・消費税最大26%まで引き上げを=OCED対日報告(REUTERS 2019年4月15日)
※経済協力開発機構(OECD)が15日公表した対日経済審査報告書は、日本経済の人口減少に対して警鐘を鳴らし、プライマリーバランス(財政の基礎的収支)を黒字化するためには消費税率を最大26%まで引き上げる必要があると指摘した。日銀の金融緩和の継続やジェネリック(後発)医薬品の普及による医療費削減、外国人労働者の拡充なども提唱している。
報告書は日本経済について、2050年までに人口が1億人程度まで減少することに伴う高齢化と債務拡大という長期の課題に直面しているとし、財政持続性を担保する具体的な計画を示すべきと指摘。税収拡大の手段として主に消費税が望ましいとしている。
消費税のみにより十分な水準の基礎的財政黒字を確保するためには、税率を20━26%まで引き上げる必要があるとしている。今年10月に予定されている10%への引き上げの影響は、各種対策の効果によって2014年の増税より大きくないとしている。
財政の持続性確保の手段として、社会保険料の改革の必要性を強調。在宅医療の拡充やジェネリック医薬品の利用拡大、環境関連税制の引き上げなどを挙げている。
日銀の金融政策については、費用とリスクを緊密に監視しながら、物価上昇率が持続的に2%の目標を上回るまでの間、金融緩和を持続すべきとしている。日銀の国債保有額が国内総生産(GDP)の85%と、他国と比較して高い水準にある点も指摘している。
金融監督当局について、金融機関に対し、リスク負担が増大している分野におけるリスク管理の改善を促すべきとしている。
日本経済の先行きに関しては、貿易摩擦が企業の先行きを不透明にしており、投資にも影響している点を懸念。日本企業は中国の内需鈍化に対して脆弱、と指摘している。日本経済の民間消費を下支えするためには、基本給上昇率の引き上げが重要と強調している。
また労働力人口が2050まで4分の1減少するとして、外国人労働者を増やすのが非常に重要とも指摘している。
・日本の本当の税率「国民負担率」は42.8% 消費増税で重税国家に
2019年04月19日
http://www.thutmosev.com/archives/79605428.html
※日本の本当の税率は42.8%
消費税は19年10月に8%から10%に増税される予定ですが、先日OECDの報告書で「消費税を26%にするべき」と指摘されました。
実はOECDやIMFのような国際経済機関には自前の国別職員はおらず、日本の財務省職員がOECDの日本担当職員です。
つまり「消費税を26%にするべき」と指摘したのは日本の財務官僚であり、財務省が26%に上げろと言っているのです。
こうして財務官僚は国際公約を作ったり、あたかも国連や国際機関が増税を勧告したように偽装します。
ところで消費税以外の所得税や他の税金を合わせた税率が何パーセントなのか、国民は知らされていない。
国民負担率は税金と公的年金や公的保険などの公的費用が、国民所得に占める割合のことです。
収入のいくらが公的負担に取られているかという数字で、日本は42.8%と所得の4割以上を国に取られていました。
各国の国民負担率はフランスが67%、スウェーデンが59%、アメリカは33%とかなりの差がある。
ドイツは53%、イギリスは47%など、日本政府が挙げる例はだいたい日本より国民負担率が高い。
政府は「世界のほとんどは日本より高い」と言いたいのだが、実際には日本より低い国も多い。
消費税を10%にすると日本の国民負担率は約45%、消費税を26%にすると国民負担率は約61%になります。
働いても働いてもお金が手元に残らないのは、日本政府が賃金の4割以上をかすめ取り、還元していないからです。
税金や年金・保険料で徴収したお金は年金給付金や国の事業で還元されるが、実際にはされていない。
過去の高度成長期に日本の国民負担率は2割前後で、健康保険は自己負担1割で年金は高額で公共事業をバンバンやっていました。
国民は払うお金は今の半分なのに、受け取るお金は2倍以上だったので、空前の好景気になりました。
だがそれは後の世代に負担を回して、自分たちが先に受け取る「後払い方式」の高度成長だったのが分かっています。
ちょうど後払いの支払い時期に当たったわたしたちは、昭和期の人の2倍の税金を払っているのに、半分しか受け取れない。
そこで財務省は消費税を26%にして国民負担率をフランスやスウェーデン並みにしようとしています。
国民には一切相談がなく、国会でも一度も議論しないまま数人の財務官僚が勝手に決めました。
・「財務省主権国家『日本』」という嘘
2018年03月13日
http://wjf-project.info/blog-entry-1584.html
※官僚たちは安倍晋三の言いなりである。
もう既に多くの人たちが論じている事柄ですので、多くは語りませんが、財務省のみならず、国土交通省や、会計検査院までもが、財務省による文書書き換えを認識していながら黙殺していたという異常事態にまで発展しています。
なぜ、日本は、このようなもはや国家の体すらなしていない国になってしまったのか。
原因は、安倍晋三が、第一次安倍政権以来推進し、第二次安倍政権成立後に実現させた、官邸が官僚の幹部人事権を掌握するめの「内閣人事局制度」にあります。
各省庁の幹部人事は、従来、各省庁にまかされていましたが、この官僚人事を、内閣が一元的に掌握する体制に日本を作りかえる目論見に最初に着手したのが、安倍晋三でした。
第一次安倍政権が途中で頓挫したため、「国家公務員制度改革基本法」は、安倍の後を引き継いだ福田内閣が提出するという形となりましたが、「国家公務員制度改革」に最初に着手したのは、安倍晋三です。
2012年の暮れ、安倍晋三が政権の座に復帰したときにも、安倍がさっそく着手したのが、「国家公務員制度改革基本法」に定められていたが、設置されずにきた「内閣人事局」を発足させて、官僚人事を掌握することでした。
2014年に「内閣人事局」が設置され、官僚人事を安倍政権が掌握するようになってから、官僚たちは官邸の意向に全く逆らえなくなりました。
にもかかわらず、「安倍さんは財務省と戦っている」だの、「安倍さんでも財務省の意向に逆らえない」などというデマを流してきたのが、三橋貴明や倉山満のような「インチキな仕立て屋」たちです。
三橋貴明は、昨年の暮れですら、下の様なデタラメを平然とブログ上に書いています。
『さて、ご存知の方が多いでしょうが、総理と会食し、小学館「財務省が日本を滅ぼす 」を進呈。本書の内容について、多いに議論をさせて頂きました。
まずは、2010年の参議院選挙の際に、応援演説をして頂いたことについてお礼申し上げ(今まで機会がなかったので)、その上で和やかに「シビアな話」をさせて頂きました。
内容について、全て書く気はありませんが、重要なポイントだけ申し上げると、
(1) 「財務省が日本を滅ぼす」を書いた三橋との会食を持ちかけたのは両端の方々ですが、「クローズではなく、オープンで」と決めたのは官邸であること(オープンなので、総理動静にも載りました)
(2) 何をやるにしても、全てPB黒字化目標が「壁」となり、何もできない。という現実を、総理は認識していること。
(3) だからと言って、
「総理はPB黒字化目標が問題であることは分かっているんだ。ああ、ならば大丈夫だ」
などと思ってはいけないこと、の三つになります。
特に重要なのは(3)で、総理が真実、PB黒字化目標が問題であることを理解していたとしても、だからと言って現行の緊縮路線が転換されるわけではありません。
財務省主権国家「日本」をなめてはいけません。現在の日本を財政拡大に転換させるのは、たとえわたくしが総理大臣の座にいたとしても無理です。なぜならば、「政治家」「世論」「空気」が緊縮歓迎になってしまっているためです。そのように、財務省のプロパガンダが展開され、多いに成功を収めているのです。』
(出典: 三橋貴明ブログ「安倍晋三内閣総理大臣との会食」2017年12月13日)
何が「財務省主権国家『日本』」ですか。
人事権を安倍が掌握して、官僚たちが首根っこをおさえつけられているのに、「財務省主権」もへったくれもあるはずがありません。
安倍晋三や、安倍昭恵にびくびくして、国有地を破格の値段で売却したり、籠池泰典を口封じのために長期間拘留したままでいたり、公文書を書き換えたり、公文書の書き換えを認識していながら黙殺したりする省庁や官僚たちが、安倍晋三と対立しているわけがないではないですか。
※ブログ主注:実際には安倍と財務省の関係は、国外にいる共通の主人に仕えるグルであろう。
法的権限では安倍(首相)の方が強いのだから、その気になれば財務官僚を抑え込む力があるにもかかわらず、それをせずに黙認している。
それは安倍が財務省の言いなりになっているわけではなく、安倍が命じているわけでもなく、安倍と財務省が、同じ主人の命令に従っているがゆえに、同じ考えだということであろう。
どちらかが上というわけではない。国際秘密力は、中央銀行や財務省などの一国の経済をコントロールする省庁は人脈を通じてダイレクトに支配していると聞く。首相もコントロールされている。ゆえに両者は並列に支配されて操られているのであろう。
・IMFが日本に消費税増税を要求してくる理由
http://rh-guide.com/tokusyu/m/syohizei_imf.html
※IMF(国際通貨基金)は、頻繁に日本の財政に口出しをしてくることに、疑問を持つ人は多いはずです。特に近年は、日本には消費税増税が不可欠だの、早く15%や20%まで税率を引き上げろだのというレポートを出し続けていることが、新聞やテレビで話題になっています。しかし、これは明らかな内政干渉であり、頓珍漢な要求です。財政破綻してIMFの管理下に入った国ならいざ知らず、日本はIMF世話になるどころか、彼らに出資してやっている「親会社」も同然の存在です。
なぜIMFは、国際ルールを犯し、買い主に噛みつくがの如く、日本に消費税増税を要求してくるのでしょうか? 勿論、彼らには裏の意図・利権があり、それに従って提言を行っているに過ぎず、日本の財政再建など見ては居ません。
IMFが日本に消費税増税を強要してくる理由は、彼らが日本の財務省の手先と成り下がっているからです。IMFには、アメリカなど出資する各国から役員クラスが出向していますが、日本の財務官僚も大量に内部に出向しています(毎年50名前後)。そして日本は、IMFの副専務理事(ナンバー2の地位。計4人)の椅子を一つ確保しており、このポストも歴代に渡って日本の財務省の天下り役人が座るのが慣例となっています(*1)。
そしてIMFというのは、実は決して公平中立な機関ではありません。IMFは元々、アメリカが国際社会において米国企業が儲かる事を目的として設立した、営利的な機関です。発展途上国や財政破綻した国(破綻に準ずる国)に対し、外貨を融資する代わりに、その国の財閥解体・経済解放を行わせ、米国企業の進出を後押しするのです。アジア通貨危機時に、韓国やタイやインドネシアなどに行った政策が、まさにその典型です。
ですからIMFは、国連やWHOなどと違い、世界の平和や安定を目指す意図は、全くありません。語弊を恐れずに言えば、IMFは一部の人間が金儲けの為に活用する、完全なる営利団体なのです。そんな機関ですから、日本の財務省が利権の為に利用する事に対しても、内部では特に批判は起こっていないようです。日本国民が消費税増税で滅びようとも、IMFの連中は欧米人ですから、何とも思わないのでしょう。
IMFの内部に懐柔した、財務官僚の自作自演の要求である
