・容疑者、現場に直行 手袋と包丁4本準備 川崎殺傷(毎日新聞2019年5月29日 21時14分)
※川崎市多摩区でスクールバスを待っていた私立「カリタス小学校」の児童らが襲われて19人が死傷した事件で、直後に自殺した岩崎隆一容疑者(51)の当日朝の足取りが、徐々に判明してきた。小田急登戸駅で電車を降りた後、どこにも立ち寄らずに徒歩でバス乗り場に向かい、作業用手袋をはめ、手前でリュックサックを置いて包丁2本を取り出し、児童の列の後ろから襲撃したという。神奈川県警は周到に準備した事件とみて調べている。
一方、県警は29日、岩崎容疑者の自宅を捜索し、包丁の空き箱4箱、ノート1冊など数十点を押収した。岩崎容疑者は事件時、包丁を4本所持しており、県警は空き箱と一致するかや、ノートの内容を詳しく調べる。
事件は28日午前7時40分ごろ発生。県警が防犯カメラの映像を調べると、岩崎容疑者は当日朝、同市麻生区の自宅から最寄りの小田急読売ランド前駅で乗車。3駅目の登戸駅で下車し、リュックサック姿で徒歩で現場へ向かう様子が記録されていたという。駅からバス乗り場までは約500メートルあるが、どこにも立ち寄った形跡はなかった。岩崎容疑者が自宅を出たのは午前7時前後とみられ、近くの住民が目撃していた。
登戸駅から現場までの途中で黒っぽい作業用手袋をはめ、バス乗り場から30メートルほど西にあるコンビニエンスストア付近で、柳刃包丁2本(刃渡り約30センチ)を取り出した上でリュックサックを放置。児童を送りに来ていたとみられる保護者の小山(おやま)智史さん(39)=死亡=を刺すなどしたとみられる。
その後、走りながら別の保護者女性(45)=重傷=を襲撃し、さらに同小6年の栗林華子さん(11)=死亡=ら児童に切りかかったとされる。岩崎容疑者は最後に自分の首のあたりを刺したが、小山さんを襲ってからわずか十数秒後のことだった。手袋は手が滑って包丁を落とさないように着用した可能性がある。
川崎市消防局や病院によると、被害者の傷の部位は上半身に集中。死亡した2人は首に深い傷を負い、死者以外の負傷者17人の切られたり刺されたりした部位は▽首が6人▽顔やあごが5人▽肩が3人――で、11人が入院した。県警は29日、小山さんの死因を心臓などを刺されたことによる出血性ショック、栗林さんの死因を首の刺し傷による失血と発表した。
岩崎容疑者は財布は持っておらず、ズボンのポケットに現金約10万円が入っていた。さらに、リュックサックの中に刃渡り約25センチの文化包丁と同約20センチの刺し身包丁も残されていた。【国本愛、斎藤文太郎、洪●香】(●は王へんに文)
・包丁4本、事前に購入か=動機示す品未発見-ポケットに10万円・川崎襲撃(時事通信社 2019/05/30 04:30)
※川崎市多摩区の路上で私立カリタス小学校の児童らが襲撃され、2人が死亡した事件で、直後に首を切って自殺した職業不詳岩崎隆一容疑者(51)が、包丁4本を事前に購入したとみられることが30日、神奈川県警多摩署捜査本部への取材で分かった。
捜査本部は29日、殺人などの疑いで同市麻生区にある岩崎容疑者の自宅を約7時間かけて捜索。自室の押し入れから、包丁の空き箱が四つ見つかった。また、凶器の包丁2本と、所持品のリュックに入っていた包丁2本は、いずれも同居する親族が普段使っていなかったことが判明。捜査本部は、同容疑者が襲撃のため購入したとみて裏付けを進める。
自宅からはこのほか、ノート1冊を含む数十点を押収したが、ノートに動機につながる記述などはないとみられ、遺書めいた物もなかった。パソコンや携帯電話なども発見されなかった。
岩崎容疑者は28日午前7時40分ごろ、子供を送って来たとみられる外務省職員小山智史さん(39)と別の保護者の女性(45)を刺した後、スクールバスを待つ6~12歳の児童17人を次々に襲撃。小山さんと同小6年栗林華子さん(11)が死亡し、児童16人と女性が重軽傷を負った。
同容疑者はその直後、首を切り自殺。現場に刃渡り約30センチの柳刃包丁が落ちており、近くのコンビニ駐車場に放置されたリュックに刃渡り約25センチの文化包丁、同約20センチの刺し身包丁が入っていた。はいていたジーンズのポケットからは現金約10万円が見つかった。
・他人と接触絶ち生活=「引きこもり」指摘に居直る-川崎襲撃・岩崎容疑者(時事通信社 2019/05/30 04:31)
※児童ら19人を殺傷し自殺した岩崎隆一容疑者(51)は、川崎市の親族宅で引きこもり状態の生活を送っていたとみられる。同居する80代の伯父夫婦との会話もなく、近所の住民とトラブルを起こしたこともあったという。
市などによると、岩崎容疑者は幼少時に両親が離婚し、伯父夫婦に引き取られた。いとこが家を出た後は3人暮らし。定職に就かず自室に閉じこもり、伯父の援助で生活していたとみられる。
「日々接触すらない。外部のヘルパーを家に入れても大丈夫か」。高齢で訪問介護を検討する伯父らは2017年以降、先行きに不安を感じ市役所に相談。市によると、岩崎容疑者は日常、伯父らと顔を合わせず、会話は一切なし。ほぼ唯一の接点は、作ってもらった食事を冷蔵庫から出し、置いてある小遣いを受け取る時だけだった。
神奈川県警のこれまでの捜査では、交友関係もほとんどうかがえず、パソコン、携帯電話も所持していた形跡がないという。捜査幹部は「人間関係がこれだけ希薄な人物は珍しい」といぶかる。
今年1月、伯父らは将来を見据え、岩崎容疑者の考えを尋ねる手紙を部屋の前に置いた。同容疑者は数日後、「洗濯や食事、自分のことは自分でしているのに、引きこもりとは何だ」と開き直った。その様子に、伯父は「意思疎通する気はない」と感じたという。
近隣住民も、岩崎容疑者の言動に不安を感じていた。同容疑者が出歩く姿が見られたのは、ほとんどが人けの少ない夜間や朝方。窓は固く閉ざされ、住人がいると知らない人もいた。
・小山さん、心臓に達する傷も 強い殺意で実行か 川崎19人死傷(産経新聞 2019/05/30 11:10)
※川崎市多摩区でスクールバスを待つ私立カリタス小の児童ら19人が刃物で殺傷された事件で、最初に襲われて死亡した保護者で外務省職員の小山智史(おやま・さとし)さん(39)が4カ所刺され、心臓まで到達している傷もあったことが30日、捜査関係者への取材で分かった。犯行後に自殺した岩崎隆一容疑者(51)は襲撃時に手袋を使い、予備の包丁を準備していたことも既に判明。神奈川県警多摩署捜査本部は、強い殺意を抱いて計画的に実行したとみて全容解明を進める。
捜査関係者によると、小山さんは胸、背中、首に4カ所の刺し傷があった。最初に背中を2回刺され、振り向いた際などに胸や首を刺されたとみられる。胸の傷は心臓まで達していた。死因は出血性ショックだった。
また、バスの列に並んでいて襲われた同小6年の栗林華子(はなこ)さん(11)は首を1カ所刺されていた。死因は失血死と判明。小山さんらを刺した後、児童らの列を襲った際は、駆け抜けながら犯行に及んだとみられる。
一方、岩崎容疑者は犯行時に手袋をはめ、両手に包丁を握っていた。包丁は刃渡り約30センチの細長い形状で、殺傷能力の高いものだった。手袋は包丁が滑らないように使用したとみられる。さらに現場近くのコンビニエンスストアの敷地に置いたリュックサックからは、別の包丁2本も発見された。
岩崎容疑者の自宅の家宅捜索で、県警は包丁の空き箱4個を押収。現場で見つかった包丁4本のものとみられ、県警は岩崎容疑者が箱から出した新品の包丁を犯行に使った疑いがあるとみて、購入先や時期を調べている。
捜索ではノート1冊を含む数十点が押収されたが、動機につながるものは現時点で確認されていないという。
・手当たり次第に切り付け=川崎児童襲撃、ドライブレコーダーに映像-神奈川県警(時事通信社 2019/05/30 15:38)
※川崎市多摩区で、スクールバスを待つ私立カリタス小学校=同区=の児童ら19人が殺傷された事件で、直後に自殺した職業不詳岩崎隆一容疑者(51)が標的を選ばず、手当たり次第に被害者を切りつけていたことが30日、神奈川県警多摩署捜査本部への取材で分かった。
捜査本部は、襲撃の一部を映したスクールバスのドライブレコーダー映像を解析。同容疑者が児童らを無差別に襲ったとみて、動機の解明などを急いでいる。
捜査本部によると、映像には岩崎容疑者が両手に柳刃包丁を持ち、走りながら保護者の女性(45)や、児童の列に襲い掛かる様子が映っていた。児童らを選別して狙った様子はなかったが、ほとんどの被害者の傷は顔や胸など上半身に集中していた。
岩崎容疑者は28日朝、自宅最寄り駅から電車で小田急線登戸駅に移動後、約500メートル先の現場に直行。包丁が入ったとみられるリュックサックを所持し、人通りの少ない線路沿いを歩く姿が付近の防犯カメラに映っており、職務質問などを受けないように、人目につかない道を選んだ可能性もある。
現場到着後の同日午前7時40分ごろ、子どもを送ってきたとみられる外務省職員小山智史さん(39)を刺し、その後、女性と児童17人を襲撃。小山さんと同小6年栗林華子さん(11)が死亡した。
岩崎容疑者は、襲撃直後に自殺。所持していた包丁4本は自宅で普段使っているものではなく、事前に購入したとみられる。
・スマホやパソコン所持せず 世間から孤立…なぜ突然凶行に(産経新聞 2019.5.30 17:12
※川崎市多摩区でスクールバスを待つ私立カリタス小の児童ら19人が刃物で殺傷された事件で、犯行後に自殺した岩崎隆一容疑者(51)は、スマートフォンやパソコンを所持せず、長期間にわたって社会から孤立した引きこもり状態だったとみられる。専門家によると、世間から隔絶された末に通り魔事件を起こす場合、40代以降の中高年は通常、20~30代と違って攻撃性が減少するという。なぜ岩崎容疑者は突然、凶行に走ったのか。
犯行翌日の29日、神奈川県警は岩崎容疑者が80代の伯父夫婦と住んでいた川崎市内の一軒家を捜索した。ワゴン車2台に加え、トラックを準備。10人ほどの捜査員が自室などを入念に調べたが、押収したのは犯行に使ったとみられる包丁の空き箱やノートなど段ボール1箱分のみだった。トラックはほぼ空の状態で引き上げた。
捜査関係者によると、自室は片付いており、テレビやテレビゲーム機、携帯ゲーム機はあったものの、パソコンや充電器、コード類は見当たらなかった。スマホや携帯電話はもともと持っていなかったとみられる。さらに飲食店のポイントカードやレンタルビデオ店の会員証がなく、睡眠薬や精神安定剤といった薬物も見つからなかった。
「誰とも接点を持たず、どんな生活を送っていたのか」。捜査関係者は首をかしげる。
幼少期に両親が離婚し、伯父夫婦に引き取られたという。夫婦には長男と長女がおり、一緒に暮らしていたとみられる。人付き合いが苦手だったとみられ、小学校の卒業文集には、失敗した体験をあえてさらけ出すような自虐的な言葉が並ぶ。思い出をつづるページには、多くの級友が「林間学校」などと記す中、友人に石をぶつけて《5年になって最初におこられた》と書いた。生まれかわるとしたら《大金持ち》、将来なりたいものは《動物園の飼育係》とつづっていた。
定期的に遊ぶなどしていた友人はおらず、同級生は「印象に残っていない」「影が薄い」などと口をそろえる。卒業後も接点はなかったとみられ、同級生の一人は取材に「誰と仲が良かったのか思い出せない」と打ち明けた。
その後、10代後半で一度、伯父夫婦宅を出たが、また戻った。夜中などに出歩くことはあったものの、近隣住民と言葉を交わすことはなかった。事件当日、現場に向かう岩崎容疑者と出くわした近所の40代女性によると、この10年間で見かけたのはこのときを含めてわずか2回だった。
