・日本を私物化して開き直る安倍夫妻の異常(Predident Online 2018年7月2日)
元木 昌彦
※「真実ではないこと、偽りのこと。極論でいえば、嘘というものは、それを発言した人にとどまることなく、第三者、他人をまきこんでいく」。愛媛県の中村時広知事は5月11日の記者会見でそう話した。元「週刊現代」編集長の元木昌彦氏は「嘘をつき続ける安倍首相の言動は異常だ。また公私をわけられない昭恵夫人の行動も理解できない。2人とも人間として大事な何かが欠落している」という――。
安倍晋三という政治家をひと言で表す漢字は「嘘」だ
12月に京都・清水寺で発表される今年の漢字は「嘘」に決定した。
それ以外にないと、私は思っている。これに似た漢字「偽」が選ばれたのが、年金偽装問題が起きた2007年であった。これは第一次安倍内閣の時だ。安倍晋三という政治家をひと言で表す漢字に「嘘」ほど適切な言葉はない。
歴代総理で嘘をついた人間は数多いる。筆頭は佐藤栄作であろう。彼は沖縄返還を急ぐあまり、アメリカからは「核付き返還」といわれたにもかかわらず、「核抜き本土並み返還」だと国民を欺き、ノーベル平和賞まで授与されてしまうのである。
ここまでスケールの大きな嘘だと、沖縄返還という大義名分があるから仕方ないかと、騙されたほうもため息をつくしかないのかもしれない。
「公約は嘘だった」といってのけた小泉元首相
もう一人あげるとすれば小泉純一郎である。竹中平蔵を経済財政政策担当大臣に据え、派遣法改悪を含む格差拡大政策を取り、非正規労働者を激増させ、貧しい者をより貧しくしてしまった"元凶"である。
私が小泉を許せないと思うのは、この発言である。
総裁選出馬の時に公約した「国債30兆円枠」を守れなくなると、衆院予算委員会で「大きな問題を処理するためには、この程度の約束を守れなかったというのは大したことではない」といい放ったのである。
時の総理があの公約は嘘だった、破ってもいいといってのけたのだ。麻生太郎・財務相も真っ青の、狂気ともいうべき大暴言であるはずだ。
だが不思議なことにメディアの追及は甘く、小泉はそれからも放言を重ねた。当時のブッシュ大統領がイラク進攻の名分にした「大量破壊兵器」に、根拠もなくいち早く賛成した。後にアメリカが嘘だったと認めたのに、私が知る限り、小泉自らが誤りを認めて謝罪したという話は聞いていない。
在任中には原発を容認しておいて、今になると反原発をいい続けていたかのように振る舞う。この男には政治家に最低限必要な節操というものがない。
この二人に比べると安倍の嘘はスケールが極めて小さい。だからといって罪が軽いというわけでは決してない。
官房長官や大臣、秘書官、官僚までが嘘に嘘を重ねている
妻・昭恵が親しくしていた森友学園理事長の国有地購入に便宜を図ったこと。安倍の腹心の友である加計学園理事長の進めていた獣医学部新設に安倍自らが便宜を図ったことは、ほぼ間違いない事実なのに、安倍夫妻は嘘をつき続け、しらを切りとおしている。
最高権力者がついた嘘を、周りが寄ってたかって糊塗(こと)しようと、官房長官や大臣、秘書官、官僚たちまでが嘘に嘘を重ねてきているのである。異常というしかない。
集団思考の研究で有名なアーヴィング・ジャニスは、大統領とその側近がいかに優秀であっても、集団になるとばかげた意思決定をしてしまうことがあると、ベトナム戦争時のトンキン湾事件やウォーターゲート事件を例に出して分析している。
まして優秀ではない権力者が保身のために嘘をつけば、つじつまを合わせるために、官僚たちが文書改竄という犯罪的行為にまで手を染めてしまうのである。
愛媛県の中村時広知事は5月11日の記者会見でいみじくもこう指摘した。
「真実ではないこと、偽りのこと。極論でいえば、嘘というものは、それを発言した人にとどまることなく、第三者、他人をまきこんでいく」
困ったことに、嘘も百万遍いい続ければ嘘ではなくなるという空気、「安倍症候群」とでもいうべきものが日本中を覆い尽くしているのだ。
茂木経済再生相、内田日大監督、小池都知事……
今年に入ってからも、茂木敏充・経済再生相が地元の有権者に線香を無料で配布していた件で、個人の名前は書いていないから公選法違反にはならないと嘘をついた。
日大アメフト部の内田正人監督は、自軍の選手に、相手の選手にけがを負わせるよう指示したが、内田は記者会見で「指示はしていない」と否定し続けた。内田は日大の人間に「否定し続ければそのうち忘れる」と嘯いていたと報じられている。
日本を私物化して開き直る安倍夫妻の異常: 2018年5月24日、ロシアへ向けて出発する安倍晋三首相(左)と昭恵夫人(写真=時事通信フォト)© PRESIDENT Online 2018年5月24日、ロシアへ向けて出発する安倍晋三首相(左)と昭恵夫人(写真=時事通信フォト)
福田淳一・財務事務次官は、テレビ朝日の女性記者へのセクハラ発言を録音され、週刊新潮がその音声を公開したのに、「オレの声ではない」と嘘をつき続けた。
小池百合子・東京都知事は、これまで経歴に「カイロ大学を"首席"で卒業」と書いてきたが、文藝春秋に「コネ卒業ではないか」と報じられた。会見で小池は、卒業したことは事実だとはいったが首席については黙して語らなかった。
安倍首相にも「経歴詐称」の過去がある
実は安倍にも同じ経歴詐称の過去がある。彼は成蹊大学を卒業後、アメリカの南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学していたと、当初の経歴には書いてあった。だが週刊ポスト(2004年2月13日号)が「経歴詐称」だと報じたのである。
南カ大学側は、安倍は1年間在籍してはいたが、それは「外国人のための英語」の授業だったことを認めた。その1年前は語学学校に通っていただけだったのだ。
以後、安倍は自分のプロフィールからこの部分を削除している。
極めつけは安倍の"嘘友"加計学園の加計孝太郎理事長の記者会見であった。
「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」
問題が起きて以来、逃げ隠れしていた加計が会見を開かざるを得なくなったのは、加計学園が獣医学部新設を進めるためについた嘘について申し開きするためだった。
15年3月、愛媛県に学園側が説明する時、学園側の人間が2月25日に加計理事長が安倍首相と面会し、獣医学部新設について説明した際、安倍が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」といっていたと説明していたのである。
愛媛県側に残されていた文書にはっきりそう書いてあった。そこで慌てた加計学園側は、話を前に進めるために嘘をついたといい出したのである。
首相の名前を使って相手に圧力をかけ、それがバレると嘘だったと臆面もなくいい出す輩が、教育者の仮面をかぶっているのだ。
「2月25日の記録が残っていないというのは考えにくい」
しかし名前を騙られた安倍は怒りもしなかった。やはり加計との間であのようなやりとりが実際にあったのだろう。そう思うのは私だけではないはずだ。そうした空気が蔓延することを恐れた安倍が、加計に「あんたが出て釈明しろ」といったのではないのか。
ようやく会見に出てきた加計だったが、記者クラブへの通告は2時間前、時間は30分、地元記者に限るというさまざまな制限を付けた。
そこで加計は、部下が嘘をついた、安倍とはその日面会していない、当日の記録はないと全否定したのだ。記者も核心を突く質問ができず、加計は間違いなく嘘をついているという印象が強く残っただけの会見だった。
ノンフィクション作家の森功は、昨年5月に文藝春秋で「安倍首相の腹心の友の商魂」を書いた際、加計側から猛烈な抗議を受けた。その際、加計側は理事長の詳細なスケジュールを出してきたと日刊ゲンダイで話している。それなのに「15年の2月25日の記録が残っていないというのは考えにくい」(森功)。
すべては17年2月17日、衆議院予算委員会で、森友学園に対する国有地払い下げに昭恵が関与しているのではないかと聞かれ、思わず口走ったこの言葉が発端だった。
「私や妻が関係していたということになれば、私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」
森友に続いて加計学園問題も追及され、いったんついた嘘に嘘を上塗りして、身動きが取れなくなってしまったというのが実態であろう。
「昭恵さんを慰める会」に集まった保育業界の思惑
その昭恵に新たな疑惑があると週刊文春(7/5日号、以下文春)が報じている。
6月2日、山口県下関市の割烹旅館「春帆楼」に昭恵が6人ほどのSPを従えて入っていった。「帝の間」で待っていたのは保育サービス業大手「ポピンズ」の中村紀子会長(69)と森まさこ参院議員(53)だった。
3月に開催された「ポピンズ」の30周年パーティで、昭恵は乾杯の音頭をとっていたそうだ。この日は中村が音頭をとり「昭恵さんを慰める会」を名目に、3万円コースのふぐを食らい、たらふく飲む会だったという。
文春によれば、第二次安倍内閣発足後に中村と昭恵は親しくなり、毎月のように飲んでいるそうだ。中村には当時、ぜひとも安倍首相に近づく必要があったというのである。中村はテレビ朝日にアナウンサーとして入社し、結婚、出産を経て退社した。
87年に娘をベビーシッターに預けて苦労した経験から、富裕層向けのベビーシッター業を始めた。その後、保育施設運営に乗り出そうとしたが、厚労省の岩盤規制にぶち当たったという。
目的は「官邸主導の国家戦略特区制度の活用」
一方安倍首相のほうは、アベノミクス新三本の矢として「待機児童解消加速化プラン」を打ち出す。そこで中村は安倍に近づき、岩盤規制を打ち破ろうと画策するのである。
女性経営者の交流団体(JAFE)を再始動させ、13年12月の発会式に安倍を呼ぶことに成功する。16年4月にはJAFEのセミナーで昭恵が講演している。
中村のもくろみは、認可保育園の場合、職員は全員保育士資格を持っていなければならないのだが、この規制を緩和して、保育士不足で進まなかった保育施設の増設を進め、国や自治体から手厚い補助金給付を受けられないかというものだ。
そこで中村が頼りにしたのが加計学園獣医学部設立問題でも出てきた「官邸主導の国家戦略特区制度の活用」(文春)だった。
要は、保育士の代わりに幼稚園教諭や小学校教諭の資格を持つ人間も認めてほしいというものである。だが厚労省関係者はこう疑問を呈している。
「中村さんの主張は、自分が運営する保育所増設のために、規制緩和して欲しいと主張しているようなもので、保育の質の確保は二の次に見えます。陳情にも来られましたが、厚労省相手では埒が明かないから、政治の力を頼りに内閣府で特区提案をしたのでしょう」
人件費70%を想定していたのに、平均50%程度しかない
結果からいえば、中村の望み通りに16年から規制が緩和されたのである。そのおかげで「ポピンズ」は120施設を増設し、全国で220カ所の保育施設を運営し、約70億円だった売上を17年度には約140億円に増やしているという。