つまり、IMFの日本への消費税増税要求は、内部に懐柔した日本の財務官僚が発言させている、自作自演・マッチポンプの報道なのです。この事は、浜田宏一氏や相澤幸悦氏など、著名な経済学者の方が指摘しており、週刊ポストなども報じています(*2)。
日本の政治家が外圧に弱いことや、IMFという国際機関の名を借りれば国民を納得させやすいという、あざとい意図があるのです。そして財務省に媚びを売りたい新聞やテレビなどが、ここぞとばかりにIMFの増税要求を大々的に報じ、国民を洗脳しようとする~これが近年、IMFの消費税増税要求の実体です。
消費税増税は財務官僚が天下り先を増やすために行おうとしているだけの、インチキ政策です。財務官僚は、自分達の利権を拡大するために、国際機関の名を借りて消費税増税の正当性をでっち上げているに過ぎないのです。こんな詐欺行為には耳を傾けず、景気浮揚を続け自然に税収増を目指す事が、日本に最も必要な政策なのです。
*1:このことは、元財務相官僚の高橋洋一氏が指摘しています。
・高橋洋一の自民党ウォッチ IMF「日本の消費税15%が必要」報告 実はこれ財務省の息がかかった数字なのだ(J-CASTニュース 2013年8月8日)
※IMF(国際通貨基金)が日本経済について「予定通り消費税率を10%まで引き上げる増税を実施すべき。景気への影響は無い」とするレポートを発表した、という報道がある。さらに、消費税率を15%へ引き上げるべきとも書かれている。
この報道を読むと、消費税増税も仕方ないのかなと思う人が多いだろう。IMFといえば、有名な国際機関で、英語で書かれたものに弱い日本人は多い。
日本はIMFへの第2位出資国、副専務理事も確保
そのレポートとは、8月5日(2013年)に発表された日本経済の分析や政策提言をまとめた年次審査報告書である。IMFの本拠地であるワシントンで公表されたものだ。
IMFのこうした報告書の作成は、各国政府との協議を経て行われる。筆者も役人時代には、IMFの他にも国際機関が日本に関する報告書を作成するときに、協議に加わったことがある。その場合、国際機関の報告書という体裁をとっているものの、実質的には日本政府の主張である。よくいえば、日本政府と国際機関の共同作業である。いずれにしても、日本政府の意向に反するものが書かれることはまずない。
IMFについていえば、日本は第2位の出資国である。いうなれば大株主である日本政府を無視できるはずがない。さらに、日本は大株主の力を背景にして、IMFのナンバー2である4人いる副専務理事ポストの一つを確保している。このポストは歴代財務省財務官の天下りポストだ。そのほかにも、日本はIMFの理事ポストも持っており、これも財務省からの出向者だ。理事を支えるスタッフとして理事室があるが、その職員も財務省からの出向者が多くいる。
消費税12~16%まで引き上げか
消費税率15%は財務省の意図でもある。東日本大震災直後に、不謹慎にもホップ、ステップ、ジャンプ増税計画がいわれていた。震災増税がホップ、社会保障増税がステップ、そして財政再建増税がジャンプだ。今、とうとうステップの直前まで来ている。ちなみに、民主党野田政権の時に、消費税増税を織り込んだ中期財政試算では、10%まで消費税増税しても2023年度においてもプライマリーバランス対GDP比は、▲0.9~▲2.7%である。この赤字を解消するためには、消費税増税を2~6%しなければいけないというのが、財務省の意向である。つまり消費税率は12~16%まで引き上げるということだ。
政府は8月8日、中期財政計画を閣議了解したが、安倍政権での中期財政試算の詳細なものはまだ公表されていない。漏れ聞く話によると、10%まで消費税増税を織り込んだとしても、まだプライマリーバランス赤字が残るという。どうも、野田政権の中期財政試算とあまり大差はないようだ。アベノミクスの効果が出ているにもかかわらずである。一つのポイントは、安倍政権でも名目成長3%、実質成長2%と野田政権とほぼ同じなのだ。これは、インフレ目標が2%になったことと整合的でない。インフレ目標は消費者物価であるが、名目成長と実質成長の差はGDPデフレータで両者は違うと、財務省筋は必死で反論するが、マイルドインフレ下で両者はほぼ同じである。
IMFの年次審査報告書は財務省の息がかかっているとしても、IMF本体の理事会では、数名の理事が消費税増税が成長に悪影響があるかもしれないとの懸念を表明している。これは、IMFが各国に緊縮財政を求めすぎたことへの反省でもある。ただし、こうした報道はあまりない。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2005年から総務大臣補佐官、06年からは内閣参事官(総理補佐官補)も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「財投改革の経済学」(東洋経済新報社)、「さらば財務省!」(講談社)など。
*2:財務省の息の掛かっていない、亜流な週刊誌ほど、意外と真実が載っているものです。
大新聞は国民の敵だ②《IMF「消費税15%提言」報道に財務省ヤラセ疑惑》これこそ世論誘導ではないのか(週刊ポスト 2010年8月6日号)
消費税増税源からみればまさに「待ってました」と拍手をしたくなるほど絶妙のタイミングである。菅民主党が参院選で惨敗したわすか3日後の7月14日、IMF(国際通貨基金)が日本に対し「消費税15%」を提言するレポートを発表した。表層的には〝外圧〟とも映るこの提言の背後には、財務官僚の怪しい影が躍っている──。
*
件(くだん)のレポートは、日本に対する年次審査報告のこと。
加盟国、そして世界経済の安定のため、IMFのエコノミストが各国を訪問した上で政策への評価や助言をまとめたものだ。今回の報告では、「消費税率を15%に引き上げれば、国内総生産(GDP)比で4~5%の歳入増が生じる」と記されている。さらに、税率アップによって懸念される景気減速についても言及。「当初は、成長率を0・3~0・5%押し下げる」と見ながら、老後のための貯蓄が消費に回り、日本経済への信用度が増すことで海外からの投資が増えるなどの結果、「毎年0・5%ずつ成長率を押し上げる」としている。
このようにIMFが日本の税率アップやその時期についてまで言及するのは初めてのこと。消費税10%を目指す菅政権と財務官僚にとっては自らの主張に、国際機関の 〝お墨付き〟 を得た格好となる。
しかし、この提言について専門家からは疑問の声が上がっている。 埼玉大学経済学部の相澤幸悦教授もそのひとりだ。
「IMFに各国の財政政策を指導する権限があることは事実。しかし、それは財政危機に陥った国などに対して資金支援を行なった場合に限ってのことで、日本に対してこんな指導を出すのはあまりにも不自然です。
日本は支援を受けるどころか、IMFに対する出資比率は、米国に次いで2番目の 〝大スポーンサー〟なんですから」
日本のこれまでの出資総額は2兆円近く。このあまりに不自然な「提言」の正体は、IMFと財務省の近すぎる関係を見れば、おのずと透けて見える。
実は出資金と共に、日本は多くの日本人職員をIMFに送り込んでいる。現在、IMFで働く日本人職員は49人。そのうち10数名が財務省からの出向だ。
『国連幻想』(扶桑社刊)などの著書がある産経新聞ワシントン駐在編集特別委員の古森義久氏が指摘する。
「IMFは、長らく財務官僚の 〝天下り先〟 と化しており、副専務理事の篠原尚之氏をはじめとして日本人が座る重要ポストのほとんどは財務官僚によって占められています。この提言も財務省の意向を十分に反映しているものであることは間違いありません」
篠原副専務理事は、消費税増税積極派として知られ、近く財務次官に就任する勝栄二郎氏と同期入省という間柄。さらに、今回のIMFの年次審査報告の作成には、徳岡喜一氏という財務省からの出向者が名を連ねている。
何のことはない、「消費税15%」提言は、「財務省の別働隊」が関与していたものだったのである。
コロンビア大学経済学部のディビッド・ウェインスタイン教授の視線は冷ややかだ。
「20年前、私は日米構造協議に関わったことがあるが、当時、日本の政府当局者が自分たちの望むような改革をするためにアメリカの〝外圧〟を使おうとして、アメリカ側に内部情報をリークすることはしばしばありました。アメリカが提示する要求の多くは〝メード・イン・カスミガセキ〟だった。今回も財務省がIMFに対して同様のことをしていても、驚くべきことではない」
「消費税」だけをピックアップ
そもそも報告書は、日本の「増税派」の了解の上で出されたものだった。報告書には、今年5月、10日間にわたってIMFの審査チームが東京を訪れた際、野田佳彦副財務相(当時)、古川元久内閣官房副長官らと会談したことが記されている。さらには〈(日本の)当局者たちは結論を共有した〉とも明記されているのである。
財務官僚の意向に合わせ「消費税増税」を導き出したせいか、レポートの内容自体が強引すぎると指摘するのはイエール大学経済学部の浜田宏一教授だ。
「政府の信用状態を正確に把握するには、粗政府債務(資金の借り入れ・保証などの債務)ではなく純政府債務(粗債務から政府が保有する金融資産を差し引いたもの)を見るのが常識です。鈍政府債務であれば日本の借金はGDP比60%以下にもかかわらず、同レポートではわざわざ粗政府債務の数字(日本の借金はGDP比約180%)を用いている。
第二に、レポートは日本円へのソブリンリスク(※)を懸念しているが、国全体で見るとギリシャとは正反対に日本は世界最大の債権国。今の円高を見ればわかるとおり、円に対するマーケットの信任は高く、リスクが高いとは到底いえない。
さらにこれまで金融緩和などの対策を講じていないことに深く言及せず、デフレの危険が伴う消費税増税を求めるのにも無理がある」
さらに浜田氏は、マスコミの報道にも首をかしげる。
「このレポートでは日本の不十分な金融政策などにも触れているのに、なぜか報道では、消費税の部分だけが取り上げられている」
実際に、A4サイズの紙で46枚に及ぶレポートのうち、消費税増税について具体的に触れた部分は3ページほど。にもかかわらず、新聞各紙には、
〈日本に早期増税提言へ〉(朝日7月14日夕刊)
〈IMF「日本、消費増税を」 来年度から段階的に14~22%案提示) (読売15日夕刊)
と「消費増税」の見出しばかりが躍った。
ある大手新聞の政治部記者が、今回の報道の裏事情を明かす。
「朝日は、このレポート発表直前にIMFの関係者に取材してスッパ抜いた。その関係者が消費税の部分のみ漏らしたからなのか、朝日の記者がそこだけに注目したからなのかは定かでないが、記事は消費税増税だけにスポットを当てた。結果、IMFと財務省の筋書き通りになった」
IMFのレポートは、一般の読者から見れば、日本に対する国際機関からの 〝外圧〟 である。ただし、そのシナリオを描いたのは増税に突き進もうとする国内勢カなのだ。
国民を欺く菅政権と財務官僚はもちろんのこと、意図的な情報を批判なく受け入れ、それを垂れ流す大メディアにも大きな責任がある。
※ソブリンリスク/国家の債務不履行(デフォルト)に対する危険性のこと
※ブログ主注:こういう記事もどうであろうか?マスゴミではユダヤや秘密結社やディープステートなどの国際秘密力の政治への関与について公にすることはタブーになっている。
よって世界に生起している現象について、国際秘密力の存在を抜きにした、事実ではない頓珍漢なアクロバットな説明に終始することになる。
この手の記事の場合も、消費税増税の真犯人は日本の財務省であり、天下り先確保のために、IMFの権威を迂回して利用しているだけだ、という説明だが、本当にそうなのだろうか?
