・アメリカと中国が極秘裏に結んだ「軍事協定」とは?~中国戦略センター所長が明かす、ホントの米中関係(gendai ismedia 2015年11月27日)

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/46298

※―10月27日、横須賀基地を母港とするアメリカ軍の駆逐艦「ラッセン」が、ついに南沙諸島の中国の埋め立て地から12海里以内に進入。米中両大国が緊迫してきて、日本でも大きなニュースになっています。本書『China2049』は、こうした南シナ海制圧も含めた、中国が建国100周年の2049年までに世界の覇権を取る戦略が、記されています。

南シナ海へは、CNNテレビの記者から、取材に同行しないかと誘われましたが、危なそうだから断りました(笑)。

アメリカ軍は本来なら、中国が2年前に南シナ海に進出した時に、行動しておくべきでした。そうしていたら、7つの人工島や3つの滑走路などは造られずに済んだ。しかし当時のアメリカ連邦議会は反対した。中国は、アメリカ企業にとって最大の市場であり、敵ではないというわけです。

もう一つの理由は、米中間で、秘密の軍事協定があるからです。

―本書の第3章に書かれた米中間の「秘密協定」のくだりは、この438ページもある大著の中で、最も衝撃的でした。いわゆる1973年10月から11月に米中間で交わした「約束」です。
当時のニクソン政権は、イギリスを経由することで、アメリカの法律や規制を回避して、中国にハードウエアや技術を提供した。人民解放軍に対するレーダー装備などの支援も申し出た。

そうです。私はその頃、有力シンクタンクのランド研究所で中国専門家として働いていて、この仕事に関わっていました。当時の私も、交渉役のキッシンジャー大統領補佐官に、中国への支援を勧めていたのです。

すべては、最大の敵だったソ連に対抗するためでした。このプロジェクトは、30年にわたり極秘扱いとし、CIA(中央情報局)にも明かしませんでした。'79年8月に、カーター政権のモンデール副大統領が訪中した際、国防総省とCIAは、軍事機材を軍用輸送機で中国に運びました。

その後、私の政治の師匠であるレーガン大統領時代の'81年になって、中国への支援はレベルアップしました。レーガン大統領は、「NSDD(国家安全保障決定令)11」に署名しました。これは、人民解放軍の戦闘能力を国際レベルにまで底上げするために、先進的な空軍、陸軍、海軍及びミサイルの技術を、中国に売却することを、国防総省に許可するものでした。

レーガン大統領は、'84年には「NSDD140」にも署名しています。そこには、「強く安全で安定した中国は、アジアと世界の平和を保つ力になるはずなので、その近代化を助けよう」と書かれています。

中国に武器を輸出して軍事力強化を支援し、台湾への武器輸出は削減しようと指示したのです。その文書のコピーは国家安全保障会議のスタッフ用として15部しか作成されませんでした。

実際に、'85年には、中国に武器を提供しています。10億ドルを超す6つの主要な武器システムを、中国に売る手はずを整えたのです。

―それは本当に、衝撃的な話です。冷戦下にあって、資本主義の覇権国であるアメリカと、社会主義の大国である中国は、軍事的には激しく対立しているというのが世界の常識でした。
その極秘の軍事援助に関して、いまだから話せる内容はありませんか?

本書は、私の原稿を出版する前に、CIA、FBI(連邦捜査局)、国防総省に査読してもらい、彼らが削除を要求した部分は従いました。だから私が話せるのは、本に書いてあることまでです。
一つだけ言えるとすれば、その極秘の軍事援助は、いまだに一部、継続しています。

―その事実は、アメリカのアジアの同盟国である日本政府には、伝えてあるのですか?

日本は憲法で、軍隊は持たないと宣言している。また、日本版のCIAと言える組織もない。いくら同盟国とはいえ、そのような国に教える義務はないというのが、アメリカ政府の立場です。

何より中国が、「どうか日本には秘密にしてほしい」と強く言ってきています。それに、日本政府からも正式に要請されたことはないはずです。

―そのようにアメリカが極秘で軍事援助した中国が、今や東シナ海に防空識別圏を敷き、南シナ海では次々に人工島を作って自国の領土だと主張している。こうした事実をどうお考えですか?

