・森友学園 参院証人喚問詳報(1) (毎日新聞 2017年3月23日)
※23日の参院予算委員会での証人喚問に出席した大阪市の学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長の主な発言は以下の通り。
<冒頭発言>
籠池泰典理事長 まずこのたび国会で陳述の機会を与えてくださいましたことを深く感謝申し上げます。
私は「真に日本国のためになる子どもを育てたい」という教育者としての思いから、今年の4月に「瑞穂の国記念小学院」を開校できるよう、これまで頑張ってまいりました。教育者としての私の思いにつきまして、安倍首相や昭恵夫人、大阪府議会の先生方をはじめ、多くの関係者の皆さんにご理解をいただきましたことは、今でも本当に感謝しております。その一方、多くの皆さまのご期待を受けて、舞い上がっていたところも私の中にございました。
結果として、手続き上の便宜から、設計士の助言にしたがって、工事請負契約書が3種類作成されたことや、幼児教育の現場において、指導の行き過ぎなど、もろもろの不行き届きが生じてまいりました。それらの不行き届きについては、自分の至らなさを認めますとともに、反省すべき点について反省し、謝りたいと思います。今後は行政のご指導をいただきながら適切に改善を行ってまいります。
しかし、現在、新しい小学校を開設する手続きについては、各方面から疑問が呈される中で、弁護士からの指示で、申請を取り下げました。これまで応援してくれていたと思っていた方々が、手のひらを返すように離れていくのを目のあたりにして、自分自身、「どうしてこうなってしまったんだろう」という思いもあります。本日は、この問題について、私の承知しておりますことを、率直に先生方にお話しいたします。
「真に日本国を支える人材を育てる小学校」をつくることは今でも私の夢であります。その名前については、明治維新を担った多くの人材を輩出した「松下村塾」のことが念頭にありました。同じく長州出身で、以前から私の教育理念に共感していただいている安倍首相に敬意を表したいと思いまして、当初は安倍晋三記念小学校とするつもりで、昭恵夫人にもご相談申し上げて、ご理解をいただいたものと思っておりました。
ところが、後日、昭恵夫人から「首相の名前を使うことは遠慮してほしい」という旨のお申し出がありましたので、小学校の名称は「瑞穂の国記念小学院」へと変更いたしました。
昭恵夫人にも私どもの教育理念を、深くご理解をいただいていると思っております。昭恵夫人には3回にわたって幼稚園にお越しいただき、まして、ご視察をいただきました。昭恵夫人に瑞穂の国記念小学院の名誉校長に就任いただいたのは平成27年9月5日にご講演をたまわった時のことです。そしてその9月5日、昭恵夫人は講演の控室として利用をいただいた園長室で、私と対面していただいた時、同行したお付きの方に、席を外すようにおっしゃった後に、私と2人きりの状態で、「1人にさせてすいません。どうぞ安倍晋三からです」というふうにおっしゃって、寄付金として封筒に入った100万円をくださいました。昭恵夫人はまったく覚えていないとおっしゃっているようですが、私たちには大変名誉な話なので鮮明に覚えております。
また小学校の設立に関する大阪府の申請では、先にお亡くなりになられましたが、大阪府議会議長を務められた畠成章先生から頂戴したご恩も忘れられません。畠先生には森友学園の監事も務めていただくなどして、いろいろご指導いただいておりました。畠先生は、松井(一郎)知事のお父さまとも親しいお付き合いがあり、松井知事が維新会派を作る時にも、陰ながら助力されたということで、大阪府の松井知事や府にお力ぞえをいただくよう、畠先生にお願いしておりました。
そのおかげで大阪府の当時の総務部長などにも説明させていただきました。小学校設置の認可申請では、特別なとりはからいをいただいたものだと感謝をしております。ただその後、大阪府の中でどのようなやりとりがなされたのかは、うかがい知ることはできません。松井大阪府知事や関係者の方からお話を聞いて、国会や府議会で真相を究明していただきたいと存じます。
次に土地の取引について申し上げます。小学校の建設用地である、あの豊中の国有地の存在については、不動産屋さんから平成25年に紹介を受けました。これはすばらしい場所だと思い、小学校のために土地を確保したいと思いました。