その収入の半分が国や自治体からの補助金によるものだが、文春の調べによれば、国は保育所の経営実態調査などから人件費を70%と想定して補助金を支給しているのだが、「ポピンズ」運営の認可保育所の保育士人件費率は平均50%程度(16年度)しかないそうである。
中村の経営の私物化についてはここで触れないが、文春がいう通り「国家戦略特区には莫大な公金が投入される。首相夫人が規制緩和のメリットを享受する利害関係者と"お友だち"付き合いをしていては、その選定過程に疑念が生じることは加計学園の例からも明らかだ」。昭恵には人間として大事な何かが欠落している、そう思わざるを得ない。もちろん夫の安倍も同じである。
「50年後には再評価されるかもしれない」はあり得ない
来年のいろは歌留多は「嘘つきは泥棒の始まり」ではなく「嘘つきは安倍晋三の始まり」と変更されるだろう。
安倍がごり押しして今年から小学校で始まった(中学校は来年度から)道徳の授業でも、嘘をつくことは古来日本人の"美徳"であったと教えるようになるに違いない。
安倍は死しても嘘つき宰相としての名は末代まで残るのである。
それでも安倍は「悪名は無名に勝る」というかもしれない。「祖父の岸信介は、日米安保条約は50年後に評価されるといっていた。オレも50年後には再評価されるかもしれない」。そう考えているとしたら、期待は無残に踏みにじられるだろう。
とんでもないことをやった総理として歴史に名を残す
安倍が16年間通った母校・成蹊大学の元学長で、安倍の恩師でもある宇野重昭は、『安倍三代』(青木理著・朝日新聞出版)の中で涙を浮かべながら、安倍のことをこう語ったという。
「(違憲だと批判された安全保障関連法制は)間違っていると思います。私の国際政治学(の授業)をちゃんと聞いていたのかな、と疑っているところです。(中略)
はっきり言って彼は、首相として、ここ2,3年ほどの間に大変なことをしてしまったと思っています。憲法解釈の変更などによって平和国家としての日本のありようを変え、危険な道に引っ張り込んでしまった」
さらに、宇野は、現在の自民党の保守主義は本物ではないといっている
「現代日本にあるべき保守とは何か。民衆は、生活のことを第一に考える穏健な保守を望んでいる層が大半でしょう。(中略)
でなければ、(肯定的な意味で)歴史に名を残すのではなく、とんでもないことをやった総理として歴史にマイナスな名を残すことになる」
宇野がいうように、安倍が極端な保守主義に染まったのは、政治家になってからであろう。同級生たちの安倍評は異口同音に「可もなく不可もなく、どこまでも凡庸で何の変哲もないおぼっちゃま」(『安倍三代』より)である。
日本人は善悪の判断ができなくなってしまったのか
さしたる勉強もせず確固たる信念も主義主張もない安倍は、政界に入り、岸の孫として受け入れてくれる人間たちの考えや思想を取り入れ、それを自分のものと勘違いして生きてきたに違いない。
「(自民党支持が高い10~30代は)一番新聞読まない世代だ。新聞読まない人は、全部自民党なんだ」といい放つ暴言の塊のような麻生太郎を、自己保身のために斬ることさえできない、気弱で凡庸な宰相である。
だが困ったことに、気弱な人間にありがちな独裁への憧れが強く、民主主義を蔑ろにすることを何とも思わない一面もある。
今回のように、働く者をより過労死させる働き方改悪法案や、ギャンブル依存症を増やすカジノ法案などを、ろくに審議もせずに成立させてしまう強引な手法も厭わないのである。
これほど劣悪な安倍政権を国民の4割近くがまだ支持しているということが、私には信じられない。あまりの安倍の言動の異常さに慣らされ、日本人の何割かは善悪の判断ができなくなってしまった。そう思うしかない。(文中敬称略)
・「日本の精神性が世界をリードしていかないと地球が終わる」 安倍昭恵氏インタビュー(BLOGOS 2018年11月9日)
※「アベ政治を許さない」と書かれた紙を広げた男性の横で、微笑みながら写真におさまったこともある安倍総理夫人の安倍昭恵氏。昭恵氏は、時に総理である夫の政策と異なる発言をすることで注目を集めてきた。
こうした昭恵氏の言動の背景について、社会学者・西田亮介氏がメディア上でコメントしたところ、その記事が本人の目にとまり、10月26日に対談が実現。進行は、昭恵氏と親交の深い構成作家の谷崎テトラ氏が務めた。
・安倍昭恵さんとの「対談」と、その影響力、政治性について - 西田亮介
昭恵氏「本当の私を見てください」
谷崎:本日は、昭恵さんが「週刊プレイボーイ」に掲載された西田さんの記事を読んで「ぜひお会いしたい」ということになり、総理公邸に集まりました。
西田:まず、なぜぼくに興味をお持ちになられたのかということを伺いたいと思います。一般論として、総理夫人という立場の方は、あまり若手の研究者なんかに興味は持たないですよね。
安倍:「直感的にお会いしたいと思いました」っていうそれだけで。ほぼ直感で生きているので。
西田:「ほぼ」というのは、どういうことですか?
安倍:「深く考えないで」というか。何をするか考える時にも、「じゃぁ、これ!」みたいな感じで生きているので。「今回、なぜ西田さんに会いたいと思ったのか」を、理論的に説明しろと言われても、「全然わかんない」って感じなんですけれども。
西田:ぼくが、三宅洋平さんと昭恵さんの対談にコメントした記事をお読みくださったんですよね。
・ 安倍昭恵首相夫人の独自活動は自民党メディア戦略の一環か?- 週プレNEWS
安倍:あの記事では、「私がメディアに載ることが、むしろ自民党を応援することになっている、だからメディア側も注意しなくてはいけないんじゃないか」といった論調だったじゃないですか。
西田:はい、基本的な論調はそうですね。
安倍:だから、本当の私を見てくださいって意味でお会いしたいなって。
西田:よろしくお願いいたします。
高江には秘書にも首相にも相談せずに行った
安倍:選挙の応援については、私も非常にジレンマはあります。「なぜ、全然知らない人の応援に行かなきゃいけないんだ」と主人(安倍晋三首相)に言うこともあるんだけれども(笑)。
西田:難しいですね。一般に、「総理夫人」という立場は、選挙で選ばれていないので、ある種の正当性を持っているという訳ではないことは間違いないでしょう。
なので、ある種の私人ではあるのですが、実質的には選挙の応援に入られることや、様々な形でパブリックな場へ出てこられて、活動もなさっている。それから外遊に同行される機会も多いでしょうし、海外からの来客がある場合もそうでしょう。
それが注目を集め、強い影響力をもっている現状を鑑みると、やはり、望もうと望むまいとある種の権力性を帯びるというところは、否めないのではないか、と思います。
安倍:ご指摘は、良く分かります。なので、むしろ率直にお聞きしたいことをどんどん聞いて欲しいです。一体どういうつもりで、私が活動しているのかということを、どんどん聞いてください。
谷崎:僕は、自民党が下野した時代に、昭恵さんと知り合ったんですが、とにかく勉強家なんですよ。大学院に入り直して勉強したり、とにかく好奇心の塊のような人なんです。
自民党のつながりで行けるところ以外、そうでない人達のところに行く。イメージでいうと水戸黄門的というか、暴れん坊将軍的なというか。どんどん実際に現場を見てみようと考えているんです。沖縄の高江ヘリパッド問題のときも、とにかく自らの意思で、秘書にも、ご主人にも相談せずに現場に入った。とにかく現状を見て、民衆の声を聞くといったら変ですけども、一般の人の声を少しでも聞こうという姿勢をもっているんです。
VIP扱いで感覚がズレていく
西田:“一般の人に混じって”という点は、重要視しているのでしょうか?高江にもプライベートで行かれたということですが。
安倍:その方が、「本当の姿が見える」と感じますよね。仰々しいのがあまり好きじゃないのもありますが。どこかに行く時は、そんな感じですね。あとなるべく普通でいたい。そうでないと、ものすごい特別になっちゃって。
海外に行って、飛行機を降りれば、そこに車が待っていて。パトカーと白バイが先頭で、もうノンストップでホテルまで、ビュッといけますね。飛行場の建物も通らずみたいな。
そればっかりだと、自分がおかしくなる。感覚がズレていっちゃって、最初の1年間はおかしかったですよ。
西田:第一次安倍内閣の時ですか?
安倍:普通に並んだりとかできなくなっちゃった。「なんで私がこんなところに並ばなきゃいけないの?」みたいな(笑)。イヤな感じになっていたので、今回も首相夫人の期間がちょっと長くなって、そういう風になりかけちゃって。
リハビリが必要な自分になりたくないので、可能な限り、個人でいけるところは個人で動いています。
西田:どうして、「普通でありたい」と思われるんですか?多くの人達はそうは考えないんじゃないですかね。
安倍:どうなんだろう。
西田:ぼくだったら、出来れば行列も並びたくないし。飛行機もなるべくアップグレードして、ささっと通りたいと思いますけど。
安倍:それが出来るから、逆に思っちゃうんですよね。
西田:そう聴くと、とても贅沢な悩みにも聞こえてきますね…。
「世界平和」を権力者にまかせておけない
西田:様々な現場に行って見て聞いて、どうしようとお考えなんですか?
安倍:私の大きなテーマは「世界平和」なんですね。
どうして平和にならないのか不思議なんですよ。これだけお金をかけて、毎年国連総会やって。私も出席しますが、G7のような様々な国際会議もある。いつもいつもみんな環境や紛争解決について話し合っているのに、全然平和につながらない。むしろ世界は混沌としていくみたいな。
「ちょっとお金の使い方間違ってるんじゃない?」みたいに思っていて。「もう権力者には任せておけない」みたいな。私が言うのは変なんですけど。
西田:そうですね。冒頭申し上げたように、昭恵さんも実質的には権力サイドともいえますので、これはなかなか複雑な事態ですね。
安倍:国のトップは国益が一番。だから、国のことは一所懸命考えるけど、国益同士がぶつかった時には、自分の国益を大事にするわけだから。そこに本当の意味での世界平和がないと思っていて。私は本当の意味での世界平和を作っていきたい。
それには、いままでマイノリティだったものが、繋がっていくことが大事なんだと思っていて、だから女性同士を繋げたり、LGBTとか、障がい者とか…。
何か“大きな力”に動かされている
西田:NPOのリーダーなどとも会ったりされているんですよね?
安倍:そうですね。でも今はごちゃごちゃで、自分でも何してるのか、よくわかっていなくて。でも「神様に動かされてる」と思っているので、ちゃんと、色んなもののつじつまがあって、「あ、こういうことだったんだ!」ってなる時がくると思うんです。
自分ではよくわからないんだけど、動いていると「あ、こっちの方向へ向かっていってたんだ」みたいな、そんな感じなんですね。
西田:宗教をお持ちなんですか?
