・逃走中の拳銃強奪犯を大阪府箕面市の山中で逮捕 父親は在阪メディア役員(AERA dot. 2019/06/17 07:14)

(上)大阪府警が公開した大阪府吹田市の千里山交番を襲撃した30代の男の映像
※大阪府吹田市の府警吹田署千里山交番前の路上で6月16日午前5時40分、古瀬鈴之佑巡査(26)が刺され、拳銃が奪われた強盗殺人未遂容疑事件で、府警は17日、東京都品川に住む飯森裕次郎容疑者(33)を箕面市の山中で発見、逮捕した。
飯森容疑者は拳銃を所持し、拳銃に弾は4発、残っていた。強奪された時は5発で1発、使われた可能性があるという。
事件直後、府警は千里山交番の防犯カメラに映った不審な動きをしていたメガネの男の写真を公開。手配写真の手の部分がボカされていた理由は、凶器とみられる包丁を持っていたためだという。写真公開が犯人逮捕につながった。
飯森容疑者を早朝、現場近くの阪急電車「千里山」駅で目撃した住民はこう話す。
「急に男の声で、うぉーという声が聞こえてなんだろうと思った。そのままホームに行き、電車を待っていると、何人もの人が『救急車を呼んで』『すごい血だ』などと言いながら、駅に駆け込んできた。改札近くに戻ったら警官らしき人が倒れていて周囲を人が囲んでいた。すごい血が流れていた。うぉーと叫んでいた男がやったんじゃないかと思った」
防犯ビデオの公開直後から飯森容疑者の目撃情報が相次いだ。
「公開すると、現場から2kmほど先にあるホテルに泊まった男ではないかという情報が寄せられた。調べると6月14日にチェックインした。防犯カメラの男に似ており、挙動不審でチェックインの際も周囲をきょろきょろと見まわしていたという。その後、報道を見た飯森容疑者の父親から、『うちの息子ではないか』との情報が寄せられた。さらに調べると、現場近くの量販店で血が付いた服を着て男が現れて衣料品を買っていたことが判明した」(捜査関係者)
飯森容疑者の生まれは神奈川県だが、育ちは現場近くの大阪府吹田市だという。通報した父親は在阪メディア役員で、飯森容疑者は大阪府内の中学校から公立高校に進み、東京の大学に進学したという。
「確か中学校時代から野球部にいて、かなりうまかった。勉強もよくできたし、いいやつだった。それがこんな事件を起こすとは思いもしないですよ」(同級生)
飯森容疑者は大学を卒業後、東北地方の民放テレビ局で仕事をしたが、なじめずに辞めたという。
その後、東京に戻り、事件直前までは品川区内のゴルフ練習場で仕事をしていたという。職場の同僚がこう話す。
「仕事はゴルフ練習場の清掃などで週5日くらい勤務のアルバイト。昨年11月から働いていた。普段は坊主頭にメガネをかけています。6月5日から沖縄に旅行へ行き、ゴルフをしてきたと話し、10日まで仕事をしていました。11日から病気が悪化したと休んでいましたが、15日夕方に電話があり、また仕事をしたいと言い、今後の勤務について相談をし、25日からバイトに来る予定でした。10日の勤務では、ニタニタしていて、少し普段とは違ったことが印象に残っていましたが、不審な様子はなかった。テレビで見て、犯人に似ていると思いましたが、まさかこんな事件を起こすとは思いもせず、驚くばかりです」
古瀬巡査は包丁で胸などを7か所以上、刺され、病院に搬送されたが意識不明の重体という。
・飯森容疑者「病気がひどくなったせい」などと容疑を否認(産経デジタル 2019/06/17 10:05)
※大阪府吹田市の大阪府警吹田署千里山交番前で16日早朝、同署の古瀬鈴之佑(こせ・すずのすけ)巡査(26)が刺され、実弾入りの拳銃が奪われた事件で、強盗殺人未遂容疑で17日朝に逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)が府警の調べに対し、「私のやったことではありません。病気がひどくなったせい、周りの人がひどくなったせいです」などと供述し、容疑を否認していることが府警への取材で分かった。
・所持金は10万円 拳銃に実弾1発発射の痕跡 (毎日新聞 2019/06/17 11:13)

※大阪府吹田(すいた)市の交番で警察官が刺され拳銃を奪われた事件で、府警は17日、逃走していた東京都品川区のアルバイト、飯森裕次郎容疑者(33)を強盗殺人未遂の疑いで逮捕した。同日午前6時半ごろ、現場から北に約8キロ離れた同府箕面市の山中にいるところを捜査員が見つけた。容疑を否認している。所持していた拳銃から実弾が1発発射された痕跡があるが、人的被害は確認されていない。徒歩や電車で広範囲に移動していたとみられる。府警は詳しい動機などを本格的に取り調べる。
逮捕容疑は16日午前5時40分ごろ、府警吹田署千里山交番の駐車場で、古瀬鈴之佑(こせすずのすけ)巡査(26)を包丁(刃渡り約16センチ)で複数回刺し、実弾5発が入った拳銃を奪ったとしている。「私がやったことではない。病気がひどくなったせいだ」などと供述している。所持品の中から、精神障害者保健福祉手帳が見つかっている。所持金は約10万円だった。
古瀬巡査は7カ所以上を刺されて意識不明の重体のまま。胸の刺し傷は深さ約11センチに達していた。事件の約1時間半前から、飯森容疑者が現場の交番周辺をうろつく姿が防犯カメラに映っており、府警は強い殺意を持って計画的に襲撃したとみている。
府警は16日に防犯カメラの画像を公開。飯森容疑者の父親から「息子ではないか」と連絡があり、府警が行方を捜していた。
16日午後8時ごろ、箕面市内の山のふもとにある防犯カメラに飯森容疑者が映っており、捜査員が周囲を捜索。日の出を待って山中に入ったところ、ベンチで横になっている飯森容疑者を発見した。ポリ袋に入れられた拳銃がベンチの下に置かれていた。奪った際は実弾が5発入っていたが、4発しか残っていなかった。事件から約30分後、現場近くの住宅街で、複数の住民が大きな破裂音を聞いており、飯森容疑者が発射した可能性がある。
関係者によると、飯森容疑者は東京都内のゴルフ場で働いていたが、今月12日から欠勤。14~15日、交番から約2キロ北の吹田市内のホテルに宿泊していた。
事件直前の16日午前4~5時ごろ、交番の防犯カメラには飯森容疑者が周辺をうろつく姿が8回映っていた。その後、空き巣被害を装った虚偽の110番をしたとみられ、交番にいた警察官2人が現場へ急行。古瀬巡査が遅れて現場へ向かおうと、1人で交番を出たところを襲われたとみられる。