その土地は国有地ということで、平成27年5月29日に定期借地契約を締結いたしました。その土地の買い上げの条件として、10年だったものをもっと長い時間へ、期間へ、変更できないかとの思いから、私たちの教育理念に賛同している、昭恵夫人に助けをいただこうと考えまして、昭恵夫人の携帯に電話をいたしました。平成27年の10月のことです。留守電でしたので、メッセージを残しました。すると後日、内閣総理大臣夫人付の、スタッフという方からご連絡をいただき、なかなか難しいとのお返事をいただきました。
平成27年11月17日に、総理夫人付きスタッフからいただいたファクスでは、大変恐縮ながら、現状では希望に沿うことはできない、なお、本件は昭恵夫人にも既に報告させていただいておりますというお言葉をいただきましたが、お骨折りに感謝しておったところでございます。
しかしながら、私は財務省の中でこの間、どのようなことが起きていたのか詳しく存じあげません。昭恵夫人、総理夫人付スタッフ、財務省の関係者に詳しくその経緯を聞いていただきたいと思います。
またあの土地に、ヒ素や鉛などの有害物質があるということは契約上も明らかだったのですが、平成28年3月に入って工事が始まってから、新たに生活ごみが出てきました。その後、工事を施行していました、中道組に北浜法律事務所の酒井康生弁護士を紹介していただきまして、以降の土地取引に関する一切の交渉をお願いしましたところ、最終的に土地価格を8億円あまりも値引きされた、1億3400万円になったとお聞きして、想定外の大幅な値下げに、その当時は、ちょっとびっくりいたしました。が、売買契約を結びました。私は、交渉の詳細については詳しく承知していないので、値引きの根拠などについては、近畿財務局、当時の迫田理財局長、酒井弁護士にお聞きいただきたいと思います。
なお先日、私は大阪府への小学校設置認可申請を取り下げました。これは顧問弁護士であった酒井先生のご指示によるもので、私は断腸の思いで申請を取り下げました。しかし、その後、なんら事態は改善することなく、むしろこの問題で、私だけを悪者にするような政府の要人や大阪府知事の対応を見て、何かおかしいと気付き始めました。財務省の佐川理財局長の名として部下の島田さんが、10日間隠れていてと、顧問弁護士の酒井先生から申し添えられましたことも、そのときはなんでだろうと不思議に思っておりました。
平成29年3月15日になって、もうこれ以上かかわることはできないと、突然、顧問弁護士辞任の申し出をいただきましたが、私には何があったのか理解できません。酒井先生が財務省近畿財務局や大阪府とどのような関係があったのか、ぜひ国会でも聞いていただきたいと思います。
この問題が国会で議論されるようになってから、私の妻の所に昭恵夫人から、ご夫妻が今、大変なことは想像がつきますが、主人にとっても大変なことに巻き込まれたということも理解いただきたいと思いますとか、私がかかわったということは裏で何かがあるのではと疑われないように、という口止めともとれるメールが届きました。あんなに私たちの学校の開校を楽しみにしてくれていて、考え方に非常に共鳴しているのですとか、森友学園の先生の教育に対する熱意はすばらしいという話を聞いていると、総理もおっしゃっていただいていたのに、どうしてなのか割り切れない思いです。
私は純粋に自分の理想とする教育を実現するために、小学校設立に夢中になって走り続けてまいりました。その途中で、多少無理をしてしまったことがあるかもしれません。でも、私が昭恵夫人や畠先生にお願いした先で、どのような対応をなされたというのか、本当に分かりません。
国有地の大幅な値引きなど一連の経緯の真相を明らかにするためにも、私だけがとかげのしっぽ切りで、罪をかぶせようとするのではなくて、まず私がこうして、国会の場で正直にお話をさせていただきますので、どうぞ、せひそのほかの関係の方々を国会に呼んで、事実関係をお聞きいただき、真相を究明を進めていただくよう、心からお願い致します。以上です。ありがとうございました。
<山本一太委員長の質問>
山本一太参院予算委員長 本委員会が3月16日に小学校予定地を視察した際、籠池証人は私たちの前で、小学校の建設費には安倍総理の寄付金が入っており、平成27年9月に総理夫人が講演会に来られた際に、安倍総理からの寄付として受け取ったと説明をされました。先ほどの証言でも2人きりの状態で、寄付金100万円の入った封筒を受け取ったというふうにお話をされました。一方で、総理官邸はその事実を否定しており、双方の説明が食い違っております。先ほどの証言を含めて、証人の発言は事実でしょうか。事実であるとするならば、どのような経緯で寄付が行われたのか。受け取った現金をどこでどのように振り込んだのか。できるだけ詳細に受け取りの事実を示していただきたいと思います。
