたが途中で墜落。クライス(Khurais)油田を襲ったのは4機の巡航ミサイル。

サウジアラビア 国防省は18日、14日の石油関連施設への攻撃で使われたドローンと巡航ミサイルの残骸を公開。今まで知られていなかったデルタ翼のドローンだが、写真ではあまり大きくないようだ。ソルジャーと比べると Qasef-2K と同程度の大きさに見える

サウジアラビア 国防省のマリキ報道官がブリーフィング(9/18)。「アブカイク製油所を襲ったのは18機のデルタ翼自爆ドローン」。デルタ翼ドローンはイスラエル のハーピイ Harpy 徘徊型自爆ドローンにそっくり。大きさも矛盾ないし、エンジンはロータリー。特にロータリーエンジンがそっくり。ロータリーエンジンはイラン製のようにも見える。イスラエル製機体にイラン製エンジン・・・これがイランのコピー品ではなくて、本物のイスラエル製ハーピイだったらアメリカとサウジはどう説明するの?









9.14ドローン攻撃で使用されたデルタ翼自爆ドローンはイスラエル IAI社製ハーピイ Harpy 徘徊型自爆ドローンにそっくり。Harpy は少なくとも2バージョンあるようだ。ハーピイの新型バージョンの名前は Harpy NG らしい。航続時間最大9時間、航続距離1500km(推定)。Harpy NG なら紅海から発射すればアブカイク に届く。



・恐るべき無人機攻撃、世界最強の防空システムも突破(JBpress 2019年10月3日)
北村 淳:軍事社会学者
※先月(9月14日)、イエメンの反政府武装組織「フーシ派」(アメリカなどはイランによるものと考えている)が長距離巡航ミサイルと無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)を用いてサウジアラビアの石油施設を攻撃した。その詳細が明らかになるにつれ、かねてより懸念されていた自爆攻撃をはじめとするUAVによる攻撃の脅威が高まっている現実が再認識されている。
巡航ミサイルと新鋭自爆型UAVが攻撃
石油施設攻撃直後には、10機以上のUAVによる自爆攻撃と考えられたが、やがて長距離巡航ミサイルと自爆型UAVによる、より高度な攻撃であることが判明した。サウジアラビア当局は、攻撃を受けた現場の残骸を公表するとともに、今回の攻撃は7基のクッズ-1長距離巡航ミサイルと18機の自爆型UAVによるものであったことを明らかにした。
クッズ-1巡航ミサイルは、2019年7月にフーシ派が保有していることを公表した新鋭ミサイルである。フーシ派は自らが開発した巡航ミサイルであると主張しているが、イランが開発したものと考えられている。
ロシア製のkh-55巡航ミサイルのバリエーションと考えられるイラン製のソーマール巡航ミサイルを若干小型にしたクッズ-1巡航ミサイルにはチェコ製ジェットエンジンが搭載されており、最大射程は2000キロメートル前後と考えられている。
自爆型UAVの残骸からは、かねてよりフーシ派が手にしていたイラン製自爆型UAV「カセフ」ではなく新型UAVであることが確認された。三角翼で尾部にプロペラを持つ新型UAVは巡航ミサイルに比べると飛行速度は極めて低速だが、1500キロメートル以上の長距離を飛翔して自爆攻撃を敢行したものと考えられている。
アメリカ当局はそれらの巡航ミサイルと自爆型UAVはいずれもイラン国内から発射されてものと考えている。だが、イラン当局は全面的に否定しており、フーシ派は自らが攻撃を実施したことを宣言している。いずれにせよ、長距離巡航ミサイルにせよ自爆型UAVにせよ、弾道ミサイルのように直線的に飛翔するのではなく自由自在に飛行経路を設定することが可能なため、どこから発射されたのかを特定することは困難だ。
打ち破られた世界最強の防空システム
