・未成年買春で逮捕された米大富豪の「性愛島」と「友達リスト」 トランプ、クリントンに英王子まで(文春オンライン 2019年7月30日)



(上)逮捕されたエプスタイン容疑者

※トランプ米大統領にクリントン元米大統領から英国王室まで、華麗な交友関係を誇っていた謎の大富豪が未成年の少女を組織的に買春していた疑いで逮捕された。「友人」らは潮が引くように去っていったが、トランプ政権の高官が辞任するなど、逆に疑惑は燎原の火のごとく広がる勢いを見せている。

未成年の少女に対して金を払って「マッサージ」と称して性的な行為をさせていた疑いで7月6日、米連邦捜査局(FBI)などに逮捕されたのはジェフリー・エプスタイン容疑者(66)。遅くとも2002年以降、14歳~17歳の少女数十人以上をマッサージと称して自宅や別荘に招き入れ、数百ドル支払って性行為などをしていた疑いがある。

高校教師から大富豪に

エプスタイン容疑者は、一介の高校教師から大富豪に成り上がった立志伝中の人物として米国では知られるが、その詳細は謎に包まれている。

犯罪が明らかになる前の2002年にその半生を追った米雑誌「ニューヨーク・マガジン」によれば、エプスタイン容疑者は米国で高校の数学教師として働いていた20代のころ、金融業界で働く生徒の親の一人に見いだされる。この親を通じてトレーダーに転職して頭角を現し、投資銀行の上層部に登用されて間もなく独立。以来、顧客を資産10億ドル以上に絞り、資産管理から税金対策までを手がけるビジネスで大成功したという。

仕事以外の面では、社交界の大立て者の女性との交際で名を鳴らす一方、その資産を惜しみなく学術研究に注いだことでも知られるが、メディアには露出を避けてきた。

「一緒にいると楽しい奴だよ」

ニューヨーク・マガジンにそう答えたのは、当時は一介のビジネスマンだったトランプだ。「俺みたいに美しい女性が好きだともいわれているけどね。ほとんどは、かなり若めのようだけど」と続けたが、よもやその「若め」が未成年を意味するとは……。

だが、捜査によれば、この報道の頃から犯行は始まっていたことになる。

“乱交島”と呼ばれる「リトルセントジェームズ島」



(上)リトルセントジェームズ島

《(未成年の少女である)被害者は半裸か全裸で、同じく全裸のエプスタイン容疑者をマッサージした。すると、エプスタイン容疑者はエスカレートして陰部を直接、間接にまさぐった。こうしたときには通常、エプスタイン容疑者は自慰行為をしながら、被害者にも体を触らせ、さらに性玩具や手で被害者の陰部も触っていた》

この犯行の描写は起訴状によるものだ。場所はエプスタイン容疑者のフロリダ州の別荘だが、別荘はほかにもあった。カリブ海に浮かぶ島「リトルセントジェームズ島」。エメラルドグリーンの海に囲まれた島には、衛星写真でもはっきりと大邸宅が視認できる。ブルームバーグの報道によると、数々のセレブ達も訪れたとされるこの島は、いま地元民には「乱交島」「小児性愛島」と呼ばれている始末という。

実はエプスタイン容疑者の疑惑が話題になったのは今回だけではない。その事実を丹念に追った地元紙「マイアミ・ヘラルド」は、14年前、別の被害者の証言を元に地元警察が捜査を始めていたことを報じている。だが、2008年、起訴されたのは買春を誘った罪だけ。エプスタイン容疑者が塀の中で過ごしたのはわずか13カ月。捜査の過程で、残りの人生を刑務所で過ごすに十分な複数の犯罪が浮上していたというのに。

なぜか。マイアミ・ヘラルドは糾弾する。「正義の『倒錯』」があったと。

ビル・クリントンもやり玉に

一連の報道があったのは昨年末から。その後、捜査当局が改めてエプスタイン容疑者を逮捕したわけだが、報道の核心は10年以上前の捜査の不作為の追及にある。焦点は、当時フロリダ州マイアミの連邦地方検事をつとめ、エプスタイン容疑者側と交渉し、数十あった起訴事実を一桁に絞る合意を導いたアレクサンダー・アコスタ。その後の17年、トランプ政権の労働長官に収まった。

「こういう事件は複雑なんだ。特に子供が絡むとね」。そんな記者団への言い訳で世間もトランプ大統領も納得するはずもなく、アコスタは12日に辞任。だが、メディアの注目は他にも転じている。

やり玉に挙がった一人はビル・クリントン元米大統領だ。

「クリントン大統領は何も知りません。ジェフリー・エプスタインが数年前にフロリダで罪を認めたひどい犯罪についても、最近ニューヨークで告発された同様の犯罪についても」