安倍:キリスト教の学校で育ったんですけど、今は別にキリスト教というわけじゃなくて、どちらかというと神道です。アメノウズメから取った「UZU」という名前の飲食店を神田でやっているんですけど、渦を起こしていきたいという思いがあるんですよね。
西田:我々が日常生活を送る中で、なかなか「神様が」という言葉は出て来ないと思うんですよ。たとえば、ぼくは、無宗教・無信心なので、日常に「祈る」という行為が入ってくることはまずありません。キリスト教にせよ、神道にせよ、そういう「何か大きな力によって」という考えがあるものなのでしょうか。
安倍:人間の力というのは、もう本当に小さなもので。
西田:えぇ、まさに。
安倍:私は、大きな自然の一部であって、“動かされてる感”がすごくあるんですよね。主人もよく言うのですが、総理大臣は努力でなれるものではなくて。政治家の中で努力してる人はいっぱいいますし、他を蹴落としても、ポストを掴もうという人達もたくさんいますから。
そこで総理大臣になるっていうのは、“何か持ってる”“何か別の力”だと思うんですよ。「神」という言い方をしなくてもいいんだけど、なんかこう、“大いなる力”が働いていると私は思っていて。その力にある意味流されてるというか、乗っかっているのかなと、私は感じます。
西田:“大いなる力”に流されて、様々な方にお会いになっていると。
安倍:あと先祖を信じていて。うちの実家は森永製菓というところなんですけど。曾祖父(森永太一郎氏)がアメリカに渡って、向こうでお世話になったのが牧師さんで。日本に帰ってきてから会社のシンボルをエンゼルマークにするんですよね。
お菓子の会社が、ある程度の大きさになった時、父方の方の曾祖父(松崎半三郎氏)に社長が変わるのですが、その後、太一郎はずっと全国を布教して歩くんですね。子供たちがきちんと栄養を摂れて、幸せに暮らせるようにということをずっと考えていた人なので。
森永太一郎は佐賀の伊万里出身なんですけど、今も私は九州の方に向いている感じがしちゃうんですよね。そこに立ち返って行っているような。誰かの意志がいつも降りてくる感じ。
例えば、大本教の出口なおさんとか。最近だと、広島で折り鶴を織って、10歳で亡くなった佐々木禎子さんとか。なんだか導きがあって、パールハーバーの折り鶴を見たら、そのあと連絡がありました。
佐々木さんの甥子さんと会って話をしたり、ニューヨークで「グラウンドゼロのところに寄贈した鶴があるんで、観に行ってください」と言われたりとか。
「折り鶴の平和プロジェクト作りましょうよ」みたいな話が出てきたりとか。ちょっと行くと、物事がバーっと動いていくのは、私の力ではなくて、何かに動かされて、そこにいて。それこそ渦を巻いていってるんだなって。
主人自身も特別な宗教があるわけじゃないんですけど、毎晩声を上げて、祈る言葉を唱えているような人なんですね。
西田:何をお祈りされているんですか?
安倍:感謝の言葉を。
西田:それは誰に対してですか?
安倍:神様なのか、先祖なのか、分からないですけど。何か自分の力ではないものに支えてもらっていることに対しての感謝を。
西田:どこに向かって?虚空に向かってなんですかね?
安倍:分からないです。多分、自分に言い聞かせているのかもしれないけど、よく分からないです。
「それもいいねぇー」でパールハーバーに
谷崎:パールハーバーは、折り鶴の流れからだったんですか?首相夫人が、パールハーバーに行くということは、歴史的に見ても凄まじいことじゃないですか。
安倍:あれはね、最初は飲んでいる席で出た話しだったんです。今、海洋関係に関心があって、やっぱり海だと思って。それで今年8月、アメリカと一緒に、海洋環境フォーラムを開催したんですよ。それで「ハワイ行くんだ」って話をしていたら、「ハワイに行くんだったら、パールハーバー行けば?」と言われて。「それもいいねぇー」って。そんなノリですね。
谷崎:そんなに大きな政治的なイシューにはならなかったですけれども。
安倍:でもすごくハワイでも喜んでいただいて。
「公的に」という話もあったんだけど、そこは公人として行きたくないので、一般の人達と一緒に船に乗っていきました。ただ花だけは供えさせて下さいと。
谷崎:どんな思いでそこへ?
安倍:よくわからずに行ったんですよ。「パールハーバー行ったら?」「それもいいね」ぐらいだったので。もちろん、パールハーバーでどういうことがあったっていうのは、分かってはいたけれども。でも私がそこに行くことで、どんな感じなのかなって思ったんですが。
私が非常に感じたのは、アメリカにとって真珠湾攻撃は屈辱だったんだなと。
谷崎:ハワイは聖地でもありますからね。
安倍:そうですね。あそこは聖地なんですよ。ハワイのあそこを攻撃した日本は悪いかもしれないけど。本土からやってきて、あそこを乗っ取っちゃった人達もいるわけで。そもそものハワイに戻してあげましょうよって感覚になりました。自然の神様がそっちを望んでいるんじゃないかなって。
神道の中で使われる麻は「国産」であるべき
谷崎:最近、いろんな所を回った中で、「こんなことに関心をもった」というのはありますか?キューバ行ったりされてますけど。
安倍:いや、あまりないです…。今はやっぱり、麻がこうなっちゃったので。
※編集部注「大麻で町おこし」をしていた鳥取県智頭町を6月に視察していた昭恵夫人。その中心だった大麻加工品製造業「八十八や」代表、上野俊彦容疑者が10月に大麻所持で逮捕された。
西田:麻や大麻には結構関心をお持ちになっていたんですか?
安倍:そうですね。
安倍:麻は、日本にとって伝統的でとても大事な、それこそ、神様と繋がっているもの。
谷崎:しめ縄でもそうですし、神道の儀式に必ず必要なもの。
安倍:なぜあれをずっと使っているかって、それなりに「波動の高い植物」だからだと、私は思うんです。
その神社の神事で使われている麻のほとんどが「中国産」になってしまっていて、ビニールでできたものあるんですね。それは大きな問題で、日本の根幹の神道の中で使われる麻は「国産」であるべきなんです。
西田:そこまでこだわる必要があるのでしょうか?我々は、日常生活において、海外の食材を口に入れることも多々ありますが。
安倍:それも私は、多くを自給自足に戻すべきだって思っているんですけども。別に輸入が悪いとか、外国産が悪いっていうわけじゃないですけれど。やっぱり日本に生まれ育った日本人に、一番合うのは日本のものだと思っているんで。
西田:しかし、たとえば我々はすでに日常生活では「洋服」を着て生活をしていますが…。
安倍:はい、日本の文化より「欧米が良い」という風潮になってしまったことが、ちょっと私たちの中で間違ってしまった。全部が江戸時代に戻るのが良いって言っているわけではもちろんないんだけども。
谷崎:そこが、昭恵さんと首相では反対なんですが、ここまで話をしていくと、「強烈に日本というものを取り戻そう」という点で一致していて。「経済成長でそれを進めていこう」と考えている首相と、そうではなくて、「江戸時代に全部戻れるかは別にして、そういった価値観を取り戻すことが大切だ」と考えているのが昭恵さん。
異なるようで、昭恵さんと首相の考え方というのは、近いというか、同じところになってくるんです。
安倍:麻も、戦前は何万軒っていう麻農家があったんですよ。それがGHQによって禁止されてしまって、今は30軒ぐらい。それまではみんな自由に栽培出来ていたものが、いきなり禁止されてしまって、それを受け入れてしまった。
私たちはそうやって、戦争に負けて、それまで持っていた良いところを失ってしまったところもあるので。戦後レジームからの脱却と言っているけれども。私は、今、主人がやろうとしていることも、アメリカ追随と言われるけど、そうではなく、アメリカからも今後独立して、真の意味で日本が立っていくっていうところに向かっていると思っているんですね。
日本の精神性が世界をリードしていかないと地球が終わる
安倍:私は、本当にこれから日本が世界をリードしていかなきゃいけないと思っているんですよ。
西田:客観的には難しいように思います。経済もそうですし、私がいる大学の世界も、ドンドン世界ランキングが下がっているんです。これはなかなか厳しいですよね。頑張って現状維持することも難しいという感じがします。
安倍:でも、日本に対する世界の注目は、非常に集まっていると思うんですね。オリンピックもそうだし、文化も。
西田:訪日観光客は増えていますね。
安倍:新しいイノベーションが生まれているし、可能性として、日本はとてもポテンシャルが高いと私は思っています。その日本の精神性が世界をリードしていかないと「地球が終わる」って、本当に信じているんです。
西田:地球が終わるんですか?
安倍:本当に色んなところに、私も主人と行かせてもらっていますが、経済や環境問題にしても、テロや戦争だったりしても、どこの国も安定してないじゃないですか。先進国で比較的安定しているのは、日本しかないと思っているんです。
日本人って、元々が善悪で言うと、すごく「善」だと、私は思っているんですね。
新幹線のお掃除みたいなものであっても、あれは日本人にとっては「まぁ、すごいね」というぐらいだけど、もう観光名所になるくらい、世界からするとすごいことで。
何故外国人がすごいと思うかっていうと、あの素早いお掃除がすごいのではなくて、瞬間的にキレイにできるぐらいしか汚さない日本人のマナーの良さに驚くっていうところもあるっていう。日本って、私はやっぱりすごい国だと、本当に思っていて。
西田:まぁ、そうですね。ただ、大抵どの国にも「すごいところ」と「すごくよくないところ」があるような気もします。
安倍:千何百年ごとに世界の文化の中心が廻ってくる。そういうことを考えても、これからは日本の時代なんですね。
西田:う~ん。
谷崎:社会学者としては「そうです」とは言い難いところではありますね。
西田:各種の指標やデータを見てみても、日本の時代はもう来ないんじゃないかとしか言いようがないですね。とくに2020年以後はかなり厳しい。
安倍:みんなで日本の時代を作っていこうという気運が盛り上がっていかないと、本当に日本の時代は来ないと思うので。そこで私は、日本はすごいんだよって言いたいし、本当にそのように思っています。
今、伝統芸能にしてもなんでも、もうここで途絶えてしまいそうなものがいっぱいあって。工芸品にしても、後継者がいないという問題を抱えていて。それを今みんなで頑張って盛り上げていきたいです。
東京じゃなくて、地方がかっこいいって時代にしたい
西田:日本のきれいなところがお好きなんですかね? ぼくは、政治の研究の他に、若年無業者の研究やっています。いわゆる「ニート」の問題ですね。
若年世代にも今、年間60万人くらい若年無業者がいるんですけど、なかなか大変ですよ。日本の失業率は極めて低くて、失業率は下がっているにも関わらず、若年無業者の数は横ばいなんです。
つまり、子供の人口が減っていることを考え合わせると、比率としては増していることになります。第一次安倍内閣の時に、若者再挑戦のための施策というのは本格的に整備され始めたのですが、やはりその後なかなか、手薄な状態が続いています。
安倍:でも、なんかこう夢を持てない世の中よりは、夢があったほうがいいじゃないですか。
西田:う~ん。「夢」の問題でしょうか。経済や政策の問題じゃないでしょうか。
安倍:私はもう、東京じゃなくて、地方がかっこいいって時代にしたいと思っています。色んなニートの人達とも話しをしたりすることもありますが、なぜニートになるかも考えなくてはいけないと思います。。
西田:主にケガと病気ですね。よく「怠けた結果の自己責任だ」などと非難されがちですが、内閣府の統計などを見ると、主たる原因はケガと病気なんですよ。
だから、就労経験を持っている人が大半なんですよね。ブラック企業などに入って働けなくなって…みたいなケースもありますし。
安倍:でもそれで、ケガや病気が治ったりすれば、また気持ちが盛り上がってきて、働けばいいわけじゃないですか。
西田:まさにそれを許さない、復職したい人の気持を受け入れていない/受け入れられていないのが今の社会の在り方ということですね。
安倍:でも、例えば、夜の飲食業なんかは、今、本当に人手不足で、アルバイトも来ないっていうような状況なので、やる気になれば仕事はあると思います。また、地方では農業や林業など後継者がいなくて困っているところもある。一人一人に向いた仕事が見つけられるといいと思います。
西田:地方で、ですか。
安倍:私も実際、移住者と結構付き合っています。そうすると、農業したりとか、新しい形のコミュニティが生まれています。
でも、なんとなく若者たちが都会だけが良いんじゃなくて、地方でもうまく生きていけるんだっていうような形になってくといいなという思いがありますね。
西田:そうですね。それは確かにそうなれば良いですけどね。
安倍:だから、そこには伝統工芸の後継者がいたりとか、みんなが求めてる世界がある。大学を卒業したら大手企業に行くみたいなスタイルが、私達の時代と全然変わっていないので。
でも、そんな世界は「ちょっと先には無いんだ」っていうことを今の大学生達には言っています。そこを求めていても、幸せになれるわけではなくて。
西田:それは間違いないですね。
安倍:大手企業を目指している人達は、その名前や給料とか、働き方みたいなものだけで。「自分が本当に何をしたいか」ということを求めて、その会社に入ってるわけではない人が、ほとんどじゃないですか。そこが、これからはかなり変わっていくんじゃないかって思うんですよね。
西田:しかし、大半の生活者は、「夢」よりも「生活の安定」を望んでるんじゃないかと思います。
昔のような終身雇用のシステムも成り立たないうえに、一度職を失うと復職するのが困難なのが日本社会です。大学に目を向けてみても、親の世代にお金がない。昔は親が払うのが当たり前だったのですが、今は学費を払うのは学生本人に移りつつあります。その学費はどうするんだという問題があります。
そうなると給料水準が高いところに就職できないと奨学金を返していけない。例えば、生活費含めて、仮に大学在学中に年間100万円奨学金を借りたとしましょう。大学を4年で卒業して400万円借金背負った状態でとなると、なかなか給料水準の低いところに就職する、たとえば地方への就職は本人の意思とは別に制限される可能性もあります。
安倍:何を選び取っていくかということですよね。
高齢化社会ですので、お年寄りの方にはすごいお金がかかっていて。子供や教育のところにお金が行かないというのは間違っていると思うので。むしろ、そっちの方にお金を遣ってもらいたいなと思いますけど。
選挙の事情など色々考えたりする時には、どうしてもお年寄りの方が票にはなる部分があるので、どうしてもしょうがないところがあるかなって。
ただ、今の私の考え方に共感する人が増えてきているっていうのは確かだと思う。もちろん私、一部の人達にしか会っていないわけではなくて、不特定多数の人達の前で話しているつもりなんですよ。
西田:人がお好きなんですかね?