籠池泰典理事長 今、委員長のほうからご質問をいただきましたが、平成27年の9月5日に昭恵ご夫人に当園において講演会をしていただきました。その講演会を開催いたします前のひとときの間、私の園長室でお話をさせていただきました。その際、夫人の方から、封筒をカバンの中からお出しなされまして、私に「一人で申し訳ありません、どうぞ」ということでいただきました。
その封筒をいただきまして、少し上のほうから拝見しましたところ、金子(きんす)が入っておりました。その金子をいただきまして、「これは、いいんでしょうか」とお伝えしましたところ、「安倍晋三からです」というようにおっしゃっていただきました。
私はその封筒をいただきまして、ずーっとこう、机の円周をまわりまして、職員室の方に参りました。いただいた時には、私と昭恵夫人だけでございましたが、いただく前には秘書の方も同席し、私の家内も同席しておりました。お人払いをされましたので秘書の方が出ました。そして私の家内は他の事柄で退室をいたしました。2人でございました。そこでいただいたということでございます。
その金子につきましては、早々に職員室におりました副園長の方に渡しました。いただきましたということで確認をいたしたということでございます。その後、その日は土曜日でございましたので、中身を確認し、そして、100万円であるということも確認しまして、金庫の中に入れました。それで月曜日、すぐ近くの新北野郵便局の方へ参ったということでございます。そのあたりからは伝聞でございますので、私は直接いたしておりませんので、後は、その辺のところは聞いていただけたら、よろしいんではないかなと思っております。
山本氏 今、証人がおっしゃった受け取った現金をどこでどのように振り込んだのかという点についてもう少し、お聞きしたいと思います。振込用紙の左側に、振込取扱い表の振込委任欄というのがあって、そこに森友学園と証人の奥様が手書きをしたと。右側についている振込受領書の振込人欄は空欄のまま、森友学園の職員に渡したと。これは籠池証人が直接ご説明されているか、あるいはマスコミの報道等でお話をされている内容ですがこれが事実なのか。事実ならば事実だということでお答えをしていただきたいと思います。
籠池氏 はい。それは事実でございます。
山本氏 証人の奥様から、振込用紙を受け取った職員が郵便局に持参したと伝えられていますが、これも事実でしょうか。事実かどうかだけお答えください。
籠池氏 はい、それも事実でございます。
山本氏 職員が振込受領書の振込人欄に安倍晋三と書いて郵便局に持参した。これも事実でしょうか。
籠池氏 はい、それも事実でございます。
山本氏 職員がその場で学園の会計士に電話したら、会計士は安倍晋三ではまずいとおっしゃたということですが、これも事実でしょうか。
籠池氏 えー、それはですね、郵便局に参りまして、われわれの職員が書きました時に、職員室のほうに副園長がおりましたもんですから、そこから会計士の方に聞いて、そしてそれはまずいということで、郵便局におります職員に伝達したということでございます。
山本氏 職員がその場で、最初は匿名、次に学校法人森友学園と書き直したと。修正テープを使ってそのつど消したと。これは事実でしょうか。
籠池氏 はい。それはその通りでございます。
山本氏 小学校の認可申請から国有地の買い受け。こうした建設にいたる経緯において、政治的な関与があったのかなかったのか。それについて簡潔にお答えください。
籠池氏 国有地の収得につきまして、政治的関与という内容について、あったのだろうと認識しております。さまざまな長短があろうと思いますが、そのつどの場所で政治的な関与があったのではないかと思っております。
山本氏 委員長からお尋ねすることは以上でございます。
<西田昌司氏(自民)の質問>
西田昌司氏 今、籠池証人は安倍総理の奥さんから直接もらったというふうにお話になりました。しかし大事なことをおっしゃったのはですね、そこには奥様(昭恵夫人)と2人だけだとこういうことなんですね。で、実は私はこの質問する前に奥様の方から事情を聞いております。そうするとその日は当日はですね、2人のお付きの方がおられたと。
そして2人がずっと一緒に奥様とおられて、次の予定で出られるときには1人の方が出てですね、電話連絡等あったけれども、その席を外した事はないと。つまり奥様は1人ではないとおっしゃってるんですよ。あなたの証言と全く食い違うんですが、事実ではないんではないんじゃないんですか。
