・カトリック神父300人が性的虐待 被害者は数千人か(朝日新聞DIGITAL 2018年8月15日)

※米ペンシルベニア州最高裁判所は14日、同州のカトリック教会で起きた神父による少年少女への性的虐待についての大陪審の調査報告書を公表した。報告書には虐待を行っていた神父300人以上の実名リストも盛り込まれた。教会側の隠蔽(いんぺい)工作についても指摘している。
 
カトリック教会では、世界各地で神父による性的虐待が表面化し、大きなスキャンダルになっている。国際的な問題となった発端は、米東部マサチューセッツ州ボストンでの性的虐待の実態が2002年に報じられたことだった。
 
大陪審は同州内の8教区を対象に2年かけて50万ページの教会内部文書を調べたほか、関係者への聞き取りなどを行った。過去70年以上にわたって神父400人以上の関与が浮上、うち虐待の証拠がそろった故人も含む300人以上について公表した。
 
文書から明らかになった被害者は1千人ほどだが、大陪審は実際には数千人に上ると見ている。被害者の多くは少年だが、中には少女も含まれていたという。思春期前の年齢の被害者が多かった。また、教会は虐待の告発を受けても警察に通報せずにいい加減な内部調査で済ませたり、加害者を別の任地に配属したりし、問題が大きくなるのを防いでいた。
 
大陪審は容疑が時効を迎えていない神父2人を起訴したが、ほとんどがすでに時効になっているという。

※ドイツでも聖職者が性的虐待 未成年者3677人が被害(朝日新聞DIGITAL 2018年9月13日)

※ドイツのカトリック教会の聖職者らが1946年から2014年にかけ、3677人の未成年者に性的虐待を加えていたことが明らかになった。ドイツ司教会議による調査報告として近く公表される予定だと、独誌シュピーゲル(電子版)などが12日、伝えた。
 
同誌などによると、虐待には少なくとも1670人の聖職者がかかわった。被害者のほとんどは男児で、13歳以下が半数以上を占めたという。報告書は性的虐待の理由については言及していないという。
 
報告書は、聖職者による虐待事件が相次いでいることを受けて、ドイツ司教会議が国内の大学に調査・作成を依頼。教会の内部資料や賠償請求訴訟の資料に基づいて作成した。25日にも公表されるという。
 
カトリック教会の聖職者による未成年者への性的虐待問題をめぐっては、今年8月にも米ペンシルベニア州で神父300人以上が1千人超を虐待していたことが明らかになった。フランシスコ法王は教会内から辞任を求める書簡を公表されるなど、批判の矢面に立たされている。

・独カトリック教会、子どもへの性的虐待3766件 過去68年間で(CNN 2018年9月13日)

※ドイツのカトリック教会の聖職者による子どもへの性的虐待が、1946~2014年の間に「少なくとも」3766件あったことが13日までに分かった。地元メディアが、漏洩(ろうえい)した調査報告書をもとに明らかにした。

調査は独カトリック司教協議会が依頼し、国内の3つの大学が4年がかりでまとめた。全体の内容は今月25日に公開される。

地元メディアの「ディー・ツァイト」と「シュピーゲル・オンライン」によれば被害者はほとんどが少年で、13歳以下が半数以上を占めた。6件に1件はレイプ絡みの虐待で、少なくとも1670人の聖職者が関与したと報告されている。

報告内容の漏洩を受け、シュテファン・アッカーマン司教はCNN向けに声明を出し「調査によって性的虐待の広がりが明らかになった。当事者として狼狽(ろうばい)し、恥じ入っている」と述べた。

同司教は今回の調査の目的について「教会の暗い側面をこれまで以上に明らかにし、透明性を高めるねらいがあった。被害に遭った人々のためであると同時に、自分たち自身も過ちと向き合うことでこうした行いを繰り返さないよう肝に銘じたいと思った」と説明した。

一方で報告がメディアによって公にされたことについては遺憾の意を表明。「司教協議会のメンバーでさえも全体の内容は知らされていなかった」と語った。
カトリックの聖職者による性的虐待が世界各国で非難されている現状を受け、 ローマ法王庁(バチカン)は12日、フランシスコ法王が来年2月に各国の司教協議会のトップと会談する計画を明らかにしていた。

・ドイツでも聖職者の児童性的虐待が発覚、被害者3600人超(AFPBB 2018年9月13日)

※ドイツで1946~2014年にローマ・カトリック教会の聖職者1670人が未成年者3677人に性的虐待を働いていたことが、リークされた調査報告書で明らかになった。カトリック教会をめぐっては世界各国で聖職者による児童性的虐待が明るみに出ており、報告書は教会にとって新たな打撃となった形だ。調査を委託したドイツ司教協議会(German Bishops' Conference)の幹部は12日、「がく然とし、恥ずかしく思う」と述べた。
 
調査結果は今月25日に正式に公表される予定だったが、ニュースサイト「シュピーゲル・オンライン(Spiegel Online)」など複数のドイツメディアがそれに先立って抜粋を報じた。報告書の執筆者らは、一部の書類が破棄されたり、改ざんされたりしていたため、性的虐待の規模は実際にはもっと大きい恐れがあると指摘している。
 
ドイツ司教協議会のシュテファン・アッカーマン(Stephan Ackermann)司教は協議会を代表して「この調査によって示された性的虐待の規模を知り、がく然とし、恥ずかしく思っている」と表明した。
 