今回の巡航ミサイルと自爆型UAVによる攻撃の“成功”に関して、アメリカ軍関係者などが強く懸念しているのは、「サウジアラビアが配備しているアメリカ製防空システム、それもアメリカ防衛産業が誇る高額な防空システムが全く役に立たなかった」という事実が国際社会に明らかになってしまったことである。
サウジアラビアは日本同様にアメリカの軍事的庇護を受けており、アメリカから見ると、やはり日本と同じく戦闘機や弾道ミサイル防衛システムを含む防空システムなどの高額兵器を気前よく購入してくれる最上の顧客である。
イランという不倶戴天の隣国が存在するサウジアラビアは、イランの強力な弾道ミサイル、長距離巡航ミサイル、戦闘機などの航空攻撃戦力から身を守るために、1つの独立軍種としてサウジアラビア王室防空軍を設置している。
王室防空軍は、ロッキード・マーチン社製AN/FPS-117フェーズドアレイレーダーシステム17基、ノースロップ・グラマン社製AN/TPS-43・3次元戦術レーダーシステム6基を含む、極めて高度な防空レーダーネットワークを保有している。
そしてロッキード・マーチン社製THAAD弾道ミサイル防衛システム、レイセオン社製MIM-104ペイトリオット防空ミサイルシステム、レイセオン社製改良ホーク対空ミサイルシステムなど強力なミサイルシステムがレーダーネットワークと連動し、サウジアラビアの空に睨みを利かせている。
このような、アメリカ製高額防空兵器で身を固めているサウジアラビア王室防空軍は世界でも最高水準の防空システムを誇っていたのだ。
ところが、その世界最高峰といわれていた防空システムは、7基の長距離巡航ミサイルと18機の自爆型UAVを探知することすらできず、フーシ派(もしくはイラン)によって石油施設を破壊されてしまったのである。
世界の趨勢から落伍している日本
今回の石油施設攻撃は比較的小規模であったが、長距離巡航ミサイルと自爆型UAVを組み合わせた航空攻撃の有効性を実証した。したがって、フーシ派以上に強力なミサイルやUAVを大量に投入できる正規軍が、長距離巡航ミサイルとUAVを連動させた、より大規模な攻撃を敢行した場合、防衛がはるかに困難となることは確実だ。
それだけではない。今回用いられたのは自爆型UAVという原初的な攻撃用無人航空機であったが、アメリカや中国をはじめとする軍用UAV先進メーカーでは、より高度な攻撃型UAV(UAV自身から誘導爆弾やミサイルを発射する)の開発が進み、それらの攻撃型UAVが少なからぬ国々に拡散し始めている。
また、UAVそのものの技術的進化と並行してUAV運用技術も飛躍的に発展し、大量のUAVを同時に運用して攻撃を実施する「UAV大群攻撃」の研究開発も盛んになってきている。
いすれにせよ、各種UAVは長距離巡航ミサイルや弾道ミサイルと並んで、航空攻撃力の主役としての地位を獲得しつつある。
そして現在の国際社会では、UAVだけでなく、無人潜水艇、無人潜水艦、無人水上戦闘艦、無人輸送艦、無人パトロール車両、無人装甲戦闘車両など、空、海、陸すべての領域で無人機の開発競争に打ち勝つことが軍事的優位を占めることに直結する状況に立ち至っている。残念ながら、このような世界の趨勢から落伍してしまっているのが日本防衛力の現状なのだ。
・トランプ氏 イラン中央銀行への制裁表明 サウジ施設攻撃で(FNN 2019年9月21日)
※サウジアラビアの石油関連施設への攻撃をめぐり、アメリカのトランプ大統領は、イランの中央銀行に対し、制裁を科すことを発表した。
トランプ大統領とムニューシン財務長官は20日、イランの中央銀行を制裁対象としたうえで、アメリカの銀行システムから切り離す措置を発表した。
この措置により、イスラム革命防衛隊やテロなどへの資金が断ち切られると説明している。
そのうえで、トランプ大統領は「他国に科した制裁の中で最大のものだ。上層部にまで及ぶ」と強調した。
※74: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/20(金) 14:06:13.065 ID:ncgHifBTa