安倍:人見知りなので、誰でもいいってわけじゃない。でも嫌いな人は根本的にいない。でも、すごく仲良しの人もそんなにいないかも。
谷崎:自分を批判した人でも会いに行くとか。ちゃんとそこに向き合っていこうという姿勢がありますよね。
西田:ぼくはもともと人嫌いなのであまり人に会いたいと思いませんし、ましてや批判された人に自分から会いにいこうとは思いません。
谷崎:西田さんを批判した小林よしのりさんとは対談しないんですか?
西田:ろくに読んでないうえに批判といっても言いがかりのようなもので、どうせめんどくさいことになるだけですから、自分から対談したいなどとは思わないですね(笑)
プロフィール
■安倍昭恵
首相夫人。1962年生まれ、東京都出身。聖心女子専門学校卒、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修了。電通勤務を経て1987年に安倍晋三氏と結婚。
※野間易通
スピッた昭恵さんの話でニューエイジ系ナショナリズムの考え方がよくまとまってる。麻の話は30年前に第三書館の本に書いてあったことそのまんま。あとアクエリアスの時代云々が日本に置き換えられた風味。
・【アッチの世界】安倍昭恵総理夫人の対談がヤバイと話題に!「主人は毎晩声を上げて、祈る言葉を唱えているような人なんですね。 」 (ゆるねとにゅーす 2016年11月14日)
※どんなにゅーす?
・言論サイト「BLOGOS」で、安倍昭恵総理夫人と社会学者の西田亮介氏との対談が掲載された。
・その中で、昭恵夫人が安倍総理について「毎晩声を上げて、祈るような言葉を唱えている」と発言。
・昭恵夫人本人もスピリチュアル系な発言が目立ち、夫婦揃って「神」や「見えない力の導き」などのオカルトチックな”思想”にはまっている様子が明らかに。
「日本人って善悪で言うと、すごく”善”」「日本の精神性が世界をリードしないと地球が終わる」仰天発言連発の総理夫人
こっ、これは驚きましたね!
安倍総理も昭恵夫人も、以前より結構宗教にはまっていそうな様子がうかがえましたが…まさか、ここまでスピリチュアルな世界に入り込んでしまっていたとは…!
安倍総理と昭恵夫人、それぞれその根幹や信じているものは微妙に違っている気がするけど、これはちょっと衝撃的な対談だね。
(西田氏と昭恵夫人の会話が全く噛み合っていないけど、それも当然だろう…。)
安倍総理の場合、母・洋子氏が危ない新興宗教(慧光塾)にはまっていて、母を通じた「神のお告げ」で人事を決めていたとの話もあるし、安部総理の家系も統一教会をはじめとした、数々の新興宗教と繋がりながら政治権力を維持してきたことは周知のことだけど、やはり総理本人も今でも怪しい世界に心を寄せて、祈りを捧げている様子が昭恵夫人によって明らかになった感じだ。
ただ、(こういう安倍総理もかなり危ないけど)昭恵夫人のはまり具合は、かなり手の施しようがないレベルに達しているといわざるを得ない。
特に、何の根拠もなく「見えない力の導き」や「お告げ」があるからとの理由で、「善の日本人が地球を救う」とか、「日本が世界の中心になる」とか主張したりしている時点で、もうヤバ過ぎる状態だし…何というか、もう言葉が出ないね。
とにかく、政教分離の大原則が日本の憲法に定められている中、最もこれと「かけ離れた総理夫妻」が日本の政治の頂点に立っているということだ。
いうまでもなく、こういうオカルト思考に支配された人間が政治の世界に携わるのは非常に危険だ。
ただ、こういう実態を明るみにしてくれた意味では、今回の昭恵夫人のインタビューは大きなものだったのかもしれないね。
(読むのが結構辛いけど、この夫婦の実態を理解する意味でも、是非とも全文読んでみることをおススメするよ。)
私もなんとか頑張って読みましたけど、はっきり言ってドン引きでしたね…。
何よりも、こんな夫婦と総理に忠誠を誓った政治家に埋め尽くされた自民党が、日本でかつてないほどの強大な権限を握ってしまったこと、これ自体が恐ろしいことなのかもしれません…。
・安倍昭恵夫人と怪しい新興宗教(文春オンライン 2018年7月4日)



※首相夫人の安倍昭恵氏(56)が発起人の「世界こどもサミット」に、新興宗教が深くかかわっていることが「週刊文春」の取材でわかった。
「こどもサミット」とは、“G7サミットのこども版”と称し、第2回の東京大会が今年5月に有楽町で開催されたばかりだ。司会はキングコングの西野亮廣が務めた。
「東京大会が開催された時期は、昭恵氏は森友問題で“謹慎中”でした。それでも『言いだしっぺだから行きます』とわざわざ姿を見せたのです」(現役スタッフ)
実は、昭恵氏と共に発起人を務める菅沼奏香氏は三重県伊勢市で新興宗教の教祖のような存在なのだという。
「菅沼氏は昨年4月、元旅館を購入し『コミュニティ館 湊』を立ち上げた。そこで福島史織という70代の女性と共同生活を送り、一心同体で新興宗教のグループを主宰しています」(同前)
この新興宗教とは、縄文時代の生き方を理想とする「KAMIスタイル」。そのテキストには「病気の原因である負の思いを取り除くことで、一生病気にならない生き方を伝える」とある。
昭恵氏は伊勢にも足を運び、彼らに「神の存在に近い」崇められているという。
問題は、「コミュニティ館 湊」で集団生活を送る中で洗脳されてしまった人がいたり、施術を習得するのに300万円もの受講料を取っており、返金を巡るトラブルも生じていることだ。
・【また…】安倍昭恵夫人に怪しげな新興宗教「KAMIスタイル」との関係が浮上!縄文時代を崇拝し、昭恵夫人も「神の存在に近い」と神格化される!(ゆるねとにゅーす2018年7月7日)
※どんなにゅーす?