調査は「被害者のために教会の暗黒面に光を当てる」ことを目的に実施された。教会が自らの過ちに気付き、そうした過ちを繰り返さないためにあらゆる手を打つためものでもあるとしている。
 
調査ではドイツの27教区の文書3万8000点を調べた。被害者のほとんどは少年で、半数以上は被害当時13歳以下だった。

・児童と強制SEX「神父のペド事件の告発は悪魔の仕業」ローマ教皇が教会を全力擁護! あまりのクズ発言に非難殺到!(TOCANA 2018年10月26日)

※昨今、カトリック教会の児童性的虐待事件が社会を震撼させている。トカナで既報のように、米ペンシルベニア州ピッツバーグで、過去70年間に300人以上もの司祭が数千人の児童に性的虐待を行っていた事が明るみになり、現在、米国議会やFBIも乗り出す大事件に発展しているのだ。

■教皇「サタンがカトリック教会を巻き込んだ」
 
さて、このカトリック教会を根底から揺るがす大スキャンダルに対し、バチカンのトップであるローマ教皇フランシスコは、こう語っている。

「性的虐待告発の背後には、サタンがいる。サタンが教会の人々をスキャンダルに巻き込むため、司教にそれ(告発・批判)をさせている」
 
そして教皇は、先日のミサでさらに驚きメッセージを発したのである。

「カトリック教会は悪意ある攻撃(告発や批判)、愚行、腐敗行為から救われなければなりません」
 
教皇は性的虐待隠蔽について直接言及しなかったが、この演説が、今年初めに聖職行使停止を言い渡されたセオドア・マカリック枢機卿(当時、以下略)をめぐる動きに関連していることは明らかだ。
 
セオドア・マカリック枢機卿は、1970年代から礼拝儀式の侍者であった10代の男子児童の身体を触るなどの性的接触に及んでいたとされる。そして、2000年以降もマカリック元枢機卿がニュージャージー州のビーチハウス内のベッドに神学生を連れ込んでいることをバチカンは把握していた。マカリック枢機卿の行いは、バチカンでは公然の秘密となっていたのだ。

マカリック枢機卿の行いを認識していたにもかかわらず、2001年に時の教皇ヨハネ・パウロ2世は、彼に枢機卿の地位を与え、ワシントン大司教にも任命。それは、バチカンの当局者が彼の資金調達力の手腕を高く買っており、過去の同性愛行為は単なる「道徳的な喪失」と考えたためだという。しかしその後、一連のスキャンダル告発の流れに沿って、今年マカリック枢機卿は聖職者としての地位を解かれ、現教皇フランシスコより生涯の償いと祈りを命じられた。これによってバチカンは事件の幕引きを図った形だが、事はそう簡単に運ばなかった。

なんと、イタリアのカルロ・マリア・ヴィガノ大司教が、11ページにおよぶ声明を発表し、教皇フランシスコはマカリック枢機卿に十分な制裁を科していないと非難。さらにワシントンの元教皇特使も努めたヴィガノ大司教は、教皇フランシスコに辞任を要求したのだ。
 
ヴィガノ大司教がカトリックの報道機関に、教皇への辞任を求める声明を出した後、教皇フランシスコは、ヴィガノ大司教の主張について直接コメントすることを拒否。しかし、バチカンの集会で、教皇はヴィガノ大司教による批判の裏に「悪魔」がいることを暗示したうえ、批判はマカリック枢機卿に対する「恨み」によるものと断じた。一方、ヴィガノ大司教は、教皇フランシスコのメッセージに不快感を示した。

教皇フランシスコは直接的なコメントを避けたとはいえ、過去2週間のミサにおける彼の説教は、ほとんどがこのスキャンダルに関連しているようだった。例えばミサで“悪魔”がカトリック教会の品位を下げるべく日夜活動を続けていると話したこともあった。
 
そして、教皇フランシスコはこのスキャンダルに関与した人たちに、「沈黙と祈り」を呼びかけたのだった――。

■「性的虐待事件は“9.11”に相当する」
 
さらに驚くべきことに、教皇フランシスコと前ローマ教皇であったベネディクト16世(現・名誉教皇)は、この性的虐待事件を当該聖職者たちにとって「9.11(アメリカ同時多発テロ事件)」に相当すると語っている。
 
名誉教皇の側近であるゲオルク・ゲンスバイン大司教は、「17年前に米国で起きたテロと、このスキャンダルは全く違うと思われるだろうが、教会が突然の攻撃で崩れ落ちる現象としては同じだ」と補足。しかし、テロリストによって突然殺された無実の人と、性的虐待を隠ぺいし続けたカソリック教会が同じという考えは常人には何とも理解しがたいものがある。

なお、最近になって米国カトリック司教協議会首席ダニエル・ディナルド枢機卿をリーダーとした米国代表団が、教皇フランシスコとバチカンで謁見することが発表された。

ディナルド枢機卿は、「性的虐待事件を起こしたマカリック元枢機卿に対する本格的調査が、教皇フランシスコの命によって行われることを望んでいる」「マカリック元枢機卿の行為を隠し続けた現在の教皇を含むバチカンの最高幹部は、何らかの答えを出すべきだ」と語っており、また一悶着ありそうな雰囲気である。
 
次から次へと明るみに出るカソリック教会の堕落した行い、この犯罪を単に「悪魔の企み」として祈りと沈黙で終わらせることは、もうできない。一体、カトリック教会は、この大いなる幻滅と威信の低下にどう対処していくつもりだろうか。

(文=三橋ココ)