前世紀の'70年代、'80年代の中国は、アメリカにとって、中国語で言う「小弟弟」(可愛い弟分)でした。中国はうまくそうした役回りを演じ、アメリカから最大限の援助を勝ち取ったのです。「韜光養晦」(能力を隠して力を蓄える)が、春秋戦国時代から鄧小平が学んだ教訓でした。

だがいまや、中国は見違えるような大国になりました。'13年11月に中国が東シナ海に防空識別圏を設定したと宣言した時、そこに空軍機を飛ばして抗議すべきだと、当時のヘーゲル国防長官に進言したのは私です。

―著書のタイトルでもある、建国100周年にあたる2049年の中国は、どのような国になっていると思いますか?

単純にGDPで比較するなら、中国が順調に行けば、あと5年くらいでアメリカを超えて世界一の経済大国になります。

総合的な国力で言えば、2049年に中国がアメリカを超えている確率は、5割以上あるのではないでしょうか。その時、私は104歳。何とか長生きして、この目で確かめたいものです。

(取材・文/近藤大介)

マイケル・ピルズベリー/ハドソン研究所中国戦略センター所長、国防総省顧問。外交問題評議会、国際戦略研究所のメンバー。スタンフォード大学卒業、コロンビア大学大学院博士課程修了。ニクソンからオバマ政権までCIAで対中国の防衛政策を担当した


・コラム:なぜ米国は中国軍を「訓練」するのか(REUTERS 2015年7月27日)

※南シナ海をめぐる米国と中国の緊張が高まっている一方で、両国の軍隊は非常に高レベルな合同演習を行っている。中国軍は2014年、米太平洋軍が主催する世界最大規模の国際海上訓練、環太平洋合同軍事演習(リムパック)に初参加した。

こうした演習に参加することで、中国は米国の戦術や技術などを大いに学ぶことができる。

しかし米国が中国に最高レベルの軍事演習を提供する一方で、米軍トップは絶えず南シナ海で対立の度合いを高めている。直近では、米海軍司令官が乗った偵察機が同海域上空を通過し、中国側が複数回にわたり警告するということがあった。

米国は中国に米国流の戦争の仕方を教える一方で、同国との武力衝突へと急速に近づきつつある。

リムパックは米軍が中国軍を「訓練」する数ある機会のうちの1つだ。中国は2008年から、米国が主導するインド洋での対海賊作戦に参加している。当初は、言葉の壁や米国流の戦術や技術、手順に慣れていないことから、中国は単独での監視を任されていた。だが過去7年間のうちに、米国は中国の艦船との関係強化を目指し、連携は改善された。

このような相互運用の強化は、中国軍が対海賊戦術を学ぶことを可能とし、とりわけ長期間にわたり遠洋に配備されている艦船の支援方法などを知るのに役立っただろう。また中国軍は、シリアが放棄した化学兵器を破壊する米軍の活動を支援することで、その方法も学ぶことができたはずだ。

中国は、対海賊ミッションに従事する自国艦船の護衛のため、原子力潜水艦を配備している。米国は実戦訓練として、協調的な環境においてさえも中国の潜水艦を敵に見立てて追跡するだろう。一方の中国もこれを分かっており、こうした国際的な取り組みを利用して、インド洋のディエゴガルシア島やアデン湾に駐留する米軍の対潜水艦戦術を探ることも可能だ。

中国の艦船は定期的にアフリカ北東部のジブチに寄港している。同国には、対過激派作戦を遂行する米国の「アフリカの角・共同統合機動部隊」の本拠地がある。当地でも中国軍は、いかに米軍が同作戦を行っているかを目の当たりにしている。