伯父夫婦から小遣いをもらう一方、トイレや食事のルールを作り、家の中で接触を避け続けていたようだ。見かねた夫婦が今年1月、手紙で「将来どうするのか」と尋ねると、「閉じこもっているわけではなく、ちゃんと生活している」と反発していた。
筑波大の原田隆之教授(犯罪心理学)は「通り魔事件は、社会から孤立した20~30代が起こすことが多く、40代以降は敵意や攻撃性が減少する。今回の事件は異例だ」と指摘。
「このままではダメという気持ちがありつつ、今さら挽回もできない。仕事や友達、パートナーがおらず、頼っていた伯父らも高齢になって絶望し、長年ため込んだ鬱屈した感情が爆発した可能性がある」とする一方、「日本で高齢の引きこもりは少ない数ではなく、そうした人たちが犯罪予備軍というわけでは決してない。岩崎容疑者が他の人と違うのは、『周りが悪いからこうなった』と、社会に対する不満や恨みを絶望感とともに蓄えていたとみられる点だ」と話した。
・児童を背後から襲撃、防犯カメラに記録 川崎19人殺傷(朝日新聞DIGITAL 2019年5月30日19時56分)
※川崎市多摩区の路上で28日、19人が殺傷された事件で、岩崎隆一容疑者(51)=直後に自殺=が、スクールバスのバス停周辺で並んでいた児童を後ろから襲っていたことが神奈川県警への取材でわかった。県警は、児童らは襲撃に気づくのが遅れ、被害が広がった可能性があるとみている。
捜査1課によると、現場周辺の複数の防犯カメラの映像を分析した結果、事件発生の約5分前には岩崎容疑者が小田急小田原線登戸駅にいるのを確認。その後、JR南武線の線路沿いに徒歩で事件現場に向かったことがわかった。スクールバスを待つ私立カリタス小学校の児童に後方から近づいた。
移動の途中で手袋をはめ、現場近くのコンビニエンスストアの駐車場で、持っていたリュックサックから刃物を取り出したとみられるという。
さらにバス停付近に停車していたスクールバスのドライブレコーダーには、両手に刃物を持った岩崎容疑者が児童を後ろから襲う様子が映っていた。児童は事前には岩崎容疑者に気づかなかった様子で、岩崎容疑者は無言のまま小走りで移動していたという。刺された小学6年の栗林華子さん(11)が失血死、児童16人が重軽傷を負った。ほかに外務省職員の小山智史(おやまさとし)さん(39)が出血性ショックで死亡し、保護者の女性(45)も重傷だった。
29日の家宅捜索で川崎市麻生区の岩崎容疑者の自宅押し入れからは、刃物の空き箱が四つ見つかった。県警は事前に凶器の包丁を買ったとみている。
・川崎殺傷 大量殺人関連の雑誌2冊を押収(日テレNEWS24 5/31(金) 10:17配信)
※神奈川県川崎市で19人が男に包丁で刺され、2人が死亡した事件で、自殺した容疑者の男の自宅から、過去の大量殺人に関する雑誌2冊が押収されていたことが分かった。
この事件は3日前、川崎市の登戸駅近くで、小学生ら19人が包丁を持った男に次々と刺され小学6年生の栗林華子さんと外交官の小山智史さんが死亡したもの。19人を刺した岩崎隆一容疑者は犯行直後に自殺している。
警察は事件の翌日、岩崎容疑者の自宅の家宅捜索を行ったが、捜査関係者への取材で、岩崎容疑者の部屋から過去の大量殺人に関する雑誌2冊が押収されていたことが分かった。
ただ、これらの雑誌は新しいモノではなく、また、日本で起きた無差別殺傷事件などの事例は含まれていないという。警察は、事件と関連がないか詳しく調べている。
・川崎殺傷 容疑者の男は犯行前、丸刈りに(日テレNEWS24 2019年5月31日 14:00)
※神奈川県川崎市で19人が男に包丁で刺され、2人が死亡した事件で、自殺した容疑者の男が犯行前に突然、長めの髪を丸刈りにしていて、同居する親族も把握していなかったことが新たにわかった。
この事件は3日前、川崎市の登戸駅近くで、小学生ら19人が包丁を持った男に次々と刺され、スクールバスに乗ろうとしていたカリタス小学校6年の栗林華子さんと外交官の小山智史さんが死亡したもの。19人を刺した岩崎隆一容疑者は犯行直後に自殺している。
捜査関係者によると岩崎容疑者は犯行前に突然、長めだった髪を丸刈りにしていて、岩崎容疑者の親族も丸刈りにしたことを把握していなかったことがわかった。
また、警察は事件の翌日、岩崎容疑者の自宅の家宅捜索を行ったが、岩崎容疑者の部屋から過去の大量殺人に関する雑誌2冊が押収されたという。ただ、これらの雑誌は10年以上前に発売された外国の殺人事件をまとめたもので、日本で起きた無差別殺傷事件などの事例は含まれていないという。
警察は押収した雑誌が事件と関連がないか慎重に調べるとともに、動機の解明を進めている。
・岩崎容疑者、社会から孤立した姿浮かぶ 携帯も持たず(朝日新聞DIGITAL 2019/05/31 21:25)
事件から一夜明けた現場周辺では、神奈川県警の捜査員が発生時刻に合わせ聞き込みを行っていた=2019年5月29日午前7時32分、川崎市多摩区、福留庸友撮影
※川崎市多摩区の路上で19人が殺傷された事件で、刃物で襲ったとされる岩崎隆一容疑者(51)=直後に自殺=の周囲からは携帯電話やパソコンが見つかっておらず、同居する親族と会話をほとんど交わしていなかったという。「他人との接点が見当たらない」。神奈川県警の捜査関係者はそう話す。周辺を取材すると、岩崎容疑者は社会的に孤立していた姿が浮かび上がる。
近所の人や同級生によると、岩崎容疑者は、川崎市の小中学校を卒業。小学校の時に同級生だった男性(51)は「おとなしくて気が弱いが、話してみると良い子だったという印象がある」と振り返る。高校1年生の時、川崎市麻生区内の駅前で偶然会うと、岩崎容疑者は「職業訓練校に通っている」と話したという。
その後の岩崎容疑者の生活ぶりは明らかになっていない。近所に住む70代の男性は、岩崎容疑者が10代後半の頃から姿を見なくなったが、数年前に、自宅から出てきた姿を見たという。「白髪で当時の面影はなかった。戻って来たんだなと思った」
川崎市は、同居していた高齢の伯父夫婦や親族から2017年11月から今年1月まで相談を受けていた。同市麻生区の自宅に夫婦の介護サービスが入った場合に、岩崎容疑者がどう反応するかを心配していたといい、岩崎容疑者は長期にわたって就労せず、伯父や伯母とほとんど会話がない状態だったという。
捜査関係者によると、事件後、県警が夫婦に岩崎容疑者の身元を確認しようとした際、接点が薄いため、岩崎容疑者の顔だけでは判断ができなかった。県警は最終的に、自宅などに残された指紋で本人確認をしたという。行きつけの店なども確認できていない。
県警は29日、岩崎容疑者の自宅を約7時間にわたって家宅捜索。ポータブルゲーム機やソフト、ノートなど数十点を押収したが、携帯電話、パソコンはなかった。事件当時も、携帯電話は所持していなかったという。
一方、岩崎容疑者のズボンのポケットからは現金約10万円が見つかったといい、県警は今後、口座の入金記録などから、職歴などを調べる方針。
岩崎容疑者は28日朝、刃渡り約30センチの柳刃包丁を両手に持ち、バス停で私立カリタス小学校の児童や保護者を次々と刺したとされる。同小6年の栗林華子さん(11)と別の児童の保護者で外務省職員の小山智史(おやまさとし)さん(39)が死亡し、同小の児童16人と保護者の女性(45)が負傷した。
・川崎殺傷被害者は計20人に 容疑者宅から猟奇雑誌(日刊スポーツ 2019年5月31日23時48分)
※川崎市多摩区で私立カリタス小の児童らが殺傷された事件で、自殺した岩崎隆一容疑者(51)の自室から1981年にパリで起きた人肉事件など海外の猟奇殺人事件や大量殺人事件を扱った雑誌2冊が見つかったことが31日、神奈川県警などへの取材で分かった。
県警は同日、同小の女児1人の軽傷が新たに判明したとし、被害は殺害された2人を含め、20人になった。
押収された雑誌はシリーズものだが、かなり古く、発刊は10年以上前とみられる。日本の連続殺人事件や無差別殺傷事件は含まれておらず、県警は入手時期や事件との関連を調べる。
5月29日の家宅捜索ではノートや包丁の空箱4箱など数十点を押収している。ノートには文章がびっしり書かれていたが、「正」の字ばかりが繰り返し書かれていたり、「意味不明なことが書いてある」(捜査幹部)という。事件の動機や計画、自殺願望などをうかがわせる記述はなく、動機は依然不明のままだ。
岩崎容疑者の部屋は整然としていた。テレビやゲーム機はあったが、パソコンやスマホはなく、インターネットに接続できる環境はなかった。検索記録や交友関係などから、動機や心理を探ることもできず、レンタルビデオ店の会員証などもないという。
県警では同居していた伯父、伯母から話を聞いているが、同じ屋根の下にいても顔を合わせることがなく、事件時、丸刈りだった岩崎容疑者の顔写真を捜査員が見せても、伯父、伯母は本人確認できないほど途絶した関係で、解明は難航している。
一方、カリタス小は6月3日に予定していた授業再開を5日に延期することを31日、明らかにした。不安の声が多く、4日に説明会を開くためとしている。
・女児1人の負傷判明=児童ら殺傷-川崎襲撃(時事ドットコム 2019年05月31日23時51分)
※川崎市多摩区で私立カリタス小学校の児童らが殺傷された事件で、神奈川県警は31日、これまで把握していた負傷者に加え、同校に通う女児1人が軽傷を負っていたことが判明したと発表した。事件の死傷者は20人となった。
・容疑者2月に包丁2本購入か 川崎市児童殺傷事件(日刊スポーツ 2019年6月1日10時48分)
※川崎市多摩区でスクールバスを待っていた私立カリタス小の児童らが殺傷された事件で、自殺した岩崎隆一容疑者(51)が襲撃時に所持していた包丁4本のうち2本は、東京都町田市の量販店で2月に購入したとみられることが1日、捜査関係者への取材で分かった。神奈川県警は、3カ月以上前から事件を計画していた可能性があるとみて調べている。
捜査関係者によると、自宅の家宅捜索で見つかった包丁の空き箱4個のうち2個に、町田駅前の量販店のシールが貼ってあった。店には2月に販売した記録があり、県警は、岩崎容疑者が買ったかどうかの特定を急いでいる。包丁4本はいずれも新品とみられ、別の2本の購入先と時期も捜査する。
岩崎容疑者が襲撃時に現金約10万円を所持し、自宅から通帳とキャッシュカードが押収されていたことも判明。これまでの家宅捜索や親族の事情聴取で動機に関するものは浮かんでおらず、口座の出入金の状況や生活実態を調べて解明につなげる。
現金はズボンのポケットにそのままの状態で入っており、通帳とキャッシュカードは居室にあった。川崎市によると、岩崎容疑者は同居するおじ夫婦から小遣いを受け取っていたという。
県警は、長期間にわたって計画していたとみており、自殺した容疑者が多額の現金を持っていた経緯を調べる。
県警は5月31日深夜、カリタス小の女児1人の軽傷が新たに判明したと明らかにし、殺害された2人を含めて被害は計20人となった。
事件は同28日午前7時40分ごろ発生。保護者の外務省職員小山智史さん(39)とカリタス小6年栗林華子さん(11)が死亡し、保護者の女性(45)と女児2人が重傷を負った。(共同)
・包丁2本、2月に東京・町田の量販店で購入か 川崎襲撃事件(産経新聞 2019.6.1 17:49)
※川崎市多摩区でスクールバスを待つ私立カリタス小の児童らが殺傷された事件で、岩崎隆一容疑者(51)=犯行後に自殺=が、所持していた包丁4本のうち2本を今年2月に東京都町田市の量販店で購入したとみられることが1日、捜査関係者への取材で分かった。神奈川県警は、3カ月以上前から事件を計画していた可能性があるとみて調べている。