クリントンの事務所は7月8日にこんな声明を発表し、2002年と2003年にエプスタイン容疑者と慈善活動の一環で4回旅行をともにしたことを認めたが、話題はさらに拡散を続ける。エプスタイン容疑者の交友関係にある人物の連絡先を控えた「黒い手帳」がその震源の一つだ。2004~2005年にかけての半年、エプスタイン容疑者の下で働いた元執事が、任務を離れた後も保管し続け、米国の裁判所に提出されていたのだ。

「黒い手帳」には何が書かれていたか

当時の捜査報告書によると、元執事は運転手、伝令、接客も担当。担当の延長で少女への車の提供、少女への薔薇の贈呈、「マッサージ」後に散乱したバイブレーターの片付けもしていた。捜査官は、元執事について宣誓供述書でこう説明する。

「(元執事は)捜査対象(エプスタイン容疑者ら)が自分を消したり傷つけたりすることを恐れており、(手帳の)情報は自分の保険だと主張した」

オンラインニュースサイト「ゴーカー」が公開したこの手帳のリストは膨大だ。

トランプ大統領、ハリウッド俳優のアレック・ボールドウィン、金融界の大立者のデイヴィッド・ロックフェラー、イスラエルのエフード・バラク元首相、大富豪ジョージ・ソロスの甥などの名前がズラリ。「マッサージ」の項にはマッサージ嬢とみられる連絡先もある。その意味するところは憶測の域を出ないが、この元執事は数年前に病死した。

「王子と性交渉をした」?

一番の窮地に立っているのは、黒い手帳の住所欄に「バッキンガム宮殿」と明示されていたイギリスのヨーク公、アンドルー王子かもしれない。チャールズ皇太子の弟だ。

本人は公式に否定しているが、マイアミ・ヘラルドなどによると、エプスタイン容疑者に王子を紹介されたとされる元少女が別件訴訟で「エプスタイン容疑者の性奴隷にされ、王子と性交渉をした」などと主張したとされる2000点もの文書が存在するからだ。

元少女の主張自体は「根拠が薄い」などとして裁判所に退けられて封印されたはずだったが、図らずも今回の捜査に先立つ7月3日、資料公開を求める弁護士らの控訴審で米裁判所が「被害者の利益がプライバシーに優先する」として公開を認めた。

次から次へと膨らむばかりの疑惑。前回の捜査の際は友人関係について口をつぐみ、捜査のねじ曲げにも成功したエプスタイン容疑者だが、捜査機関が本腰を入れ、長期の刑が現実味を帯びてきたいま、その口を閉ざす意味は残っているのか。果たしてエプスタイン容疑者自身がパンドラの箱を開けるのか、それとも……。固唾を飲んで見守っているのは、長年被害に苦しんだ元少女も、他にまだいるかもしれない加害者も同じだ。

・性的搾取で起訴の富豪自殺=トランプ氏と親交、政府調査-米(時事通信 2019年8月11日)

※米メディアの報道などによると、多数の少女らに対する性的搾取で7月に起訴された富豪のジェフリー・エプスタイン被告(66)が10日朝、ニューヨーク市内の勾留施設内で意識のない状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。首をつったとも伝えられており、自殺とみられている。
 
被告はトランプ大統領やクリントン元大統領らとの親交でも知られ、スキャンダルは7月のアコスタ労働長官の辞任にもつながった。渦中の被告が拘束中に死亡する事態に連邦捜査局(FBI)は調べを開始。バー司法長官は「答えを出さなければならない深刻な疑問が生じた」とし、政府としても調査する考えを表明した。
 
被告は2002~05年を中心に、ニューヨークやフロリダ州の自宅などで、性的行為で少女に金銭を支払ったとして、人身取引の罪などで起訴され、保釈請求は却下されていた。被害者には当時14歳の少女が含まれていた。被告は無罪を主張。有罪となれば最高で禁錮45年の刑が下されるはずだった。
 
被告は、過去にもフロリダ州で同様の罪で有罪になった。ただ、司法取引で重罪を回避させたとして、当時担当検事だったアコスタ氏への批判が高まり、同氏は労働長官を辞任した。 

・勾留中死亡の米富豪、首数カ所を骨折か 専門家「自殺ならまれ」(ロイター 2019年8月16日)

※児童買春容疑で起訴され、勾留中に自殺したとみられる米富豪のジェフリー・エプスタイン被告(66)の首が数カ所にわたり骨折していたことが検視で判明した。複数の関係者が明らかにした。

ニューヨーク市検視局からのコメントは得られていない。検視官が被告の死因を特定したかどうかは不明。

ある検視官は「(自殺死体に)首の骨折があるのはまれだ」とした上で、自殺によって起きた骨折なら「少なくとも非常にまれな自殺だったと言える」と語った。

・エプシュタインが独房内で「自殺」した

2019.08.11

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201908110000/
 
※ジェフリー・エプシュタインが8月10日に独房内で「自殺」した。7月23日には「ほぼ意識をなくし」て倒れているところを発見されているが、今回は手遅れ。「自殺」を試みた人物に対する監視は厳しくなるはずだが、そうした様子は窺えない。​ニューヨーク・タイムズ紙は午前7時30分頃に首をつった彼の死体が発見されたとしている​が、7時30分に病院へ運び込まれるエプシュタインが目撃され、​消防署へ心停止の通報があったのは午前6時38分とする証言​もある。死亡した状況が不明確だ。その前日、裁判所は事件に関する2000ページの文書を公表していた。