そもそもIMFが、アメリカの、というより、アメリカを支配し操っている国際秘密力の作った私的機関なのだから、むしろ記事とは逆に、つまり生起していることそのまま、消費税増税要求はIMF=国際秘密力の要求と考えるべきであろう。
つまり、あたかも裏事情があるように見せて(中途半端な陰謀論者はこの手のやり口に弱い。中途半端に疑い深い人は、一段捻って情報を与えてやると、猜疑心が満たされてそれを真実であると信じ込んでしまう)、実は財務省こそが、国際秘密力の身代わりの隠れ蓑(マスゴミによる公式説明=国際秘密力が大衆に「このように解釈せよ」と望む世界解釈)にされているのである(実は裏の裏がある。多段構え)。もちろん財務省がそれに文句を言わないのは、財務省自体が国際秘密力の配下だからであろう。
つまり
1、「IMF→財務省」(大手マスゴミ)
2、「財務省→IMF→財務省」(週刊誌などの中小マスゴミ。ただし実際にはこれらもオルタナティブメディアではない。)
3、「(国際秘密力)→IMF→財務省」(真相)
消費財増税の真の目的は、もちろん日本国家の財政再建などではなく、日本人を貧困化させて内需を縮小させ日本経済を壊滅させることと、それにより不況克服を口実とした新自由主義の構造改革のスパイラル(不況→構造改革→さらに不況→さらに構造改革→繰り返し)にはめることと、法人税を下げ、国民を守るための規制の破壊を行い、移民を推進し、拝金主義(資本の論理、金もうけ優先)によりあらゆる伝統・文化・倫理道徳を破壊し、日本人の財産を多国籍企業≒国際金融資本が奪い、無産化=共産主義体制およびワンワールド体制に近づけることであろう。
・国際機関が「日本は消費税26%必要」発表の大ウソ。黒幕は財務省(MAG2NEWS 2019年5月6日)
※去る4月、経済協力開発機構(OECD)が「日本の財政健全化のためには、消費税を最大26%まで引き上げる必要がある」と勧告しました。これを「財務省の策略だ」と指摘するのは、元国税調査官の大村大次郎さん。大村さんは、財務省の影響力が強いOECDの実態を暴き、例の勧告において欧米の間接税と税率のみを比較する姑息さに「騙されてはならない」と警戒を呼びかけています。
日本の消費税の増税を欧米諸国はどう見ているのか?
4月15日に配信されたロイター通信の記事に、以下のようなものがありました。それをまず読んでみてください。
消費税最大26%まで引き上げを=OECD対日報告 経済協力開発機構(OECD)が15日公表した対日経済審査報告書は、日本経済の人口減少に対して警鐘を鳴らし、プライマリーバランス(財政の基礎的収支)を黒字化するためには消費税率を最大26%まで引き上げる必要があると指摘した。
同日都内の日本記者クラブで会見したグリア事務総長は「消費税率の10%への引き上げは不可欠」と指摘し、その後も「徐々に税率を引き上げることが財政改善につながる」と強調した。報告書は日本経済について、2050年までに人口が1億人程度まで減少することに伴う高齢化と債務拡大という長期の課題に直面しているとし、財政持続性を担保する具体的な計画を示すべきと指摘。税収拡大の手段として主に消費税が望ましいとしている。
消費税のみにより十分な水準の基礎的財政黒字を確保するためには、税率を20-26%まで引き上げる必要があるとしている。今年10月に予定されている10%への引き上げの影響は、各種対策の効果によって2014年の増税より大きくないとしている。(4月15日配信 ロイター通信)
このOECDの勧告というのは、「国際世論」などでは決してありません。OECDは、これまでも何度か日本に対し消費税引き上げの勧告をしています。何も知らない方は、これを見ると「やはり日本は消費税を上げるべきなのだろう」と思うでしょう。しかし、騙されてはなりません。これは日本の財務省の常とう手段なのです。 OECDは一応、国際機関です。しかし、日本の財務省はOECDに対し、強い影響力を持っています。日本のOECDへの拠出金がアメリカに次いで第2位です。そして、OECD内の事務方トップであるOECD事務次長には、日本の財務省出身の河野正道氏が就任しているのです。またOECDの要職には、日本人がたくさん就いています。
本来、国際機関が日本の消費税などにそれほど強い関心を持つことはありません。というより、国際機関が一国の税制に口出すことなどは、普通はできないはずなのです。そういうことをすれば、普通の独立国の政府であれば、猛反発するはずです。が、日本政府は反発するどころか、それを錦の御旗のようにして、消費税増税の根拠としようとしています。
なぜOECDが日本に勧告をしたのかというと、日本の財務省がOECDに働きかけて、日本に勧告を出させたからなのです。つまり、財務省は日本国内の不満を抑えるために「国際機関から勧告があった」という形をとろうとしたのです。
そして、このOECDの勧告では必ず、ヨーロッパ諸国の間接税と比較されます。日本の消費税はヨーロッパ諸国に比べて低いという結論に持っていこうとするのです。
が、ヨーロッパ諸国は、低所得者に対して、所得補助や住宅補助などの手厚い支援を行った上で、消費税を課しているのです。そういう支援がまったく充実していない日本に、消費税だけを導入しようとするのは、無理な話なのです。
そういう「総合的な検討」がまったくなされずに、ただただ消費税を引き上げろというのは、非常に乱暴な話です。本来、国際機関がこんな暴論を押し付けてくるはずは絶対にないのです。
では、欧米諸国は実際に、日本の消費税増税のことをどう思っているのでしょうか?
まあ、欧米諸国はどこも日本の消費税などにそれほど関心は持っていません。が、アメリカの新聞が今月初めに日本の消費税についての記事を書いていますので、それをご紹介しましょう。
4月5日付のアメリカの大手新聞であるウォールストリート・ジャーナルは、日本で10月に予定される消費税率引き上げについて「安倍晋三首相は増税によって、景気を悪化させようと決心しているように見える」と揶揄する社説を掲載しました。
この社説では、「現在の日本の経済指標はさえない内容」「日本経済は中国や欧州など世界経済の減速の影響を受けやすい」と指摘しています。またアベノミクスの「第3の矢」とされる成長戦略は「全く始まっていない(効果が見られない)」と断じています。そのため安倍氏にとって「増税は自傷行為になろう」と皮肉ったのです。
ウォール・ストリートジャーナルは、もちろん日本の資本などは入っていませんし、日本の思惑などはまったく気にすることなく、自由に発言できる立場にいます。そして、アメリカを代表する報道機関でもあります。
このウォール・ストリートジャーナルの社説こそ、欧米諸国が日本の消費税に対して感じている本音にもっとも近いものだと思われます。
・元国税が暴く「ヨーロッパに比べ日本の消費税はまだ安い」の大嘘(MAG2NEWS 2019年5月20日)
※元国税調査官の大村大次郎さんが、「ヨーロッパの先進国に比べれば日本の消費税はまだ全然安い」という消費増税推進派が用いる言説について、欧州の手厚い低所得層保護の政策や幅広い軽減税率等を解説し、その嘘を暴きます。
ヨーロッパ諸国の間接税と日本の消費税はまったく違う
「ヨーロッパの先進国に比べれば日本の消費税はまだ全然安い」消費税推進派の人たちは、よくこう言います。というより、このことを最大の武器にしてきました。
が、ヨーロッパの先進国の消費税と、日本の消費税というのは、その中身がまったく違います。同じように間接税ではありますが、両者はまるで違うものなのです。
消費税の最大の欠点というのは、このメルマガでも何度もご紹介しましたように、「低所得者ほど負担が大きくなる」ということです。年収200万円の人は、年収のほとんどを消費に使うので、年収に対する消費税の負担割合は、限りなく8%に近くなります。
一方、年収1億円の人はそのすべてを消費に回すことはあまりありません。2割を消費に回すだけで十分に豊かな生活ができます。2000万円の消費に対する消費税は160万円です。
そうすると年収1億円に対する消費税の負担割合は、1.6%に過ぎません。つまり、年収200万円の人からは年収の8%を徴収し、年収1億円の人からは年収の1.6%しか徴収しないのが、消費税なのです。このように間接税というのは、低所得者ほど打撃が大きいのです。
ヨーロッパ諸国の低所得者への手厚い支援
ヨーロッパの先進国は、間接税の税率は高いですが、低所得者に対する配慮が行き届いています。ヨーロッパでは、低所得者に対して様々な補助制度があります。
イギリスでは生活保護を含めた低所得者の支援額はGDPの4%程度です。フランス、ドイツも2%程度あります。が、日本では0.4%程度なのです。当然、低所得者の生活状況はまったく違ってきます。
日本では、低所得者の所得援助というと「生活保護」くらいしかありません。しかも、その生活保護のハードルが高く、本当に生活に困っている人でもなかなか受けられるものではありません。
日本では、生活保護基準以下で暮らしている人たちのうちで、実際に生活保護を受けている人がどのくらいいるかという「生活保護捕捉率」は、だいたい20~30%程度とされています。
生活保護というと不正受給ばかりが取り沙汰されますが、本当は「生活保護の不受給」の方がはるかに大きな問題なのです。イギリス、フランス、ドイツなどの先進国では、要保護世帯の70~80%が所得支援を受けているとされています。
欧米の先進国では、片親の家庭が、現金給付、食費補助、住宅給付、健康保険給付、給食給付などを受けられる制度が普通にあります。また失業者のいる家庭には、失業扶助制度というものがあり、失業保険が切れた人や、失業保険に加入していなかった人の生活費が補助されるのです。この制度は、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、スウェーデンなどが採用しています。
たとえばドイツでは、失業手当と生活保護が連動しており、失業手当をもらえる期間は最長18か月だけれど、もしそれでも職が見つからなければ、社会扶助(生活保護のようなもの)が受けられるようになっているのです。
他の先進諸国でも、失業手当の支給が切れてもなお職が得られない者は、失業手当とは切り離した政府からの給付が受けられるような制度を持っています。
また貧困老人に対するケアも充実しています。たとえばドイツでは年金額が低い(もしくはもらえない)老人に対しては、社会扶助という形でケアされることになっています。