・昭恵夫人が発起人となっている「世界子どもサミット」の背後に、怪しげな新興宗教団体が存在していることを週刊文春が報じた。
・話題の宗教団体「KAMIスタイル」は、縄文時代の生き方を理想としながら、「病気の原因である負の思いを取り除くことで、一生病気にならない生き方を伝える」というもの。組織のトップが昭恵夫人と親交を深めながら、彼女を「神の存在に近い」などと神格化する動きが見られる上、施術を習得するために300万円もの受講料を取るなど、信者との金銭トラブルも度々起こしているという。
これまでも、非科学的なオカルト思想に深くはまってきた様子が話題になっていた昭恵夫人に、新たに新興宗教との癒着疑惑が週刊文春で報じられています。
この宗教団体の幹部による「(昭恵夫人は)もう人間の枠を超えて、神様の存在に近い」なんていう気色悪いほどの大賛美にはドン引きだし、こうした話を聞いても、もはや昭恵夫人は世間一般の感覚から遠くかけ離れた”アナザーワールド”にどっぷり浸かっており、一般的な道徳観や思考力をほとんど持ち合わせていないことを感じる。
したがって、森友事件についても、これっぽっちも反省していないどころか、何が悪かったのかすら理解出来ていない可能性が大だし、ここまでオカルト思想にのめり込んでしまっている人間に、一国のファーストレディーなど絶対に務めさせてはならないだろう。
全くその通りなのですが、現実では、日本がますますカルト系勢力に浸食・支配されては、日本国民の正常な思考力が大きなピンチに陥っています。
本当であれば、今回の怪しげな新興宗教よりも何よりも、安倍一族と一心同体の関係を築いてきた統一教会や、昭和初期に設立され、日本の政治に深く入り込んできた(日本会議の産みの親である)生長の家、大日本帝国時に原形が出来上がり、当時から政治と一体化しながら「国家神道」の布教を進めてきた神社本庁など、国民が警戒すべき危険な巨大カルト宗教を真っ先に詳しく報道し、国民間への認知を進めていくべきなんだけど…そもそもマスコミ自体がこれらの勢力に取り込まれており、不自然なまでにこれらに触れようとしない状況だ。
オウムと統一教会との関係性についても完全に無視している状況だし、こうした現状を見ても、マスコミがタブー視するほどに、これらのカルトに相当に”強大なバック”が控えていることが分かるね。
これらに比べると、「KAMIスタイル」は小規模の宗教団体の可能性がありますが、それでも、一国のファーストレディーが得体の知れないカルトと密着し、便宜を図ったりすることは絶対にやってはいけない危険な行為です。
政治におかしなスピリチュアルや非科学的なオカルトを持ち込むと、理性のある冷静な政治判断が出来なくなる恐れがあり、国民の思考もカルト化していっては、国家がどんどんおかしな方向に向かっていってしまう危険性がある。
そういう意味でも、安倍夫妻は最も国のトップを務めてはいけない危険すぎる夫婦だし、マスコミが隠蔽している分中々難しいかもしれないけど、国民も、政治と密着しているカルト宗教の危険さについて(オウム事件が再び注目されている中で)今こそ再認識する必要性があるね。
元木 昌彦
※「真実ではないこと、偽りのこと。極論でいえば、嘘というものは、それを発言した人にとどまることなく、第三者、他人をまきこんでいく」。愛媛県の中村時広知事は5月11日の記者会見でそう話した。元「週刊現代」編集長の元木昌彦氏は「嘘をつき続ける安倍首相の言動は異常だ。また公私をわけられない昭恵夫人の行動も理解できない。2人とも人間として大事な何かが欠落している」という――。
安倍晋三という政治家をひと言で表す漢字は「嘘」だ
12月に京都・清水寺で発表される今年の漢字は「嘘」に決定した。
それ以外にないと、私は思っている。これに似た漢字「偽」が選ばれたのが、年金偽装問題が起きた2007年であった。これは第一次安倍内閣の時だ。安倍晋三という政治家をひと言で表す漢字に「嘘」ほど適切な言葉はない。
歴代総理で嘘をついた人間は数多いる。筆頭は佐藤栄作であろう。彼は沖縄返還を急ぐあまり、アメリカからは「核付き返還」といわれたにもかかわらず、「核抜き本土並み返還」だと国民を欺き、ノーベル平和賞まで授与されてしまうのである。
ここまでスケールの大きな嘘だと、沖縄返還という大義名分があるから仕方ないかと、騙されたほうもため息をつくしかないのかもしれない。
「公約は嘘だった」といってのけた小泉元首相
もう一人あげるとすれば小泉純一郎である。竹中平蔵を経済財政政策担当大臣に据え、派遣法改悪を含む格差拡大政策を取り、非正規労働者を激増させ、貧しい者をより貧しくしてしまった"元凶"である。
私が小泉を許せないと思うのは、この発言である。
総裁選出馬の時に公約した「国債30兆円枠」を守れなくなると、衆院予算委員会で「大きな問題を処理するためには、この程度の約束を守れなかったというのは大したことではない」といい放ったのである。
時の総理があの公約は嘘だった、破ってもいいといってのけたのだ。麻生太郎・財務相も真っ青の、狂気ともいうべき大暴言であるはずだ。
だが不思議なことにメディアの追及は甘く、小泉はそれからも放言を重ねた。当時のブッシュ大統領がイラク進攻の名分にした「大量破壊兵器」に、根拠もなくいち早く賛成した。後にアメリカが嘘だったと認めたのに、私が知る限り、小泉自らが誤りを認めて謝罪したという話は聞いていない。
在任中には原発を容認しておいて、今になると反原発をいい続けていたかのように振る舞う。この男には政治家に最低限必要な節操というものがない。
この二人に比べると安倍の嘘はスケールが極めて小さい。だからといって罪が軽いというわけでは決してない。
官房長官や大臣、秘書官、官僚までが嘘に嘘を重ねている
妻・昭恵が親しくしていた森友学園理事長の国有地購入に便宜を図ったこと。安倍の腹心の友である加計学園理事長の進めていた獣医学部新設に安倍自らが便宜を図ったことは、ほぼ間違いない事実なのに、安倍夫妻は嘘をつき続け、しらを切りとおしている。
最高権力者がついた嘘を、周りが寄ってたかって糊塗(こと)しようと、官房長官や大臣、秘書官、官僚たちまでが嘘に嘘を重ねてきているのである。異常というしかない。
集団思考の研究で有名なアーヴィング・ジャニスは、大統領とその側近がいかに優秀であっても、集団になるとばかげた意思決定をしてしまうことがあると、ベトナム戦争時のトンキン湾事件やウォーターゲート事件を例に出して分析している。
まして優秀ではない権力者が保身のために嘘をつけば、つじつまを合わせるために、官僚たちが文書改竄という犯罪的行為にまで手を染めてしまうのである。
愛媛県の中村時広知事は5月11日の記者会見でいみじくもこう指摘した。
「真実ではないこと、偽りのこと。極論でいえば、嘘というものは、それを発言した人にとどまることなく、第三者、他人をまきこんでいく」
困ったことに、嘘も百万遍いい続ければ嘘ではなくなるという空気、「安倍症候群」とでもいうべきものが日本中を覆い尽くしているのだ。
茂木経済再生相、内田日大監督、小池都知事……
今年に入ってからも、茂木敏充・経済再生相が地元の有権者に線香を無料で配布していた件で、個人の名前は書いていないから公選法違反にはならないと嘘をついた。
日大アメフト部の内田正人監督は、自軍の選手に、相手の選手にけがを負わせるよう指示したが、内田は記者会見で「指示はしていない」と否定し続けた。内田は日大の人間に「否定し続ければそのうち忘れる」と嘯いていたと報じられている。
日本を私物化して開き直る安倍夫妻の異常: 2018年5月24日、ロシアへ向けて出発する安倍晋三首相(左)と昭恵夫人(写真=時事通信フォト)© PRESIDENT Online 2018年5月24日、ロシアへ向けて出発する安倍晋三首相(左)と昭恵夫人(写真=時事通信フォト)
福田淳一・財務事務次官は、テレビ朝日の女性記者へのセクハラ発言を録音され、週刊新潮がその音声を公開したのに、「オレの声ではない」と嘘をつき続けた。
小池百合子・東京都知事は、これまで経歴に「カイロ大学を"首席"で卒業」と書いてきたが、文藝春秋に「コネ卒業ではないか」と報じられた。会見で小池は、卒業したことは事実だとはいったが首席については黙して語らなかった。
安倍首相にも「経歴詐称」の過去がある
実は安倍にも同じ経歴詐称の過去がある。彼は成蹊大学を卒業後、アメリカの南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学していたと、当初の経歴には書いてあった。だが週刊ポスト(2004年2月13日号)が「経歴詐称」だと報じたのである。
南カ大学側は、安倍は1年間在籍してはいたが、それは「外国人のための英語」の授業だったことを認めた。その1年前は語学学校に通っていただけだったのだ。
以後、安倍は自分のプロフィールからこの部分を削除している。
極めつけは安倍の"嘘友"加計学園の加計孝太郎理事長の記者会見であった。
「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」
問題が起きて以来、逃げ隠れしていた加計が会見を開かざるを得なくなったのは、加計学園が獣医学部新設を進めるためについた嘘について申し開きするためだった。
15年3月、愛媛県に学園側が説明する時、学園側の人間が2月25日に加計理事長が安倍首相と面会し、獣医学部新設について説明した際、安倍が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」といっていたと説明していたのである。
愛媛県側に残されていた文書にはっきりそう書いてあった。そこで慌てた加計学園側は、話を前に進めるために嘘をついたといい出したのである。
首相の名前を使って相手に圧力をかけ、それがバレると嘘だったと臆面もなくいい出す輩が、教育者の仮面をかぶっているのだ。
「2月25日の記録が残っていないというのは考えにくい」
しかし名前を騙られた安倍は怒りもしなかった。やはり加計との間であのようなやりとりが実際にあったのだろう。そう思うのは私だけではないはずだ。そうした空気が蔓延することを恐れた安倍が、加計に「あんたが出て釈明しろ」といったのではないのか。
ようやく会見に出てきた加計だったが、記者クラブへの通告は2時間前、時間は30分、地元記者に限るというさまざまな制限を付けた。
そこで加計は、部下が嘘をついた、安倍とはその日面会していない、当日の記録はないと全否定したのだ。記者も核心を突く質問ができず、加計は間違いなく嘘をついているという印象が強く残っただけの会見だった。
ノンフィクション作家の森功は、昨年5月に文藝春秋で「安倍首相の腹心の友の商魂」を書いた際、加計側から猛烈な抗議を受けた。その際、加計側は理事長の詳細なスケジュールを出してきたと日刊ゲンダイで話している。それなのに「15年の2月25日の記録が残っていないというのは考えにくい」(森功)。
すべては17年2月17日、衆議院予算委員会で、森友学園に対する国有地払い下げに昭恵が関与しているのではないかと聞かれ、思わず口走ったこの言葉が発端だった。
「私や妻が関係していたということになれば、私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」
森友に続いて加計学園問題も追及され、いったんついた嘘に嘘を上塗りして、身動きが取れなくなってしまったというのが実態であろう。
「昭恵さんを慰める会」に集まった保育業界の思惑
その昭恵に新たな疑惑があると週刊文春(7/5日号、以下文春)が報じている。
6月2日、山口県下関市の割烹旅館「春帆楼」に昭恵が6人ほどのSPを従えて入っていった。「帝の間」で待っていたのは保育サービス業大手「ポピンズ」の中村紀子会長(69)と森まさこ参院議員(53)だった。
3月に開催された「ポピンズ」の30周年パーティで、昭恵は乾杯の音頭をとっていたそうだ。この日は中村が音頭をとり「昭恵さんを慰める会」を名目に、3万円コースのふぐを食らい、たらふく飲む会だったという。
文春によれば、第二次安倍内閣発足後に中村と昭恵は親しくなり、毎月のように飲んでいるそうだ。中村には当時、ぜひとも安倍首相に近づく必要があったというのである。中村はテレビ朝日にアナウンサーとして入社し、結婚、出産を経て退社した。
87年に娘をベビーシッターに預けて苦労した経験から、富裕層向けのベビーシッター業を始めた。その後、保育施設運営に乗り出そうとしたが、厚労省の岩盤規制にぶち当たったという。