米中軍の協力関係は、リムパックや海賊対策にとどまらない。今年2月には、中国海軍の将校29人が米国に渡り、海軍兵学校や海軍士官学校、水上戦士学校を訪問。そこでは、世界21カ国が合意した「洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準(CUES)」に基づく訓練に参加した。予期せぬ遭遇での誤解を防ごうというCUESの目的は称賛されるが、同訓練を通じて中国は、米艦船が突然の外国船との遭遇にどう対応するか正確に学べただろう。外国船に敵意がある場合は極めて貴重な情報だ。両国の海軍当局者はまた、人道支援・災害救助活動でも合同訓練を実施。向こう数週間では、捜索救援活動での合同訓練も計画している。

こうした米軍による中国軍の「訓練」は、軍内部や政界にさまざまな反応を引き起こしている。元米海軍司令官ジェームズ・ライオンズ氏は「われわれは自分たちを危険にさらしながら、救いがたいほど攻撃的な国家の軍発展を手伝っている。オバマ政権と国防総省の中国政策の中心は何かが非常に間違っている」と述べた。

(略)

・「日支闘争計画」について

https://kokuhiken.exblog.jp/24919652/

中国が南シナ海に人工島を造成し、米軍が「航行の自由作戦」
と称してイージス艦を派遣するなど最近、南シナ海がキナ臭い。
EUも中国の海洋進出に「懸念」を表明し、米国の「航行の自由作戦」に「支持」を表明。
資源を海外からの輸入に頼る我が国にとっては確かにシーレーンの安全確保は
他人事ではない問題ではある。

だが、これは単なる防衛問題として単純に捉えるだけでよいかと
いうと疑問がある。
それというのも、共産中国がここまで軍事大国化してこれたのは、
欧米やイスラエルによる、武器供与などの「支援」があったからである。

EUは表向きは中国への武器輸出を禁じているようだが、フランスやイギリスは
部品輸出やライセンス生産という形で事実上中国に軍備移転してきたようだ。

引用「1989年以降、中国への武器禁輸措置をとる欧州連合(EU)が部品輸出やライセンス生産などの形で軍備移転を続け、EUから中国への軍事関連物資の調達額が2010年までの10年間で約35億ユーロ(約4900億円)によることが27日、ストックホルム国際平和研究所のデータなどで分かった。」http://www.kamiura.com/whatsnew/continues_2690.html

中東においても対シリア工作でフランスやイギリスはアメリカと行動を共にしてきた。
シリアでもウクライナでも軍事的な動きにおいてこの三国は常に歩調を合わせている。
その三国がある場面では武器を中国に供給し、別のある場面では「対立」を演じている
訳である。

特に驚くのがイスラエルが長年中国に武器を供給してきたという事実である。
「米国の最大の同盟国であるイスラエルが、米国の最大級の仮想敵国である
中国に武器を供給するわけがない」と思われるかもしれないが、
この事は、外務省の公表された資料にも明記されている事実である。

以下外務省の公表資料より引用。

(ニ) シャロン首相よりは、我が国との頻繁な接触への期待が表明された。町村大臣よりシャロン首相の訪日招請を行い、イスラエル側より小泉総理のイスラエル訪問要請があり、今後、外交ルートで調整していくこととなった。その他、二国間関係に係る幅広い議論を行い、二国間の関係強化で合意。大臣よりイスラエルの東アジア地域への武器輸出をやめるよう申し入れ、国連改革では先方より日本は安保理常任理事国メンバーの資格ありと発言。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/g_machimura/rip_05/i_p_gh.html

(まだこの時期は小泉従米売国政権でさえ、外相がたとえ形式上でも
イスラエルにモノ申したのは、「日本・イスラエル共同宣言」なる
準軍事同盟をイスラエルと結んだ安倍より、対イスラエル外交について
は幾分かはマシであったのかと複雑な気持ちになる)

ここで言う「東アジア地域」とはもちろん中国のことである。

イスラエルと中国の武器取引については、日本の新聞でもわずかだが報道されている。
中国、イスラエルから先端兵器技術入手 米が警戒強める

また他の資料を引用する。ネオコンと対立する米国のリアリスト学派の
国際政治学者、スティーヴン・ウォルトとジョン・J・ミアシャイマーが
イスラエルロビーに関して書いた研究書に記されている情報である。
イスラエルは米国の軍事技術を中国に移転していたというのである。