フランスでも、年金がもらえないような高齢者には、平均賃金の3割の所得を保障する制度があり、イギリスにも同様の制度があります。
さらに住宅支援も充実しています。フランスでは全世帯の23%が国から住宅の補助を受けています。その額は、1兆8千億円です。またイギリスでも全世帯の18%が住宅補助を受けています。その額、2兆6千億円です。 日本では、住宅支援は公営住宅くらいしかなく、その数も全世帯の4%に過ぎません。支出される国の費用は、わずか2000~3000億円程度です。先進諸国の1~2割に過ぎないのです。
またヨーロッパ諸国では、軽減税率も細やかな配慮があります。日本でも、今回2019年10月の増税からは、軽減税率が適用されることになっています。が、軽減税率と言っても8%に据え置かれるだけですから、たった2%の軽減しかないのです。
一方、イギリス、フランスなどでは、軽減税率が細かく設定され、食料品や生活必需品は極端に税率が低いなどの配慮がされています。イギリス、フランスの付加価値税の軽減税率は次の通りです。
●イギリスの付加価値税の税率
・標準税率20%
・軽減税率5% 家庭用燃料・電力の供給、高齢者・低所得者を対象とした暖房設備防犯用品等、チャイルドシート、避妊用品など
・軽減税率0% 食料品(贅沢品以外)、上下水道、出版物(書籍・新聞・雑誌)、運賃、処方に基づく医薬品、医療用品、 子ども用の衣料・靴、女性用衛生用品など
●フランスの付加価値税の税率
・標準税率20%
・軽減税率10% 惣菜、レストランの食事、宿泊費、旅費、博物館などの入場料
・軽減税率5.5% 水、非アルコール飲料、食品(菓子、チョコレート、マーガリン、キャビアを除く)、書籍、演劇やコンサート料金、映画館入場料
・軽減税率2.1% 演劇やコンサートの初演(140回目まで)、処方のある医薬品、雑誌や新聞
・非課税 医療、学校教育、印紙や郵便切手
このように、ヨーロッパ諸国は低所得者に手厚い配慮をした上での「高い消費税」なのです。が、日本では低所得者の配慮などほとんど行わないまま、消費税だけをガンガン上げていこうとしているのです。 最近、国際機関から「日本の貧困率、貧富の格差は先進国で最悪のレベル」という発表が時々されます。それは、こういう日本の政治のお粗末さが数としてはっきり表れているのです。
少子高齢化も政治のお粗末さが原因
「日本の場合は深刻な少子高齢化社会になっているので、イギリス、フランス、ドイツなどとは状況が違う」と思っている人もいるでしょう。 が、実は少子化という現象は、日本だけのものではありません。むしろ、欧米の方が先に少子化になっていたのです。日本の少子化というのは1970年代後半から始まりました。一方、欧米では1970年代前半から少子化が始まっていました。
そして1975年くらいまでは、欧米の方が日本よりも出生率は低かったのです。つまり、40年以上前から少子高齢化というのは、先進国共通の悩みだったのです。
が、この40年の間、欧米諸国は子育て環境を整えることなどで、少子化の進行を食い止めてきました。1970年代の出生率のレベルを維持してきたのです。だから、日本ほど深刻な少子高齢化にはなっていません。
一方、日本では、待機児童問題が20年以上も解決されないなど、少子化対策をまったくおざなりにしてきました。そのために、1970年代から出生率はどんどん下がり続け、現在、深刻な少子高齢化社会となっているのです。これを見ても、日本の政治がいかに愚かかわかるはずです。 日本はこの40年の間に、莫大な財政赤字を貯め込んでいます。そのお金は何に使われたのかというと、本州と四国の間に3本も橋を架けたり、各都道府県に空港を作ったり、新幹線を各地に張り巡らしたりしていたわけです。
こういう愚かな日本の政治状況を、何の改革もせずに、ただただ消費税を上げるだけでは、日本は完全に壊れてしまうはずです。
・消費増税の「ヤバい真実」…40人のエコノミストが明かす衝撃の中身(現代ビジネス 2019年6月1日)
※5月21日、衆議院会館である会合が開かれ、20人ほどのエコノミストが集った。彼らから次々と発せられたのは「消費増税すべきでない」数々の理由だ。
この会合の呼びかけ人は日本銀行副総裁としてアベノミクスを支えた岩田規久男氏と、昨年まで安倍首相のブレーンとして内閣官房参与を務めていた京都大学教授の藤井聡氏である。呼びかけに応じて「増税反対」の声明を出したエコノミストは40人。冒頭の言葉はそこで寄せられた意見の一部だ。そこで出されたエコノミストたちの意見に耳を傾けると、消費増税が日本経済にもたらす危険性について考えさせられるものがある。
デフレ脱却が「不可能になる」
安倍政権の看板政策「アベノミクス」。その最大の目的は「デフレからの脱却」であった。日本銀行は2%の物価安定目標というインフレターゲットを設定し、「異次元の金融緩和」を実践してきたが、6年経ってもデフレ脱却は実現していない。日銀時代に異次元の緩和を主導した岩田規久男氏は「日本経済の最大の問題はデフレ完全脱却である」とした上で、「大規模な金融緩和により進んでいた脱デフレの動きが止まったのは14年の消費増税による消費低迷だ」と指摘した。
さらに、「その低迷し続ける消費を19年10月にさらに消費増税により弱体化させれば、デフレ脱却は不可能になる」とまで断じ、「政府がやるべきことは、消費を活性化させ、内需主導型成長軌道に乗せることだ」と主張する。エコノミストの安達誠司氏も「世界経済が不透明感を増すいま、これまで以上に財政拡大をテコにした内需拡大が重要になる。このような時期に消費税率を引き上げることは、アクセル(金融緩和)とブレーキ(緊縮財政)を同時に踏むことを意味する」と指摘する。
消費増税はデフレ脱却を遅らせ、景気をさらに悪化させる。「消費税は、経済成長のメインエンジンである『消費』に対する『罰金』として機能する」(藤井聡氏)からである。
「消費増税は、デフレの脱却を遅らせるどころか、さらなる消費の落ち込みをもたらしてデフレをより深刻なものとしていく。とりわけ、中小零細企業の経営に深刻なダメージを与えるだろう」(滋賀大学教授・小野善生氏)
「内需を確実に下落させる消費増税は日本経済に破壊的ダメージをもたらし、財政基盤を毀損し、財政をさらに悪化させることは必至だ。デフレ完全脱却が果たされていない中で世界経済が悪化していく状況における消費増税は、確実に深刻な経済財政被害をもたらす」(評論家・宮崎哲弥氏)
惨めな経済状況へ
こうした意見に代表されるように、デフレ状況下での消費増税は消費を冷え込ませる。需要が減ると企業も設備投資を増やすことはない。その象徴が400兆円を超えるまでに積み上がった内部留保である。内部留保は「企業が溜め込んでいる」と批判の対象になりやすいが、設備投資に回せない経済状況にこそ問題があるというわけだ。
ソシエテ・ジェネラル証券チーフエコノミスト・会田卓司氏は「投資が抑制されて生産性向上できず、家計は実質所得が減少して疲弊し、高齢化でさらに惨めな経済状況に陥るリスクが高まる」と語る。立命館大学教授の松尾匡氏の表現を借りると、
「今、消費税を上げることは風邪の引きはじめに冷水に飛び込むようなもの」なのである。
タイミングが最悪
安倍政権は「確実に消費増税を実行できるようにする」という答弁を繰り返す。しかし、「10月の消費税引き上げは最悪のタイミングである」と断じるのはUBS証券日本地域最高投資責任者の青木大樹氏だ。青木氏は「グローバル経済では、中国から米国への全輸出品に対する追加関税リスクとそれによる影響が懸念される」とした上で、「イギリスのEU離脱期限」や「連立政権が崩壊しているギリシャ総選挙」など世界情勢の不安定性が増している状況を懸念する。
一方、政府は、「リーマンショック級の事態にならない限り」という但し書きで「消費増税凍結」の逃げ道を残してある。しかし、「すでにリーマンショック級の状況にある」と指摘をするのは経済アナリストの森永卓郎氏だ。
「IMFが4月9日に発表した世界経済見通しでは、2019年の世界の実質経済成長率が1月発表の3.5%から下方修正されて3.3%となった。この成長率は、リーマンショックの翌年から5年間の長期停滞局面の成長率と同じです。つまり、(世界)経済の現状は、すでに『リーマンショック並みの経済危機』に陥っています」
京都大学准教授の柴山桂太氏はこうした世界経済の状況も加味してこう指摘する。
「世界的に金融市場の動きが不安定になっていることを考えても、タイミングは最悪だ。消費増税は延期ではなく『凍結』にして次の大きな危機に備えるべきだ」
もはや「リーマンショック級の事態にならない限り」などと悠長なことを言っていられる状況ではないのである。
大企業」と「富裕層」に有利
消費税がもたらす悪影響はデフレや景気悪化だけにとどまらない。税理士の湖東京至氏は消費税の持つ特性が対米貿易にも悪影響をもたらすと指摘する。
「消費税には『輸出還付金制度』があります。例えば自動車メーカーであれば仕入れ段階で消費税を払っているが、輸出品には消費税をかけられないため、その消費税分を国から還付してもらえるのです。米国はこれを『輸出企業に対する実質的な輸出補助金であり、リベートだ』とみなし、消費税の高い税率や税率引き上げに反対しています。米国には消費税タイプの税制がないため、米国の輸出企業には還付金はない。米国はこの不公平を除くため、(対抗措置として)25%もの関税をかけるという。消費税・付加価値税は熾烈な貿易戦争を招く危険な税制です」
この輸出還付金制度の問題はそれだけではない。大企業と下請企業が取引をする際、圧倒的に大企業側が有利になり得るのだ。取引先に対して形式的には消費税を支払ったとしても、その分値引きをさせていれば大企業は実質的に「仕入れ段階では消費税を払っていないのに、還付金を受け取る」という構造となってしまう。
ジャーナリストの斎藤貴男氏はそうした消費税の悪質性を批判する。
「消費税ほど不公平・不公正で、複雑で、恣意的に使われている税制も珍しい。あらゆる取引において、常に立場の弱い側がより多くを負担させられるしかない結果になるのはわかりきった話。消費税の実態は『取引税』であり、卑怯きわまりない税制だ」
立命館大学教授の唐鎌直義氏は「消費税の本性は富裕層優遇、民主主義破壊にあることに気づかなければならない」と警鐘を鳴らす。消費税のこうした弊害にももっと目を向ける必要があるだろう。
消費増税するたびに税収減…!?