事件後、現場から西へ約1キロ離れた同府豊中市内の駅周辺の防犯カメラが飯森容疑者を捉えていたほか、交番から北へ約4.5キロ離れた吹田市内の商業施設で服を購入する姿も目撃された。その後、箕面市内の防犯カメラに映っているのが確認されており、飯森容疑者は徒歩や電車で北へ移動したとみられる。
・交番襲撃、33歳男を逮捕=拳銃所持、1発使用-山中で発見、容疑否認・大阪府警(時事ドットコム 2019年06月17日11時31分)

※大阪府吹田市の千里山交番で巡査が刺され拳銃が奪われた事件で、大阪府警吹田署捜査本部は17日早朝、強盗殺人未遂容疑で行方を追っていた職業不詳飯森裕次郎容疑者(33)=東京都品川区=を逮捕し、所持していた拳銃を押収した。1発が発射された痕跡があるという。捜査本部は16日早朝の事件発生以降、5000人態勢で行方を追い、隣接する箕面市の山中で発見した。
捜査本部によると、「私のやったことではありません」と容疑を否認。「病気がひどくなったせい、周りの人がひどくなったせいだ」と供述している。
飯森容疑者は山道のベンチに横たわっており、ベンチの下にポリ袋に入った拳銃が置かれていた。銃弾4発が残っており、1発が発射されていた。事件直後の16日午前6時ごろに、複数の人が現場近くで破裂音を聞いており、捜査本部はこの際に発射されたとみている。けが人はいなかった。
逮捕を受け、吹田市や周辺の自治体は小中学校などの授業を通常通り始めた。
捜査本部は、公開した防犯カメラの画像に基づき、16日に寄せられた「息子に似ている」との通報などから、襲撃した男を飯森容疑者と特定した。同容疑者は高校卒業まで吹田市周辺で生活しており、現場に土地勘があった。元海上自衛官で、防衛省関係者によると、2009年4月に入隊し、半年後に2等海士で退職。拳銃を扱う任務はなかったという。
逮捕容疑は16日午前5時40分ごろ、交番北側の駐車場で、勤務中の古瀬鈴之佑巡査(26)の胸などを包丁で突き刺して意識不明の重体とし、拳銃1丁を奪った疑い。
捜査本部によると、現場の交番は阪急電鉄の千里山駅前にあり、古瀬巡査と上司の計3人が勤務していた。交番の防犯カメラには16日午前4時15分~同5時ごろ、周辺を行き来する不審な男が映っていた。
その約20分後、約800メートル離れた隣の関大前駅の改札から、よく似た男が入場。同5時半ごろ、空き巣被害に遭ったとの虚偽の110番が同駅構内の公衆電話からあった。
上司2人はバイクで通報があったアパートに急行。古瀬巡査は同40分ごろ、後から向かおうと交番を出たところで刺された。
・捜査員に取り囲まれ…拳銃に手を伸ばすしぐさも(読売新聞 2019/06/17 14:00)
※大阪府吹田(すいた)市の交番で起きた拳銃強奪事件は、発生から一夜明け、飯森(いいもり)裕次郎容疑者(33)の逮捕で急展開した。容疑者が潜伏していたのは、住宅街にほど近い同府箕面(みのお)市の山の中だった。
■交番から8キロ
「名前は?」
「飯森裕次郎」
吹田署千里山交番で古瀬鈴之佑(こせすずのすけ)巡査(26)が刺され、拳銃が奪われた事件から約25時間後の17日午前6時半頃、交番から約8キロ北に離れた箕面市の山中で、防弾ヘルメットなどの装備に身を包んだ捜査員が、飯森容疑者を取り囲んでいた。
飯森容疑者は、リュックを枕にして、木のベンチに横たわっていた。名前を答えた後、ベンチの下に置いていた拳銃に手を伸ばすようなしぐさをしたが、複数の捜査員が即座に取り押さえ、逮捕状を執行した。
飯森容疑者は発見時、紺色のジャージーにエンジ色のズボン、水色の帽子をかぶっていたという。
発見現場は住宅街から山道を約800メートル上った場所にあり、ハイキングコースになっている。府警は夜明けを待って、山中の捜索に入っていた。
近くに住む会社役員の男性(79)は午前7時頃、捜査員約20人に囲まれて飯森容疑者とみられる男が連れて行かれる様子を目撃した。「まさかこんなところに逃げていたなんて」と驚いていた。
■足取り
府警は、事件直後から防犯カメラ映像や目撃者の情報を集め、飯森容疑者の足取りを割り出していた。
千里山交番で、事件が起きたのは16日午前5時38分頃。約20分後の同6時頃、近くの吹田市千里山西5の住宅街で、複数の住民が発砲音とみられる破裂音を聞いている。
飯森容疑者の姿は同7時40分、交番の南西約1キロにある豊中市の緑地公園近くのコンビニ店のカメラに映っていた。血だらけの状態で、返り血を浴びていたとみられる。その後、阪急電車に乗り、北千里駅で下車。同9時過ぎには、同駅前の商業施設「イオン北千里店」で、エンジ色のジャンパーなどを購入していた。
そこから徒歩で北に向かい、同9時40分頃、箕面市今宮のコンビニ店のカメラに、路上を歩く姿が映っていた。近くのホームセンターで虫よけ剤を購入後、同10時50分頃には、さらに北約1キロのコンビニ店で、携帯電話の充電器と電池を買っていた。その後、午後8時頃までの間に箕面市の住宅街と山中を行き来する姿がカメラに映っており、府警は山中に潜伏していると判断していた。
府警幹部は「住民に危害が及ぶ前に確保できてよかった」と話した。
・警官襲撃の飯森容疑者は過去、海上自衛隊に所属 父親の関西テレビ常務謝罪コメント全文(AERA dot. 2019/06/17 19:00)
※大阪府吹田市の阪急千里線千里山駅前で16日早朝、起きた交番襲撃拳銃強奪事件で、強盗殺人未遂容疑で大阪府警に17日に逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)は、取り調べに対して、容疑を否認。
「私のやったことではありません。病気がひどくなったせい、周りの人がひどくなったせいです」などと 話しているという。
「飯森容疑者は話をするが、調書にはサインしていない。自分はやってないといういばかりだ」(捜査関係者)
一方、本誌が既報した通り、飯森容疑者の父親は、在阪の準キー局、関西テレビ常務取締役の飯森睦尚氏。代理人を通してコメントを17日夕、発表した。全文は以下の通りだ。
≪まずもって、重大なけがを負わせてしまった警察官の方及びご家族さまに対し、心よりおわび申し上げます。