以下引用
「イスラエルの戦略的価値を疑う最後の理由は、イスラエルが忠実な同盟国としては行動していないことにある。イスラエルの当局者は米国の要求を頻繁に無視し約束を破る(住宅建設を止めるとかパレスチナ人の指導者の暗殺を差し控えるという約束を含む)。イスラエルは細心の注意を払うべき軍事技術を中国のような米国の潜在的な対抗者に供与してきた。国務省の査察官はそれを「体系的で増大傾向にある、公的に承認されない供与」と呼ぶ。また、会計検査院によれば、イスラエルは「米国の全ての同盟国の中で米国に対し最も活発なスパイ活動を行って」いる。1980年代初めに多量の機密物質をイスラエルに与えたジョナサン=ポラードの例(それは伝えられる所ではソ連のユダヤ人の出国ビザの増加の引き替えにソ連に譲渡された)に加え、2004年には米国国防省の重要な担当者であるラリー=フランクリンが機密情報をイスラエルの外交官に渡したことが明らかになって新たな物議をかもした。イスラエルは米国に対して諜報活動を行う唯一の国であり、自国の重要な後援者に対し諜報活動を行う意欲はその戦略的価値により深い疑いを投げかける。」
http://www.asyura2.com/0601/war79/msg/701.html

「米国の敵に武器を売るだけではない。イスラエルは米国の技術を
第三国に密かに移転してきた。それには中国のような米国の潜在的敵対者
も含まれている。これは米国の法律を侵害し、米国の利益を脅かす行為
である。」

(「イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策[1]」より引用)
http://www.amazon.co.jp/イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策-1-ジョン・J・ミアシャイマー/dp/4062140098

また、ケネディ暗殺事件の真相追及をし、「ケネディ暗殺はイスラエル諜報機関の犯行」と結論付け、
「ケネディとユダヤの秘密戦争」(原題「final judgment」)という本を書いた
米人ジャーナリストのマイケル・コリンズ・パイパーは、同書の中でイスラエル
と中国による核兵器の共同開発について指摘している。

パイパーの説によれば、ケネディ暗殺の要因は、イスラエルの核開発をめぐるケネディと
当時のイスラエル首相ダビッド・ベングリオンの確執にあったそうだ。
あくまでも核兵器保有にこだわるベングリオンとそれを阻止してイスラエルに圧力を加える
ケネディとの暗闘が暗殺事件の要因になったとパイパーは書いている。
そして、ケネディによって核保有を抑止されたイスラエルは中国と組んで核兵器開発に乗り出したと。
説得力のある説だと思う。
この説が正しければ、共産中国の核武装にもイスラエルが関与していることになる。
(「ケネディとユダヤの秘密戦争」第8章「イスラエルと共産中国の秘密の核兵器同盟」より)
パイパーは最近亡くなったそうだ。暗殺されたのではと言われている。

さて、このようなイスラエルの米国側における最大の理解者、というより一心同体
と言っていい仲間がネオコン勢力である。よく知られているように、
そのネオコンが米国の強硬な外交政策を推進している。
そして、表向きは反中タカ派であり親台湾派でもある。先年の香港雨傘デモでは、
デモ隊のスポンサーである香港のメディア王・実業家のジミー・ライという人物が
ネオコンの大物、ポール・ウォルフォウィッツと密会していたことが報じられている。

そのような表向き熱心な「反中派」であるはずのネオコンと一心同体の関係
にあるイスラエルが長年に渡り、中国に軍事機密を流したり、武器を売ったり
してきたのである。これはネオコンと一体の右派リクード党政権時代も当然含んで
いる。現に2005年当時の町村外相はリクードのシャロン首相に武器輸出を
止めるよう要請している事は前述の外務省の資料にある通りである。
「中国共産党にシンパシーを持つ左派政権だけが支援してきた」ということはない。
右派シオニスト政権含めた、イスラエルの一貫した政策である。
(もっとも近代シオニズムの理論を最初に創始した人物こそが社会主義者である
モーゼス・ヘスだったのであるが。近代シオニズムはマルクスと肩を並べて
第一インターナショナルに参加した社会主義者が考えた理論なのである。思想的に
言ってもシオニストが中国共産党を支援しても特に違和感は無い)
https://ja.wikipedia.org/wiki/モーゼス・ヘス)

