2004年にブッシュによって制定されたこの法律は世界中の誰もが絶対にユダヤ人に対するいかなる批判もできないような環境をつくることが目的。

米国政府に世界中の反ユダヤ主義的意見・傾向を監視する機関が設置され、監視結果を議会に報告することが義務化された。

ところで 「グローバル反ユダヤ主義法」と訳しましたが「Global Anti-Semitism REVIEW Act」なので「グローバル反ユダヤ主義(監視)法」といったほうが正しいかも。この法律のさりげなく凄いのは米国を通して勝手に世界中の市民を監視対象にしちゃってる点。

この法律によると「以下のような考えを表現したものは(反ユダヤ主義)の範疇にあてはまる」と明記されている。


1.いかなる形式であれ「ユダヤコミュニティは政府・メディア・国際ビジネス界あるいは金融界を支配している」という意見のもの

2.イスラエルに強く反対する気持ち(ここで「意見」といわずに「Sentiment」:気持ち、ということばが使われてるの重要)の表現

3.現存或いは過去のイスラエルの政治家に対する激しい批判的表現。(例としては シオニストの政治家の顔の横にハーケンクロイツをつけるなどしてその政治家の悪者であることを風刺する、などの動き)

4.ユダヤ教、ユダヤ教の指導者、そしてユダヤ教の聖典に対する批判をするもの。(そしてこの「聖典の批判」では特にカバラとタルムードに対する批判の規制が強調されている)

5.米国の政府と議会がAIPACなどのユダヤ・シオニストのコミュニティの突出した影響下にあるということを指摘する行為。

6.ユダヤ・シオニストのコミュニティがグローバリズム、あるいはNWOと呼ばれるものの促進をしているということを指摘・批判する行為。

7.キリストが十字架に架けられたことを少しでもユダヤ教の指導者あるいは信者のせいであると言うふうに表現した言及のいかなるもの。

8.「6百万人」のホロコースト犠牲者総数を少しでも矮小化させる可能性をはらんだ事実を述べること。(ここで「事実」といってるのもすごい)

9.イスラエルが人種差別をする国であるということを主張すること。

10. 「シオニストの陰謀が存在する」といったあらゆる形の主張。

11.共産主義とロシアのボリシェビキ運動はユダヤ人とユダヤ人の指導者たちによってひきおこされたものであるということを証明するものを提示する行為。

12.ユダヤ人を馬鹿にするような言動

13.ユダヤ教にしたがっていないユダヤ人はパレスチナを占拠する資格がないという主張をすること。

14.モサドが9・11のテロに関与していた可能性を追求する行為。


米国のHouse Resolution 6208 はまだ草案発表の段階だけど・・ なんかまた議員が誰もいない時に勝手に可決されてしまうのだろうか。 この草案では「反ユダヤ主義とはなにか」の提議が法的に制定されている。

この法のもとでは以下のものは「反ユダヤ偏見」の範疇にあてはまるとされている。


A.過激な思想や宗教の信条のもとなどにより ユダヤ人を痛めつけたり殺したりすることを正当化し主張するもの、 あるいはそのような主張をするものを擁護すること。

B.「ユダヤの陰謀」という神話、あるいは「ユダヤ人がメディア・経済・政治・その他の社会機関をコントロールしている」などの神話を通じてユダヤ人を悪魔化・非人間化する差別的ステレオタイプをもとに糾弾すること。

C. あるユダヤ人の団体、あるいは個人のユダヤ人、あるいは国家としてのイスラエル、あるいはまったくユダヤ人でないものによって実際に引き起こされた(または想像上の)犯罪を総体としてのユダヤ民族全体のせいであると主張すること。

D.民族としてのユダヤ人と国家としてのイスラエルがホロコーストを捏造あるいは誇張していると主張すること。

E.ユダヤ人はそれぞれが住んでいる国よりもイスラエル、あるいは世界中のユダヤ・コミュニティ総体に対してのほうに忠誠がある、ということを指摘すること。


これ…ある意味「壮大なカミングアウト法」としか思えず笑ってしまう