捜査関係者によると、家宅捜索で見つかった包丁の空き箱4個のうち2個に、自宅から約11キロ離れた町田駅前の量販店のシールが貼ってあった。店には2月に販売した記録が残っており、県警は岩崎容疑者が購入したかどうか特定を急いでいる。4本の包丁はいずれも新品とみられ、県警は別の2本の購入先や時期についても捜査する方針。
岩崎容疑者の自宅の部屋から通帳やキャッシュカードが押収されていたことも判明。岩崎容疑者は同居する伯父夫婦から小遣いを受け取っており、襲撃時に現金約10万円を所持していたが、現金はズボンのポケットにそのままの状態で入っていた。
これまでの家宅捜索や親族の事情聴取で事件の動機に関するものは浮かんでおらず、県警は岩崎容疑者の生活実態をさらに詳しく調べる。
・3万円近い高額の包丁を購入か 川崎20人殺傷事件(テレ朝NEWS 6/2(日) 11:47配信)
※川崎市で小学生らが刺されて2人が死亡し、18人が重軽傷を負った事件で、自殺した男が購入したとみられる2本の包丁は2本で3万円近くする高価な柳刃包丁だったことが分かりました。
川崎市多摩区の事件現場で自殺した岩崎隆一容疑者(51)は、販売履歴から2月に都内の量販店で2本の包丁を購入したとみられていますが、その後の店などへの取材で、この2本は柳刃包丁で価格は合わせて3万円近くする高価なものだったことが分かりました。1本は柄が木製で、もう1本は柄も金属で刃と一体になったタイプでした。
また、リュックサックに残された2本の包丁も新しいものだったということです。警察は岩崎容疑者がつくりのしっかりした頑丈な刃物を選んで購入し、周到に準備していた疑いもあるとみて裏付けの捜査を進めています。
・見えない動機 川崎殺傷 「珍しいほど物証出ない」(東京新聞 朝刊 2019年6月2日)
※川崎市多摩区で私立カリタス小の児童と保護者が殺傷された事件で、一日も多くの人が現場を訪れ、手を合わせた。神奈川県警の捜査では、事件直後に首を切って自殺した岩崎隆一容疑者(51)の動機の解明が難航している。県警は多数の人を狙った計画的犯行とみているが、自宅の捜索で動機につながる物は見つからなかった。長期間引きこもりがちだったという生活実態もつかめていない。 (土屋晴康)
県警は事件翌日の五月二十九日、同市麻生区の岩崎容疑者宅を捜索した。居室にあったのは、犯行に使った包丁が入っていたとみられる四つの空き箱、海外の殺人事件を扱った古い雑誌二冊、ノート、テレビ、ゲーム機など。
包丁二本は、二月に東京都町田市の量販店で購入した可能性が高く、県警は三カ月以上前から準備していたとみている。だが、動機につながる痕跡が残っていることの多いパソコンやスマートフォンは発見されず、所持していなかったとみられる。ノートにも犯行をうかがわせる記述はなかった。捜査幹部は「これほど何も出てこないのは珍しい」と漏らす。
近所の人らによると、岩崎容疑者は幼少時から、八十代の伯父夫婦と暮らしていた。小中学校の同級生の多くが「印象が薄かった」と語る。一方で、中学三年当時の担任の男性(79)は「落ち着きがない子という印象」と振り返り、小学校の同級生の女性(51)も「他の男子に理由もなく突っかかったり、授業中にふらふらと校庭に出て行ったりしたこともあった」と話した。
最近の生活の様子も判然としない。伯父夫婦が介護サービスを受けるに当たり、親族から何度も相談を受けた川崎市は「長期間働いておらず、引きこもりがち」「家族とコミュニケーションが取れていない」と聞いたと明かした。親族は、第三者が家に入ることへの岩崎容疑者の反応を心配していたという。
市の説明では、伯父夫婦は食事を作って冷蔵庫に入れ、小遣いも渡していた。犯行時、岩崎容疑者のジーンズのポケットには、現金約十万円が入っていた。
県警は岩崎容疑者の交友関係などを調べているものの、親族以外に関わりがあった人物は見つかっていない。カリタス小とのつながりも不明なままだ。捜査幹部の一人は「犯人が死亡した他の事件でも、ここまで手がかりが少ない事件はないのでは」と語った。
・川崎殺傷、容疑者 自殺決意し襲撃? 被害者20人に(日本経済新聞朝刊 2019/6/2付)
※川崎市多摩区でスクールバスを待っていた私立カリタス小の児童らが殺傷された事件で、首を包丁で刺して自殺した岩崎隆一容疑者(51)にためらい傷がなかったことが1日、捜査関係者への取材で分かった。襲撃時に持っていた包丁4本のうち2本は2月に購入したとみられることも判明した。神奈川県警は3カ月以上前から計画し、襲撃後の自殺も決意して事件を起こしたとみて調べている。
県警は5月31日深夜、カリタス小の女児1人の軽傷が新たに判明したと明らかにし、殺害された2人を含めて被害は計20人となった。
司法解剖の結果、同容疑者は2本の包丁で首の側面を深く刺し、そのまま横に切っていた。死因は出血性ショックだった。
・川崎20人殺傷事件 襲撃犯「孤独の40年間」の行動(NEWSポストセブン 2019/06/03 07:00)
※スクールバスを待つ小学生に次々に襲いかかり、両手に持った刺身包丁で20人を殺傷した凶悪犯、岩崎隆一(51)。彼をめぐる報道を見ていると、違和感が拭えない。なぜ、中学時代の写真しかなく、それ以降の足取りが一向に掴めないのか。40年にもわたる孤独の深淵に迫った。
事件の発生直後、現場に向かった本誌記者は、岩崎容疑者の自宅の電話番号を入手。事件発生から約3時間後、記者は電話をかけた。
──岩崎さんのお宅ですか。
「……うん」
年配の男性が応対した。岩崎容疑者の父親かと思った記者は、こう聞いた。
──こちらに隆一さんという息子さんはいますか?
「……いるような、いないような」
──警察から連絡は?
「警察? 今、来ていますよ」
──事件についてですが。
「事件についてっていうけど、事件のことなんて何もわかりませんよ」
──事件の前は自宅にいたのでしょうか。
「ほとんどいません、今はいない」
──ご一緒には暮らしてなかったんですか。
「暮らしてるっていうものじゃないですね」
──どういう関係ですか?
「何だろう。いいじゃないですか、どういう関係でも」
その後、記者の話を断ち切るように電話は切れた。父親と思われた年配の男性から聞こえてくるのは、岩崎容疑者との“近くて遠い距離”を窺わせる言葉ばかりだった。近所に住む50代男性の証言がそれを裏付ける。
「隆一は僕の5歳年下で、昔は遊んだこともあります。その頃は隆ちゃんと呼んでいて、大人しい子でした」
男性は続けて、地元ではそれなりの名士だという岩崎家の事情を明かした。
「今あそこに隆一と住んでいるのは、彼の伯父伯母にあたる夫婦です。あの家は50年以上前からあって、このあたりではかなり古いほう。以前は隆一の祖父母と伯父伯母、その子供たちで住んでいた。隆一は別の場所で両親と住んでいましたが、隆一のおばあちゃんが一家について絶大な力を持つ厳しい人で、隆一のお母さんと折り合いが悪く、やがて両親は離婚することになった。おばあちゃんは、僕らが野球してて家にボールが入ったら怒鳴り散らされたり、このあたりでは恐れられていた存在でした」
その後、岩崎容疑者はこんな境遇に置かれたという。
「隆一は、父親でも母親でもなく伯父夫婦が預かることになった。伯父夫婦には、実子として隆一のいとこにあたる姉弟がいて、端から見たら三兄弟のように見えるけど、伯父さんたちは『預かって育てている子だ』と近所の人間にもはっきりと言っていました。(子供時代の)僕の目から見ても、隆一よりその姉弟のほうが大事にされているようには感じていて、とくにお姉さんは地元の小学校じゃなく、たしかカリタス小学校に通っていたはずです」(同前)
奇しくも岩崎容疑者が襲ったのが、カリタス小学校の児童たちだった。警察は、計画的な犯行だったと見ている。何らかの因果関係があるのだろうか。
◆身元確認を拒否
一方、彼が通っていた地元の小学校時代の同級生は、当時の印象をこう語る。
「低学年の時に一度だけクラスが同じでしたが、あまり良い身なりをしていなかったので、家庭環境がよくないのかなと思っていた。授業中にツバを吐いたり、落ち着きのない子供だった印象があります」
ところが、小中学校の同級生に取材をしても、どんな少年だったかを覚えている人物はほとんどいない。
「中学の時に一度同級生になった記憶はあるんですが、名前だけで全く覚えがないんですよ。同級生でグループLINEをやっているんですが、今回の件で『誰か詳しい人いる?』って聞いても、みんなよく知らないって言うんですよ。“誰々と親しかった”くらいの話が出てきてもおかしくないのに、それすらない」
中学を卒業してからの彼の姿は、いよいよ目撃情報がなくなる。だからメディアに出てくる彼の肖像は、いまだに中学の卒業アルバムのままだ。幼少期をともに過ごした近所の男性の記憶も、ここで途絶えている。
「小学校中学校以降のことは覚えてないんです。見ていない時期があって、ここに戻ってきたのは最近だったと思う。伯父さん夫婦の実子の姉弟はもう家を出ていて、ときどきは帰っているようだけど、今あそこに住んでいるのは伯父さん夫婦と隆一だけです。夜にどこかに出かけている様子はあったから、夜勤かなにかしているのかと思っていた。ただ、隆一だとは分かっても、見かけても声をかけたりはしないから何をやっているか聞いたことはありません」
多くの近隣住民が、昼間は出歩いているのを見ることはなく、見かけるとしたら夜だったと口を揃える。隣に住む40代の女性は、岩崎容疑者との間に“近隣トラブル”があったという。
「去年の夏頃、朝6時ぐらいにいきなりピンポンピンポンと玄関のチャイムが鳴って、夫が出たら“その人”がいて、『お宅に植えてある木の枝が伸びて、葉っぱが目に当たる』ってすごい剣幕で一方的に怒鳴りつけてきたんです。30分くらい口論になった。その件をご近所に話したら、みんな“その人”とは距離を置いているというから、うちもそうしようと」
だが、容疑者との関係に突如として変化が起きた。
「事件当日の朝です。ふだんは夜中しか出かけないはずなのに、朝7時頃表に出てきて、向こうから『おはようございます』と挨拶してきた。思わず挨拶を返しましたが、初めてだからおかしいなと思ってたんです。その後にニュースで登戸の事件を見たときは、『もしや』って。格好は黒いズボンに黒いポロシャツ、黒いリュックに黒いメガネでした」
同じく近所に住む、70代の女性も、事件直前の岩崎容疑者の姿を目撃している。
「たまたま3日ほど前に隆ちゃんを見かけたのよ。両手に買い物袋を持って、リュックを背負って、うつむき加減にこの前を通り過ぎていった。挨拶もしないけど、あら隆ちゃんだって思っていた。それがこんな事件を起こすなんて……」
容疑者自身だけでなく、伯父夫婦も、近所との交流はほとんどないようだった。家の中での様子の一端が明らかになったのは、川崎市役所が開いた会見だった。
「(伯父夫婦から)高齢なので訪問介護サービスを受けたいが、長期間就労していなくて引きこもり傾向にある家族がいるので、そこに外部の人が入るのは大丈夫かと心配する相談があった。一緒にいながらなかなか会話がないという話だった」
今年1月、伯父夫婦が岩崎容疑者の意思を確認する手紙を部屋の前に置いたところ、口頭で「自分のことはちゃんとやっている。引きこもりとは何だ」と言われたという。それを受けて伯父夫婦は「しばらく(岩崎容疑者の)様子を見たい」という意向を市の職員に示した。
社会との最後の接点だった伯父夫婦を残して、岩崎容疑者は凶行に及び、自ら命を絶った。伯父夫婦は警察の取り調べには応じたが、遺体の身元確認は拒否したという。このまま引き取りも拒否すれば、無縁仏として葬送されることになる。