ネオコンが本気で「反中」なら、この時点でシオニストやイスラエルとは縁を切る
はずだが、そうはなっていない。一方、ネオコンはCSISなどシンクタンクを拠点に、
ジャパンハンドラーズを通じて日本の親米勢力をコントロールしている。

奇妙なことに、同じ「仲間」の内、米国のネオコン勢力は、日本の親米勢力を操作し、
イスラエルは中国に軍事協力を継続してきたのである。しかも昨年にはイスラエルは
日本に「日本・イスラエル共同宣言」という準軍事同盟を結ばせた。
(非常な重大事であるにも関わらずほとんど報道がなされなかった)
一方では中国に軍事協力し、一方では日本と準軍事同盟を結ぶ。中国に武器を売りながら、
日本とイスラエルでの兵器の共同開発の話も出ている。
これを「両建戦術」と言わずして何というか!と思う次第である。

両建戦術と言えば興味深い話がある。
国際政治アナリストの伊藤貫氏がイラン・イラク戦争時に「アメリカはイラクを支援し、
イスラエルはイランを支援していることを知って驚き、そのことについてイスラエルロビーに近い
猶太人に「それでは戦争がいつまでも終わらないではないか」と質したそうである。
そうしたらその人物は「それが我々の目的だ」と言ったとの事。
イラクとイランが争い続けた方がイスラエルにとっての利益になると。
「両建戦術」というのは単なる陰謀話ではない。現実に国際政治における謀略戦で実際に
使われている戦術なのである。

イラン・イラク戦争においてアメリカはイラクを支援し、イスラエルはイランを支援した。
現今の日中紛争・日中対立もこれと同じ構造があるのではないか?と思えてならない
のである。安倍一味以下、日本の親米保守・統一協会系右翼の背後にはネオコンがおり、
中国共産党の背後にはイスラエルがいるからだ。

ここでどうしても思い浮かぶのが戦前からの陰謀追及者・渡部悌治先生が伝えられた
「日支闘争計画」である。これは渡部悌治先生の御著書「ユダヤは日本に何をしたか」
(私家版タイトル「攘夷の流れ」)に以下のように伝えられている。

「西紀一九一八(大正七)年九月一七日、モスクワにおいてイルミナティ(ユダヤとボリシェビーキとの合同)会議が開かれた。そして「イルミナティの荘厳な会議において、一五名の会員、国民ソヴィエトの五委員、全連盟共産党中央委員会の秘書一名が署名して交付するもの」という「日支闘争計画案」を含む文書が交付された。この文書には、「一九一八年八月中旬、イルミナティ大会は、ユダヤ世界最高会議より発せられた教書を受領した。この教書は今後におけるヨーロッパ及びアジアの同時闘争の決定計画を指示するものである」と冒頭に注意書きしてあったという。

この案の日支関係についてを要約すると、「直ちに日本と支那との内部破壊を図るとともに、支那に反日運動を起こさせ、それを日支の武力闘争にまで発展させ、それに対してソ連と特にアメリカを干渉させる戦争にまで発展させて日本を倒し、それとともにヨーロッパに社会革命を起こさせる第二次の世界大戦を計画する」というものであった。」

「このいわゆる「日支闘争計画案」なるものは、その後永く日本の親英米・親ソ容共派の行動を内面から指導し続けた原理であった。 その原理を実施するための機関をと目されるものも、既に甘粕事件発生のころから日本に設置されている。太平洋問題調査会(IPR)であり、本格的には大正一五(一九二六)年から常設となった。ロックフェラーとソ連の司令下にあった秘密工作機関である。もちろん表面は公設機関と見せて、民間機関と称していた
。」
引用終わり。

(※太平洋問題調査会には日本側としては新渡戸稲造や前田多門などクェーカー教徒が参加している。新渡戸の弟子で無教会主義キリスト教徒の田島道治が戦後の初代宮内庁長官に就任するなど、この人脈は宮中周辺にも浸透している)