一日でも早く回復されることを心から祈っております。
また、地域の方々をはじめ、多くの皆さまにも不安を感じさせることとなりました。大変申し訳ありませんでした。
このような事態となったことについて、大変驚いており、いまだ信じられない気持ちがありますが、今後の警察の捜査にも全面的に協力する所存でございます。 令和元年6月17日 飯森睦尚≫
捜査関係者はこう明かす。
「父親の睦尚氏は公開写真を見た瞬間、すぐに自分の息子だとピンときて、早いうちに府警に連絡をくれた。詳しい事情を聞くことができ、足取りが追えたおかげで早期の解決につながった。息子の様子は前々から気になっていた様子だった」
飯森容疑者は、昨日、事件現場から5kmほど離れた量販店で衣服や靴などを買ったあと、コンビニに立ち寄って携帯電話の充電器や食料を購入。その後、箕面市の山中に逃げ込んだとみられる。
山中には、山道はあるが、高い木が茂り、夜になると真っ暗。道は箕面市の北へ伸びており、その気になって登れば、京都にも抜けることができるという。山道の入り口に注意看板が出ているようにイノシシが出没するところで、付近の人でも絶対に夜は行かないそうだ。
山道の入り口から飯森容疑者が発見されたベンチはまでは急な坂を登り、20分ほどかかる険しい道だった。山道の付近に住む住人はこう話す。
「あんな場所で一夜を過ごした飯森容疑者は、土地勘があったのでは?京都に逃げるつもりだったのかと思った」
警官を刺し、拳銃を奪うという凶悪な犯行に走った飯森容疑者はどんな生育環境だったのか。小学校、中学時代は野球部に在籍していたが、その同級生はこう話す。
「けっこう野球はうまかったよ。内野をやっていた気がする。ただ、目立つタイプではなく、おとなしかった。練習でも声を出せと監督から言われても、ずっと控えめだった。人見知りする感じはあったが、悪い奴ではなかった。高校に行くようになって引っ越してしまって、あまり交流がなくなった。それが事件の何日か前に当時の野球部の仲間たちにFacebookで『これから交流したいから住所を教えて』『同窓会をやろう』などとメッセージがきた。10年以上も音信不通だったので、本人かわからず、不審だったので返信しなかったら、こんなとんでもない事件を起こしてしまった。ゾッとしました」
逃げた箕面市方面は、飯森容疑者の高校時代の友達が多かったと同級生は振り返る。
「あの山道は飯森容疑者が立ち寄ったというコンビニの脇道から登れるのですが、地元の人でなければ知らない。山道から山中に逃げれば大丈夫だと、最初から計画していたと思う」(同級生)
飯森容疑者が昨年11月から勤務していた都内のゴルフ練習場の同僚によると、ゴルフ歴は10年以上だと自慢していた。 6月初めには沖縄にゴルフに出かけたともいう。
SNSでも出身の吹田市の中学に加えて、ゴルフのサークルに登録していた。
さらに捜査関係者によると、飯森容疑者が海上自衛隊に半年間、所属していたことが新たに判明。
2009年4月に入隊し半年後に除隊したという。
「自衛隊にいれば所属部隊で使用しなくても銃器の扱いについては学ぶ。銃器に関する知識はある程度あったことは十分考えられる」(警察庁関係者)
逮捕時、強奪した拳銃には、4発の銃弾が残っていた。1発はどこかで発射したとみられる。
「昨日、古瀬巡査を襲った直後に交番近くの吹田市千里山西で発射音を複数の住民が聞いている。おそらくそこで拳銃を撃ったのではないか。その場所はかつて、飯森容疑者が住んでいたところのすぐ近く。犯行動機を解くカギがあるかもしれない」(捜査関係者)
・拳銃強奪容疑者の父親、関西テレビ常務が謝罪(読売新聞 2019/06/17 18:49)
※大阪府吹田市の吹田署千里山交番の前で警察官が刺された事件で、飯森(いいもり)裕次郎容疑者(33)が逮捕されたことを受け、父親で関西テレビ常務取締役の飯森睦尚(むつひさ)さん(63)が代理人弁護士を通じ、書面でコメントを出した。
睦尚さんは事件後、府警が公開した不審な男の防犯カメラ画像について「息子に似ている」と自ら通報していた。
睦尚さんは「重大なけがを負わせてしまった警察官の方とご家族に対し、心からおわび申し上げます。一日も早く回復されることを心から祈っております」と謝罪。「地域の方々をはじめ、多くの皆様にも不安を感じさせ、大変申し訳ない」と続け、「いまだ信じられない気持ちだが、今後の警察の捜査に全面的に協力します」と記した。
・拳銃強奪容疑者、山中潜伏計画か 事件後に虫よけ、充電器購入(共同通信 2019/06/17 22:19)
※大阪府吹田市の千里山交番で巡査が刃物で刺され拳銃を奪われた事件で、強盗殺人未遂容疑で逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)が事件後、同府箕面市で虫よけやスマートフォンの充電器を購入していたことが17日、吹田署捜査本部への取材で分かった。飯森容疑者はその後、山中で一夜を明かしたとみられ、捜査本部は山中で逃走生活を続ける計画だったとみて調べている。
一方で山と住宅街との行き来を繰り返したり、路上で堂々と拳銃を手に歩いたりするなど不自然な行動も多く、捜査本部は詳しい足取りの裏付けを慎重に進める。
飯森容疑者は「私のやったことではありません」と容疑を否認している。
・交番襲撃10分後、拳銃?持つ映像 銃口前に向け歩く姿(朝日新聞DIGITAL 2019/06/18 18:54)

(上)拳銃のようなものを右手に持つ男の姿をとらえた映像。事件から約10分後、現場となった交番近くの住宅街で16日午前5時45分ごろに撮影された(色調を一部補正しています)
※大阪府警吹田署の千里山交番前で男性巡査が刺されて拳銃が奪われた事件で、強盗殺人未遂容疑で逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)=東京都品川区=とみられる男が、発生10分後に拳銃のようなものを手に歩く姿が防犯カメラに映っていたことがわかった。この15分後には破裂音を複数の住民が聞いており、吹田署捜査本部は事件直後の飯森容疑者の状況を示す映像とみて注目している。
この映像は、16日午前5時45分ごろに交番から北西へ約400メートル離れた吹田市千里山西5丁目の住宅街で撮影されたとみられる。