岩崎容疑者の近くにいた人物でさえその人生の大半を知らない。凶行に至った動機はおろか、“引きこもり”状態になった原因さえもわからなければ、事件の全容解明は進まない。岩崎容疑者が40年にわたって抱えてきた孤独の闇は、あまりにも深かった。
※週刊ポスト2019年6月14日号
・川崎殺傷、事件4日前に現場下見か(共同通信 2019/6/3 09:28 (JST))
※川崎の20人殺傷事件で、自殺した容疑者とみられる男が事件4日前の5月24日朝、現場付近や駅の防犯カメラに写っていたことが3日、捜査関係者への取材で分かった。
・川崎殺傷容疑者 同居の伯父らと1月以降会わず 捜査員「本当に存在したのか」(毎日新聞 2019/06/03 19:16)
※川崎市多摩区でスクールバスを待っていた私立カリタス小学校の児童らが襲われて20人が死傷した事件で、自殺した岩崎隆一容疑者(51)と同居していた伯父らは神奈川県警に対し、容疑者と顔を合わせたのは今年1月が最後と説明している。捜査関係者によると、岩崎容疑者には別の親族の遺産が入り、生活費はあったとみられるが、周囲との交流は避けていた。事件発生から4日で1週間。容疑者の人物像は浮かんでこない。
岩崎容疑者は幼い頃に両親が離婚し、伯父や伯母らに引き取られた。ただ、最近までの長期間、自宅にこもって外部との接触を避けていた。1月には80代後半になった伯父らが今後を心配し、容疑者の部屋の前に手紙を置き、生活を変えるよう促した。数日後、岩崎容疑者は「食事も洗濯も自分でやっている。引きこもりとは何だ」と口頭で反論したという。その翌月の2月、岩崎容疑者は事件で使う柳刃包丁2本を購入したとみられる。
事件は計画的だった疑いが強い。事件に使う2本の他に別の包丁2本も所持し、手から滑り落ちるのを避けるためか手袋まで用意していた。事件4日前の5月24日朝には、岩崎容疑者と年齢や背格好が似た人物の姿が、自宅最寄りの小田急読売ランド前駅や3駅先の現場近くの登戸駅、現場周辺の防犯カメラ映像に記録されていた。これが岩崎容疑者なら、下見に来ていたことになる。
なぜ児童らを狙ったのか。複数の親戚がカリタス小に過去に通っていたという情報もあるが、動機は不明だ。県警は岩崎容疑者の自宅居室の捜索でノートや漫画、雑誌、包丁の箱4個など数十点を押収した。ノートには「正」の字が羅列してある不可解な部分などがあり、事件を示唆する記述などはなかった。海外の殺人事件を特集した雑誌2冊があったものの、10年ほど前の発行で、県警は動機に直結するものではないとみている。
居室にテレビはあったが、パソコンやスマートフォンはなかった。捜査幹部は「容疑者の人柄が全く見えてこない。本当に存在したのかと思うくらいだ」と話す。県警は難しい捜査に直面している。
・《川崎殺傷事件》容疑者の孤独な生活と、“地雷”となった伯父夫婦からの手紙(週刊女性PRIME 2019/06/04 05:00)
※「彼は叫び声を上げるでもなく、怒鳴り散らしているわけでもなく、無言でした。だから子どもたちは気づかなかった。子どもたちは、犯人を背にしスクールバスのバス停を見ているから、後ろから走りながら切りつけてきている犯人が視界に入っていない。“キャー”とか“痛い”と聞こえて、(子どもたちは)それぞれ初めて後ろを振り向いた」
私立カリタス学園の倭文覚教頭は、事件発生時に見た光景をそう振り返る。
首から大量の血を流していた
60代の男性は、直後、
「『通り魔だ!』という叫び声を聞きました。見てみると、子どもが数人倒れていました」
事件現場近くに住む70代の男性は、
「“ギャー”という聞いたことがない悲鳴が聞こえてきた。路上に子どもたちが倒れていました。時刻は7時45分くらいだったと思います」
5月28日午前7時40分ごろ、川崎市多摩区登戸新町の路上で、スクールバスを待っていた私立カリタス小の児童ら20人が殺傷される事件が起きた。
「小学校1~3年生までは必ずスクールバスで通います」(20代の同校OG)という現場は修羅場と化し、多くの目撃者は、怖がる子どもたちの表情、悲鳴を上げている子、途方に暮れて立ち尽くす大人たち、「お母さん頑張れ」という声、お腹を刺されている女の子、“お母さん”と助けを求める子、担架で運ばれる女の子の手をずっと握っている女の人……をなすすべもなく見ていた。そんな中に、犯行後に自殺した岩崎隆一容疑者(51)の姿も目撃されていた。
「バス停の前で倒れていました。丸刈りの頭で、黒のTシャツを着ていて、両手には何も持っていませんでした。首から大量の血を流していて、時折、頭が動いていました」(前出・70代男性)
岩崎容疑者は事件現場から直線距離で約4キロ、小田急線読売ランド前駅から徒歩で約15分に位置する築約60年の木造住宅に、80代になる伯父夫婦と3人で暮らしていた。
事件の数日前に岩崎容疑者を見かけたという近隣住民は、
「両手に買い物のビニール袋をぶら下げて帰宅するところを見ました。髪は白髪まじりで、長くて耳までありました」
と証言する。
岩崎容疑者と同年代の近隣住民は、
「両親が離婚したため、小学校入学前に父親の兄の家に預けられた。伯父夫婦と伯父夫婦の長女(容疑者より4歳ほど年上とみられる)と長男(同じく3歳ほど年上とみられる)と一緒に住んでいました」
と家族関係を説明し、
「上級生と走り回ったり、野球をしたりしましたが、体力的についてこられないと、泣きはしなかったけどひとりで家に帰ったり、家の前でポツンと座っていたりしましたね」
と振り返る。親に捨てられ、親戚に預けられた少年は、近くの公立学校に通っていたが、同居するいとこは名門私立カリタス小に通っていた。格差がすでに、岩崎容疑者に巣くっていたのだ。
・川崎殺傷、重傷4人に 新たに女児1人が判明(共同通信 2019/06/07 18:26)
※川崎市多摩区でスクールバスを待っていた私立カリタス小の児童ら20人が殺傷された事件で、神奈川県警は7日、負傷した18人のうち、新たに女児1人が重傷だったと明らかにした。重傷者は保護者の女性(45)と女児3人の計4人となった。
事件は5月28日午前7時40分ごろ発生。岩崎隆一容疑者(51)が両手に持った包丁で児童らを次々に襲い、保護者の外務省職員小山智史さん(39)とカリタス小6年栗林華子さん(11)が死亡、女性と6~12歳の児童17人が重軽傷を負った。岩崎容疑者は現場で自殺を図り死亡した。
・川崎20人殺傷事件から2週間 孤立した生活 残る多くの謎(産経デジタル 2019/06/11 19:50)
※川崎市多摩区でスクールバスを待つ私立カリタス小学校の児童ら20人が殺傷された事件から11日で2週間が経過したが、今も現場を献花に訪れる人は絶えず、カリタス学園の卒業生らはやりきれない思いを口にする。「何の罪もない子供たちがどうして」-。児童らを襲った岩崎隆一容疑者は、自ら首を切って命を絶ったため、動機は明らかになっておらず、いまだに事件には謎が多く残る。
きちょうめんな性格
学園の卒業生は「みんな母校愛が強くて、『学校のために何かできることがあれば』と動いている。母校がこんな形で有名になるのは悲しい」とやりきれない思いを吐露した。
現場には亡くなった同小6年の栗林華子さんの同級生が書いたとみられる手紙があり、幼い字で「ずっと同じクラスで楽しかったよ。大好きだよ、お空で見守っててね」と書かれていたという。
事件を起こした岩崎容疑者は同市麻生区の一軒家に伯父夫婦と3人で暮らしていた。事件後、県警は岩崎容疑者の自室と、共同で使っていた台所や風呂など、伯父夫婦の部屋以外は全て家宅捜索。自室からはテレビ、ゲーム機、漫画、雑誌などが発見されたものの、スマートフォンやパソコンなどのインターネット機器は見つからなかった。自宅にはネット環境もない。
押収したリングノート2冊にも、犯行の動機につながる手がかりのような記述はなかったという。ノートには「雑学のような話を3、4行書いて四角で囲って、同じ様なものを隣に書いてを繰り返し、升目みたいに四角がつらつらと並んで、1ページをきれいに埋め尽くしていた」(捜査関係者)といい、捜査幹部は「きちょうめんな性格だったようだ」と指摘している。
10万円の出所も不明
自室には、懇意にしていた店のポイントカードや知り合いの名刺などもなく、最近の岩崎容疑者をよく知るという人物は見つかっていない。また、犯行時にポケットに入れていた約10万円の出所が分からないなど、謎も多い。
同居する伯父夫婦とも直接の接点は少なく、「食事は作ってもらっていて、冷蔵庫に入れてもらったものを1人で食べていたようだ」と捜査関係者は語る。
いまだに動機はつかめない一方で、事件直後に市は、高齢で介護が必要になった伯父夫婦が岩崎容疑者の将来を案じ、今年1月に市のアドバイスで手紙を書くと、岩崎容疑者からは、心配には及ばないといった意味で「自分はひきもりではない」という趣旨の返答があったと明らかにした。1月以降、岩崎容疑者と伯父夫婦が顔を合わせることはなかったとみられる。
2人は岩崎容疑者の遺体の写真を見た際、「髪がこんなに短いとは思えないので、別人かもしれない」と話したという。捜査関係者は「伯父夫婦の訪問介護が家に入ることで、これまでの自分の生活が大きく変わってしまうことに絶望を感じた可能性はある。これが事件を引き起こす一因となったのかもしれない」と推測している。
・川崎20人殺傷事件で自殺の男を不起訴処分(共同通信 2019年11月8日)
※川崎市多摩区でスクールバスを待っていた小学生ら20人が殺傷された事件で、横浜地検は8日、現場で自殺し、殺人などの疑いで書類送検された岩崎隆一容疑者(51)を容疑者死亡で不起訴処分にした。
・川崎カリタス小殺傷犯の親族が告白「彼の弔いはできない」(NEWSポストセブン 2019年12月29日)
※“51歳ひきこもり男”が川崎市・登戸駅前で私立カリタス小学校の児童と保護者ら20人を殺傷した事件。殺人や殺人未遂などの容疑で書類送検された岩崎隆一容疑者は11月8日、被疑者死亡で不起訴処分となった。
事件直後から注目されたのが、岩崎が小学生時代に両親の離婚後で伯父夫婦の元に引き取られ、伯父夫婦の子供(姉弟)とともに育てられたという環境だった。
岩崎が犯行時まで住んでいた伯父夫婦の家を訪ねると、誰かが暮らしている気配もなくなっていた。近隣住民は「ご夫婦は、介護施設に入られたようです」と語る。
これまで沈黙を続けてきた岩崎の従姉の女性を訪ねると、夫が代わって取材に答えた。
「(岩崎)隆一くんのことは、何回か会っただけで、あまり記憶にはないんです。会えば普通にあいさつはしますが、会話はあまりしていません。
(事件については)何も話はしないようにしている。(妻が)あちらの家の中のことは話したくないようでした。ひとつだけ気になったのは、(岩崎が)ちょっと精神的に弱かったということですね。もしかしたら繊細すぎて、おかしくなったのではないかと思いました」
年の瀬、岩崎の弔いはしたのかと記者が尋ねると、こう語気を強めた。
「それはないです。できないでしょう。亡くなった人のことを考えれば」
岩崎の遺体は誰が引き取ったのか。神奈川県警に尋ねたが「警察が答えるものではありません」(広報県民課)と言うのみだった。
※週刊ポスト2020年1月3・10日号
※ブログ主注:何だろうな?この不可解な事件は・・・起訴もされず遺体も行方不明・・・。やはり殺人の実行犯は他にいて、容疑者はただの身代わり(身分と遺体を提供)なのだろうか。朝に真犯人グループに呼び出された容疑者は、そのまま殺害され、真犯人がバス待ち児童らを襲撃・殺傷。その後、事件現場から少し離れた場所で素早く、犯人と容疑者遺体をすり替え。そのすり替えた犯人は神奈川県警。