五四運動が始まったのはちょうどこの翌年1919年である。普通、五四運動は
パリ講和会議において二十一か条の要求が承認されたことに対する抗議
として始まったとされている。ただ、二十一か条の要求は1915年である。四年のブランクがある。
いくらパリ講和会議・ヴェルサイユ条約のことがあったにしても四年も経ってからにわかに
大規模な抗議運動が勃興するというのも不自然な気がするのだ(所謂「人工芝運動」の可能性)。
ロシア革命と第一次大戦後の世界的な社会主義的な左翼革命運動の勃興と軌を一にする運動、
とした方がまだしも納得できる(この時期敗戦国独逸でも社会主義者・共産主義者
による革命運動が勃興。この後、ナチス政権成立までナチスと共産党による
両建抗争が続く。共産党が躍進し、安倍一味以下ネオコン勢力と両建抗争を演じている
今の我が国の状況はこのワイマール共和国末期に似ていて不気味だ)。
第一次大戦終結直前に国際秘密力製の人造国家であり、世界中の革命勢力の中心だった
ソ連において、その後の中国大陸における基本戦略を策定したとしてもおかしくはない。
現にそれ以後、反日気運が勃興し、

1921年 コミンテルンによる指導の下、陳独秀を指導者として中国共産党結成(同じコミンテルン指導下の日本共産党は翌年結成) 

1924年 国共合作・コミンテルン工作員・ミハイル・ボロディンの進言により黄埔軍官学校設立(孫文の子飼いでクリスチャンでメーソン員の蒋介石が校長、グラントリアンの周恩来が政治部副主任に就任。英仏両系統のメーソン揃踏み)

1927年 南京事件・漢口事件で日本人が暴行・虐殺さる これを受け日本は山東出兵

1928年 済南事件(居留民保護のため出兵していた日本軍と北伐中の蒋介石率いる国民革命軍との間で衝突)

1936年 西安事件・第二次国共合作(西安事件は日支闘争を実現させるための前提である国共の抗日共同戦線を実現させるために蒋介石を監禁・脅迫した事件。スターリンは中共に国民党との共闘を指令)                 
1937年 支那事変勃発(劉少奇部隊による発砲がきっかけとされる)→日本軍と国民党軍の泥沼の戦争→間隙をぬった共産勢力の伸張

1939年 ノモンハン事件(日本軍とソ連軍による大規模な軍事衝突)

1941年 大東亜戦争開戦(日米戦争開戦。この当時、ルーズベルト政権の周り、特に国務省は容共分子であふれかえっていた。主にこの人脈が対日強硬外交を推進。戦前、国際政経学会にて講演した米国人の証言あり。国立国会図書館近代デジタルライブラリーにて確認)

1945年 日ソ中立条約を無視してソ連が対日参戦、広島・長崎への国際法を無視した原爆投下(日本人の大量虐殺)、第二次大戦終結→日本、連合軍に占領さる、大陸では国共内戦勃発(この間、米国国務省は国民党への援助を打ち切り、中国共産党側を側面支援。「共産中国はアメリカがつくった」ジョセフ・マッカーシー著を参照)                    

1949年 中華人民共和国=共産中国誕生し、中国大陸の赤化完了。


という歴史を辿る。これは先ほど見た「直ちに日本と支那との内部破壊を図るとともに、
支那に反日運動を起こさせ、それを日支の武力闘争にまで発展させ、それに対してソ連
と特にアメリカを干渉させる戦争にまで発展させて日本を倒し」
という「日支闘争計画案」の通りに事態が推移しているように見える。
以前当ブログで少し言及した章炳麟なども、当初は対日戦争と中国共産党に反対していた
ものの、晩年にはこの流れに抗しえなくなっていた。中国革命の「三尊」の一人と言われた
章炳麟でさえ抗する事ができない反日策動の滔々たる激流が形成されていたのである。