イエメンだよ。アラビア半島最南端にある国。
イエメンの前政権『フーシ派』が犯行声明を出してるんだけど、ドローン爆撃の技術なんてどっから手に入れたかが問題なの。
イエメンはほんの20年前に初めて国民投票で大統領が選ばれたんだけど、
いわゆる『アラブの春』ってイスラム教民主革命が中東各国で起きた時に、イエメン大統領もなんか国民から「辞めろ辞めろぃ」ってよくわからん批判受けて辞任しちゃった。
そんで副大統領が暫定大統領やってたんだけど、4年前2015年にシーア派武装勢力のフーシ派が軍事クーデターを起こして政権を奪取した。
暫定大統領は北接する大国サウジアラビアに逃亡。
暫定大統領派はサウジアラビアの支援を受け、フーシ派は同じシーア派の国イランの支援を受けた為、イエメン国内でサウジアラビアとイランが戦う代理戦争状態になった。
この時、サウジアラビアの空爆によって民間人の死者が大勢出たらしく、実態調査をさせろといったオランダとサウジアラビアが喧嘩状態になったほど。
しかしこの空爆が効いたのか暫定大統領側が徐々にイエメンの重要拠点各地を奪還。
フーシ派は政権を追われ立場上「単なるゲリラ組織」に格下げになったが、所持する武力は半端なく、ついにはイラン製の弾道ミサイル2発でサウジアラビアを直接攻撃するにまで至った。もちろんこの時ミサイルを提供したのはイランなのは間違いない。
そして今回のドローン攻撃なワケだが、前回のイラン製弾道ミサイル使用と、今回のドローン攻撃がイエメン国内の大統領派ではなくサウジアラビアを攻撃した事をかんがえると、イランが疑われて当然とも言える。
もはやフーシ派はイエメン国内の反政府組織というよりイラン直属の国外活動組織状態になっていると言わざるを得ない。
いや、ひょっとして軍事クーデターを起こした初めからイランの下部組織だったのカモ知れない。
いったい何故イスラム教全体の中では少数派に過ぎないシーア派の国イランが、ここまで積極的に他国の内政内戦に関与しようとするのか?
その背後には間違いなくロシア・プーチン大統領の強力なバックアップがあるのは間違いない。
まず基本として覚えて欲しいのは
イスラム教には大きく分けて『スンニ派(スンナ派』と、『シーア派』ってのの2派に分かれるって事。
そんでスンニ派はイスラム教全体の90%ぐらい。シーア派は10%ぐらいの少数派なんだが、
実は根本的に『スンニ派=アラブ人』『シーア派=ペルシャ人』と人種が違うんだ。
人種が違うって事は住んでる国も違うって事で
イランは国民の殆どがペルシャ人だから国民の90%ぐらいがシーア派でスンニ派はほぼゼロ。
逆にその他の中東アラブ諸国は逆にほぼスンニ派ばかりの国。
だからイランは周辺の「同じイスラム教徒の国」と仲が悪いの。
人種と宗派が違うからね。恨みもあるし。
但し例外がイラクとイエメン。
イラクはイランの隣りでシーア派60%スンニ派30%、今回出てきたフーシ派のいるイエメンはシーア派40%でスンニ派55%。
イランとしては何とか「自分達と同じシーア派の国にしたい」と思ってるワケ。
そうはさせるかってフーシ派によるイエメン国の運営を邪魔したのがスンニ派の大国サウジアラビアってわけよ。
・南米エクアドル ハッカー攻撃でほぼ全国民の情報流出(NHK NEWS web 2019年9月18日)
※南米エクアドルの政府は、国民の情報の管理を委託していた民間の会社がハッカーの攻撃を受け、ほぼすべての国民の個人情報が盗み取られたと発表しました。
エクアドル政府は16日、国民の情報の管理を委託していた民間の会社がアメリカのハッカーから攻撃を受け、2000万人分の個人情報が盗まれたと発表しました。
エクアドルの人口はおよそ1700万人で、ほぼすべての国民の個人情報が盗み取られたほか、すでに亡くなった人の死亡日時や死因などの情報も流出したと言うことです。