※川崎市多摩区でスクールバスを待っていた私立「カリタス小学校」の児童らが襲われて19人が死傷した事件で、直後に自殺した岩崎隆一容疑者(51)の当日朝の足取りが、徐々に判明してきた。小田急登戸駅で電車を降りた後、どこにも立ち寄らずに徒歩でバス乗り場に向かい、作業用手袋をはめ、手前でリュックサックを置いて包丁2本を取り出し、児童の列の後ろから襲撃したという。神奈川県警は周到に準備した事件とみて調べている。
一方、県警は29日、岩崎容疑者の自宅を捜索し、包丁の空き箱4箱、ノート1冊など数十点を押収した。岩崎容疑者は事件時、包丁を4本所持しており、県警は空き箱と一致するかや、ノートの内容を詳しく調べる。
事件は28日午前7時40分ごろ発生。県警が防犯カメラの映像を調べると、岩崎容疑者は当日朝、同市麻生区の自宅から最寄りの小田急読売ランド前駅で乗車。3駅目の登戸駅で下車し、リュックサック姿で徒歩で現場へ向かう様子が記録されていたという。駅からバス乗り場までは約500メートルあるが、どこにも立ち寄った形跡はなかった。岩崎容疑者が自宅を出たのは午前7時前後とみられ、近くの住民が目撃していた。
登戸駅から現場までの途中で黒っぽい作業用手袋をはめ、バス乗り場から30メートルほど西にあるコンビニエンスストア付近で、柳刃包丁2本(刃渡り約30センチ)を取り出した上でリュックサックを放置。児童を送りに来ていたとみられる保護者の小山(おやま)智史さん(39)=死亡=を刺すなどしたとみられる。
その後、走りながら別の保護者女性(45)=重傷=を襲撃し、さらに同小6年の栗林華子さん(11)=死亡=ら児童に切りかかったとされる。岩崎容疑者は最後に自分の首のあたりを刺したが、小山さんを襲ってからわずか十数秒後のことだった。手袋は手が滑って包丁を落とさないように着用した可能性がある。
川崎市消防局や病院によると、被害者の傷の部位は上半身に集中。死亡した2人は首に深い傷を負い、死者以外の負傷者17人の切られたり刺されたりした部位は▽首が6人▽顔やあごが5人▽肩が3人――で、11人が入院した。県警は29日、小山さんの死因を心臓などを刺されたことによる出血性ショック、栗林さんの死因を首の刺し傷による失血と発表した。
岩崎容疑者は財布は持っておらず、ズボンのポケットに現金約10万円が入っていた。さらに、リュックサックの中に刃渡り約25センチの文化包丁と同約20センチの刺し身包丁も残されていた。【国本愛、斎藤文太郎、洪●香】(●は王へんに文)
・包丁4本、事前に購入か=動機示す品未発見-ポケットに10万円・川崎襲撃(時事通信社 2019/05/30 04:30)
※川崎市多摩区の路上で私立カリタス小学校の児童らが襲撃され、2人が死亡した事件で、直後に首を切って自殺した職業不詳岩崎隆一容疑者(51)が、包丁4本を事前に購入したとみられることが30日、神奈川県警多摩署捜査本部への取材で分かった。
捜査本部は29日、殺人などの疑いで同市麻生区にある岩崎容疑者の自宅を約7時間かけて捜索。自室の押し入れから、包丁の空き箱が四つ見つかった。また、凶器の包丁2本と、所持品のリュックに入っていた包丁2本は、いずれも同居する親族が普段使っていなかったことが判明。捜査本部は、同容疑者が襲撃のため購入したとみて裏付けを進める。
自宅からはこのほか、ノート1冊を含む数十点を押収したが、ノートに動機につながる記述などはないとみられ、遺書めいた物もなかった。パソコンや携帯電話なども発見されなかった。
岩崎容疑者は28日午前7時40分ごろ、子供を送って来たとみられる外務省職員小山智史さん(39)と別の保護者の女性(45)を刺した後、スクールバスを待つ6~12歳の児童17人を次々に襲撃。小山さんと同小6年栗林華子さん(11)が死亡し、児童16人と女性が重軽傷を負った。
同容疑者はその直後、首を切り自殺。現場に刃渡り約30センチの柳刃包丁が落ちており、近くのコンビニ駐車場に放置されたリュックに刃渡り約25センチの文化包丁、同約20センチの刺し身包丁が入っていた。はいていたジーンズのポケットからは現金約10万円が見つかった。
・他人と接触絶ち生活=「引きこもり」指摘に居直る-川崎襲撃・岩崎容疑者(時事通信社 2019/05/30 04:31)
※児童ら19人を殺傷し自殺した岩崎隆一容疑者(51)は、川崎市の親族宅で引きこもり状態の生活を送っていたとみられる。同居する80代の伯父夫婦との会話もなく、近所の住民とトラブルを起こしたこともあったという。
市などによると、岩崎容疑者は幼少時に両親が離婚し、伯父夫婦に引き取られた。いとこが家を出た後は3人暮らし。定職に就かず自室に閉じこもり、伯父の援助で生活していたとみられる。
「日々接触すらない。外部のヘルパーを家に入れても大丈夫か」。高齢で訪問介護を検討する伯父らは2017年以降、先行きに不安を感じ市役所に相談。市によると、岩崎容疑者は日常、伯父らと顔を合わせず、会話は一切なし。ほぼ唯一の接点は、作ってもらった食事を冷蔵庫から出し、置いてある小遣いを受け取る時だけだった。
神奈川県警のこれまでの捜査では、交友関係もほとんどうかがえず、パソコン、携帯電話も所持していた形跡がないという。捜査幹部は「人間関係がこれだけ希薄な人物は珍しい」といぶかる。
今年1月、伯父らは将来を見据え、岩崎容疑者の考えを尋ねる手紙を部屋の前に置いた。同容疑者は数日後、「洗濯や食事、自分のことは自分でしているのに、引きこもりとは何だ」と開き直った。その様子に、伯父は「意思疎通する気はない」と感じたという。
近隣住民も、岩崎容疑者の言動に不安を感じていた。同容疑者が出歩く姿が見られたのは、ほとんどが人けの少ない夜間や朝方。窓は固く閉ざされ、住人がいると知らない人もいた。
・小山さん、心臓に達する傷も 強い殺意で実行か 川崎19人死傷(産経新聞 2019/05/30 11:10)
※川崎市多摩区でスクールバスを待つ私立カリタス小の児童ら19人が刃物で殺傷された事件で、最初に襲われて死亡した保護者で外務省職員の小山智史(おやま・さとし)さん(39)が4カ所刺され、心臓まで到達している傷もあったことが30日、捜査関係者への取材で分かった。犯行後に自殺した岩崎隆一容疑者(51)は襲撃時に手袋を使い、予備の包丁を準備していたことも既に判明。神奈川県警多摩署捜査本部は、強い殺意を抱いて計画的に実行したとみて全容解明を進める。
捜査関係者によると、小山さんは胸、背中、首に4カ所の刺し傷があった。最初に背中を2回刺され、振り向いた際などに胸や首を刺されたとみられる。胸の傷は心臓まで達していた。死因は出血性ショックだった。
また、バスの列に並んでいて襲われた同小6年の栗林華子(はなこ)さん(11)は首を1カ所刺されていた。死因は失血死と判明。小山さんらを刺した後、児童らの列を襲った際は、駆け抜けながら犯行に及んだとみられる。
一方、岩崎容疑者は犯行時に手袋をはめ、両手に包丁を握っていた。包丁は刃渡り約30センチの細長い形状で、殺傷能力の高いものだった。手袋は包丁が滑らないように使用したとみられる。さらに現場近くのコンビニエンスストアの敷地に置いたリュックサックからは、別の包丁2本も発見された。
岩崎容疑者の自宅の家宅捜索で、県警は包丁の空き箱4個を押収。現場で見つかった包丁4本のものとみられ、県警は岩崎容疑者が箱から出した新品の包丁を犯行に使った疑いがあるとみて、購入先や時期を調べている。
捜索ではノート1冊を含む数十点が押収されたが、動機につながるものは現時点で確認されていないという。
・手当たり次第に切り付け=川崎児童襲撃、ドライブレコーダーに映像-神奈川県警(時事通信社 2019/05/30 15:38)
※川崎市多摩区で、スクールバスを待つ私立カリタス小学校=同区=の児童ら19人が殺傷された事件で、直後に自殺した職業不詳岩崎隆一容疑者(51)が標的を選ばず、手当たり次第に被害者を切りつけていたことが30日、神奈川県警多摩署捜査本部への取材で分かった。
捜査本部は、襲撃の一部を映したスクールバスのドライブレコーダー映像を解析。同容疑者が児童らを無差別に襲ったとみて、動機の解明などを急いでいる。
捜査本部によると、映像には岩崎容疑者が両手に柳刃包丁を持ち、走りながら保護者の女性(45)や、児童の列に襲い掛かる様子が映っていた。児童らを選別して狙った様子はなかったが、ほとんどの被害者の傷は顔や胸など上半身に集中していた。
岩崎容疑者は28日朝、自宅最寄り駅から電車で小田急線登戸駅に移動後、約500メートル先の現場に直行。包丁が入ったとみられるリュックサックを所持し、人通りの少ない線路沿いを歩く姿が付近の防犯カメラに映っており、職務質問などを受けないように、人目につかない道を選んだ可能性もある。
現場到着後の同日午前7時40分ごろ、子どもを送ってきたとみられる外務省職員小山智史さん(39)を刺し、その後、女性と児童17人を襲撃。小山さんと同小6年栗林華子さん(11)が死亡した。
岩崎容疑者は、襲撃直後に自殺。所持していた包丁4本は自宅で普段使っているものではなく、事前に購入したとみられる。
・スマホやパソコン所持せず 世間から孤立…なぜ突然凶行に(産経新聞 2019.5.30 17:12
※川崎市多摩区でスクールバスを待つ私立カリタス小の児童ら19人が刃物で殺傷された事件で、犯行後に自殺した岩崎隆一容疑者(51)は、スマートフォンやパソコンを所持せず、長期間にわたって社会から孤立した引きこもり状態だったとみられる。専門家によると、世間から隔絶された末に通り魔事件を起こす場合、40代以降の中高年は通常、20~30代と違って攻撃性が減少するという。なぜ岩崎容疑者は突然、凶行に走ったのか。
犯行翌日の29日、神奈川県警は岩崎容疑者が80代の伯父夫婦と住んでいた川崎市内の一軒家を捜索した。ワゴン車2台に加え、トラックを準備。10人ほどの捜査員が自室などを入念に調べたが、押収したのは犯行に使ったとみられる包丁の空き箱やノートなど段ボール1箱分のみだった。トラックはほぼ空の状態で引き上げた。
捜査関係者によると、自室は片付いており、テレビやテレビゲーム機、携帯ゲーム機はあったものの、パソコンや充電器、コード類は見当たらなかった。スマホや携帯電話はもともと持っていなかったとみられる。さらに飲食店のポイントカードやレンタルビデオ店の会員証がなく、睡眠薬や精神安定剤といった薬物も見つからなかった。
「誰とも接点を持たず、どんな生活を送っていたのか」。捜査関係者は首をかしげる。
幼少期に両親が離婚し、伯父夫婦に引き取られたという。夫婦には長男と長女がおり、一緒に暮らしていたとみられる。人付き合いが苦手だったとみられ、小学校の卒業文集には、失敗した体験をあえてさらけ出すような自虐的な言葉が並ぶ。思い出をつづるページには、多くの級友が「林間学校」などと記す中、友人に石をぶつけて《5年になって最初におこられた》と書いた。生まれかわるとしたら《大金持ち》、将来なりたいものは《動物園の飼育係》とつづっていた。
定期的に遊ぶなどしていた友人はおらず、同級生は「印象に残っていない」「影が薄い」などと口をそろえる。卒業後も接点はなかったとみられ、同級生の一人は取材に「誰と仲が良かったのか思い出せない」と打ち明けた。
その後、10代後半で一度、伯父夫婦宅を出たが、また戻った。夜中などに出歩くことはあったものの、近隣住民と言葉を交わすことはなかった。事件当日、現場に向かう岩崎容疑者と出くわした近所の40代女性によると、この10年間で見かけたのはこのときを含めてわずか2回だった。