エプシュタインが未成年の女性を有力者へ性的な目的で提供していることが明るみに出はじめたのは2005年3月。2008年6月に彼は有罪を認めて懲役18カ月を言い渡されているが、州刑務所ではなく郡の営巣へ入れられ、しかも3カ月半で週に6日間は1日12時間、外へ出ることが許されている。処罰は寛大で、待遇は特別だったわけだ。

​事件を地方検事として担当したアレキサンダー・アコスタはエプシュタインについて、「情報機関に所属している」ので放っておけと言われたとしている。​なお、アコスタはドナルド・トランプ政権で労働長官を務めていたが、今回の件が浮上すると辞任している。

確かにエプシュタインの背後には情報機関や治安機関の影がちらつく。例えば、彼の妻だったギスレイン・マクスウェルの父親はミラー・グループを率いていたロバート・マクスウェル。この人物は1960年代からイスラエルの情報機関であるモサドのエージェントだったとも言われている。このロバートは1991年11月、カナリア諸島沖で死体となって発見された。

エプシュタインが運営していた小児性愛のネットワークは有力者へのサービスであると同時に、有力者を脅す材料を集めるという目的があった。顧客の様子は全て音声や映像で記録されていたというのだ。

そうした顧客のリストをエプシュタインの自宅から2009年に持ち出した人物がいる。その人物によると、リストは「小児性愛ネットワーク」を解き明かすもの。それが事実なら、アル・カポネ時代のシカゴと基本構造は同じ。この問題は西側の恐喝による支配システムを明らかにする突破口になる。

今回は厳しい処罰が予想されていたエプシュタインは有罪を認めず、そのリストを反撃の材料に使おうとしていたと言われている。すでに不適切な行為を強制されたと主張している女性から何人かの有力者の名前が明らかにされているが、エプシュタインが全体像を口にしたなら、アメリカやイギリスのエリートはパニックに陥る可能性がある。

エプシュタインの「自殺」で胸をなで下ろしたエリートは少なくないだろうが、流れている情報が正しいなら、恐喝の構造は残る。そうしたエリートに支配されている庶民にとっても重大な問題だ。

・自分の身に危険が迫っていると考えていたエプシュタイン

2019.08.12

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201908110000/
 
※有力者に未成年の男女を提供していた容疑で逮捕され、留置されていたジェフリー・エプシュタインが8月10日に「自殺」したと報道されている。自分の隠したい秘密を握る人物の死で秘密が守れたと安堵の胸をなで下ろしている有力者は少なくないだろう。有力者にとって好都合な死だったわけだ。何者かが口封じしたのではないかと疑っている人も少なくない。

エプシュタインは7月6日に逮捕されたが、​看守や何人かの収容者に対し、何者かが自分を殺そうとしていると語っていた​という。裁判が終わるまで彼は生きていられないのではないかと推測する人もいたが、本人もそう考えていたのかもしれない。

一方、エプシュタインは死んでいないと主張する人もいる。この人物が病院へ運び込まれた際の写真が存在するのだが、その顔が死人にしては不自然だというのだ。

確かに、エプシュタインが死んだことを示す証拠は明らかになっていない。死んだときの様子も不明だ。エプシュタインに法廷で証言させないためなら、救出してどこかへ隠してもかまわない。

・英王子に疑念強まる=性犯罪者と親交「釈明」(時事通信 2019年11月19日)



(上)アンドルー英王子=10月2日、オーストラリア西部パース

※エリザベス英女王の次男アンドルー王子(59)が性犯罪者との親交について語ったBBC放送のインタビューが、英国で大きな反響を呼んでいる。王子はメディアに出ることで沈静化を図ったようだが、受け答えには不明瞭な点が多い。逆に王子の振る舞いに対する疑念が強まっている。
 
王子は16日放映の番組で、少女らへの性的虐待などの罪で起訴され勾留中に死亡した米富豪ジェフリー・エプスタイン被告の邸宅に滞在したことについて「誤った行為だった」と釈明した。しかし、未成年の少女との性行為に関する疑惑に対しては「(疑惑の日は)娘と出掛けていた」「(少女の腰に手を回す様子を映した)写真を撮られた記憶がない」と述べただけだった。明確な反証は示されていないと理解され、疑惑は解消されていない。



(上)米富豪ジェフリー・エプスタイン被告=撮影場所、日時不明。米当局提供
 
インタビューへの専門家の評価は散々で、元王室広報官の1人は、釈明を受け「耐え難い」と一言。BBC王室担当記者も王子の評価に関し「激しく損なわれ、汚名返上の試みはひどく失敗した」と断じた。視聴者の間には「王子は本当のことを言っているのか」と疑問の声が強い。