盗まれた情報には、個人の名前や生年月日のほか、学歴や職歴、それに、携帯電話の番号や銀行口座の番号、納税者番号などさまざまな個人情報が含まれていたということです。
エクアドル政府は盗まれた情報が悪用された場合に対応できるよう、3日以内に新たな個人情報の保護に関する法律を制定するとしています。
今回の犯罪には、情報部門に勤務していた元政府関係者も関与していた疑いがあるということで、エクアドルの捜査当局が行方を追っています。
※政府の電子化はこのような事態を招くので危険。実物の書類と情報管理における行政組織の縦割り分散が、国民の情報と自由を守る。
・郵便局がキャッシュレス化 窓口がクレカや交通系IC、モバイル決済に対応(ITmedia NEWS 2019年10月25日)
※日本郵便は10月25日、郵便窓口でキャッシュレス決済を2020年2月3日から導入すると発表した。切手の代金や配送料などの支払いで、クレジットカードや交通系ICカード、モバイル決済などを使えるようにする。
これまで郵便局の窓口では現金のみ取り扱っていたが、切手やはがきの代金、郵便物の配送料、店頭で売っている商品などをキャッシュレスで決済できるようにする。対応するのは「VISA」「MasterCard」などのクレジットカード、「Suica」などの交通系ICカード、「QUICPay」などの電子マネー、「PayPay」「Alipay」などのモバイル決済。
利用者の利便性向上や訪日観光客への対応が目的。20年2月3日に全国65の郵便局で導入し、5月には8500局に拡大する予定。
※外国人を口実にしてんじゃねーよ(怒)!日本は外国人のためにあるんじゃないっ!
・日米貿易協定が発効 市場開放、経済成長狙い―車・サービスで交渉第2弾(時事ドットコム 2020年01月01日)

※日本と米国の2国間貿易協定が1日、発効した。日本は牛肉など農産物の市場を環太平洋連携協定(TPP)の水準内で開放し、米国は幅広い工業品の関税を撤廃・削減。自由貿易の拡大で経済成長を後押ししたい考え。日米は自動車やサービス分野をめぐる追加交渉を次の課題に挙げており、政治・外交日程を視野に入れた駆け引きが2020年、本格化する。
日米間では電子商取引のルールを定めたデジタル貿易協定も1日に発効。世界全体の国内総生産(GDP)の3割を占める両国間で貿易やデジタル取引の自由化が進む。交渉を主導した茂木敏充外相は、既に発効したTPP、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)と合わせると「世界全体の6割をカバーする経済圏が生まれる」と成果を強調している。
日米貿易協定の発効により、米国産牛肉に対する関税は従来の38.5%から26.6%に下がり、33年度には9%となる。粉チーズやワイン、高価格の豚肉に対する関税は最終的にゼロになる。
米国は日本企業が強みを持つエアコン部品や燃料電池の関税を即時撤廃。一方、対米輸出額の3割を超える自動車・同部品の関税撤廃は見送られ、継続交渉の対象となった。
日米は協定発効から4カ月以内に「第2段階」の交渉範囲について協議する。日本は自動車分野の関税撤廃を求める構えだが、11月の米大統領選再選を目指すトランプ氏が受け入れる公算は小さい。選挙情勢次第では逆にコメなどの市場開放やサービス、投資の自由化を迫られる恐れもある。
日本にとっては、米国以外との貿易自由化の推進も大きな課題となる。中国と韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国など16カ国と交渉中の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は、20年中の協定署名が目標。EUを離脱する英国とも自由貿易協定(FTA)を早期に締結し、「国内企業、生産農家が海外展開しやすい環境を広げる」(外務省幹部)意向だ。