伯父夫婦から小遣いをもらう一方、トイレや食事のルールを作り、家の中で接触を避け続けていたようだ。見かねた夫婦が今年1月、手紙で「将来どうするのか」と尋ねると、「閉じこもっているわけではなく、ちゃんと生活している」と反発していた。
筑波大の原田隆之教授(犯罪心理学)は「通り魔事件は、社会から孤立した20~30代が起こすことが多く、40代以降は敵意や攻撃性が減少する。今回の事件は異例だ」と指摘。
「このままではダメという気持ちがありつつ、今さら挽回もできない。仕事や友達、パートナーがおらず、頼っていた伯父らも高齢になって絶望し、長年ため込んだ鬱屈した感情が爆発した可能性がある」とする一方、「日本で高齢の引きこもりは少ない数ではなく、そうした人たちが犯罪予備軍というわけでは決してない。岩崎容疑者が他の人と違うのは、『周りが悪いからこうなった』と、社会に対する不満や恨みを絶望感とともに蓄えていたとみられる点だ」と話した。
・児童を背後から襲撃、防犯カメラに記録 川崎19人殺傷(朝日新聞DIGITAL 2019年5月30日19時56分)
※川崎市多摩区の路上で28日、19人が殺傷された事件で、岩崎隆一容疑者(51)=直後に自殺=が、スクールバスのバス停周辺で並んでいた児童を後ろから襲っていたことが神奈川県警への取材でわかった。県警は、児童らは襲撃に気づくのが遅れ、被害が広がった可能性があるとみている。
捜査1課によると、現場周辺の複数の防犯カメラの映像を分析した結果、事件発生の約5分前には岩崎容疑者が小田急小田原線登戸駅にいるのを確認。その後、JR南武線の線路沿いに徒歩で事件現場に向かったことがわかった。スクールバスを待つ私立カリタス小学校の児童に後方から近づいた。
移動の途中で手袋をはめ、現場近くのコンビニエンスストアの駐車場で、持っていたリュックサックから刃物を取り出したとみられるという。
さらにバス停付近に停車していたスクールバスのドライブレコーダーには、両手に刃物を持った岩崎容疑者が児童を後ろから襲う様子が映っていた。児童は事前には岩崎容疑者に気づかなかった様子で、岩崎容疑者は無言のまま小走りで移動していたという。刺された小学6年の栗林華子さん(11)が失血死、児童16人が重軽傷を負った。ほかに外務省職員の小山智史(おやまさとし)さん(39)が出血性ショックで死亡し、保護者の女性(45)も重傷だった。
29日の家宅捜索で川崎市麻生区の岩崎容疑者の自宅押し入れからは、刃物の空き箱が四つ見つかった。県警は事前に凶器の包丁を買ったとみている。
・川崎殺傷 大量殺人関連の雑誌2冊を押収(日テレNEWS24 5/31(金) 10:17配信)
※神奈川県川崎市で19人が男に包丁で刺され、2人が死亡した事件で、自殺した容疑者の男の自宅から、過去の大量殺人に関する雑誌2冊が押収されていたことが分かった。
この事件は3日前、川崎市の登戸駅近くで、小学生ら19人が包丁を持った男に次々と刺され小学6年生の栗林華子さんと外交官の小山智史さんが死亡したもの。19人を刺した岩崎隆一容疑者は犯行直後に自殺している。
警察は事件の翌日、岩崎容疑者の自宅の家宅捜索を行ったが、捜査関係者への取材で、岩崎容疑者の部屋から過去の大量殺人に関する雑誌2冊が押収されていたことが分かった。
ただ、これらの雑誌は新しいモノではなく、また、日本で起きた無差別殺傷事件などの事例は含まれていないという。警察は、事件と関連がないか詳しく調べている。
・川崎殺傷 容疑者の男は犯行前、丸刈りに(日テレNEWS24 2019年5月31日 14:00)
※神奈川県川崎市で19人が男に包丁で刺され、2人が死亡した事件で、自殺した容疑者の男が犯行前に突然、長めの髪を丸刈りにしていて、同居する親族も把握していなかったことが新たにわかった。
この事件は3日前、川崎市の登戸駅近くで、小学生ら19人が包丁を持った男に次々と刺され、スクールバスに乗ろうとしていたカリタス小学校6年の栗林華子さんと外交官の小山智史さんが死亡したもの。19人を刺した岩崎隆一容疑者は犯行直後に自殺している。
捜査関係者によると岩崎容疑者は犯行前に突然、長めだった髪を丸刈りにしていて、岩崎容疑者の親族も丸刈りにしたことを把握していなかったことがわかった。
また、警察は事件の翌日、岩崎容疑者の自宅の家宅捜索を行ったが、岩崎容疑者の部屋から過去の大量殺人に関する雑誌2冊が押収されたという。ただ、これらの雑誌は10年以上前に発売された外国の殺人事件をまとめたもので、日本で起きた無差別殺傷事件などの事例は含まれていないという。
警察は押収した雑誌が事件と関連がないか慎重に調べるとともに、動機の解明を進めている。
・岩崎容疑者、社会から孤立した姿浮かぶ 携帯も持たず(朝日新聞DIGITAL 2019/05/31 21:25)
事件から一夜明けた現場周辺では、神奈川県警の捜査員が発生時刻に合わせ聞き込みを行っていた=2019年5月29日午前7時32分、川崎市多摩区、福留庸友撮影
※川崎市多摩区の路上で19人が殺傷された事件で、刃物で襲ったとされる岩崎隆一容疑者(51)=直後に自殺=の周囲からは携帯電話やパソコンが見つかっておらず、同居する親族と会話をほとんど交わしていなかったという。「他人との接点が見当たらない」。神奈川県警の捜査関係者はそう話す。周辺を取材すると、岩崎容疑者は社会的に孤立していた姿が浮かび上がる。
近所の人や同級生によると、岩崎容疑者は、川崎市の小中学校を卒業。小学校の時に同級生だった男性(51)は「おとなしくて気が弱いが、話してみると良い子だったという印象がある」と振り返る。高校1年生の時、川崎市麻生区内の駅前で偶然会うと、岩崎容疑者は「職業訓練校に通っている」と話したという。
その後の岩崎容疑者の生活ぶりは明らかになっていない。近所に住む70代の男性は、岩崎容疑者が10代後半の頃から姿を見なくなったが、数年前に、自宅から出てきた姿を見たという。「白髪で当時の面影はなかった。戻って来たんだなと思った」
川崎市は、同居していた高齢の伯父夫婦や親族から2017年11月から今年1月まで相談を受けていた。同市麻生区の自宅に夫婦の介護サービスが入った場合に、岩崎容疑者がどう反応するかを心配していたといい、岩崎容疑者は長期にわたって就労せず、伯父や伯母とほとんど会話がない状態だったという。
捜査関係者によると、事件後、県警が夫婦に岩崎容疑者の身元を確認しようとした際、接点が薄いため、岩崎容疑者の顔だけでは判断ができなかった。県警は最終的に、自宅などに残された指紋で本人確認をしたという。行きつけの店なども確認できていない。
県警は29日、岩崎容疑者の自宅を約7時間にわたって家宅捜索。ポータブルゲーム機やソフト、ノートなど数十点を押収したが、携帯電話、パソコンはなかった。事件当時も、携帯電話は所持していなかったという。
一方、岩崎容疑者のズボンのポケットからは現金約10万円が見つかったといい、県警は今後、口座の入金記録などから、職歴などを調べる方針。
岩崎容疑者は28日朝、刃渡り約30センチの柳刃包丁を両手に持ち、バス停で私立カリタス小学校の児童や保護者を次々と刺したとされる。同小6年の栗林華子さん(11)と別の児童の保護者で外務省職員の小山智史(おやまさとし)さん(39)が死亡し、同小の児童16人と保護者の女性(45)が負傷した。
・川崎殺傷被害者は計20人に 容疑者宅から猟奇雑誌(日刊スポーツ 2019年5月31日23時48分)
※川崎市多摩区で私立カリタス小の児童らが殺傷された事件で、自殺した岩崎隆一容疑者(51)の自室から1981年にパリで起きた人肉事件など海外の猟奇殺人事件や大量殺人事件を扱った雑誌2冊が見つかったことが31日、神奈川県警などへの取材で分かった。
県警は同日、同小の女児1人の軽傷が新たに判明したとし、被害は殺害された2人を含め、20人になった。
押収された雑誌はシリーズものだが、かなり古く、発刊は10年以上前とみられる。日本の連続殺人事件や無差別殺傷事件は含まれておらず、県警は入手時期や事件との関連を調べる。
5月29日の家宅捜索ではノートや包丁の空箱4箱など数十点を押収している。ノートには文章がびっしり書かれていたが、「正」の字ばかりが繰り返し書かれていたり、「意味不明なことが書いてある」(捜査幹部)という。事件の動機や計画、自殺願望などをうかがわせる記述はなく、動機は依然不明のままだ。
岩崎容疑者の部屋は整然としていた。テレビやゲーム機はあったが、パソコンやスマホはなく、インターネットに接続できる環境はなかった。検索記録や交友関係などから、動機や心理を探ることもできず、レンタルビデオ店の会員証などもないという。
県警では同居していた伯父、伯母から話を聞いているが、同じ屋根の下にいても顔を合わせることがなく、事件時、丸刈りだった岩崎容疑者の顔写真を捜査員が見せても、伯父、伯母は本人確認できないほど途絶した関係で、解明は難航している。
一方、カリタス小は6月3日に予定していた授業再開を5日に延期することを31日、明らかにした。不安の声が多く、4日に説明会を開くためとしている。
・女児1人の負傷判明=児童ら殺傷-川崎襲撃(時事ドットコム 2019年05月31日23時51分)
※川崎市多摩区で私立カリタス小学校の児童らが殺傷された事件で、神奈川県警は31日、これまで把握していた負傷者に加え、同校に通う女児1人が軽傷を負っていたことが判明したと発表した。事件の死傷者は20人となった。
・容疑者2月に包丁2本購入か 川崎市児童殺傷事件(日刊スポーツ 2019年6月1日10時48分)
※川崎市多摩区でスクールバスを待っていた私立カリタス小の児童らが殺傷された事件で、自殺した岩崎隆一容疑者(51)が襲撃時に所持していた包丁4本のうち2本は、東京都町田市の量販店で2月に購入したとみられることが1日、捜査関係者への取材で分かった。神奈川県警は、3カ月以上前から事件を計画していた可能性があるとみて調べている。
捜査関係者によると、自宅の家宅捜索で見つかった包丁の空き箱4個のうち2個に、町田駅前の量販店のシールが貼ってあった。店には2月に販売した記録があり、県警は、岩崎容疑者が買ったかどうかの特定を急いでいる。包丁4本はいずれも新品とみられ、別の2本の購入先と時期も捜査する。
岩崎容疑者が襲撃時に現金約10万円を所持し、自宅から通帳とキャッシュカードが押収されていたことも判明。これまでの家宅捜索や親族の事情聴取で動機に関するものは浮かんでおらず、口座の出入金の状況や生活実態を調べて解明につなげる。
現金はズボンのポケットにそのままの状態で入っており、通帳とキャッシュカードは居室にあった。川崎市によると、岩崎容疑者は同居するおじ夫婦から小遣いを受け取っていたという。
県警は、長期間にわたって計画していたとみており、自殺した容疑者が多額の現金を持っていた経緯を調べる。
県警は5月31日深夜、カリタス小の女児1人の軽傷が新たに判明したと明らかにし、殺害された2人を含めて被害は計20人となった。
事件は同28日午前7時40分ごろ発生。保護者の外務省職員小山智史さん(39)とカリタス小6年栗林華子さん(11)が死亡し、保護者の女性(45)と女児2人が重傷を負った。(共同)
・包丁2本、2月に東京・町田の量販店で購入か 川崎襲撃事件(産経新聞 2019.6.1 17:49)
※川崎市多摩区でスクールバスを待つ私立カリタス小の児童らが殺傷された事件で、岩崎隆一容疑者(51)=犯行後に自殺=が、所持していた包丁4本のうち2本を今年2月に東京都町田市の量販店で購入したとみられることが1日、捜査関係者への取材で分かった。神奈川県警は、3カ月以上前から事件を計画していた可能性があるとみて調べている。