飯森容疑者とみられる男は、黒っぽい長袖の上着と長ズボン姿。拳銃のようなものを右手で握り、ひじを曲げて胸の高さまで上げている。銃口とみられる先端部は前方に向けられていた。左手は白っぽいものを持っているように見えるが、何かははっきり確認できない。男の右腰付近には黒っぽい膨らみがあり、バッグのようなものを下げているようにも見える。
また別の映像では、右手を下げており、手にしている拳銃のようなものの形状がより鮮明に映っていた。
飯森容疑者が逮捕時に所持していた拳銃は実弾1発が発射された形跡があった。映像撮影から約15分後の同午前6時ごろ、周辺で破裂音を聞いたとの付近住民の通報があり、捜査本部はこの時間帯に発射された可能性が高いとみている。
◇
捜査本部は18日、飯森容疑者を男性巡査に対する強盗殺人未遂容疑で送検した。巡査は意識不明の重体となっている。
・食料調達し山中潜伏か=事件直後、通行人そば歩く姿-交番襲撃の容疑者・大阪府警(時事ドットコム 2019年06月20日14時33分)

(上)交番襲撃事件の直後に住宅街を歩く飯森裕次郎容疑者。周囲の通行人を気にする様子が映っている=16日午前5時50分ごろ、大阪府吹田市(提供)
大阪府吹田市の交番が襲撃され拳銃が奪われた事件で、強盗殺人未遂容疑で逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)が事件当日の夜、箕面市のコンビニに立ち寄った後、確保場所となった山中に潜伏したとみられることが20日、捜査関係者などへの取材で分かった。
食料を調達していた可能性があり、府警吹田署捜査本部は、山中に逃げ込んだ経緯を詳しく調べる。事件直後、早朝の住宅街で通行人のそばを歩く姿も確認され、市民に危険が及びかねない状況だったことも判明した。
飯森容疑者は16日午前5時40分ごろ、吹田市の千里山交番で、男性巡査(26)を包丁で刺し、実弾入りの拳銃を奪って逃走。17日午前6時半ごろ、交番から約8キロ離れた箕面市の山道のベンチで横たわっているところを確保された。
山道入り口から約200メートル離れた住宅街の防犯カメラには、16日午後7時50分ごろ、飯森容疑者と似た男が手ぶらで歩く姿が映っていた。約10分後には白いポリ袋を持って山道入り口方向に向かっており、付近のコンビニで食料を調達した可能性がある。捜査本部の調べではこれ以降、周辺で同容疑者の姿は確認されなかった。
また、事件直後の午前5時50分ごろには、交番から約500メートル離れた住宅街を歩く飯森容疑者の姿が防犯カメラに映っていた。
すぐ近くを犬の散歩をする住民らが歩き、同容疑者が後ろを振り返るなど周囲を気にする様子を捉えていたが、この約10分後に破裂音を聞いた住民が複数おり、拳銃を1発発射した疑いが持たれている。
・吹田交番襲撃で虚偽110番「警察官2人で来て」 勤務人数把握か(産経WEST 2019.6.20 11:32)
※大阪府吹田市の大阪府警吹田署千里山交番前で警察官が刺され拳銃が奪われた事件で、事件直前にあった窃盗被害を訴える虚偽の110番通報が、警察官2人で現場に来るよう求める内容だったことが20日、捜査関係者への取材で分かった。府警は、強盗殺人未遂容疑で逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)が、交番で勤務していた3人のうち2人を出動させ、1人になった警察官を狙おうとした疑いがあるとみている。
捜査関係者によると、事件発生約10分前の16日午前5時28分、交番から約800メートル離れた阪急千里線関大前駅の公衆電話から、飯森容疑者の同級生の名前をかたり、110番通報があった。同級生の実家の正確な住所を伝えたうえで「家の扉を壊され、室内が荒らされていた」などと申告。「警察官2人くらいできてほしい」と人数を指定して臨場を求めたという。
実際には、当時交番で勤務していた3人全員で現場に向かうことになり、上司2人が先に出動。その直後、出動が少し遅れて1人になっていた古瀬鈴之佑(こせ・すずのすけ)巡査(26)が襲われた。
交番の防犯カメラには110番の約30分前までに8回、飯森容疑者に酷似した不審な男の姿が写っていた。窃盗被害は虚偽だったことが判明しており、府警は飯森容疑者が交番の態勢を事前に把握し、警察官が1人になるのを狙って110番をした可能性があるとみている。
・逃走中に履歴書購入=動機解明、長期化も-交番襲撃1週間・大阪府警(時事通信 2019/06/23 07:16)
※大阪府吹田市の交番を襲撃し、強盗殺人未遂容疑で逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)=東京都品川区=が、逃走中に履歴書を購入していたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。事件は23日で発生から1週間を迎えるが、飯森容疑者は取り調べに黙秘を続けている。履歴書購入の目的は分からず、事件の動機解明は長期化する可能性がある。
府警吹田署捜査本部によると、飯森容疑者は16日朝、同市の千里山交番で古瀬鈴之佑巡査(26)を包丁で刺し、実弾入りの拳銃を強奪。約25時間後に交番から約8キロ離れた箕面市の山中で確保された。
捜査関係者によると、飯森容疑者は逃走中、量販店で着替えを調達したほか、履いていた靴を捨てるなど証拠隠滅を図った疑いがある。一方で、16日午後8時ごろには住宅街のコンビニでカップラーメンを食べ、履歴書を購入して潜伏先の山中に向かうなど人目につく行動をしていたという。
飯森容疑者は小学5年の時に川崎市から転校し、高校卒業まで現場付近で暮らしていた。小中学校は交番のすぐ近くで、量販店も高校のそばにあり、土地勘のある地域で逃走を続けていた。
大学進学で上京し、卒業後は海上自衛隊や地方テレビ局など職を転々とした。5年前には警視庁品川署を訪れ、「昔住んでいた吹田市の先生や友達の声が心臓から聞こえる」と相談。事件の数日前には中学時代の野球部仲間らにSNSでメッセージを送り、「同窓会を開きたい」と同級生の住所などを求めた。
事件直前には同級生の名で虚偽の110番をし、手薄になった交番を襲撃した。計画性がうかがわれる半面、不可解な行動も垣間見え、大阪地検は責任能力を調べるため鑑定留置を検討するとみられる。