目的は「官邸主導の国家戦略特区制度の活用」
一方安倍首相のほうは、アベノミクス新三本の矢として「待機児童解消加速化プラン」を打ち出す。そこで中村は安倍に近づき、岩盤規制を打ち破ろうと画策するのである。
女性経営者の交流団体(JAFE)を再始動させ、13年12月の発会式に安倍を呼ぶことに成功する。16年4月にはJAFEのセミナーで昭恵が講演している。
中村のもくろみは、認可保育園の場合、職員は全員保育士資格を持っていなければならないのだが、この規制を緩和して、保育士不足で進まなかった保育施設の増設を進め、国や自治体から手厚い補助金給付を受けられないかというものだ。
そこで中村が頼りにしたのが加計学園獣医学部設立問題でも出てきた「官邸主導の国家戦略特区制度の活用」(文春)だった。
要は、保育士の代わりに幼稚園教諭や小学校教諭の資格を持つ人間も認めてほしいというものである。だが厚労省関係者はこう疑問を呈している。
「中村さんの主張は、自分が運営する保育所増設のために、規制緩和して欲しいと主張しているようなもので、保育の質の確保は二の次に見えます。陳情にも来られましたが、厚労省相手では埒が明かないから、政治の力を頼りに内閣府で特区提案をしたのでしょう」
人件費70%を想定していたのに、平均50%程度しかない
結果からいえば、中村の望み通りに16年から規制が緩和されたのである。そのおかげで「ポピンズ」は120施設を増設し、全国で220カ所の保育施設を運営し、約70億円だった売上を17年度には約140億円に増やしているという。
その収入の半分が国や自治体からの補助金によるものだが、文春の調べによれば、国は保育所の経営実態調査などから人件費を70%と想定して補助金を支給しているのだが、「ポピンズ」運営の認可保育所の保育士人件費率は平均50%程度(16年度)しかないそうである。
中村の経営の私物化についてはここで触れないが、文春がいう通り「国家戦略特区には莫大な公金が投入される。首相夫人が規制緩和のメリットを享受する利害関係者と"お友だち"付き合いをしていては、その選定過程に疑念が生じることは加計学園の例からも明らかだ」。昭恵には人間として大事な何かが欠落している、そう思わざるを得ない。もちろん夫の安倍も同じである。
「50年後には再評価されるかもしれない」はあり得ない
来年のいろは歌留多は「嘘つきは泥棒の始まり」ではなく「嘘つきは安倍晋三の始まり」と変更されるだろう。
安倍がごり押しして今年から小学校で始まった(中学校は来年度から)道徳の授業でも、嘘をつくことは古来日本人の"美徳"であったと教えるようになるに違いない。
安倍は死しても嘘つき宰相としての名は末代まで残るのである。
それでも安倍は「悪名は無名に勝る」というかもしれない。「祖父の岸信介は、日米安保条約は50年後に評価されるといっていた。オレも50年後には再評価されるかもしれない」。そう考えているとしたら、期待は無残に踏みにじられるだろう。
とんでもないことをやった総理として歴史に名を残す
安倍が16年間通った母校・成蹊大学の元学長で、安倍の恩師でもある宇野重昭は、『安倍三代』(青木理著・朝日新聞出版)の中で涙を浮かべながら、安倍のことをこう語ったという。
「(違憲だと批判された安全保障関連法制は)間違っていると思います。私の国際政治学(の授業)をちゃんと聞いていたのかな、と疑っているところです。(中略)
はっきり言って彼は、首相として、ここ2,3年ほどの間に大変なことをしてしまったと思っています。憲法解釈の変更などによって平和国家としての日本のありようを変え、危険な道に引っ張り込んでしまった」
さらに、宇野は、現在の自民党の保守主義は本物ではないといっている
「現代日本にあるべき保守とは何か。民衆は、生活のことを第一に考える穏健な保守を望んでいる層が大半でしょう。(中略)
でなければ、(肯定的な意味で)歴史に名を残すのではなく、とんでもないことをやった総理として歴史にマイナスな名を残すことになる」
宇野がいうように、安倍が極端な保守主義に染まったのは、政治家になってからであろう。同級生たちの安倍評は異口同音に「可もなく不可もなく、どこまでも凡庸で何の変哲もないおぼっちゃま」(『安倍三代』より)である。
日本人は善悪の判断ができなくなってしまったのか
さしたる勉強もせず確固たる信念も主義主張もない安倍は、政界に入り、岸の孫として受け入れてくれる人間たちの考えや思想を取り入れ、それを自分のものと勘違いして生きてきたに違いない。
「(自民党支持が高い10~30代は)一番新聞読まない世代だ。新聞読まない人は、全部自民党なんだ」といい放つ暴言の塊のような麻生太郎を、自己保身のために斬ることさえできない、気弱で凡庸な宰相である。
だが困ったことに、気弱な人間にありがちな独裁への憧れが強く、民主主義を蔑ろにすることを何とも思わない一面もある。
今回のように、働く者をより過労死させる働き方改悪法案や、ギャンブル依存症を増やすカジノ法案などを、ろくに審議もせずに成立させてしまう強引な手法も厭わないのである。
これほど劣悪な安倍政権を国民の4割近くがまだ支持しているということが、私には信じられない。あまりの安倍の言動の異常さに慣らされ、日本人の何割かは善悪の判断ができなくなってしまった。そう思うしかない。(文中敬称略)
・「日本の精神性が世界をリードしていかないと地球が終わる」 安倍昭恵氏インタビュー(BLOGOS 2018年11月9日)
※「アベ政治を許さない」と書かれた紙を広げた男性の横で、微笑みながら写真におさまったこともある安倍総理夫人の安倍昭恵氏。昭恵氏は、時に総理である夫の政策と異なる発言をすることで注目を集めてきた。
こうした昭恵氏の言動の背景について、社会学者・西田亮介氏がメディア上でコメントしたところ、その記事が本人の目にとまり、10月26日に対談が実現。進行は、昭恵氏と親交の深い構成作家の谷崎テトラ氏が務めた。
・安倍昭恵さんとの「対談」と、その影響力、政治性について - 西田亮介
昭恵氏「本当の私を見てください」
谷崎:本日は、昭恵さんが「週刊プレイボーイ」に掲載された西田さんの記事を読んで「ぜひお会いしたい」ということになり、総理公邸に集まりました。
西田:まず、なぜぼくに興味をお持ちになられたのかということを伺いたいと思います。一般論として、総理夫人という立場の方は、あまり若手の研究者なんかに興味は持たないですよね。
安倍:「直感的にお会いしたいと思いました」っていうそれだけで。ほぼ直感で生きているので。
西田:「ほぼ」というのは、どういうことですか?
安倍:「深く考えないで」というか。何をするか考える時にも、「じゃぁ、これ!」みたいな感じで生きているので。「今回、なぜ西田さんに会いたいと思ったのか」を、理論的に説明しろと言われても、「全然わかんない」って感じなんですけれども。
西田:ぼくが、三宅洋平さんと昭恵さんの対談にコメントした記事をお読みくださったんですよね。
・ 安倍昭恵首相夫人の独自活動は自民党メディア戦略の一環か?- 週プレNEWS
安倍:あの記事では、「私がメディアに載ることが、むしろ自民党を応援することになっている、だからメディア側も注意しなくてはいけないんじゃないか」といった論調だったじゃないですか。
西田:はい、基本的な論調はそうですね。
安倍:だから、本当の私を見てくださいって意味でお会いしたいなって。
西田:よろしくお願いいたします。
高江には秘書にも首相にも相談せずに行った
安倍:選挙の応援については、私も非常にジレンマはあります。「なぜ、全然知らない人の応援に行かなきゃいけないんだ」と主人(安倍晋三首相)に言うこともあるんだけれども(笑)。
西田:難しいですね。一般に、「総理夫人」という立場は、選挙で選ばれていないので、ある種の正当性を持っているという訳ではないことは間違いないでしょう。
なので、ある種の私人ではあるのですが、実質的には選挙の応援に入られることや、様々な形でパブリックな場へ出てこられて、活動もなさっている。それから外遊に同行される機会も多いでしょうし、海外からの来客がある場合もそうでしょう。
それが注目を集め、強い影響力をもっている現状を鑑みると、やはり、望もうと望むまいとある種の権力性を帯びるというところは、否めないのではないか、と思います。
安倍:ご指摘は、良く分かります。なので、むしろ率直にお聞きしたいことをどんどん聞いて欲しいです。一体どういうつもりで、私が活動しているのかということを、どんどん聞いてください。
谷崎:僕は、自民党が下野した時代に、昭恵さんと知り合ったんですが、とにかく勉強家なんですよ。大学院に入り直して勉強したり、とにかく好奇心の塊のような人なんです。
自民党のつながりで行けるところ以外、そうでない人達のところに行く。イメージでいうと水戸黄門的というか、暴れん坊将軍的なというか。どんどん実際に現場を見てみようと考えているんです。沖縄の高江ヘリパッド問題のときも、とにかく自らの意思で、秘書にも、ご主人にも相談せずに現場に入った。とにかく現状を見て、民衆の声を聞くといったら変ですけども、一般の人の声を少しでも聞こうという姿勢をもっているんです。
VIP扱いで感覚がズレていく
西田:“一般の人に混じって”という点は、重要視しているのでしょうか?高江にもプライベートで行かれたということですが。
安倍:その方が、「本当の姿が見える」と感じますよね。仰々しいのがあまり好きじゃないのもありますが。どこかに行く時は、そんな感じですね。あとなるべく普通でいたい。そうでないと、ものすごい特別になっちゃって。
海外に行って、飛行機を降りれば、そこに車が待っていて。パトカーと白バイが先頭で、もうノンストップでホテルまで、ビュッといけますね。飛行場の建物も通らずみたいな。
そればっかりだと、自分がおかしくなる。感覚がズレていっちゃって、最初の1年間はおかしかったですよ。
西田:第一次安倍内閣の時ですか?
安倍:普通に並んだりとかできなくなっちゃった。「なんで私がこんなところに並ばなきゃいけないの?」みたいな(笑)。イヤな感じになっていたので、今回も首相夫人の期間がちょっと長くなって、そういう風になりかけちゃって。
リハビリが必要な自分になりたくないので、可能な限り、個人でいけるところは個人で動いています。
西田:どうして、「普通でありたい」と思われるんですか?多くの人達はそうは考えないんじゃないですかね。
安倍:どうなんだろう。
西田:ぼくだったら、出来れば行列も並びたくないし。飛行機もなるべくアップグレードして、ささっと通りたいと思いますけど。
安倍:それが出来るから、逆に思っちゃうんですよね。
西田:そう聴くと、とても贅沢な悩みにも聞こえてきますね…。
「世界平和」を権力者にまかせておけない
西田:様々な現場に行って見て聞いて、どうしようとお考えなんですか?
安倍:私の大きなテーマは「世界平和」なんですね。
どうして平和にならないのか不思議なんですよ。これだけお金をかけて、毎年国連総会やって。私も出席しますが、G7のような様々な国際会議もある。いつもいつもみんな環境や紛争解決について話し合っているのに、全然平和につながらない。むしろ世界は混沌としていくみたいな。
「ちょっとお金の使い方間違ってるんじゃない?」みたいに思っていて。「もう権力者には任せておけない」みたいな。私が言うのは変なんですけど。
西田:そうですね。冒頭申し上げたように、昭恵さんも実質的には権力サイドともいえますので、これはなかなか複雑な事態ですね。
安倍:国のトップは国益が一番。だから、国のことは一所懸命考えるけど、国益同士がぶつかった時には、自分の国益を大事にするわけだから。そこに本当の意味での世界平和がないと思っていて。私は本当の意味での世界平和を作っていきたい。
それには、いままでマイノリティだったものが、繋がっていくことが大事なんだと思っていて、だから女性同士を繋げたり、LGBTとか、障がい者とか…。
何か“大きな力”に動かされている
西田:NPOのリーダーなどとも会ったりされているんですよね?
安倍:そうですね。でも今はごちゃごちゃで、自分でも何してるのか、よくわかっていなくて。でも「神様に動かされてる」と思っているので、ちゃんと、色んなもののつじつまがあって、「あ、こういうことだったんだ!」ってなる時がくると思うんです。
自分ではよくわからないんだけど、動いていると「あ、こっちの方向へ向かっていってたんだ」みたいな、そんな感じなんですね。
西田:宗教をお持ちなんですか?