政府は「少子高齢化による社会保障費の増大に対応し、同時に財政を健全化するためには消費税の引き上げは避けられない」という主張を続けている。消費増税の必要性を認める意見の多くはこの財源論だ。
しかし、京都大学特任教授の青木泰樹氏は「自国通貨建ての国債が償還不能になることはあり得ない」として、「財源不足というのは大きな嘘だ」と断じる。
さらに前出の森永氏は「政府債務を純債務で捉え、通貨発行益を加味すると、日本の中央政府は無借金であり、財政も黒字だから、増税の必要性がそもそもない」と語る。嘉悦大学教授の高橋洋一氏も「統合政府で見る限り、今の日本は財政危機ではない」と財政再建論を一蹴する。
経済学者の菊池英博氏は「消費税導入後の期間(1989ー2014年)の消費税収の累計は282兆円であるが、その90%にあたる255兆円は法人税収の減少に充てられており、社会保障の財源にはなっていない」と述べ、「社会保障費のための財源確保のため」という増税理由にも疑問を呈する。
「財政健全化のため」という理由に対しても疑問の声が続く。これまでも消費増税の結果、さらに財政が悪化させてきたからだ。
「財政健全化のために、増税か歳出削減か、という方法を取ろうとするが、日本の現状ではどちらもうまくいかない。それは家計と(国家)財政は違うからです。財政は全体でお金が回るかどうかです。(消費増税は)ブレーキをかけることになるので、税収が減る」(エコノミスト・榊原可人氏)
「消費増税がデフレ圧力を招き、日本経済再生を困難にし、政府債務を増やしてきたデータを無視する。それこそ日本自滅の道だ」(産経新聞編集委員・田村秀男氏)
消費増税は財源にもなり得ないのである。では、どうしたらいいのか。
累進課税と法人税
立正大学客員教授の浦野広明氏は「消費税ではなく、きめ細かな累進課税をすべき」と主張する。「1974年における所得税は、最低10%から最高75%までの19段階の超過累進税率だった。その税率で2017年申告所得額を当てはめて計算すると、約13兆2千億円の税収となる。17年度予算では約3兆円であるから、10兆円の増収が可能である」と指摘する。
中央大学名誉教授の富岡幸雄氏は「法人3税(法人税・法人住民税・法人事業税)の法定総合税率は29.97%だが、私が2018年3月期の決算に基づき調査したところ、企業が実際に払っている実行税負担率は17.59%にとどまっている。法定税率通りに納税してもらえば約9兆円の増収が想定される」と語る。
税収を上げるための方法が消費増税である必要性はない。それどころか消費増税では景気悪化を招き、総税収が減少するという可能性がある。
経済評論家の三橋貴明氏は「日本は消費税を増税するどころか、凍結、減税、さらには廃止すらも検討しなければならない局面だ」と主張する。
この会合後、藤井氏はこれら取りまとめた意見を首相官邸に提出した。エコノミストたちの懸念の声は安倍首相に届くのだろうか。安倍首相の決断次第で、日本経済の将来が大きく変わる。
※経済協力開発機構(OECD)が15日公表した対日経済審査報告書は、日本経済の人口減少に対して警鐘を鳴らし、プライマリーバランス(財政の基礎的収支)を黒字化するためには消費税率を最大26%まで引き上げる必要があると指摘した。日銀の金融緩和の継続やジェネリック(後発)医薬品の普及による医療費削減、外国人労働者の拡充なども提唱している。
報告書は日本経済について、2050年までに人口が1億人程度まで減少することに伴う高齢化と債務拡大という長期の課題に直面しているとし、財政持続性を担保する具体的な計画を示すべきと指摘。税収拡大の手段として主に消費税が望ましいとしている。
消費税のみにより十分な水準の基礎的財政黒字を確保するためには、税率を20━26%まで引き上げる必要があるとしている。今年10月に予定されている10%への引き上げの影響は、各種対策の効果によって2014年の増税より大きくないとしている。
財政の持続性確保の手段として、社会保険料の改革の必要性を強調。在宅医療の拡充やジェネリック医薬品の利用拡大、環境関連税制の引き上げなどを挙げている。
日銀の金融政策については、費用とリスクを緊密に監視しながら、物価上昇率が持続的に2%の目標を上回るまでの間、金融緩和を持続すべきとしている。日銀の国債保有額が国内総生産(GDP)の85%と、他国と比較して高い水準にある点も指摘している。
金融監督当局について、金融機関に対し、リスク負担が増大している分野におけるリスク管理の改善を促すべきとしている。
日本経済の先行きに関しては、貿易摩擦が企業の先行きを不透明にしており、投資にも影響している点を懸念。日本企業は中国の内需鈍化に対して脆弱、と指摘している。日本経済の民間消費を下支えするためには、基本給上昇率の引き上げが重要と強調している。
また労働力人口が2050まで4分の1減少するとして、外国人労働者を増やすのが非常に重要とも指摘している。
・日本の本当の税率「国民負担率」は42.8% 消費増税で重税国家に
2019年04月19日
http://www.thutmosev.com/archives/79605428.html
※日本の本当の税率は42.8%
消費税は19年10月に8%から10%に増税される予定ですが、先日OECDの報告書で「消費税を26%にするべき」と指摘されました。
実はOECDやIMFのような国際経済機関には自前の国別職員はおらず、日本の財務省職員がOECDの日本担当職員です。
つまり「消費税を26%にするべき」と指摘したのは日本の財務官僚であり、財務省が26%に上げろと言っているのです。
こうして財務官僚は国際公約を作ったり、あたかも国連や国際機関が増税を勧告したように偽装します。
ところで消費税以外の所得税や他の税金を合わせた税率が何パーセントなのか、国民は知らされていない。
国民負担率は税金と公的年金や公的保険などの公的費用が、国民所得に占める割合のことです。
収入のいくらが公的負担に取られているかという数字で、日本は42.8%と所得の4割以上を国に取られていました。
各国の国民負担率はフランスが67%、スウェーデンが59%、アメリカは33%とかなりの差がある。
ドイツは53%、イギリスは47%など、日本政府が挙げる例はだいたい日本より国民負担率が高い。
政府は「世界のほとんどは日本より高い」と言いたいのだが、実際には日本より低い国も多い。
消費税を10%にすると日本の国民負担率は約45%、消費税を26%にすると国民負担率は約61%になります。
働いても働いてもお金が手元に残らないのは、日本政府が賃金の4割以上をかすめ取り、還元していないからです。
税金や年金・保険料で徴収したお金は年金給付金や国の事業で還元されるが、実際にはされていない。
過去の高度成長期に日本の国民負担率は2割前後で、健康保険は自己負担1割で年金は高額で公共事業をバンバンやっていました。
国民は払うお金は今の半分なのに、受け取るお金は2倍以上だったので、空前の好景気になりました。
だがそれは後の世代に負担を回して、自分たちが先に受け取る「後払い方式」の高度成長だったのが分かっています。
ちょうど後払いの支払い時期に当たったわたしたちは、昭和期の人の2倍の税金を払っているのに、半分しか受け取れない。
そこで財務省は消費税を26%にして国民負担率をフランスやスウェーデン並みにしようとしています。
国民には一切相談がなく、国会でも一度も議論しないまま数人の財務官僚が勝手に決めました。
・「財務省主権国家『日本』」という嘘
2018年03月13日
http://wjf-project.info/blog-entry-1584.html
※官僚たちは安倍晋三の言いなりである。
もう既に多くの人たちが論じている事柄ですので、多くは語りませんが、財務省のみならず、国土交通省や、会計検査院までもが、財務省による文書書き換えを認識していながら黙殺していたという異常事態にまで発展しています。
なぜ、日本は、このようなもはや国家の体すらなしていない国になってしまったのか。
原因は、安倍晋三が、第一次安倍政権以来推進し、第二次安倍政権成立後に実現させた、官邸が官僚の幹部人事権を掌握するめの「内閣人事局制度」にあります。
各省庁の幹部人事は、従来、各省庁にまかされていましたが、この官僚人事を、内閣が一元的に掌握する体制に日本を作りかえる目論見に最初に着手したのが、安倍晋三でした。
第一次安倍政権が途中で頓挫したため、「国家公務員制度改革基本法」は、安倍の後を引き継いだ福田内閣が提出するという形となりましたが、「国家公務員制度改革」に最初に着手したのは、安倍晋三です。
2012年の暮れ、安倍晋三が政権の座に復帰したときにも、安倍がさっそく着手したのが、「国家公務員制度改革基本法」に定められていたが、設置されずにきた「内閣人事局」を発足させて、官僚人事を掌握することでした。
2014年に「内閣人事局」が設置され、官僚人事を安倍政権が掌握するようになってから、官僚たちは官邸の意向に全く逆らえなくなりました。
にもかかわらず、「安倍さんは財務省と戦っている」だの、「安倍さんでも財務省の意向に逆らえない」などというデマを流してきたのが、三橋貴明や倉山満のような「インチキな仕立て屋」たちです。
三橋貴明は、昨年の暮れですら、下の様なデタラメを平然とブログ上に書いています。
『さて、ご存知の方が多いでしょうが、総理と会食し、小学館「財務省が日本を滅ぼす 」を進呈。本書の内容について、多いに議論をさせて頂きました。
まずは、2010年の参議院選挙の際に、応援演説をして頂いたことについてお礼申し上げ(今まで機会がなかったので)、その上で和やかに「シビアな話」をさせて頂きました。
内容について、全て書く気はありませんが、重要なポイントだけ申し上げると、
(1) 「財務省が日本を滅ぼす」を書いた三橋との会食を持ちかけたのは両端の方々ですが、「クローズではなく、オープンで」と決めたのは官邸であること(オープンなので、総理動静にも載りました)
(2) 何をやるにしても、全てPB黒字化目標が「壁」となり、何もできない。という現実を、総理は認識していること。
(3) だからと言って、
「総理はPB黒字化目標が問題であることは分かっているんだ。ああ、ならば大丈夫だ」
などと思ってはいけないこと、の三つになります。
特に重要なのは(3)で、総理が真実、PB黒字化目標が問題であることを理解していたとしても、だからと言って現行の緊縮路線が転換されるわけではありません。
財務省主権国家「日本」をなめてはいけません。現在の日本を財政拡大に転換させるのは、たとえわたくしが総理大臣の座にいたとしても無理です。なぜならば、「政治家」「世論」「空気」が緊縮歓迎になってしまっているためです。そのように、財務省のプロパガンダが展開され、多いに成功を収めているのです。』
(出典: 三橋貴明ブログ「安倍晋三内閣総理大臣との会食」2017年12月13日)
何が「財務省主権国家『日本』」ですか。
人事権を安倍が掌握して、官僚たちが首根っこをおさえつけられているのに、「財務省主権」もへったくれもあるはずがありません。
安倍晋三や、安倍昭恵にびくびくして、国有地を破格の値段で売却したり、籠池泰典を口封じのために長期間拘留したままでいたり、公文書を書き換えたり、公文書の書き換えを認識していながら黙殺したりする省庁や官僚たちが、安倍晋三と対立しているわけがないではないですか。
※ブログ主注:実際には安倍と財務省の関係は、国外にいる共通の主人に仕えるグルであろう。
法的権限では安倍(首相)の方が強いのだから、その気になれば財務官僚を抑え込む力があるにもかかわらず、それをせずに黙認している。
それは安倍が財務省の言いなりになっているわけではなく、安倍が命じているわけでもなく、安倍と財務省が、同じ主人の命令に従っているがゆえに、同じ考えだということであろう。
どちらかが上というわけではない。国際秘密力は、中央銀行や財務省などの一国の経済をコントロールする省庁は人脈を通じてダイレクトに支配していると聞く。首相もコントロールされている。ゆえに両者は並列に支配されて操られているのであろう。
・IMFが日本に消費税増税を要求してくる理由
http://rh-guide.com/tokusyu/m/syohizei_imf.html
※IMF(国際通貨基金)は、頻繁に日本の財政に口出しをしてくることに、疑問を持つ人は多いはずです。特に近年は、日本には消費税増税が不可欠だの、早く15%や20%まで税率を引き上げろだのというレポートを出し続けていることが、新聞やテレビで話題になっています。しかし、これは明らかな内政干渉であり、頓珍漢な要求です。財政破綻してIMFの管理下に入った国ならいざ知らず、日本はIMF世話になるどころか、彼らに出資してやっている「親会社」も同然の存在です。
なぜIMFは、国際ルールを犯し、買い主に噛みつくがの如く、日本に消費税増税を要求してくるのでしょうか? 勿論、彼らには裏の意図・利権があり、それに従って提言を行っているに過ぎず、日本の財政再建など見ては居ません。