・死者64万人想定のコロナ緊急宣言は妥当なのか インフル特措法の想定に第一人者が唱える異議(東洋経済ONLINE 2020年3月18日)
辰濃 哲郎
※国民の私権を制限する緊急事態宣言を可能とする新型インフルエンザ等対策特別措置法(「新型インフル特措法」)の改正案が成立し、3月14日に施行された。
安倍晋三首相は記者会見のなかで「宣言を出すような状態ではない」と慎重な姿勢を示したが、そもそも新型インフル特措法は、国内で最大64万人もの人が死亡するパンデミックを想定したものであることをご存じだろうか。
当時「そんな被害をもたらす新型インフルエンザは出現しない」と疑問を呈した専門家もいたが、病原性の高い未知のウイルスを想定して「等」の文字を挿入することで折り合いがついたという。その成立経過をたどると、緊急事態を宣言する正統性さえ危うくなってくる。
新型インフル特措法が成立した2012年、北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター統括の喜田宏特任教授のもとに、内閣府の幹部らが訪ねてきた。新型インフルエンザ対策の計画や措置を定める特措法について意見を聞かせてほしいという依頼だった。喜田氏は8時間にわたってウイルス学の立場から説明したうえで、「特措法は不要だ」と伝えたという。
喜田氏が立法に反対したのは、当時の政府が前提としていた新型インフルエンザが、あまりにも現実離れしていたからだという。
被害想定が大きすぎた
まずは政府が試算していた新型インフルエンザによる被害想定だ。米疾病対策センター(CDC)が示した推計モデルに従って、スペインかぜ(1918年)とアジアかぜ(1957年)による致死率を当てはめるなどしてはじき出した推計死亡者数は、17万~64万人となっていた。
このとき新型インフルエンザ特措法が検討された背景の1つに、鳥インフルエンザウイルスによる人的な被害が広がっていたこともある。鳥インフルエンザウイルスは、基本的にはヒトには感染しない。ところが、H5N1の鳥インフルエンザウイルスが中国や東南アジアで人に感染して多数の死者を出していた。2003年12月から2009年1月の間に403人が発症して、うち254人が亡くなっている。
ウイルスに感染した鶏などに濃厚接触した人に限られていたが、一部の専門家からは、この病原性の高い鳥インフルエンザウイルスがヒトの間で感染・伝播する性質を身に付けたら、莫大な被害が出ると警告されていた。
2009年2月に改訂された「新型インフルエンザ対策行動計画」の総論には、背景としてH5N1ウイルスが流行して死亡例が報告されていることが明記されている。そのうえで「このような鳥インフルエンザのウイルスが変異することにより、人から人へ感染する能力を獲得する危険性が高まっている」などと行動計画を策定した経緯が記され、17万~64万人の推計死者数が紹介されている。
ところが、その数カ月後に始まった新型インフルエンザのパンデミックウイルスは、H5N1ではなくH1N1という予想外のものだった。しかも死者は、そのシーズンは約200人で、翌年からの季節性インフルエンザ関連の死者数は5000人前後に跳ね上がっている。もちろん季節性のインフルエンザには、H3N2やB型のウイルスも混在しているが、季節性のインフルエンザになってからの死者数のほうが圧倒的に多いことがわかる。
2009年に発足した民主党政権は、17万~64万人の推計死者数と、「病原性の強いH5N1ウイルスが新型になって襲ってくるのは秒読み段階」という一部の専門家の警告を背景に新型インフルエンザ対策を進めていった。その1つが、新型インフル特措法の立法だった。
喜田氏は、その過程で内閣府の役人から相談を持ちかけられていたのだ。だが、「新型インフルエンザで、それほどの死者が出るわけがない」と一蹴した。
「非科学的」に映った理由