安倍:キリスト教の学校で育ったんですけど、今は別にキリスト教というわけじゃなくて、どちらかというと神道です。アメノウズメから取った「UZU」という名前の飲食店を神田でやっているんですけど、渦を起こしていきたいという思いがあるんですよね。
西田:我々が日常生活を送る中で、なかなか「神様が」という言葉は出て来ないと思うんですよ。たとえば、ぼくは、無宗教・無信心なので、日常に「祈る」という行為が入ってくることはまずありません。キリスト教にせよ、神道にせよ、そういう「何か大きな力によって」という考えがあるものなのでしょうか。
安倍:人間の力というのは、もう本当に小さなもので。
西田:えぇ、まさに。
安倍:私は、大きな自然の一部であって、“動かされてる感”がすごくあるんですよね。主人もよく言うのですが、総理大臣は努力でなれるものではなくて。政治家の中で努力してる人はいっぱいいますし、他を蹴落としても、ポストを掴もうという人達もたくさんいますから。
そこで総理大臣になるっていうのは、“何か持ってる”“何か別の力”だと思うんですよ。「神」という言い方をしなくてもいいんだけど、なんかこう、“大いなる力”が働いていると私は思っていて。その力にある意味流されてるというか、乗っかっているのかなと、私は感じます。
西田:“大いなる力”に流されて、様々な方にお会いになっていると。
安倍:あと先祖を信じていて。うちの実家は森永製菓というところなんですけど。曾祖父(森永太一郎氏)がアメリカに渡って、向こうでお世話になったのが牧師さんで。日本に帰ってきてから会社のシンボルをエンゼルマークにするんですよね。
お菓子の会社が、ある程度の大きさになった時、父方の方の曾祖父(松崎半三郎氏)に社長が変わるのですが、その後、太一郎はずっと全国を布教して歩くんですね。子供たちがきちんと栄養を摂れて、幸せに暮らせるようにということをずっと考えていた人なので。
森永太一郎は佐賀の伊万里出身なんですけど、今も私は九州の方に向いている感じがしちゃうんですよね。そこに立ち返って行っているような。誰かの意志がいつも降りてくる感じ。
例えば、大本教の出口なおさんとか。最近だと、広島で折り鶴を織って、10歳で亡くなった佐々木禎子さんとか。なんだか導きがあって、パールハーバーの折り鶴を見たら、そのあと連絡がありました。
佐々木さんの甥子さんと会って話をしたり、ニューヨークで「グラウンドゼロのところに寄贈した鶴があるんで、観に行ってください」と言われたりとか。
「折り鶴の平和プロジェクト作りましょうよ」みたいな話が出てきたりとか。ちょっと行くと、物事がバーっと動いていくのは、私の力ではなくて、何かに動かされて、そこにいて。それこそ渦を巻いていってるんだなって。
主人自身も特別な宗教があるわけじゃないんですけど、毎晩声を上げて、祈る言葉を唱えているような人なんですね。
西田:何をお祈りされているんですか?
安倍:感謝の言葉を。
西田:それは誰に対してですか?
安倍:神様なのか、先祖なのか、分からないですけど。何か自分の力ではないものに支えてもらっていることに対しての感謝を。
西田:どこに向かって?虚空に向かってなんですかね?
安倍:分からないです。多分、自分に言い聞かせているのかもしれないけど、よく分からないです。
「それもいいねぇー」でパールハーバーに
谷崎:パールハーバーは、折り鶴の流れからだったんですか?首相夫人が、パールハーバーに行くということは、歴史的に見ても凄まじいことじゃないですか。
安倍:あれはね、最初は飲んでいる席で出た話しだったんです。今、海洋関係に関心があって、やっぱり海だと思って。それで今年8月、アメリカと一緒に、海洋環境フォーラムを開催したんですよ。それで「ハワイ行くんだ」って話をしていたら、「ハワイに行くんだったら、パールハーバー行けば?」と言われて。「それもいいねぇー」って。そんなノリですね。
谷崎:そんなに大きな政治的なイシューにはならなかったですけれども。
安倍:でもすごくハワイでも喜んでいただいて。
「公的に」という話もあったんだけど、そこは公人として行きたくないので、一般の人達と一緒に船に乗っていきました。ただ花だけは供えさせて下さいと。
谷崎:どんな思いでそこへ?
安倍:よくわからずに行ったんですよ。「パールハーバー行ったら?」「それもいいね」ぐらいだったので。もちろん、パールハーバーでどういうことがあったっていうのは、分かってはいたけれども。でも私がそこに行くことで、どんな感じなのかなって思ったんですが。
私が非常に感じたのは、アメリカにとって真珠湾攻撃は屈辱だったんだなと。
谷崎:ハワイは聖地でもありますからね。
安倍:そうですね。あそこは聖地なんですよ。ハワイのあそこを攻撃した日本は悪いかもしれないけど。本土からやってきて、あそこを乗っ取っちゃった人達もいるわけで。そもそものハワイに戻してあげましょうよって感覚になりました。自然の神様がそっちを望んでいるんじゃないかなって。
神道の中で使われる麻は「国産」であるべき
谷崎:最近、いろんな所を回った中で、「こんなことに関心をもった」というのはありますか?キューバ行ったりされてますけど。
安倍:いや、あまりないです…。今はやっぱり、麻がこうなっちゃったので。
※編集部注「大麻で町おこし」をしていた鳥取県智頭町を6月に視察していた昭恵夫人。その中心だった大麻加工品製造業「八十八や」代表、上野俊彦容疑者が10月に大麻所持で逮捕された。
西田:麻や大麻には結構関心をお持ちになっていたんですか?
安倍:そうですね。
安倍:麻は、日本にとって伝統的でとても大事な、それこそ、神様と繋がっているもの。
谷崎:しめ縄でもそうですし、神道の儀式に必ず必要なもの。
安倍:なぜあれをずっと使っているかって、それなりに「波動の高い植物」だからだと、私は思うんです。
その神社の神事で使われている麻のほとんどが「中国産」になってしまっていて、ビニールでできたものあるんですね。それは大きな問題で、日本の根幹の神道の中で使われる麻は「国産」であるべきなんです。
西田:そこまでこだわる必要があるのでしょうか?我々は、日常生活において、海外の食材を口に入れることも多々ありますが。
安倍:それも私は、多くを自給自足に戻すべきだって思っているんですけども。別に輸入が悪いとか、外国産が悪いっていうわけじゃないですけれど。やっぱり日本に生まれ育った日本人に、一番合うのは日本のものだと思っているんで。
西田:しかし、たとえば我々はすでに日常生活では「洋服」を着て生活をしていますが…。
安倍:はい、日本の文化より「欧米が良い」という風潮になってしまったことが、ちょっと私たちの中で間違ってしまった。全部が江戸時代に戻るのが良いって言っているわけではもちろんないんだけども。
谷崎:そこが、昭恵さんと首相では反対なんですが、ここまで話をしていくと、「強烈に日本というものを取り戻そう」という点で一致していて。「経済成長でそれを進めていこう」と考えている首相と、そうではなくて、「江戸時代に全部戻れるかは別にして、そういった価値観を取り戻すことが大切だ」と考えているのが昭恵さん。
異なるようで、昭恵さんと首相の考え方というのは、近いというか、同じところになってくるんです。
安倍:麻も、戦前は何万軒っていう麻農家があったんですよ。それがGHQによって禁止されてしまって、今は30軒ぐらい。それまではみんな自由に栽培出来ていたものが、いきなり禁止されてしまって、それを受け入れてしまった。
私たちはそうやって、戦争に負けて、それまで持っていた良いところを失ってしまったところもあるので。戦後レジームからの脱却と言っているけれども。私は、今、主人がやろうとしていることも、アメリカ追随と言われるけど、そうではなく、アメリカからも今後独立して、真の意味で日本が立っていくっていうところに向かっていると思っているんですね。
日本の精神性が世界をリードしていかないと地球が終わる
安倍:私は、本当にこれから日本が世界をリードしていかなきゃいけないと思っているんですよ。
西田:客観的には難しいように思います。経済もそうですし、私がいる大学の世界も、ドンドン世界ランキングが下がっているんです。これはなかなか厳しいですよね。頑張って現状維持することも難しいという感じがします。
安倍:でも、日本に対する世界の注目は、非常に集まっていると思うんですね。オリンピックもそうだし、文化も。
西田:訪日観光客は増えていますね。
安倍:新しいイノベーションが生まれているし、可能性として、日本はとてもポテンシャルが高いと私は思っています。その日本の精神性が世界をリードしていかないと「地球が終わる」って、本当に信じているんです。
西田:地球が終わるんですか?
安倍:本当に色んなところに、私も主人と行かせてもらっていますが、経済や環境問題にしても、テロや戦争だったりしても、どこの国も安定してないじゃないですか。先進国で比較的安定しているのは、日本しかないと思っているんです。
日本人って、元々が善悪で言うと、すごく「善」だと、私は思っているんですね。
新幹線のお掃除みたいなものであっても、あれは日本人にとっては「まぁ、すごいね」というぐらいだけど、もう観光名所になるくらい、世界からするとすごいことで。
何故外国人がすごいと思うかっていうと、あの素早いお掃除がすごいのではなくて、瞬間的にキレイにできるぐらいしか汚さない日本人のマナーの良さに驚くっていうところもあるっていう。日本って、私はやっぱりすごい国だと、本当に思っていて。
西田:まぁ、そうですね。ただ、大抵どの国にも「すごいところ」と「すごくよくないところ」があるような気もします。
安倍:千何百年ごとに世界の文化の中心が廻ってくる。そういうことを考えても、これからは日本の時代なんですね。
西田:う~ん。
谷崎:社会学者としては「そうです」とは言い難いところではありますね。
西田:各種の指標やデータを見てみても、日本の時代はもう来ないんじゃないかとしか言いようがないですね。とくに2020年以後はかなり厳しい。
安倍:みんなで日本の時代を作っていこうという気運が盛り上がっていかないと、本当に日本の時代は来ないと思うので。そこで私は、日本はすごいんだよって言いたいし、本当にそのように思っています。
今、伝統芸能にしてもなんでも、もうここで途絶えてしまいそうなものがいっぱいあって。工芸品にしても、後継者がいないという問題を抱えていて。それを今みんなで頑張って盛り上げていきたいです。
東京じゃなくて、地方がかっこいいって時代にしたい
西田:日本のきれいなところがお好きなんですかね? ぼくは、政治の研究の他に、若年無業者の研究やっています。いわゆる「ニート」の問題ですね。
若年世代にも今、年間60万人くらい若年無業者がいるんですけど、なかなか大変ですよ。日本の失業率は極めて低くて、失業率は下がっているにも関わらず、若年無業者の数は横ばいなんです。
つまり、子供の人口が減っていることを考え合わせると、比率としては増していることになります。第一次安倍内閣の時に、若者再挑戦のための施策というのは本格的に整備され始めたのですが、やはりその後なかなか、手薄な状態が続いています。
安倍:でも、なんかこう夢を持てない世の中よりは、夢があったほうがいいじゃないですか。
西田:う~ん。「夢」の問題でしょうか。経済や政策の問題じゃないでしょうか。
安倍:私はもう、東京じゃなくて、地方がかっこいいって時代にしたいと思っています。色んなニートの人達とも話しをしたりすることもありますが、なぜニートになるかも考えなくてはいけないと思います。。
西田:主にケガと病気ですね。よく「怠けた結果の自己責任だ」などと非難されがちですが、内閣府の統計などを見ると、主たる原因はケガと病気なんですよ。
だから、就労経験を持っている人が大半なんですよね。ブラック企業などに入って働けなくなって…みたいなケースもありますし。
安倍:でもそれで、ケガや病気が治ったりすれば、また気持ちが盛り上がってきて、働けばいいわけじゃないですか。
西田:まさにそれを許さない、復職したい人の気持を受け入れていない/受け入れられていないのが今の社会の在り方ということですね。
安倍:でも、例えば、夜の飲食業なんかは、今、本当に人手不足で、アルバイトも来ないっていうような状況なので、やる気になれば仕事はあると思います。また、地方では農業や林業など後継者がいなくて困っているところもある。一人一人に向いた仕事が見つけられるといいと思います。
西田:地方で、ですか。
安倍:私も実際、移住者と結構付き合っています。そうすると、農業したりとか、新しい形のコミュニティが生まれています。
でも、なんとなく若者たちが都会だけが良いんじゃなくて、地方でもうまく生きていけるんだっていうような形になってくといいなという思いがありますね。
西田:そうですね。それは確かにそうなれば良いですけどね。
安倍:だから、そこには伝統工芸の後継者がいたりとか、みんなが求めてる世界がある。大学を卒業したら大手企業に行くみたいなスタイルが、私達の時代と全然変わっていないので。
でも、そんな世界は「ちょっと先には無いんだ」っていうことを今の大学生達には言っています。そこを求めていても、幸せになれるわけではなくて。
西田:それは間違いないですね。
安倍:大手企業を目指している人達は、その名前や給料とか、働き方みたいなものだけで。「自分が本当に何をしたいか」ということを求めて、その会社に入ってるわけではない人が、ほとんどじゃないですか。そこが、これからはかなり変わっていくんじゃないかって思うんですよね。
西田:しかし、大半の生活者は、「夢」よりも「生活の安定」を望んでるんじゃないかと思います。
昔のような終身雇用のシステムも成り立たないうえに、一度職を失うと復職するのが困難なのが日本社会です。大学に目を向けてみても、親の世代にお金がない。昔は親が払うのが当たり前だったのですが、今は学費を払うのは学生本人に移りつつあります。その学費はどうするんだという問題があります。
そうなると給料水準が高いところに就職できないと奨学金を返していけない。例えば、生活費含めて、仮に大学在学中に年間100万円奨学金を借りたとしましょう。大学を4年で卒業して400万円借金背負った状態でとなると、なかなか給料水準の低いところに就職する、たとえば地方への就職は本人の意思とは別に制限される可能性もあります。
安倍:何を選び取っていくかということですよね。
高齢化社会ですので、お年寄りの方にはすごいお金がかかっていて。子供や教育のところにお金が行かないというのは間違っていると思うので。むしろ、そっちの方にお金を遣ってもらいたいなと思いますけど。
選挙の事情など色々考えたりする時には、どうしてもお年寄りの方が票にはなる部分があるので、どうしてもしょうがないところがあるかなって。
ただ、今の私の考え方に共感する人が増えてきているっていうのは確かだと思う。もちろん私、一部の人達にしか会っていないわけではなくて、不特定多数の人達の前で話しているつもりなんですよ。
西田:人がお好きなんですかね?