捜査関係者によると、家宅捜索で見つかった包丁の空き箱4個のうち2個に、自宅から約11キロ離れた町田駅前の量販店のシールが貼ってあった。店には2月に販売した記録が残っており、県警は岩崎容疑者が購入したかどうか特定を急いでいる。4本の包丁はいずれも新品とみられ、県警は別の2本の購入先や時期についても捜査する方針。
岩崎容疑者の自宅の部屋から通帳やキャッシュカードが押収されていたことも判明。岩崎容疑者は同居する伯父夫婦から小遣いを受け取っており、襲撃時に現金約10万円を所持していたが、現金はズボンのポケットにそのままの状態で入っていた。
これまでの家宅捜索や親族の事情聴取で事件の動機に関するものは浮かんでおらず、県警は岩崎容疑者の生活実態をさらに詳しく調べる。
・3万円近い高額の包丁を購入か 川崎20人殺傷事件(テレ朝NEWS 6/2(日) 11:47配信)
※川崎市で小学生らが刺されて2人が死亡し、18人が重軽傷を負った事件で、自殺した男が購入したとみられる2本の包丁は2本で3万円近くする高価な柳刃包丁だったことが分かりました。
川崎市多摩区の事件現場で自殺した岩崎隆一容疑者(51)は、販売履歴から2月に都内の量販店で2本の包丁を購入したとみられていますが、その後の店などへの取材で、この2本は柳刃包丁で価格は合わせて3万円近くする高価なものだったことが分かりました。1本は柄が木製で、もう1本は柄も金属で刃と一体になったタイプでした。
また、リュックサックに残された2本の包丁も新しいものだったということです。警察は岩崎容疑者がつくりのしっかりした頑丈な刃物を選んで購入し、周到に準備していた疑いもあるとみて裏付けの捜査を進めています。
・見えない動機 川崎殺傷 「珍しいほど物証出ない」(東京新聞 朝刊 2019年6月2日)
※川崎市多摩区で私立カリタス小の児童と保護者が殺傷された事件で、一日も多くの人が現場を訪れ、手を合わせた。神奈川県警の捜査では、事件直後に首を切って自殺した岩崎隆一容疑者(51)の動機の解明が難航している。県警は多数の人を狙った計画的犯行とみているが、自宅の捜索で動機につながる物は見つからなかった。長期間引きこもりがちだったという生活実態もつかめていない。 (土屋晴康)
県警は事件翌日の五月二十九日、同市麻生区の岩崎容疑者宅を捜索した。居室にあったのは、犯行に使った包丁が入っていたとみられる四つの空き箱、海外の殺人事件を扱った古い雑誌二冊、ノート、テレビ、ゲーム機など。
包丁二本は、二月に東京都町田市の量販店で購入した可能性が高く、県警は三カ月以上前から準備していたとみている。だが、動機につながる痕跡が残っていることの多いパソコンやスマートフォンは発見されず、所持していなかったとみられる。ノートにも犯行をうかがわせる記述はなかった。捜査幹部は「これほど何も出てこないのは珍しい」と漏らす。
近所の人らによると、岩崎容疑者は幼少時から、八十代の伯父夫婦と暮らしていた。小中学校の同級生の多くが「印象が薄かった」と語る。一方で、中学三年当時の担任の男性(79)は「落ち着きがない子という印象」と振り返り、小学校の同級生の女性(51)も「他の男子に理由もなく突っかかったり、授業中にふらふらと校庭に出て行ったりしたこともあった」と話した。
最近の生活の様子も判然としない。伯父夫婦が介護サービスを受けるに当たり、親族から何度も相談を受けた川崎市は「長期間働いておらず、引きこもりがち」「家族とコミュニケーションが取れていない」と聞いたと明かした。親族は、第三者が家に入ることへの岩崎容疑者の反応を心配していたという。
市の説明では、伯父夫婦は食事を作って冷蔵庫に入れ、小遣いも渡していた。犯行時、岩崎容疑者のジーンズのポケットには、現金約十万円が入っていた。
県警は岩崎容疑者の交友関係などを調べているものの、親族以外に関わりがあった人物は見つかっていない。カリタス小とのつながりも不明なままだ。捜査幹部の一人は「犯人が死亡した他の事件でも、ここまで手がかりが少ない事件はないのでは」と語った。
・川崎殺傷、容疑者 自殺決意し襲撃? 被害者20人に(日本経済新聞朝刊 2019/6/2付)
※川崎市多摩区でスクールバスを待っていた私立カリタス小の児童らが殺傷された事件で、首を包丁で刺して自殺した岩崎隆一容疑者(51)にためらい傷がなかったことが1日、捜査関係者への取材で分かった。襲撃時に持っていた包丁4本のうち2本は2月に購入したとみられることも判明した。神奈川県警は3カ月以上前から計画し、襲撃後の自殺も決意して事件を起こしたとみて調べている。
県警は5月31日深夜、カリタス小の女児1人の軽傷が新たに判明したと明らかにし、殺害された2人を含めて被害は計20人となった。
司法解剖の結果、同容疑者は2本の包丁で首の側面を深く刺し、そのまま横に切っていた。死因は出血性ショックだった。
・川崎20人殺傷事件 襲撃犯「孤独の40年間」の行動(NEWSポストセブン 2019/06/03 07:00)
※スクールバスを待つ小学生に次々に襲いかかり、両手に持った刺身包丁で20人を殺傷した凶悪犯、岩崎隆一(51)。彼をめぐる報道を見ていると、違和感が拭えない。なぜ、中学時代の写真しかなく、それ以降の足取りが一向に掴めないのか。40年にもわたる孤独の深淵に迫った。
事件の発生直後、現場に向かった本誌記者は、岩崎容疑者の自宅の電話番号を入手。事件発生から約3時間後、記者は電話をかけた。
──岩崎さんのお宅ですか。
「……うん」
年配の男性が応対した。岩崎容疑者の父親かと思った記者は、こう聞いた。
──こちらに隆一さんという息子さんはいますか?
「……いるような、いないような」
──警察から連絡は?
「警察? 今、来ていますよ」
──事件についてですが。
「事件についてっていうけど、事件のことなんて何もわかりませんよ」
──事件の前は自宅にいたのでしょうか。
「ほとんどいません、今はいない」
──ご一緒には暮らしてなかったんですか。
「暮らしてるっていうものじゃないですね」
──どういう関係ですか?
「何だろう。いいじゃないですか、どういう関係でも」
その後、記者の話を断ち切るように電話は切れた。父親と思われた年配の男性から聞こえてくるのは、岩崎容疑者との“近くて遠い距離”を窺わせる言葉ばかりだった。近所に住む50代男性の証言がそれを裏付ける。
「隆一は僕の5歳年下で、昔は遊んだこともあります。その頃は隆ちゃんと呼んでいて、大人しい子でした」
男性は続けて、地元ではそれなりの名士だという岩崎家の事情を明かした。
「今あそこに隆一と住んでいるのは、彼の伯父伯母にあたる夫婦です。あの家は50年以上前からあって、このあたりではかなり古いほう。以前は隆一の祖父母と伯父伯母、その子供たちで住んでいた。隆一は別の場所で両親と住んでいましたが、隆一のおばあちゃんが一家について絶大な力を持つ厳しい人で、隆一のお母さんと折り合いが悪く、やがて両親は離婚することになった。おばあちゃんは、僕らが野球してて家にボールが入ったら怒鳴り散らされたり、このあたりでは恐れられていた存在でした」
その後、岩崎容疑者はこんな境遇に置かれたという。
「隆一は、父親でも母親でもなく伯父夫婦が預かることになった。伯父夫婦には、実子として隆一のいとこにあたる姉弟がいて、端から見たら三兄弟のように見えるけど、伯父さんたちは『預かって育てている子だ』と近所の人間にもはっきりと言っていました。(子供時代の)僕の目から見ても、隆一よりその姉弟のほうが大事にされているようには感じていて、とくにお姉さんは地元の小学校じゃなく、たしかカリタス小学校に通っていたはずです」(同前)
奇しくも岩崎容疑者が襲ったのが、カリタス小学校の児童たちだった。警察は、計画的な犯行だったと見ている。何らかの因果関係があるのだろうか。
◆身元確認を拒否
一方、彼が通っていた地元の小学校時代の同級生は、当時の印象をこう語る。
「低学年の時に一度だけクラスが同じでしたが、あまり良い身なりをしていなかったので、家庭環境がよくないのかなと思っていた。授業中にツバを吐いたり、落ち着きのない子供だった印象があります」
ところが、小中学校の同級生に取材をしても、どんな少年だったかを覚えている人物はほとんどいない。
「中学の時に一度同級生になった記憶はあるんですが、名前だけで全く覚えがないんですよ。同級生でグループLINEをやっているんですが、今回の件で『誰か詳しい人いる?』って聞いても、みんなよく知らないって言うんですよ。“誰々と親しかった”くらいの話が出てきてもおかしくないのに、それすらない」
中学を卒業してからの彼の姿は、いよいよ目撃情報がなくなる。だからメディアに出てくる彼の肖像は、いまだに中学の卒業アルバムのままだ。幼少期をともに過ごした近所の男性の記憶も、ここで途絶えている。
「小学校中学校以降のことは覚えてないんです。見ていない時期があって、ここに戻ってきたのは最近だったと思う。伯父さん夫婦の実子の姉弟はもう家を出ていて、ときどきは帰っているようだけど、今あそこに住んでいるのは伯父さん夫婦と隆一だけです。夜にどこかに出かけている様子はあったから、夜勤かなにかしているのかと思っていた。ただ、隆一だとは分かっても、見かけても声をかけたりはしないから何をやっているか聞いたことはありません」
多くの近隣住民が、昼間は出歩いているのを見ることはなく、見かけるとしたら夜だったと口を揃える。隣に住む40代の女性は、岩崎容疑者との間に“近隣トラブル”があったという。
「去年の夏頃、朝6時ぐらいにいきなりピンポンピンポンと玄関のチャイムが鳴って、夫が出たら“その人”がいて、『お宅に植えてある木の枝が伸びて、葉っぱが目に当たる』ってすごい剣幕で一方的に怒鳴りつけてきたんです。30分くらい口論になった。その件をご近所に話したら、みんな“その人”とは距離を置いているというから、うちもそうしようと」
だが、容疑者との関係に突如として変化が起きた。
「事件当日の朝です。ふだんは夜中しか出かけないはずなのに、朝7時頃表に出てきて、向こうから『おはようございます』と挨拶してきた。思わず挨拶を返しましたが、初めてだからおかしいなと思ってたんです。その後にニュースで登戸の事件を見たときは、『もしや』って。格好は黒いズボンに黒いポロシャツ、黒いリュックに黒いメガネでした」
同じく近所に住む、70代の女性も、事件直前の岩崎容疑者の姿を目撃している。
「たまたま3日ほど前に隆ちゃんを見かけたのよ。両手に買い物袋を持って、リュックを背負って、うつむき加減にこの前を通り過ぎていった。挨拶もしないけど、あら隆ちゃんだって思っていた。それがこんな事件を起こすなんて……」
容疑者自身だけでなく、伯父夫婦も、近所との交流はほとんどないようだった。家の中での様子の一端が明らかになったのは、川崎市役所が開いた会見だった。
「(伯父夫婦から)高齢なので訪問介護サービスを受けたいが、長期間就労していなくて引きこもり傾向にある家族がいるので、そこに外部の人が入るのは大丈夫かと心配する相談があった。一緒にいながらなかなか会話がないという話だった」
今年1月、伯父夫婦が岩崎容疑者の意思を確認する手紙を部屋の前に置いたところ、口頭で「自分のことはちゃんとやっている。引きこもりとは何だ」と言われたという。それを受けて伯父夫婦は「しばらく(岩崎容疑者の)様子を見たい」という意向を市の職員に示した。
社会との最後の接点だった伯父夫婦を残して、岩崎容疑者は凶行に及び、自ら命を絶った。伯父夫婦は警察の取り調べには応じたが、遺体の身元確認は拒否したという。このまま引き取りも拒否すれば、無縁仏として葬送されることになる。