喜田氏といえば、1968年の香港かぜウイルス(H3N2)について、カモ由来のウイルスがアヒルなどの家禽を経由してブタに感染し、ヒトのアジアかぜウイルス(H2N2)がブタに同時感染して生まれたことを突き止めた、人獣共通感染症の第一人者だ。その喜田氏にとって新型インフル特措法案の根拠は、あまりに非科学的に映った。
なぜ非科学的か? 理由は2つある。
第1の理由が、スペインかぜやアジアかぜが流行したときとは比べ物にならないほど医療が進歩していること。スペインかぜでは感染者の多くが、ウイルスそのものではなく2次感染による細菌性肺炎で亡くなったのだが、当時は細菌に効く抗生物質がなかった。明らかに医療水準が異なるスペインかぜ当時の致死率を、単純に当てはめて推計した死者数に違和感を覚えたという。
第2に、鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染するのは、その人が鳥型のレセプター(ウイルスをやり取りする受容体)を持っていたからで、鳥インフルエンザウイルスがブタを介さずにヒトからヒトへ感染する能力を持つことは考えられない。
つまりヒトからヒトへの感染の広がりは、簡単には起きないのだ。さらに言えば、新型インフルエンザウイルスに変異する可能性はH5N1だけでなく、144通りの亜型のインフルエンザウイルスのすべてにある。
喜田氏は、ありえない根拠と被害想定によって、私権を制限する緊急事態宣言が盛り込まれた法律には反対の意思を示した。
それでも2012年4月、緊急事態宣言を盛り込んだ法律が成立した。喜田氏のもとには内閣府の役人から電話があったという。被害想定に疑問を持つ喜田氏の考えに納得しつつも、今後、病原性の強い未知のウイルスが出現したときのために「新型インフルエンザ等対策特措法」の「等」を入れた、との説明だったという。
こうしてできた新型インフル特措法に、安倍政権はコロナウイルスを適用する法改正を成立させた。喜田氏は、今でもこの法は「悪法」だと言い、コロナウイルスを適用することにも反対だ。
今回の法改正によって新型コロナウイルスでの緊急事態宣言に疑問を持つ専門家は喜田氏だけではない。
新型インフル特措法の成立時に厚生労働省の専門家会議の議長を務め、現在は新型コロナウイルスの専門家会議のメンバーである岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は、「対策を取るためには(事前に)法はあってもよいが、今回の新型コロナウイルスのレベルで宣言するのは、経済的にも社会的にも混乱を招くおそれがある。宣言は抑制的であるべき」と話す。
安倍首相にとって、この緊急事態宣言のハンドリングには政権の浮沈がかかっている。3月9日の参院予算委員会の答弁で「患者数の急速な拡大といった事態に備え、緊急事態宣言の発出等を可能とする法案の提出を予定している」と述べるなど「緊急事態宣言」に前のめりだった。
強権発動は妙手
ある意味で、こういった非常時における強権発動は妙手だ。抑え込みに成功すれば英雄視される。仮に緊急事態宣言を出して効果がなかったとしても、それはウイルスが強大ゆえのことであって、責められることはないだろう。新型コロナで初動の対応が後手に回ったと批判されている安倍首相からすれば、「攻め」の政策で国民にアピールできる材料の1つが、緊急事態宣言を発動できるような法改正だったと見ることができる。
死者数が中国に迫るイタリアやイランなどの状況をみると、とても他人事とは思えない。外出の自粛や、さらには都市封鎖までもが現実味を増している。だが一方では、ウイルスの封じ込めを徹底すれば市民生活が奪われ、全世界で経済の停滞を招くのは明らかだ。
生活、経済、そしてパンデミックの規模やウイルスの病原性などの相対的なバランスが問われている。そのバランスを無視した政権浮上のための強権発動だとすれば、国の形をゆがめてしまいかねない。私たち国民も、パンデミックの恐怖に流されず、その本質を見極める冷静な目を持ちたいものだ。