IMFが日本に消費税増税を強要してくる理由は、彼らが日本の財務省の手先と成り下がっているからです。IMFには、アメリカなど出資する各国から役員クラスが出向していますが、日本の財務官僚も大量に内部に出向しています(毎年50名前後)。そして日本は、IMFの副専務理事(ナンバー2の地位。計4人)の椅子を一つ確保しており、このポストも歴代に渡って日本の財務省の天下り役人が座るのが慣例となっています(*1)。
そしてIMFというのは、実は決して公平中立な機関ではありません。IMFは元々、アメリカが国際社会において米国企業が儲かる事を目的として設立した、営利的な機関です。発展途上国や財政破綻した国(破綻に準ずる国)に対し、外貨を融資する代わりに、その国の財閥解体・経済解放を行わせ、米国企業の進出を後押しするのです。アジア通貨危機時に、韓国やタイやインドネシアなどに行った政策が、まさにその典型です。
ですからIMFは、国連やWHOなどと違い、世界の平和や安定を目指す意図は、全くありません。語弊を恐れずに言えば、IMFは一部の人間が金儲けの為に活用する、完全なる営利団体なのです。そんな機関ですから、日本の財務省が利権の為に利用する事に対しても、内部では特に批判は起こっていないようです。日本国民が消費税増税で滅びようとも、IMFの連中は欧米人ですから、何とも思わないのでしょう。
IMFの内部に懐柔した、財務官僚の自作自演の要求である
つまり、IMFの日本への消費税増税要求は、内部に懐柔した日本の財務官僚が発言させている、自作自演・マッチポンプの報道なのです。この事は、浜田宏一氏や相澤幸悦氏など、著名な経済学者の方が指摘しており、週刊ポストなども報じています(*2)。
日本の政治家が外圧に弱いことや、IMFという国際機関の名を借りれば国民を納得させやすいという、あざとい意図があるのです。そして財務省に媚びを売りたい新聞やテレビなどが、ここぞとばかりにIMFの増税要求を大々的に報じ、国民を洗脳しようとする~これが近年、IMFの消費税増税要求の実体です。
消費税増税は財務官僚が天下り先を増やすために行おうとしているだけの、インチキ政策です。財務官僚は、自分達の利権を拡大するために、国際機関の名を借りて消費税増税の正当性をでっち上げているに過ぎないのです。こんな詐欺行為には耳を傾けず、景気浮揚を続け自然に税収増を目指す事が、日本に最も必要な政策なのです。
*1:このことは、元財務相官僚の高橋洋一氏が指摘しています。
・高橋洋一の自民党ウォッチ IMF「日本の消費税15%が必要」報告 実はこれ財務省の息がかかった数字なのだ(J-CASTニュース 2013年8月8日)
※IMF(国際通貨基金)が日本経済について「予定通り消費税率を10%まで引き上げる増税を実施すべき。景気への影響は無い」とするレポートを発表した、という報道がある。さらに、消費税率を15%へ引き上げるべきとも書かれている。
この報道を読むと、消費税増税も仕方ないのかなと思う人が多いだろう。IMFといえば、有名な国際機関で、英語で書かれたものに弱い日本人は多い。
日本はIMFへの第2位出資国、副専務理事も確保
そのレポートとは、8月5日(2013年)に発表された日本経済の分析や政策提言をまとめた年次審査報告書である。IMFの本拠地であるワシントンで公表されたものだ。
IMFのこうした報告書の作成は、各国政府との協議を経て行われる。筆者も役人時代には、IMFの他にも国際機関が日本に関する報告書を作成するときに、協議に加わったことがある。その場合、国際機関の報告書という体裁をとっているものの、実質的には日本政府の主張である。よくいえば、日本政府と国際機関の共同作業である。いずれにしても、日本政府の意向に反するものが書かれることはまずない。
IMFについていえば、日本は第2位の出資国である。いうなれば大株主である日本政府を無視できるはずがない。さらに、日本は大株主の力を背景にして、IMFのナンバー2である4人いる副専務理事ポストの一つを確保している。このポストは歴代財務省財務官の天下りポストだ。そのほかにも、日本はIMFの理事ポストも持っており、これも財務省からの出向者だ。理事を支えるスタッフとして理事室があるが、その職員も財務省からの出向者が多くいる。
消費税12~16%まで引き上げか
消費税率15%は財務省の意図でもある。東日本大震災直後に、不謹慎にもホップ、ステップ、ジャンプ増税計画がいわれていた。震災増税がホップ、社会保障増税がステップ、そして財政再建増税がジャンプだ。今、とうとうステップの直前まで来ている。ちなみに、民主党野田政権の時に、消費税増税を織り込んだ中期財政試算では、10%まで消費税増税しても2023年度においてもプライマリーバランス対GDP比は、▲0.9~▲2.7%である。この赤字を解消するためには、消費税増税を2~6%しなければいけないというのが、財務省の意向である。つまり消費税率は12~16%まで引き上げるということだ。
政府は8月8日、中期財政計画を閣議了解したが、安倍政権での中期財政試算の詳細なものはまだ公表されていない。漏れ聞く話によると、10%まで消費税増税を織り込んだとしても、まだプライマリーバランス赤字が残るという。どうも、野田政権の中期財政試算とあまり大差はないようだ。アベノミクスの効果が出ているにもかかわらずである。一つのポイントは、安倍政権でも名目成長3%、実質成長2%と野田政権とほぼ同じなのだ。これは、インフレ目標が2%になったことと整合的でない。インフレ目標は消費者物価であるが、名目成長と実質成長の差はGDPデフレータで両者は違うと、財務省筋は必死で反論するが、マイルドインフレ下で両者はほぼ同じである。
IMFの年次審査報告書は財務省の息がかかっているとしても、IMF本体の理事会では、数名の理事が消費税増税が成長に悪影響があるかもしれないとの懸念を表明している。これは、IMFが各国に緊縮財政を求めすぎたことへの反省でもある。ただし、こうした報道はあまりない。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2005年から総務大臣補佐官、06年からは内閣参事官(総理補佐官補)も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「財投改革の経済学」(東洋経済新報社)、「さらば財務省!」(講談社)など。
*2:財務省の息の掛かっていない、亜流な週刊誌ほど、意外と真実が載っているものです。
大新聞は国民の敵だ②《IMF「消費税15%提言」報道に財務省ヤラセ疑惑》これこそ世論誘導ではないのか(週刊ポスト 2010年8月6日号)
消費税増税源からみればまさに「待ってました」と拍手をしたくなるほど絶妙のタイミングである。菅民主党が参院選で惨敗したわすか3日後の7月14日、IMF(国際通貨基金)が日本に対し「消費税15%」を提言するレポートを発表した。表層的には〝外圧〟とも映るこの提言の背後には、財務官僚の怪しい影が躍っている──。
*
件(くだん)のレポートは、日本に対する年次審査報告のこと。
加盟国、そして世界経済の安定のため、IMFのエコノミストが各国を訪問した上で政策への評価や助言をまとめたものだ。今回の報告では、「消費税率を15%に引き上げれば、国内総生産(GDP)比で4~5%の歳入増が生じる」と記されている。さらに、税率アップによって懸念される景気減速についても言及。「当初は、成長率を0・3~0・5%押し下げる」と見ながら、老後のための貯蓄が消費に回り、日本経済への信用度が増すことで海外からの投資が増えるなどの結果、「毎年0・5%ずつ成長率を押し上げる」としている。
このようにIMFが日本の税率アップやその時期についてまで言及するのは初めてのこと。消費税10%を目指す菅政権と財務官僚にとっては自らの主張に、国際機関の 〝お墨付き〟 を得た格好となる。
しかし、この提言について専門家からは疑問の声が上がっている。 埼玉大学経済学部の相澤幸悦教授もそのひとりだ。
「IMFに各国の財政政策を指導する権限があることは事実。しかし、それは財政危機に陥った国などに対して資金支援を行なった場合に限ってのことで、日本に対してこんな指導を出すのはあまりにも不自然です。
日本は支援を受けるどころか、IMFに対する出資比率は、米国に次いで2番目の 〝大スポーンサー〟なんですから」
日本のこれまでの出資総額は2兆円近く。このあまりに不自然な「提言」の正体は、IMFと財務省の近すぎる関係を見れば、おのずと透けて見える。
実は出資金と共に、日本は多くの日本人職員をIMFに送り込んでいる。現在、IMFで働く日本人職員は49人。そのうち10数名が財務省からの出向だ。
『国連幻想』(扶桑社刊)などの著書がある産経新聞ワシントン駐在編集特別委員の古森義久氏が指摘する。
「IMFは、長らく財務官僚の 〝天下り先〟 と化しており、副専務理事の篠原尚之氏をはじめとして日本人が座る重要ポストのほとんどは財務官僚によって占められています。この提言も財務省の意向を十分に反映しているものであることは間違いありません」
篠原副専務理事は、消費税増税積極派として知られ、近く財務次官に就任する勝栄二郎氏と同期入省という間柄。さらに、今回のIMFの年次審査報告の作成には、徳岡喜一氏という財務省からの出向者が名を連ねている。
何のことはない、「消費税15%」提言は、「財務省の別働隊」が関与していたものだったのである。
コロンビア大学経済学部のディビッド・ウェインスタイン教授の視線は冷ややかだ。
「20年前、私は日米構造協議に関わったことがあるが、当時、日本の政府当局者が自分たちの望むような改革をするためにアメリカの〝外圧〟を使おうとして、アメリカ側に内部情報をリークすることはしばしばありました。アメリカが提示する要求の多くは〝メード・イン・カスミガセキ〟だった。今回も財務省がIMFに対して同様のことをしていても、驚くべきことではない」
「消費税」だけをピックアップ
そもそも報告書は、日本の「増税派」の了解の上で出されたものだった。報告書には、今年5月、10日間にわたってIMFの審査チームが東京を訪れた際、野田佳彦副財務相(当時)、古川元久内閣官房副長官らと会談したことが記されている。さらには〈(日本の)当局者たちは結論を共有した〉とも明記されているのである。
財務官僚の意向に合わせ「消費税増税」を導き出したせいか、レポートの内容自体が強引すぎると指摘するのはイエール大学経済学部の浜田宏一教授だ。
「政府の信用状態を正確に把握するには、粗政府債務(資金の借り入れ・保証などの債務)ではなく純政府債務(粗債務から政府が保有する金融資産を差し引いたもの)を見るのが常識です。鈍政府債務であれば日本の借金はGDP比60%以下にもかかわらず、同レポートではわざわざ粗政府債務の数字(日本の借金はGDP比約180%)を用いている。
第二に、レポートは日本円へのソブリンリスク(※)を懸念しているが、国全体で見るとギリシャとは正反対に日本は世界最大の債権国。今の円高を見ればわかるとおり、円に対するマーケットの信任は高く、リスクが高いとは到底いえない。
さらにこれまで金融緩和などの対策を講じていないことに深く言及せず、デフレの危険が伴う消費税増税を求めるのにも無理がある」
さらに浜田氏は、マスコミの報道にも首をかしげる。
「このレポートでは日本の不十分な金融政策などにも触れているのに、なぜか報道では、消費税の部分だけが取り上げられている」
実際に、A4サイズの紙で46枚に及ぶレポートのうち、消費税増税について具体的に触れた部分は3ページほど。にもかかわらず、新聞各紙には、
〈日本に早期増税提言へ〉(朝日7月14日夕刊)
〈IMF「日本、消費増税を」 来年度から段階的に14~22%案提示) (読売15日夕刊)
と「消費増税」の見出しばかりが躍った。
ある大手新聞の政治部記者が、今回の報道の裏事情を明かす。
「朝日は、このレポート発表直前にIMFの関係者に取材してスッパ抜いた。その関係者が消費税の部分のみ漏らしたからなのか、朝日の記者がそこだけに注目したからなのかは定かでないが、記事は消費税増税だけにスポットを当てた。結果、IMFと財務省の筋書き通りになった」
IMFのレポートは、一般の読者から見れば、日本に対する国際機関からの 〝外圧〟 である。ただし、そのシナリオを描いたのは増税に突き進もうとする国内勢カなのだ。
国民を欺く菅政権と財務官僚はもちろんのこと、意図的な情報を批判なく受け入れ、それを垂れ流す大メディアにも大きな責任がある。
※ソブリンリスク/国家の債務不履行(デフォルト)に対する危険性のこと
※ブログ主注:こういう記事もどうであろうか?マスゴミではユダヤや秘密結社やディープステートなどの国際秘密力の政治への関与について公にすることはタブーになっている。
よって世界に生起している現象について、国際秘密力の存在を抜きにした、事実ではない頓珍漢なアクロバットな説明に終始することになる。
この手の記事の場合も、消費税増税の真犯人は日本の財務省であり、天下り先確保のために、IMFの権威を迂回して利用しているだけだ、という説明だが、本当にそうなのだろうか?