岩崎容疑者の近くにいた人物でさえその人生の大半を知らない。凶行に至った動機はおろか、“引きこもり”状態になった原因さえもわからなければ、事件の全容解明は進まない。岩崎容疑者が40年にわたって抱えてきた孤独の闇は、あまりにも深かった。
※週刊ポスト2019年6月14日号
・川崎殺傷、事件4日前に現場下見か(共同通信 2019/6/3 09:28 (JST))
※川崎の20人殺傷事件で、自殺した容疑者とみられる男が事件4日前の5月24日朝、現場付近や駅の防犯カメラに写っていたことが3日、捜査関係者への取材で分かった。
・川崎殺傷容疑者 同居の伯父らと1月以降会わず 捜査員「本当に存在したのか」(毎日新聞 2019/06/03 19:16)
※川崎市多摩区でスクールバスを待っていた私立カリタス小学校の児童らが襲われて20人が死傷した事件で、自殺した岩崎隆一容疑者(51)と同居していた伯父らは神奈川県警に対し、容疑者と顔を合わせたのは今年1月が最後と説明している。捜査関係者によると、岩崎容疑者には別の親族の遺産が入り、生活費はあったとみられるが、周囲との交流は避けていた。事件発生から4日で1週間。容疑者の人物像は浮かんでこない。
岩崎容疑者は幼い頃に両親が離婚し、伯父や伯母らに引き取られた。ただ、最近までの長期間、自宅にこもって外部との接触を避けていた。1月には80代後半になった伯父らが今後を心配し、容疑者の部屋の前に手紙を置き、生活を変えるよう促した。数日後、岩崎容疑者は「食事も洗濯も自分でやっている。引きこもりとは何だ」と口頭で反論したという。その翌月の2月、岩崎容疑者は事件で使う柳刃包丁2本を購入したとみられる。
事件は計画的だった疑いが強い。事件に使う2本の他に別の包丁2本も所持し、手から滑り落ちるのを避けるためか手袋まで用意していた。事件4日前の5月24日朝には、岩崎容疑者と年齢や背格好が似た人物の姿が、自宅最寄りの小田急読売ランド前駅や3駅先の現場近くの登戸駅、現場周辺の防犯カメラ映像に記録されていた。これが岩崎容疑者なら、下見に来ていたことになる。
なぜ児童らを狙ったのか。複数の親戚がカリタス小に過去に通っていたという情報もあるが、動機は不明だ。県警は岩崎容疑者の自宅居室の捜索でノートや漫画、雑誌、包丁の箱4個など数十点を押収した。ノートには「正」の字が羅列してある不可解な部分などがあり、事件を示唆する記述などはなかった。海外の殺人事件を特集した雑誌2冊があったものの、10年ほど前の発行で、県警は動機に直結するものではないとみている。
居室にテレビはあったが、パソコンやスマートフォンはなかった。捜査幹部は「容疑者の人柄が全く見えてこない。本当に存在したのかと思うくらいだ」と話す。県警は難しい捜査に直面している。
・《川崎殺傷事件》容疑者の孤独な生活と、“地雷”となった伯父夫婦からの手紙(週刊女性PRIME 2019/06/04 05:00)
※「彼は叫び声を上げるでもなく、怒鳴り散らしているわけでもなく、無言でした。だから子どもたちは気づかなかった。子どもたちは、犯人を背にしスクールバスのバス停を見ているから、後ろから走りながら切りつけてきている犯人が視界に入っていない。“キャー”とか“痛い”と聞こえて、(子どもたちは)それぞれ初めて後ろを振り向いた」
私立カリタス学園の倭文覚教頭は、事件発生時に見た光景をそう振り返る。
首から大量の血を流していた
60代の男性は、直後、
「『通り魔だ!』という叫び声を聞きました。見てみると、子どもが数人倒れていました」
事件現場近くに住む70代の男性は、
「“ギャー”という聞いたことがない悲鳴が聞こえてきた。路上に子どもたちが倒れていました。時刻は7時45分くらいだったと思います」
5月28日午前7時40分ごろ、川崎市多摩区登戸新町の路上で、スクールバスを待っていた私立カリタス小の児童ら20人が殺傷される事件が起きた。
「小学校1~3年生までは必ずスクールバスで通います」(20代の同校OG)という現場は修羅場と化し、多くの目撃者は、怖がる子どもたちの表情、悲鳴を上げている子、途方に暮れて立ち尽くす大人たち、「お母さん頑張れ」という声、お腹を刺されている女の子、“お母さん”と助けを求める子、担架で運ばれる女の子の手をずっと握っている女の人……をなすすべもなく見ていた。そんな中に、犯行後に自殺した岩崎隆一容疑者(51)の姿も目撃されていた。
「バス停の前で倒れていました。丸刈りの頭で、黒のTシャツを着ていて、両手には何も持っていませんでした。首から大量の血を流していて、時折、頭が動いていました」(前出・70代男性)
岩崎容疑者は事件現場から直線距離で約4キロ、小田急線読売ランド前駅から徒歩で約15分に位置する築約60年の木造住宅に、80代になる伯父夫婦と3人で暮らしていた。
事件の数日前に岩崎容疑者を見かけたという近隣住民は、
「両手に買い物のビニール袋をぶら下げて帰宅するところを見ました。髪は白髪まじりで、長くて耳までありました」
と証言する。
岩崎容疑者と同年代の近隣住民は、
「両親が離婚したため、小学校入学前に父親の兄の家に預けられた。伯父夫婦と伯父夫婦の長女(容疑者より4歳ほど年上とみられる)と長男(同じく3歳ほど年上とみられる)と一緒に住んでいました」
と家族関係を説明し、
「上級生と走り回ったり、野球をしたりしましたが、体力的についてこられないと、泣きはしなかったけどひとりで家に帰ったり、家の前でポツンと座っていたりしましたね」
と振り返る。親に捨てられ、親戚に預けられた少年は、近くの公立学校に通っていたが、同居するいとこは名門私立カリタス小に通っていた。格差がすでに、岩崎容疑者に巣くっていたのだ。
・川崎殺傷、重傷4人に 新たに女児1人が判明(共同通信 2019/06/07 18:26)
※川崎市多摩区でスクールバスを待っていた私立カリタス小の児童ら20人が殺傷された事件で、神奈川県警は7日、負傷した18人のうち、新たに女児1人が重傷だったと明らかにした。重傷者は保護者の女性(45)と女児3人の計4人となった。
事件は5月28日午前7時40分ごろ発生。岩崎隆一容疑者(51)が両手に持った包丁で児童らを次々に襲い、保護者の外務省職員小山智史さん(39)とカリタス小6年栗林華子さん(11)が死亡、女性と6~12歳の児童17人が重軽傷を負った。岩崎容疑者は現場で自殺を図り死亡した。
・川崎20人殺傷事件から2週間 孤立した生活 残る多くの謎(産経デジタル 2019/06/11 19:50)
※川崎市多摩区でスクールバスを待つ私立カリタス小学校の児童ら20人が殺傷された事件から11日で2週間が経過したが、今も現場を献花に訪れる人は絶えず、カリタス学園の卒業生らはやりきれない思いを口にする。「何の罪もない子供たちがどうして」-。児童らを襲った岩崎隆一容疑者は、自ら首を切って命を絶ったため、動機は明らかになっておらず、いまだに事件には謎が多く残る。
きちょうめんな性格
学園の卒業生は「みんな母校愛が強くて、『学校のために何かできることがあれば』と動いている。母校がこんな形で有名になるのは悲しい」とやりきれない思いを吐露した。
現場には亡くなった同小6年の栗林華子さんの同級生が書いたとみられる手紙があり、幼い字で「ずっと同じクラスで楽しかったよ。大好きだよ、お空で見守っててね」と書かれていたという。
事件を起こした岩崎容疑者は同市麻生区の一軒家に伯父夫婦と3人で暮らしていた。事件後、県警は岩崎容疑者の自室と、共同で使っていた台所や風呂など、伯父夫婦の部屋以外は全て家宅捜索。自室からはテレビ、ゲーム機、漫画、雑誌などが発見されたものの、スマートフォンやパソコンなどのインターネット機器は見つからなかった。自宅にはネット環境もない。
押収したリングノート2冊にも、犯行の動機につながる手がかりのような記述はなかったという。ノートには「雑学のような話を3、4行書いて四角で囲って、同じ様なものを隣に書いてを繰り返し、升目みたいに四角がつらつらと並んで、1ページをきれいに埋め尽くしていた」(捜査関係者)といい、捜査幹部は「きちょうめんな性格だったようだ」と指摘している。
10万円の出所も不明
自室には、懇意にしていた店のポイントカードや知り合いの名刺などもなく、最近の岩崎容疑者をよく知るという人物は見つかっていない。また、犯行時にポケットに入れていた約10万円の出所が分からないなど、謎も多い。
同居する伯父夫婦とも直接の接点は少なく、「食事は作ってもらっていて、冷蔵庫に入れてもらったものを1人で食べていたようだ」と捜査関係者は語る。
いまだに動機はつかめない一方で、事件直後に市は、高齢で介護が必要になった伯父夫婦が岩崎容疑者の将来を案じ、今年1月に市のアドバイスで手紙を書くと、岩崎容疑者からは、心配には及ばないといった意味で「自分はひきもりではない」という趣旨の返答があったと明らかにした。1月以降、岩崎容疑者と伯父夫婦が顔を合わせることはなかったとみられる。
2人は岩崎容疑者の遺体の写真を見た際、「髪がこんなに短いとは思えないので、別人かもしれない」と話したという。捜査関係者は「伯父夫婦の訪問介護が家に入ることで、これまでの自分の生活が大きく変わってしまうことに絶望を感じた可能性はある。これが事件を引き起こす一因となったのかもしれない」と推測している。
・川崎20人殺傷事件で自殺の男を不起訴処分(共同通信 2019年11月8日)
※川崎市多摩区でスクールバスを待っていた小学生ら20人が殺傷された事件で、横浜地検は8日、現場で自殺し、殺人などの疑いで書類送検された岩崎隆一容疑者(51)を容疑者死亡で不起訴処分にした。
・川崎カリタス小殺傷犯の親族が告白「彼の弔いはできない」(NEWSポストセブン 2019年12月29日)
※“51歳ひきこもり男”が川崎市・登戸駅前で私立カリタス小学校の児童と保護者ら20人を殺傷した事件。殺人や殺人未遂などの容疑で書類送検された岩崎隆一容疑者は11月8日、被疑者死亡で不起訴処分となった。
事件直後から注目されたのが、岩崎が小学生時代に両親の離婚後で伯父夫婦の元に引き取られ、伯父夫婦の子供(姉弟)とともに育てられたという環境だった。
岩崎が犯行時まで住んでいた伯父夫婦の家を訪ねると、誰かが暮らしている気配もなくなっていた。近隣住民は「ご夫婦は、介護施設に入られたようです」と語る。
これまで沈黙を続けてきた岩崎の従姉の女性を訪ねると、夫が代わって取材に答えた。
「(岩崎)隆一くんのことは、何回か会っただけで、あまり記憶にはないんです。会えば普通にあいさつはしますが、会話はあまりしていません。
(事件については)何も話はしないようにしている。(妻が)あちらの家の中のことは話したくないようでした。ひとつだけ気になったのは、(岩崎が)ちょっと精神的に弱かったということですね。もしかしたら繊細すぎて、おかしくなったのではないかと思いました」
年の瀬、岩崎の弔いはしたのかと記者が尋ねると、こう語気を強めた。
「それはないです。できないでしょう。亡くなった人のことを考えれば」
岩崎の遺体は誰が引き取ったのか。神奈川県警に尋ねたが「警察が答えるものではありません」(広報県民課)と言うのみだった。
※週刊ポスト2020年1月3・10日号
※ブログ主注:何だろうな?この不可解な事件は・・・起訴もされず遺体も行方不明・・・。やはり殺人の実行犯は他にいて、容疑者はただの身代わり(身分と遺体を提供)なのだろうか。朝に真犯人グループに呼び出された容疑者は、そのまま殺害され、真犯人がバス待ち児童らを襲撃・殺傷。その後、事件現場から少し離れた場所で素早く、犯人と容疑者遺体をすり替え。そのすり替えた犯人は神奈川県警。