(上)大阪府警が公開した大阪府吹田市の千里山交番を襲撃した30代の男の映像
※大阪府吹田市の府警吹田署千里山交番前の路上で6月16日午前5時40分、古瀬鈴之佑巡査(26)が刺され、拳銃が奪われた強盗殺人未遂容疑事件で、府警は17日、東京都品川に住む飯森裕次郎容疑者(33)を箕面市の山中で発見、逮捕した。
飯森容疑者は拳銃を所持し、拳銃に弾は4発、残っていた。強奪された時は5発で1発、使われた可能性があるという。
事件直後、府警は千里山交番の防犯カメラに映った不審な動きをしていたメガネの男の写真を公開。手配写真の手の部分がボカされていた理由は、凶器とみられる包丁を持っていたためだという。写真公開が犯人逮捕につながった。
飯森容疑者を早朝、現場近くの阪急電車「千里山」駅で目撃した住民はこう話す。
「急に男の声で、うぉーという声が聞こえてなんだろうと思った。そのままホームに行き、電車を待っていると、何人もの人が『救急車を呼んで』『すごい血だ』などと言いながら、駅に駆け込んできた。改札近くに戻ったら警官らしき人が倒れていて周囲を人が囲んでいた。すごい血が流れていた。うぉーと叫んでいた男がやったんじゃないかと思った」
防犯ビデオの公開直後から飯森容疑者の目撃情報が相次いだ。
「公開すると、現場から2kmほど先にあるホテルに泊まった男ではないかという情報が寄せられた。調べると6月14日にチェックインした。防犯カメラの男に似ており、挙動不審でチェックインの際も周囲をきょろきょろと見まわしていたという。その後、報道を見た飯森容疑者の父親から、『うちの息子ではないか』との情報が寄せられた。さらに調べると、現場近くの量販店で血が付いた服を着て男が現れて衣料品を買っていたことが判明した」(捜査関係者)
飯森容疑者の生まれは神奈川県だが、育ちは現場近くの大阪府吹田市だという。通報した父親は在阪メディア役員で、飯森容疑者は大阪府内の中学校から公立高校に進み、東京の大学に進学したという。
「確か中学校時代から野球部にいて、かなりうまかった。勉強もよくできたし、いいやつだった。それがこんな事件を起こすとは思いもしないですよ」(同級生)
飯森容疑者は大学を卒業後、東北地方の民放テレビ局で仕事をしたが、なじめずに辞めたという。
その後、東京に戻り、事件直前までは品川区内のゴルフ練習場で仕事をしていたという。職場の同僚がこう話す。
「仕事はゴルフ練習場の清掃などで週5日くらい勤務のアルバイト。昨年11月から働いていた。普段は坊主頭にメガネをかけています。6月5日から沖縄に旅行へ行き、ゴルフをしてきたと話し、10日まで仕事をしていました。11日から病気が悪化したと休んでいましたが、15日夕方に電話があり、また仕事をしたいと言い、今後の勤務について相談をし、25日からバイトに来る予定でした。10日の勤務では、ニタニタしていて、少し普段とは違ったことが印象に残っていましたが、不審な様子はなかった。テレビで見て、犯人に似ていると思いましたが、まさかこんな事件を起こすとは思いもせず、驚くばかりです」
古瀬巡査は包丁で胸などを7か所以上、刺され、病院に搬送されたが意識不明の重体という。
・飯森容疑者「病気がひどくなったせい」などと容疑を否認(産経デジタル 2019/06/17 10:05)
※大阪府吹田市の大阪府警吹田署千里山交番前で16日早朝、同署の古瀬鈴之佑(こせ・すずのすけ)巡査(26)が刺され、実弾入りの拳銃が奪われた事件で、強盗殺人未遂容疑で17日朝に逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)が府警の調べに対し、「私のやったことではありません。病気がひどくなったせい、周りの人がひどくなったせいです」などと供述し、容疑を否認していることが府警への取材で分かった。
・所持金は10万円 拳銃に実弾1発発射の痕跡 (毎日新聞 2019/06/17 11:13)

※大阪府吹田(すいた)市の交番で警察官が刺され拳銃を奪われた事件で、府警は17日、逃走していた東京都品川区のアルバイト、飯森裕次郎容疑者(33)を強盗殺人未遂の疑いで逮捕した。同日午前6時半ごろ、現場から北に約8キロ離れた同府箕面市の山中にいるところを捜査員が見つけた。容疑を否認している。所持していた拳銃から実弾が1発発射された痕跡があるが、人的被害は確認されていない。徒歩や電車で広範囲に移動していたとみられる。府警は詳しい動機などを本格的に取り調べる。
逮捕容疑は16日午前5時40分ごろ、府警吹田署千里山交番の駐車場で、古瀬鈴之佑(こせすずのすけ)巡査(26)を包丁(刃渡り約16センチ)で複数回刺し、実弾5発が入った拳銃を奪ったとしている。「私がやったことではない。病気がひどくなったせいだ」などと供述している。所持品の中から、精神障害者保健福祉手帳が見つかっている。所持金は約10万円だった。
古瀬巡査は7カ所以上を刺されて意識不明の重体のまま。胸の刺し傷は深さ約11センチに達していた。事件の約1時間半前から、飯森容疑者が現場の交番周辺をうろつく姿が防犯カメラに映っており、府警は強い殺意を持って計画的に襲撃したとみている。
府警は16日に防犯カメラの画像を公開。飯森容疑者の父親から「息子ではないか」と連絡があり、府警が行方を捜していた。
16日午後8時ごろ、箕面市内の山のふもとにある防犯カメラに飯森容疑者が映っており、捜査員が周囲を捜索。日の出を待って山中に入ったところ、ベンチで横になっている飯森容疑者を発見した。ポリ袋に入れられた拳銃がベンチの下に置かれていた。奪った際は実弾が5発入っていたが、4発しか残っていなかった。事件から約30分後、現場近くの住宅街で、複数の住民が大きな破裂音を聞いており、飯森容疑者が発射した可能性がある。
関係者によると、飯森容疑者は東京都内のゴルフ場で働いていたが、今月12日から欠勤。14~15日、交番から約2キロ北の吹田市内のホテルに宿泊していた。
事件直前の16日午前4~5時ごろ、交番の防犯カメラには飯森容疑者が周辺をうろつく姿が8回映っていた。その後、空き巣被害を装った虚偽の110番をしたとみられ、交番にいた警察官2人が現場へ急行。古瀬巡査が遅れて現場へ向かおうと、1人で交番を出たところを襲われたとみられる。