安倍:人見知りなので、誰でもいいってわけじゃない。でも嫌いな人は根本的にいない。でも、すごく仲良しの人もそんなにいないかも。
谷崎:自分を批判した人でも会いに行くとか。ちゃんとそこに向き合っていこうという姿勢がありますよね。
西田:ぼくはもともと人嫌いなのであまり人に会いたいと思いませんし、ましてや批判された人に自分から会いにいこうとは思いません。
谷崎:西田さんを批判した小林よしのりさんとは対談しないんですか?
西田:ろくに読んでないうえに批判といっても言いがかりのようなもので、どうせめんどくさいことになるだけですから、自分から対談したいなどとは思わないですね(笑)
プロフィール
■安倍昭恵
首相夫人。1962年生まれ、東京都出身。聖心女子専門学校卒、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修了。電通勤務を経て1987年に安倍晋三氏と結婚。
※野間易通
スピッた昭恵さんの話でニューエイジ系ナショナリズムの考え方がよくまとまってる。麻の話は30年前に第三書館の本に書いてあったことそのまんま。あとアクエリアスの時代云々が日本に置き換えられた風味。
・【アッチの世界】安倍昭恵総理夫人の対談がヤバイと話題に!「主人は毎晩声を上げて、祈る言葉を唱えているような人なんですね。 」 (ゆるねとにゅーす 2016年11月14日)
※どんなにゅーす?
・言論サイト「BLOGOS」で、安倍昭恵総理夫人と社会学者の西田亮介氏との対談が掲載された。
・その中で、昭恵夫人が安倍総理について「毎晩声を上げて、祈るような言葉を唱えている」と発言。
・昭恵夫人本人もスピリチュアル系な発言が目立ち、夫婦揃って「神」や「見えない力の導き」などのオカルトチックな”思想”にはまっている様子が明らかに。
「日本人って善悪で言うと、すごく”善”」「日本の精神性が世界をリードしないと地球が終わる」仰天発言連発の総理夫人
こっ、これは驚きましたね!
安倍総理も昭恵夫人も、以前より結構宗教にはまっていそうな様子がうかがえましたが…まさか、ここまでスピリチュアルな世界に入り込んでしまっていたとは…!
安倍総理と昭恵夫人、それぞれその根幹や信じているものは微妙に違っている気がするけど、これはちょっと衝撃的な対談だね。
(西田氏と昭恵夫人の会話が全く噛み合っていないけど、それも当然だろう…。)
安倍総理の場合、母・洋子氏が危ない新興宗教(慧光塾)にはまっていて、母を通じた「神のお告げ」で人事を決めていたとの話もあるし、安部総理の家系も統一教会をはじめとした、数々の新興宗教と繋がりながら政治権力を維持してきたことは周知のことだけど、やはり総理本人も今でも怪しい世界に心を寄せて、祈りを捧げている様子が昭恵夫人によって明らかになった感じだ。
ただ、(こういう安倍総理もかなり危ないけど)昭恵夫人のはまり具合は、かなり手の施しようがないレベルに達しているといわざるを得ない。
特に、何の根拠もなく「見えない力の導き」や「お告げ」があるからとの理由で、「善の日本人が地球を救う」とか、「日本が世界の中心になる」とか主張したりしている時点で、もうヤバ過ぎる状態だし…何というか、もう言葉が出ないね。
とにかく、政教分離の大原則が日本の憲法に定められている中、最もこれと「かけ離れた総理夫妻」が日本の政治の頂点に立っているということだ。
いうまでもなく、こういうオカルト思考に支配された人間が政治の世界に携わるのは非常に危険だ。
ただ、こういう実態を明るみにしてくれた意味では、今回の昭恵夫人のインタビューは大きなものだったのかもしれないね。
(読むのが結構辛いけど、この夫婦の実態を理解する意味でも、是非とも全文読んでみることをおススメするよ。)
私もなんとか頑張って読みましたけど、はっきり言ってドン引きでしたね…。
何よりも、こんな夫婦と総理に忠誠を誓った政治家に埋め尽くされた自民党が、日本でかつてないほどの強大な権限を握ってしまったこと、これ自体が恐ろしいことなのかもしれません…。
・安倍昭恵夫人と怪しい新興宗教(文春オンライン 2018年7月4日)



※首相夫人の安倍昭恵氏(56)が発起人の「世界こどもサミット」に、新興宗教が深くかかわっていることが「週刊文春」の取材でわかった。
「こどもサミット」とは、“G7サミットのこども版”と称し、第2回の東京大会が今年5月に有楽町で開催されたばかりだ。司会はキングコングの西野亮廣が務めた。
「東京大会が開催された時期は、昭恵氏は森友問題で“謹慎中”でした。それでも『言いだしっぺだから行きます』とわざわざ姿を見せたのです」(現役スタッフ)
実は、昭恵氏と共に発起人を務める菅沼奏香氏は三重県伊勢市で新興宗教の教祖のような存在なのだという。
「菅沼氏は昨年4月、元旅館を購入し『コミュニティ館 湊』を立ち上げた。そこで福島史織という70代の女性と共同生活を送り、一心同体で新興宗教のグループを主宰しています」(同前)
この新興宗教とは、縄文時代の生き方を理想とする「KAMIスタイル」。そのテキストには「病気の原因である負の思いを取り除くことで、一生病気にならない生き方を伝える」とある。
昭恵氏は伊勢にも足を運び、彼らに「神の存在に近い」崇められているという。
問題は、「コミュニティ館 湊」で集団生活を送る中で洗脳されてしまった人がいたり、施術を習得するのに300万円もの受講料を取っており、返金を巡るトラブルも生じていることだ。
・【また…】安倍昭恵夫人に怪しげな新興宗教「KAMIスタイル」との関係が浮上!縄文時代を崇拝し、昭恵夫人も「神の存在に近い」と神格化される!(ゆるねとにゅーす2018年7月7日)
※どんなにゅーす?
・昭恵夫人が発起人となっている「世界子どもサミット」の背後に、怪しげな新興宗教団体が存在していることを週刊文春が報じた。
・話題の宗教団体「KAMIスタイル」は、縄文時代の生き方を理想としながら、「病気の原因である負の思いを取り除くことで、一生病気にならない生き方を伝える」というもの。組織のトップが昭恵夫人と親交を深めながら、彼女を「神の存在に近い」などと神格化する動きが見られる上、施術を習得するために300万円もの受講料を取るなど、信者との金銭トラブルも度々起こしているという。
これまでも、非科学的なオカルト思想に深くはまってきた様子が話題になっていた昭恵夫人に、新たに新興宗教との癒着疑惑が週刊文春で報じられています。
この宗教団体の幹部による「(昭恵夫人は)もう人間の枠を超えて、神様の存在に近い」なんていう気色悪いほどの大賛美にはドン引きだし、こうした話を聞いても、もはや昭恵夫人は世間一般の感覚から遠くかけ離れた”アナザーワールド”にどっぷり浸かっており、一般的な道徳観や思考力をほとんど持ち合わせていないことを感じる。
したがって、森友事件についても、これっぽっちも反省していないどころか、何が悪かったのかすら理解出来ていない可能性が大だし、ここまでオカルト思想にのめり込んでしまっている人間に、一国のファーストレディーなど絶対に務めさせてはならないだろう。
全くその通りなのですが、現実では、日本がますますカルト系勢力に浸食・支配されては、日本国民の正常な思考力が大きなピンチに陥っています。
本当であれば、今回の怪しげな新興宗教よりも何よりも、安倍一族と一心同体の関係を築いてきた統一教会や、昭和初期に設立され、日本の政治に深く入り込んできた(日本会議の産みの親である)生長の家、大日本帝国時に原形が出来上がり、当時から政治と一体化しながら「国家神道」の布教を進めてきた神社本庁など、国民が警戒すべき危険な巨大カルト宗教を真っ先に詳しく報道し、国民間への認知を進めていくべきなんだけど…そもそもマスコミ自体がこれらの勢力に取り込まれており、不自然なまでにこれらに触れようとしない状況だ。
オウムと統一教会との関係性についても完全に無視している状況だし、こうした現状を見ても、マスコミがタブー視するほどに、これらのカルトに相当に”強大なバック”が控えていることが分かるね。
これらに比べると、「KAMIスタイル」は小規模の宗教団体の可能性がありますが、それでも、一国のファーストレディーが得体の知れないカルトと密着し、便宜を図ったりすることは絶対にやってはいけない危険な行為です。
政治におかしなスピリチュアルや非科学的なオカルトを持ち込むと、理性のある冷静な政治判断が出来なくなる恐れがあり、国民の思考もカルト化していっては、国家がどんどんおかしな方向に向かっていってしまう危険性がある。
そういう意味でも、安倍夫妻は最も国のトップを務めてはいけない危険すぎる夫婦だし、マスコミが隠蔽している分中々難しいかもしれないけど、国民も、政治と密着しているカルト宗教の危険さについて(オウム事件が再び注目されている中で)今こそ再認識する必要性があるね。