最近の日中紛争もこの「日支闘争計画」の続き、いわば「第二次日支闘争計画」
に思えてならないのである。
対中問題は単に「中国共産党に(だけ)対抗すればよい」(親米保守)、
「中国は脅威ではない」(日本共産党)という両極端な単純な視点になりがちだが、
それでは足元をすくわれかねない。
「日支は対立させよ」というのが、おそらくはイエズス会が侵襲してきた戦国時代からの
国際秘密力による対東亜政略の絶対方針になっていると思われる(イエズス会による対日侵攻の
やり方がその後の西洋による対日侵攻戦略のプロトタイプと考えている)。
現にスペイン国王に宛てて、キリシタン化した日本人を傭兵にして明を攻めさせる
策略を提案する宣教師もいた。

フランシスコ・カブラル「私の考えでは、この政府事業を行うのに、最初は7千乃 至8千、多くても1万人の軍勢と適当な規模の艦隊で十分 であろう。・・・日本に駐在しているイエズス会のパード レ(神父)達が容易に2~3千人の日本人キリスト教徒を 送ることができるだろう。彼等は打ち続く戦争に従軍して いるので、陸、海の戦闘に大変勇敢な兵隊であり、月に1 エスクード半または2エスクードの給料で、暿暿としてこ の征服事業に馳せ参じ、陛下にご奉公するであろう。」
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogbd_h12/jog154.html

近代における「日支闘争計画」もその流れの中に位置づけられると思う。
そしてこの絶対方針は今も全く変わっていないと思われる。
だから単純に「中国を倒せ」とか「中国は全く脅威ではない」というだけでは両建戦術に
乗せられてしまう。
常に両建の背後を意識しておくべきである。

渡部悌治先生は「このいわゆる「日支闘争計画案」なるものは、
その後永く日本の親英米・親ソ容共派の行動を内面から指導し
続けた原理であった」と書いておられるが、これは今も親米派(右翼)と
親中派(左翼)を「内面から指導し続ける原理」そのものではないだろうか。
所謂「左右両建」「ウヨサヨプロレス」というのはまさに、
この「内面指導原理」に沿って行われている茶番劇、と言えるのでは
ないだろうか。
親英米派の流れの親米保守・統一系右翼は中国しか批判せず、
親ソ容共派の流れである左翼親中派は共産中国の背景にはノータッチ。
この両者による両建的「競争的努力」(カトリックVSプロテスタント
というキリスト教の対日分進合撃戦術について述べた山中豊吉氏の表現)
により「日支闘争」の危険水域はいや増している訳である。
「ウヨサヨプロレス」には大変根深い歴史的因縁があるようだ。
構造は戦前も今も何も変わっていないのである。


この歴史的因縁を加味して現今の南シナ海の問題を考えると、
「米中対立に見せつつ、途中で集団的自衛権を理由に自衛隊を放り込み、第二次日支闘争に繋げる」
という狙いを十二分以上に警戒しておく必要がある。
支那事変の時には「暴支膺懲」と言われたが、「暴支」(本当は中国人全体ではなくフリーメイソン製の
国民党や中国共産党などの反日策動分子。国民党は米英系メーソンの孫文が創設、中国共産党は
周恩来や鄧小平などのフランス帰りの仏蘭西系メーソン=グラントリアンを中心に結成。
国民党VS中国共産党とは英仏メーソンの両建構造だったと見る事ができる。ちなみに
孫文はクリスチャン。一説では猶太人しか入れないはずのブナイ・ブリス結社員だったとか)
の背後に「暴米・暴英・暴仏・暴ソ」がおり
そのさらなる背後には「暴国際秘密力(金融資本閨閥を中心とした国際的な権力ネットワーク)」
がいたことは我が国ではごく少数の先覚者を除いて意識される事は無かった。
現在の「米中対立」でも、歴史に鑑みて、中国共産党や米国の背後を常に見据えておくべきである。
「戦争とは、常に作られるものである」という歴史の教訓を忘れてはならない。
今は戦前とは違い、ネットがあるので、このあたりに気づいている方の数は戦前とは比べ物に
ならない。そこが大きな希望である。
「第二次日支闘争計画」絶対阻止!である。