事件後、現場から西へ約1キロ離れた同府豊中市内の駅周辺の防犯カメラが飯森容疑者を捉えていたほか、交番から北へ約4.5キロ離れた吹田市内の商業施設で服を購入する姿も目撃された。その後、箕面市内の防犯カメラに映っているのが確認されており、飯森容疑者は徒歩や電車で北へ移動したとみられる。
・交番襲撃、33歳男を逮捕=拳銃所持、1発使用-山中で発見、容疑否認・大阪府警(時事ドットコム 2019年06月17日11時31分)

※大阪府吹田市の千里山交番で巡査が刺され拳銃が奪われた事件で、大阪府警吹田署捜査本部は17日早朝、強盗殺人未遂容疑で行方を追っていた職業不詳飯森裕次郎容疑者(33)=東京都品川区=を逮捕し、所持していた拳銃を押収した。1発が発射された痕跡があるという。捜査本部は16日早朝の事件発生以降、5000人態勢で行方を追い、隣接する箕面市の山中で発見した。
捜査本部によると、「私のやったことではありません」と容疑を否認。「病気がひどくなったせい、周りの人がひどくなったせいだ」と供述している。
飯森容疑者は山道のベンチに横たわっており、ベンチの下にポリ袋に入った拳銃が置かれていた。銃弾4発が残っており、1発が発射されていた。事件直後の16日午前6時ごろに、複数の人が現場近くで破裂音を聞いており、捜査本部はこの際に発射されたとみている。けが人はいなかった。
逮捕を受け、吹田市や周辺の自治体は小中学校などの授業を通常通り始めた。
捜査本部は、公開した防犯カメラの画像に基づき、16日に寄せられた「息子に似ている」との通報などから、襲撃した男を飯森容疑者と特定した。同容疑者は高校卒業まで吹田市周辺で生活しており、現場に土地勘があった。元海上自衛官で、防衛省関係者によると、2009年4月に入隊し、半年後に2等海士で退職。拳銃を扱う任務はなかったという。
逮捕容疑は16日午前5時40分ごろ、交番北側の駐車場で、勤務中の古瀬鈴之佑巡査(26)の胸などを包丁で突き刺して意識不明の重体とし、拳銃1丁を奪った疑い。
捜査本部によると、現場の交番は阪急電鉄の千里山駅前にあり、古瀬巡査と上司の計3人が勤務していた。交番の防犯カメラには16日午前4時15分~同5時ごろ、周辺を行き来する不審な男が映っていた。
その約20分後、約800メートル離れた隣の関大前駅の改札から、よく似た男が入場。同5時半ごろ、空き巣被害に遭ったとの虚偽の110番が同駅構内の公衆電話からあった。
上司2人はバイクで通報があったアパートに急行。古瀬巡査は同40分ごろ、後から向かおうと交番を出たところで刺された。
・捜査員に取り囲まれ…拳銃に手を伸ばすしぐさも(読売新聞 2019/06/17 14:00)
※大阪府吹田(すいた)市の交番で起きた拳銃強奪事件は、発生から一夜明け、飯森(いいもり)裕次郎容疑者(33)の逮捕で急展開した。容疑者が潜伏していたのは、住宅街にほど近い同府箕面(みのお)市の山の中だった。
■交番から8キロ
「名前は?」
「飯森裕次郎」
吹田署千里山交番で古瀬鈴之佑(こせすずのすけ)巡査(26)が刺され、拳銃が奪われた事件から約25時間後の17日午前6時半頃、交番から約8キロ北に離れた箕面市の山中で、防弾ヘルメットなどの装備に身を包んだ捜査員が、飯森容疑者を取り囲んでいた。
飯森容疑者は、リュックを枕にして、木のベンチに横たわっていた。名前を答えた後、ベンチの下に置いていた拳銃に手を伸ばすようなしぐさをしたが、複数の捜査員が即座に取り押さえ、逮捕状を執行した。
飯森容疑者は発見時、紺色のジャージーにエンジ色のズボン、水色の帽子をかぶっていたという。
発見現場は住宅街から山道を約800メートル上った場所にあり、ハイキングコースになっている。府警は夜明けを待って、山中の捜索に入っていた。
近くに住む会社役員の男性(79)は午前7時頃、捜査員約20人に囲まれて飯森容疑者とみられる男が連れて行かれる様子を目撃した。「まさかこんなところに逃げていたなんて」と驚いていた。
■足取り
府警は、事件直後から防犯カメラ映像や目撃者の情報を集め、飯森容疑者の足取りを割り出していた。
千里山交番で、事件が起きたのは16日午前5時38分頃。約20分後の同6時頃、近くの吹田市千里山西5の住宅街で、複数の住民が発砲音とみられる破裂音を聞いている。
飯森容疑者の姿は同7時40分、交番の南西約1キロにある豊中市の緑地公園近くのコンビニ店のカメラに映っていた。血だらけの状態で、返り血を浴びていたとみられる。その後、阪急電車に乗り、北千里駅で下車。同9時過ぎには、同駅前の商業施設「イオン北千里店」で、エンジ色のジャンパーなどを購入していた。
そこから徒歩で北に向かい、同9時40分頃、箕面市今宮のコンビニ店のカメラに、路上を歩く姿が映っていた。近くのホームセンターで虫よけ剤を購入後、同10時50分頃には、さらに北約1キロのコンビニ店で、携帯電話の充電器と電池を買っていた。その後、午後8時頃までの間に箕面市の住宅街と山中を行き来する姿がカメラに映っており、府警は山中に潜伏していると判断していた。
府警幹部は「住民に危害が及ぶ前に確保できてよかった」と話した。
・警官襲撃の飯森容疑者は過去、海上自衛隊に所属 父親の関西テレビ常務謝罪コメント全文(AERA dot. 2019/06/17 19:00)
※大阪府吹田市の阪急千里線千里山駅前で16日早朝、起きた交番襲撃拳銃強奪事件で、強盗殺人未遂容疑で大阪府警に17日に逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)は、取り調べに対して、容疑を否認。
「私のやったことではありません。病気がひどくなったせい、周りの人がひどくなったせいです」などと 話しているという。
「飯森容疑者は話をするが、調書にはサインしていない。自分はやってないといういばかりだ」(捜査関係者)
一方、本誌が既報した通り、飯森容疑者の父親は、在阪の準キー局、関西テレビ常務取締役の飯森睦尚氏。代理人を通してコメントを17日夕、発表した。全文は以下の通りだ。
≪まずもって、重大なけがを負わせてしまった警察官の方及びご家族さまに対し、心よりおわび申し上げます。
一日でも早く回復されることを心から祈っております。