そもそもIMFが、アメリカの、というより、アメリカを支配し操っている国際秘密力の作った私的機関なのだから、むしろ記事とは逆に、つまり生起していることそのまま、消費税増税要求はIMF=国際秘密力の要求と考えるべきであろう。
つまり、あたかも裏事情があるように見せて(中途半端な陰謀論者はこの手のやり口に弱い。中途半端に疑い深い人は、一段捻って情報を与えてやると、猜疑心が満たされてそれを真実であると信じ込んでしまう)、実は財務省こそが、国際秘密力の身代わりの隠れ蓑(マスゴミによる公式説明=国際秘密力が大衆に「このように解釈せよ」と望む世界解釈)にされているのである(実は裏の裏がある。多段構え)。もちろん財務省がそれに文句を言わないのは、財務省自体が国際秘密力の配下だからであろう。
つまり
1、「IMF→財務省」(大手マスゴミ)
2、「財務省→IMF→財務省」(週刊誌などの中小マスゴミ。ただし実際にはこれらもオルタナティブメディアではない。)
3、「(国際秘密力)→IMF→財務省」(真相)
消費財増税の真の目的は、もちろん日本国家の財政再建などではなく、日本人を貧困化させて内需を縮小させ日本経済を壊滅させることと、それにより不況克服を口実とした新自由主義の構造改革のスパイラル(不況→構造改革→さらに不況→さらに構造改革→繰り返し)にはめることと、法人税を下げ、国民を守るための規制の破壊を行い、移民を推進し、拝金主義(資本の論理、金もうけ優先)によりあらゆる伝統・文化・倫理道徳を破壊し、日本人の財産を多国籍企業≒国際金融資本が奪い、無産化=共産主義体制およびワンワールド体制に近づけることであろう。
・国際機関が「日本は消費税26%必要」発表の大ウソ。黒幕は財務省(MAG2NEWS 2019年5月6日)
※去る4月、経済協力開発機構(OECD)が「日本の財政健全化のためには、消費税を最大26%まで引き上げる必要がある」と勧告しました。これを「財務省の策略だ」と指摘するのは、元国税調査官の大村大次郎さん。大村さんは、財務省の影響力が強いOECDの実態を暴き、例の勧告において欧米の間接税と税率のみを比較する姑息さに「騙されてはならない」と警戒を呼びかけています。
日本の消費税の増税を欧米諸国はどう見ているのか?
4月15日に配信されたロイター通信の記事に、以下のようなものがありました。それをまず読んでみてください。
消費税最大26%まで引き上げを=OECD対日報告 経済協力開発機構(OECD)が15日公表した対日経済審査報告書は、日本経済の人口減少に対して警鐘を鳴らし、プライマリーバランス(財政の基礎的収支)を黒字化するためには消費税率を最大26%まで引き上げる必要があると指摘した。
同日都内の日本記者クラブで会見したグリア事務総長は「消費税率の10%への引き上げは不可欠」と指摘し、その後も「徐々に税率を引き上げることが財政改善につながる」と強調した。報告書は日本経済について、2050年までに人口が1億人程度まで減少することに伴う高齢化と債務拡大という長期の課題に直面しているとし、財政持続性を担保する具体的な計画を示すべきと指摘。税収拡大の手段として主に消費税が望ましいとしている。
消費税のみにより十分な水準の基礎的財政黒字を確保するためには、税率を20-26%まで引き上げる必要があるとしている。今年10月に予定されている10%への引き上げの影響は、各種対策の効果によって2014年の増税より大きくないとしている。(4月15日配信 ロイター通信)
このOECDの勧告というのは、「国際世論」などでは決してありません。OECDは、これまでも何度か日本に対し消費税引き上げの勧告をしています。何も知らない方は、これを見ると「やはり日本は消費税を上げるべきなのだろう」と思うでしょう。しかし、騙されてはなりません。これは日本の財務省の常とう手段なのです。 OECDは一応、国際機関です。しかし、日本の財務省はOECDに対し、強い影響力を持っています。日本のOECDへの拠出金がアメリカに次いで第2位です。そして、OECD内の事務方トップであるOECD事務次長には、日本の財務省出身の河野正道氏が就任しているのです。またOECDの要職には、日本人がたくさん就いています。
本来、国際機関が日本の消費税などにそれほど強い関心を持つことはありません。というより、国際機関が一国の税制に口出すことなどは、普通はできないはずなのです。そういうことをすれば、普通の独立国の政府であれば、猛反発するはずです。が、日本政府は反発するどころか、それを錦の御旗のようにして、消費税増税の根拠としようとしています。
なぜOECDが日本に勧告をしたのかというと、日本の財務省がOECDに働きかけて、日本に勧告を出させたからなのです。つまり、財務省は日本国内の不満を抑えるために「国際機関から勧告があった」という形をとろうとしたのです。
そして、このOECDの勧告では必ず、ヨーロッパ諸国の間接税と比較されます。日本の消費税はヨーロッパ諸国に比べて低いという結論に持っていこうとするのです。
が、ヨーロッパ諸国は、低所得者に対して、所得補助や住宅補助などの手厚い支援を行った上で、消費税を課しているのです。そういう支援がまったく充実していない日本に、消費税だけを導入しようとするのは、無理な話なのです。
そういう「総合的な検討」がまったくなされずに、ただただ消費税を引き上げろというのは、非常に乱暴な話です。本来、国際機関がこんな暴論を押し付けてくるはずは絶対にないのです。
では、欧米諸国は実際に、日本の消費税増税のことをどう思っているのでしょうか?
まあ、欧米諸国はどこも日本の消費税などにそれほど関心は持っていません。が、アメリカの新聞が今月初めに日本の消費税についての記事を書いていますので、それをご紹介しましょう。
4月5日付のアメリカの大手新聞であるウォールストリート・ジャーナルは、日本で10月に予定される消費税率引き上げについて「安倍晋三首相は増税によって、景気を悪化させようと決心しているように見える」と揶揄する社説を掲載しました。
この社説では、「現在の日本の経済指標はさえない内容」「日本経済は中国や欧州など世界経済の減速の影響を受けやすい」と指摘しています。またアベノミクスの「第3の矢」とされる成長戦略は「全く始まっていない(効果が見られない)」と断じています。そのため安倍氏にとって「増税は自傷行為になろう」と皮肉ったのです。
ウォール・ストリートジャーナルは、もちろん日本の資本などは入っていませんし、日本の思惑などはまったく気にすることなく、自由に発言できる立場にいます。そして、アメリカを代表する報道機関でもあります。
このウォール・ストリートジャーナルの社説こそ、欧米諸国が日本の消費税に対して感じている本音にもっとも近いものだと思われます。
・元国税が暴く「ヨーロッパに比べ日本の消費税はまだ安い」の大嘘(MAG2NEWS 2019年5月20日)
※元国税調査官の大村大次郎さんが、「ヨーロッパの先進国に比べれば日本の消費税はまだ全然安い」という消費増税推進派が用いる言説について、欧州の手厚い低所得層保護の政策や幅広い軽減税率等を解説し、その嘘を暴きます。
ヨーロッパ諸国の間接税と日本の消費税はまったく違う
「ヨーロッパの先進国に比べれば日本の消費税はまだ全然安い」消費税推進派の人たちは、よくこう言います。というより、このことを最大の武器にしてきました。
が、ヨーロッパの先進国の消費税と、日本の消費税というのは、その中身がまったく違います。同じように間接税ではありますが、両者はまるで違うものなのです。
消費税の最大の欠点というのは、このメルマガでも何度もご紹介しましたように、「低所得者ほど負担が大きくなる」ということです。年収200万円の人は、年収のほとんどを消費に使うので、年収に対する消費税の負担割合は、限りなく8%に近くなります。
一方、年収1億円の人はそのすべてを消費に回すことはあまりありません。2割を消費に回すだけで十分に豊かな生活ができます。2000万円の消費に対する消費税は160万円です。
そうすると年収1億円に対する消費税の負担割合は、1.6%に過ぎません。つまり、年収200万円の人からは年収の8%を徴収し、年収1億円の人からは年収の1.6%しか徴収しないのが、消費税なのです。このように間接税というのは、低所得者ほど打撃が大きいのです。
ヨーロッパ諸国の低所得者への手厚い支援
ヨーロッパの先進国は、間接税の税率は高いですが、低所得者に対する配慮が行き届いています。ヨーロッパでは、低所得者に対して様々な補助制度があります。
イギリスでは生活保護を含めた低所得者の支援額はGDPの4%程度です。フランス、ドイツも2%程度あります。が、日本では0.4%程度なのです。当然、低所得者の生活状況はまったく違ってきます。
日本では、低所得者の所得援助というと「生活保護」くらいしかありません。しかも、その生活保護のハードルが高く、本当に生活に困っている人でもなかなか受けられるものではありません。
日本では、生活保護基準以下で暮らしている人たちのうちで、実際に生活保護を受けている人がどのくらいいるかという「生活保護捕捉率」は、だいたい20~30%程度とされています。
生活保護というと不正受給ばかりが取り沙汰されますが、本当は「生活保護の不受給」の方がはるかに大きな問題なのです。イギリス、フランス、ドイツなどの先進国では、要保護世帯の70~80%が所得支援を受けているとされています。
欧米の先進国では、片親の家庭が、現金給付、食費補助、住宅給付、健康保険給付、給食給付などを受けられる制度が普通にあります。また失業者のいる家庭には、失業扶助制度というものがあり、失業保険が切れた人や、失業保険に加入していなかった人の生活費が補助されるのです。この制度は、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、スウェーデンなどが採用しています。
たとえばドイツでは、失業手当と生活保護が連動しており、失業手当をもらえる期間は最長18か月だけれど、もしそれでも職が見つからなければ、社会扶助(生活保護のようなもの)が受けられるようになっているのです。
他の先進諸国でも、失業手当の支給が切れてもなお職が得られない者は、失業手当とは切り離した政府からの給付が受けられるような制度を持っています。
また貧困老人に対するケアも充実しています。たとえばドイツでは年金額が低い(もしくはもらえない)老人に対しては、社会扶助という形でケアされることになっています。
フランスでも、年金がもらえないような高齢者には、平均賃金の3割の所得を保障する制度があり、イギリスにも同様の制度があります。
さらに住宅支援も充実しています。フランスでは全世帯の23%が国から住宅の補助を受けています。その額は、1兆8千億円です。またイギリスでも全世帯の18%が住宅補助を受けています。その額、2兆6千億円です。 日本では、住宅支援は公営住宅くらいしかなく、その数も全世帯の4%に過ぎません。支出される国の費用は、わずか2000~3000億円程度です。先進諸国の1~2割に過ぎないのです。
またヨーロッパ諸国では、軽減税率も細やかな配慮があります。日本でも、今回2019年10月の増税からは、軽減税率が適用されることになっています。が、軽減税率と言っても8%に据え置かれるだけですから、たった2%の軽減しかないのです。
一方、イギリス、フランスなどでは、軽減税率が細かく設定され、食料品や生活必需品は極端に税率が低いなどの配慮がされています。イギリス、フランスの付加価値税の軽減税率は次の通りです。
●イギリスの付加価値税の税率
・標準税率20%
・軽減税率5% 家庭用燃料・電力の供給、高齢者・低所得者を対象とした暖房設備防犯用品等、チャイルドシート、避妊用品など
・軽減税率0% 食料品(贅沢品以外)、上下水道、出版物(書籍・新聞・雑誌)、運賃、処方に基づく医薬品、医療用品、 子ども用の衣料・靴、女性用衛生用品など