また、地域の方々をはじめ、多くの皆さまにも不安を感じさせることとなりました。大変申し訳ありませんでした。
このような事態となったことについて、大変驚いており、いまだ信じられない気持ちがありますが、今後の警察の捜査にも全面的に協力する所存でございます。 令和元年6月17日 飯森睦尚≫
捜査関係者はこう明かす。
「父親の睦尚氏は公開写真を見た瞬間、すぐに自分の息子だとピンときて、早いうちに府警に連絡をくれた。詳しい事情を聞くことができ、足取りが追えたおかげで早期の解決につながった。息子の様子は前々から気になっていた様子だった」
飯森容疑者は、昨日、事件現場から5kmほど離れた量販店で衣服や靴などを買ったあと、コンビニに立ち寄って携帯電話の充電器や食料を購入。その後、箕面市の山中に逃げ込んだとみられる。
山中には、山道はあるが、高い木が茂り、夜になると真っ暗。道は箕面市の北へ伸びており、その気になって登れば、京都にも抜けることができるという。山道の入り口に注意看板が出ているようにイノシシが出没するところで、付近の人でも絶対に夜は行かないそうだ。
山道の入り口から飯森容疑者が発見されたベンチはまでは急な坂を登り、20分ほどかかる険しい道だった。山道の付近に住む住人はこう話す。
「あんな場所で一夜を過ごした飯森容疑者は、土地勘があったのでは?京都に逃げるつもりだったのかと思った」
警官を刺し、拳銃を奪うという凶悪な犯行に走った飯森容疑者はどんな生育環境だったのか。小学校、中学時代は野球部に在籍していたが、その同級生はこう話す。
「けっこう野球はうまかったよ。内野をやっていた気がする。ただ、目立つタイプではなく、おとなしかった。練習でも声を出せと監督から言われても、ずっと控えめだった。人見知りする感じはあったが、悪い奴ではなかった。高校に行くようになって引っ越してしまって、あまり交流がなくなった。それが事件の何日か前に当時の野球部の仲間たちにFacebookで『これから交流したいから住所を教えて』『同窓会をやろう』などとメッセージがきた。10年以上も音信不通だったので、本人かわからず、不審だったので返信しなかったら、こんなとんでもない事件を起こしてしまった。ゾッとしました」
逃げた箕面市方面は、飯森容疑者の高校時代の友達が多かったと同級生は振り返る。
「あの山道は飯森容疑者が立ち寄ったというコンビニの脇道から登れるのですが、地元の人でなければ知らない。山道から山中に逃げれば大丈夫だと、最初から計画していたと思う」(同級生)
飯森容疑者が昨年11月から勤務していた都内のゴルフ練習場の同僚によると、ゴルフ歴は10年以上だと自慢していた。 6月初めには沖縄にゴルフに出かけたともいう。
SNSでも出身の吹田市の中学に加えて、ゴルフのサークルに登録していた。
さらに捜査関係者によると、飯森容疑者が海上自衛隊に半年間、所属していたことが新たに判明。
2009年4月に入隊し半年後に除隊したという。
「自衛隊にいれば所属部隊で使用しなくても銃器の扱いについては学ぶ。銃器に関する知識はある程度あったことは十分考えられる」(警察庁関係者)
逮捕時、強奪した拳銃には、4発の銃弾が残っていた。1発はどこかで発射したとみられる。
「昨日、古瀬巡査を襲った直後に交番近くの吹田市千里山西で発射音を複数の住民が聞いている。おそらくそこで拳銃を撃ったのではないか。その場所はかつて、飯森容疑者が住んでいたところのすぐ近く。犯行動機を解くカギがあるかもしれない」(捜査関係者)
・拳銃強奪容疑者の父親、関西テレビ常務が謝罪(読売新聞 2019/06/17 18:49)
※大阪府吹田市の吹田署千里山交番の前で警察官が刺された事件で、飯森(いいもり)裕次郎容疑者(33)が逮捕されたことを受け、父親で関西テレビ常務取締役の飯森睦尚(むつひさ)さん(63)が代理人弁護士を通じ、書面でコメントを出した。
睦尚さんは事件後、府警が公開した不審な男の防犯カメラ画像について「息子に似ている」と自ら通報していた。
睦尚さんは「重大なけがを負わせてしまった警察官の方とご家族に対し、心からおわび申し上げます。一日も早く回復されることを心から祈っております」と謝罪。「地域の方々をはじめ、多くの皆様にも不安を感じさせ、大変申し訳ない」と続け、「いまだ信じられない気持ちだが、今後の警察の捜査に全面的に協力します」と記した。
・拳銃強奪容疑者、山中潜伏計画か 事件後に虫よけ、充電器購入(共同通信 2019/06/17 22:19)
※大阪府吹田市の千里山交番で巡査が刃物で刺され拳銃を奪われた事件で、強盗殺人未遂容疑で逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)が事件後、同府箕面市で虫よけやスマートフォンの充電器を購入していたことが17日、吹田署捜査本部への取材で分かった。飯森容疑者はその後、山中で一夜を明かしたとみられ、捜査本部は山中で逃走生活を続ける計画だったとみて調べている。
一方で山と住宅街との行き来を繰り返したり、路上で堂々と拳銃を手に歩いたりするなど不自然な行動も多く、捜査本部は詳しい足取りの裏付けを慎重に進める。
飯森容疑者は「私のやったことではありません」と容疑を否認している。
・交番襲撃10分後、拳銃?持つ映像 銃口前に向け歩く姿(朝日新聞DIGITAL 2019/06/18 18:54)

(上)拳銃のようなものを右手に持つ男の姿をとらえた映像。事件から約10分後、現場となった交番近くの住宅街で16日午前5時45分ごろに撮影された(色調を一部補正しています)
※大阪府警吹田署の千里山交番前で男性巡査が刺されて拳銃が奪われた事件で、強盗殺人未遂容疑で逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)=東京都品川区=とみられる男が、発生10分後に拳銃のようなものを手に歩く姿が防犯カメラに映っていたことがわかった。この15分後には破裂音を複数の住民が聞いており、吹田署捜査本部は事件直後の飯森容疑者の状況を示す映像とみて注目している。
この映像は、16日午前5時45分ごろに交番から北西へ約400メートル離れた吹田市千里山西5丁目の住宅街で撮影されたとみられる。