●フランスの付加価値税の税率
・標準税率20%
・軽減税率10% 惣菜、レストランの食事、宿泊費、旅費、博物館などの入場料
・軽減税率5.5% 水、非アルコール飲料、食品(菓子、チョコレート、マーガリン、キャビアを除く)、書籍、演劇やコンサート料金、映画館入場料
・軽減税率2.1% 演劇やコンサートの初演(140回目まで)、処方のある医薬品、雑誌や新聞
・非課税 医療、学校教育、印紙や郵便切手
このように、ヨーロッパ諸国は低所得者に手厚い配慮をした上での「高い消費税」なのです。が、日本では低所得者の配慮などほとんど行わないまま、消費税だけをガンガン上げていこうとしているのです。 最近、国際機関から「日本の貧困率、貧富の格差は先進国で最悪のレベル」という発表が時々されます。それは、こういう日本の政治のお粗末さが数としてはっきり表れているのです。
少子高齢化も政治のお粗末さが原因
「日本の場合は深刻な少子高齢化社会になっているので、イギリス、フランス、ドイツなどとは状況が違う」と思っている人もいるでしょう。 が、実は少子化という現象は、日本だけのものではありません。むしろ、欧米の方が先に少子化になっていたのです。日本の少子化というのは1970年代後半から始まりました。一方、欧米では1970年代前半から少子化が始まっていました。
そして1975年くらいまでは、欧米の方が日本よりも出生率は低かったのです。つまり、40年以上前から少子高齢化というのは、先進国共通の悩みだったのです。
が、この40年の間、欧米諸国は子育て環境を整えることなどで、少子化の進行を食い止めてきました。1970年代の出生率のレベルを維持してきたのです。だから、日本ほど深刻な少子高齢化にはなっていません。
一方、日本では、待機児童問題が20年以上も解決されないなど、少子化対策をまったくおざなりにしてきました。そのために、1970年代から出生率はどんどん下がり続け、現在、深刻な少子高齢化社会となっているのです。これを見ても、日本の政治がいかに愚かかわかるはずです。 日本はこの40年の間に、莫大な財政赤字を貯め込んでいます。そのお金は何に使われたのかというと、本州と四国の間に3本も橋を架けたり、各都道府県に空港を作ったり、新幹線を各地に張り巡らしたりしていたわけです。
こういう愚かな日本の政治状況を、何の改革もせずに、ただただ消費税を上げるだけでは、日本は完全に壊れてしまうはずです。
・消費増税の「ヤバい真実」…40人のエコノミストが明かす衝撃の中身(現代ビジネス 2019年6月1日)
※5月21日、衆議院会館である会合が開かれ、20人ほどのエコノミストが集った。彼らから次々と発せられたのは「消費増税すべきでない」数々の理由だ。
この会合の呼びかけ人は日本銀行副総裁としてアベノミクスを支えた岩田規久男氏と、昨年まで安倍首相のブレーンとして内閣官房参与を務めていた京都大学教授の藤井聡氏である。呼びかけに応じて「増税反対」の声明を出したエコノミストは40人。冒頭の言葉はそこで寄せられた意見の一部だ。そこで出されたエコノミストたちの意見に耳を傾けると、消費増税が日本経済にもたらす危険性について考えさせられるものがある。
デフレ脱却が「不可能になる」
安倍政権の看板政策「アベノミクス」。その最大の目的は「デフレからの脱却」であった。日本銀行は2%の物価安定目標というインフレターゲットを設定し、「異次元の金融緩和」を実践してきたが、6年経ってもデフレ脱却は実現していない。日銀時代に異次元の緩和を主導した岩田規久男氏は「日本経済の最大の問題はデフレ完全脱却である」とした上で、「大規模な金融緩和により進んでいた脱デフレの動きが止まったのは14年の消費増税による消費低迷だ」と指摘した。
さらに、「その低迷し続ける消費を19年10月にさらに消費増税により弱体化させれば、デフレ脱却は不可能になる」とまで断じ、「政府がやるべきことは、消費を活性化させ、内需主導型成長軌道に乗せることだ」と主張する。エコノミストの安達誠司氏も「世界経済が不透明感を増すいま、これまで以上に財政拡大をテコにした内需拡大が重要になる。このような時期に消費税率を引き上げることは、アクセル(金融緩和)とブレーキ(緊縮財政)を同時に踏むことを意味する」と指摘する。
消費増税はデフレ脱却を遅らせ、景気をさらに悪化させる。「消費税は、経済成長のメインエンジンである『消費』に対する『罰金』として機能する」(藤井聡氏)からである。
「消費増税は、デフレの脱却を遅らせるどころか、さらなる消費の落ち込みをもたらしてデフレをより深刻なものとしていく。とりわけ、中小零細企業の経営に深刻なダメージを与えるだろう」(滋賀大学教授・小野善生氏)
「内需を確実に下落させる消費増税は日本経済に破壊的ダメージをもたらし、財政基盤を毀損し、財政をさらに悪化させることは必至だ。デフレ完全脱却が果たされていない中で世界経済が悪化していく状況における消費増税は、確実に深刻な経済財政被害をもたらす」(評論家・宮崎哲弥氏)
惨めな経済状況へ
こうした意見に代表されるように、デフレ状況下での消費増税は消費を冷え込ませる。需要が減ると企業も設備投資を増やすことはない。その象徴が400兆円を超えるまでに積み上がった内部留保である。内部留保は「企業が溜め込んでいる」と批判の対象になりやすいが、設備投資に回せない経済状況にこそ問題があるというわけだ。
ソシエテ・ジェネラル証券チーフエコノミスト・会田卓司氏は「投資が抑制されて生産性向上できず、家計は実質所得が減少して疲弊し、高齢化でさらに惨めな経済状況に陥るリスクが高まる」と語る。立命館大学教授の松尾匡氏の表現を借りると、
「今、消費税を上げることは風邪の引きはじめに冷水に飛び込むようなもの」なのである。
タイミングが最悪
安倍政権は「確実に消費増税を実行できるようにする」という答弁を繰り返す。しかし、「10月の消費税引き上げは最悪のタイミングである」と断じるのはUBS証券日本地域最高投資責任者の青木大樹氏だ。青木氏は「グローバル経済では、中国から米国への全輸出品に対する追加関税リスクとそれによる影響が懸念される」とした上で、「イギリスのEU離脱期限」や「連立政権が崩壊しているギリシャ総選挙」など世界情勢の不安定性が増している状況を懸念する。
一方、政府は、「リーマンショック級の事態にならない限り」という但し書きで「消費増税凍結」の逃げ道を残してある。しかし、「すでにリーマンショック級の状況にある」と指摘をするのは経済アナリストの森永卓郎氏だ。
「IMFが4月9日に発表した世界経済見通しでは、2019年の世界の実質経済成長率が1月発表の3.5%から下方修正されて3.3%となった。この成長率は、リーマンショックの翌年から5年間の長期停滞局面の成長率と同じです。つまり、(世界)経済の現状は、すでに『リーマンショック並みの経済危機』に陥っています」
京都大学准教授の柴山桂太氏はこうした世界経済の状況も加味してこう指摘する。
「世界的に金融市場の動きが不安定になっていることを考えても、タイミングは最悪だ。消費増税は延期ではなく『凍結』にして次の大きな危機に備えるべきだ」
もはや「リーマンショック級の事態にならない限り」などと悠長なことを言っていられる状況ではないのである。
大企業」と「富裕層」に有利
消費税がもたらす悪影響はデフレや景気悪化だけにとどまらない。税理士の湖東京至氏は消費税の持つ特性が対米貿易にも悪影響をもたらすと指摘する。
「消費税には『輸出還付金制度』があります。例えば自動車メーカーであれば仕入れ段階で消費税を払っているが、輸出品には消費税をかけられないため、その消費税分を国から還付してもらえるのです。米国はこれを『輸出企業に対する実質的な輸出補助金であり、リベートだ』とみなし、消費税の高い税率や税率引き上げに反対しています。米国には消費税タイプの税制がないため、米国の輸出企業には還付金はない。米国はこの不公平を除くため、(対抗措置として)25%もの関税をかけるという。消費税・付加価値税は熾烈な貿易戦争を招く危険な税制です」
この輸出還付金制度の問題はそれだけではない。大企業と下請企業が取引をする際、圧倒的に大企業側が有利になり得るのだ。取引先に対して形式的には消費税を支払ったとしても、その分値引きをさせていれば大企業は実質的に「仕入れ段階では消費税を払っていないのに、還付金を受け取る」という構造となってしまう。
ジャーナリストの斎藤貴男氏はそうした消費税の悪質性を批判する。
「消費税ほど不公平・不公正で、複雑で、恣意的に使われている税制も珍しい。あらゆる取引において、常に立場の弱い側がより多くを負担させられるしかない結果になるのはわかりきった話。消費税の実態は『取引税』であり、卑怯きわまりない税制だ」
立命館大学教授の唐鎌直義氏は「消費税の本性は富裕層優遇、民主主義破壊にあることに気づかなければならない」と警鐘を鳴らす。消費税のこうした弊害にももっと目を向ける必要があるだろう。
消費増税するたびに税収減…!?
政府は「少子高齢化による社会保障費の増大に対応し、同時に財政を健全化するためには消費税の引き上げは避けられない」という主張を続けている。消費増税の必要性を認める意見の多くはこの財源論だ。
しかし、京都大学特任教授の青木泰樹氏は「自国通貨建ての国債が償還不能になることはあり得ない」として、「財源不足というのは大きな嘘だ」と断じる。
さらに前出の森永氏は「政府債務を純債務で捉え、通貨発行益を加味すると、日本の中央政府は無借金であり、財政も黒字だから、増税の必要性がそもそもない」と語る。嘉悦大学教授の高橋洋一氏も「統合政府で見る限り、今の日本は財政危機ではない」と財政再建論を一蹴する。
経済学者の菊池英博氏は「消費税導入後の期間(1989ー2014年)の消費税収の累計は282兆円であるが、その90%にあたる255兆円は法人税収の減少に充てられており、社会保障の財源にはなっていない」と述べ、「社会保障費のための財源確保のため」という増税理由にも疑問を呈する。
「財政健全化のため」という理由に対しても疑問の声が続く。これまでも消費増税の結果、さらに財政が悪化させてきたからだ。
「財政健全化のために、増税か歳出削減か、という方法を取ろうとするが、日本の現状ではどちらもうまくいかない。それは家計と(国家)財政は違うからです。財政は全体でお金が回るかどうかです。(消費増税は)ブレーキをかけることになるので、税収が減る」(エコノミスト・榊原可人氏)
「消費増税がデフレ圧力を招き、日本経済再生を困難にし、政府債務を増やしてきたデータを無視する。それこそ日本自滅の道だ」(産経新聞編集委員・田村秀男氏)
消費増税は財源にもなり得ないのである。では、どうしたらいいのか。
累進課税と法人税
立正大学客員教授の浦野広明氏は「消費税ではなく、きめ細かな累進課税をすべき」と主張する。「1974年における所得税は、最低10%から最高75%までの19段階の超過累進税率だった。その税率で2017年申告所得額を当てはめて計算すると、約13兆2千億円の税収となる。17年度予算では約3兆円であるから、10兆円の増収が可能である」と指摘する。
中央大学名誉教授の富岡幸雄氏は「法人3税(法人税・法人住民税・法人事業税)の法定総合税率は29.97%だが、私が2018年3月期の決算に基づき調査したところ、企業が実際に払っている実行税負担率は17.59%にとどまっている。法定税率通りに納税してもらえば約9兆円の増収が想定される」と語る。
税収を上げるための方法が消費増税である必要性はない。それどころか消費増税では景気悪化を招き、総税収が減少するという可能性がある。
経済評論家の三橋貴明氏は「日本は消費税を増税するどころか、凍結、減税、さらには廃止すらも検討しなければならない局面だ」と主張する。
この会合後、藤井氏はこれら取りまとめた意見を首相官邸に提出した。エコノミストたちの懸念の声は安倍首相に届くのだろうか。安倍首相の決断次第で、日本経済の将来が大きく変わる。