飯森容疑者とみられる男は、黒っぽい長袖の上着と長ズボン姿。拳銃のようなものを右手で握り、ひじを曲げて胸の高さまで上げている。銃口とみられる先端部は前方に向けられていた。左手は白っぽいものを持っているように見えるが、何かははっきり確認できない。男の右腰付近には黒っぽい膨らみがあり、バッグのようなものを下げているようにも見える。
また別の映像では、右手を下げており、手にしている拳銃のようなものの形状がより鮮明に映っていた。
飯森容疑者が逮捕時に所持していた拳銃は実弾1発が発射された形跡があった。映像撮影から約15分後の同午前6時ごろ、周辺で破裂音を聞いたとの付近住民の通報があり、捜査本部はこの時間帯に発射された可能性が高いとみている。
◇
捜査本部は18日、飯森容疑者を男性巡査に対する強盗殺人未遂容疑で送検した。巡査は意識不明の重体となっている。
・食料調達し山中潜伏か=事件直後、通行人そば歩く姿-交番襲撃の容疑者・大阪府警(時事ドットコム 2019年06月20日14時33分)

(上)交番襲撃事件の直後に住宅街を歩く飯森裕次郎容疑者。周囲の通行人を気にする様子が映っている=16日午前5時50分ごろ、大阪府吹田市(提供)
大阪府吹田市の交番が襲撃され拳銃が奪われた事件で、強盗殺人未遂容疑で逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)が事件当日の夜、箕面市のコンビニに立ち寄った後、確保場所となった山中に潜伏したとみられることが20日、捜査関係者などへの取材で分かった。
食料を調達していた可能性があり、府警吹田署捜査本部は、山中に逃げ込んだ経緯を詳しく調べる。事件直後、早朝の住宅街で通行人のそばを歩く姿も確認され、市民に危険が及びかねない状況だったことも判明した。
飯森容疑者は16日午前5時40分ごろ、吹田市の千里山交番で、男性巡査(26)を包丁で刺し、実弾入りの拳銃を奪って逃走。17日午前6時半ごろ、交番から約8キロ離れた箕面市の山道のベンチで横たわっているところを確保された。
山道入り口から約200メートル離れた住宅街の防犯カメラには、16日午後7時50分ごろ、飯森容疑者と似た男が手ぶらで歩く姿が映っていた。約10分後には白いポリ袋を持って山道入り口方向に向かっており、付近のコンビニで食料を調達した可能性がある。捜査本部の調べではこれ以降、周辺で同容疑者の姿は確認されなかった。
また、事件直後の午前5時50分ごろには、交番から約500メートル離れた住宅街を歩く飯森容疑者の姿が防犯カメラに映っていた。
すぐ近くを犬の散歩をする住民らが歩き、同容疑者が後ろを振り返るなど周囲を気にする様子を捉えていたが、この約10分後に破裂音を聞いた住民が複数おり、拳銃を1発発射した疑いが持たれている。
・吹田交番襲撃で虚偽110番「警察官2人で来て」 勤務人数把握か(産経WEST 2019.6.20 11:32)
※大阪府吹田市の大阪府警吹田署千里山交番前で警察官が刺され拳銃が奪われた事件で、事件直前にあった窃盗被害を訴える虚偽の110番通報が、警察官2人で現場に来るよう求める内容だったことが20日、捜査関係者への取材で分かった。府警は、強盗殺人未遂容疑で逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)が、交番で勤務していた3人のうち2人を出動させ、1人になった警察官を狙おうとした疑いがあるとみている。
捜査関係者によると、事件発生約10分前の16日午前5時28分、交番から約800メートル離れた阪急千里線関大前駅の公衆電話から、飯森容疑者の同級生の名前をかたり、110番通報があった。同級生の実家の正確な住所を伝えたうえで「家の扉を壊され、室内が荒らされていた」などと申告。「警察官2人くらいできてほしい」と人数を指定して臨場を求めたという。
実際には、当時交番で勤務していた3人全員で現場に向かうことになり、上司2人が先に出動。その直後、出動が少し遅れて1人になっていた古瀬鈴之佑(こせ・すずのすけ)巡査(26)が襲われた。
交番の防犯カメラには110番の約30分前までに8回、飯森容疑者に酷似した不審な男の姿が写っていた。窃盗被害は虚偽だったことが判明しており、府警は飯森容疑者が交番の態勢を事前に把握し、警察官が1人になるのを狙って110番をした可能性があるとみている。
・逃走中に履歴書購入=動機解明、長期化も-交番襲撃1週間・大阪府警(時事通信 2019/06/23 07:16)
※大阪府吹田市の交番を襲撃し、強盗殺人未遂容疑で逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)=東京都品川区=が、逃走中に履歴書を購入していたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。事件は23日で発生から1週間を迎えるが、飯森容疑者は取り調べに黙秘を続けている。履歴書購入の目的は分からず、事件の動機解明は長期化する可能性がある。
府警吹田署捜査本部によると、飯森容疑者は16日朝、同市の千里山交番で古瀬鈴之佑巡査(26)を包丁で刺し、実弾入りの拳銃を強奪。約25時間後に交番から約8キロ離れた箕面市の山中で確保された。
捜査関係者によると、飯森容疑者は逃走中、量販店で着替えを調達したほか、履いていた靴を捨てるなど証拠隠滅を図った疑いがある。一方で、16日午後8時ごろには住宅街のコンビニでカップラーメンを食べ、履歴書を購入して潜伏先の山中に向かうなど人目につく行動をしていたという。
飯森容疑者は小学5年の時に川崎市から転校し、高校卒業まで現場付近で暮らしていた。小中学校は交番のすぐ近くで、量販店も高校のそばにあり、土地勘のある地域で逃走を続けていた。
大学進学で上京し、卒業後は海上自衛隊や地方テレビ局など職を転々とした。5年前には警視庁品川署を訪れ、「昔住んでいた吹田市の先生や友達の声が心臓から聞こえる」と相談。事件の数日前には中学時代の野球部仲間らにSNSでメッセージを送り、「同窓会を開きたい」と同級生の住所などを求めた。
事件直前には同級生の名で虚偽の110番をし、手薄になった交番を襲撃した。計画性がうかがわれる半面、不可解な行動も垣間見え、大阪地検は責任能力を調べるため鑑定留置を検討するとみられる。