籠池氏 そのお話は違っていると思います。えー、私とご夫人と、そして秘書の方がいらっしゃいましたが、秘書の方は直前にお人払いをされましたので2人であります。
西田氏 そうすると、これ事実をどうやるかということですが、奥様もおられない。夫人と2人だけだということになりますと堂々巡りの話になりますが、とにかく私は今のあなたの証言を聞いてましてね、要するに自分の都合のいい事実はそういう形でいえるけれども、それが事実かどうかということの証明ができないんですよ。特に郵便局で振り込みにいかれたという話です。当然ですね、これは安倍総理からお金がいっていないですから、安倍総理の名前で振り込むことはできないわけですね。できないのに、わざわざですね、安倍総理の名前で振り込みをしようとしたその意図はなんですか。
籠池氏 意図というものはありません。私は安倍総理の本当に大熱望者というか大ファンというんですかね、それでありましたから「安倍総理に迷惑がかかることはできるだけしないように、しないように」というふうに考えておったもんでございます。従いまして、安倍昭恵夫人の方から「安倍総理からです」とおっしゃったその段階で、これはやはり、あまり他の方と同じように名前を出さないほうがいいのではないかと、いうようなことは認識したということでございます。
西田氏 それもちょっと納得いかないんですね。というのは、あなたはもともとですよ、ご自分でもお話になったように安倍晋三記念小学校としてやってるわけですよ。そして安倍晋三記念小学校の振込用紙でですね、寄付金を集めているんですね。これどういう意味なんでしょう。安倍晋三の名前を使って、寄付をたくさん集めたいとそういう意図があるんじゃないですか。
籠池氏 そんなことはありません。やはり偉人である、例えば吉田松陰先生とかのお名前を、新渡戸稲造先生とかのお名前を、冠にするのは当然、当たり前のことでありますが、安倍晋三先生はその当時、第一次安倍内閣をおりられて一衆議院議員でございましたのでね、ですからそれは安倍昭恵ご夫人を通じて「どうでしょうか。大丈夫でしょうかこのお名前は」というようなことを再三やり取りをしまして、その間のことのなかで、ときに安倍晋三小学校という名前でしていきたいというような認識をしておりました。
ただ、もうそれは平成27年……にじゅう……いや、もとい、平成27年ごろでしょうか。ちょっともとい、日にちのことはちょっとはっきりとわかりませんが、覚えておりませんので、ですけども、安倍昭恵夫人のほうから「それはちょっとね、ご遠慮いただきたい」ということでございましたので、それ以降は使っておりません。
西田氏 それもまた事実と違うと思うんですよ。そもそもですね、安倍晋三記念小学校という名前でやることを安倍総理はお断りになっておられたし、夫人のほうも断っておられたはずなんです。あなたが自分の目的、寄付を集めるために、安倍晋三記念小学校の名前で寄付金を集めたと。しかもですね、これあの、実は2月23日に総理の秘書とあなたが電話をされています。その電話はですね、ここに議事録があるんですね。これを公開したいと思いますけれどもよろしいですよね。今年の2月23日です。この事件ができてから出てるんですよ。
で、その中によりますと、要するに秘書官と話をしているときにですね、あなたが言っているのは「この安倍晋三小学校の冠の部分はほんの一時、1日か2日だけしか使用しておりません」と。「決して安倍先生のお名前を活用しようとしたくて寄付金を使ったんではないんだ」とそういう趣旨をうたっているんだけども、そうおっしゃってるんだけども、実際にはこの寄付金がですよ、いろんなところで安倍晋三小学校の名前で寄付金の申し込みが出てるんですよ、長い間、そうでないですか。
籠池氏 そんなことありません。ほんの一瞬であります。ほんの一瞬であります。従いまして、衆院議員の時期の一瞬、ですからそのときだけであります。ですから、もうお断りいただいた段階で、すぐに消却をいたしております。そのことは、えー、そのようなことであります。
西田氏 ちょっと発言が食い違いますが、これすべて証人、もう一度確認しておきますが事実を言わないとあなたが偽証に問われますからね。ですから、慎重に答えてくださいよ。われわれは何年もこれが使われていたという事実をつかんでおりますので、あなたが今言われたということをわれわれは、そのまま認めるわけにはいかないのですけれども、偽証だということを言われてしまいますよ。
それと、もう一つは、もう一つはですよ、この籠池さんとの会話、この2月23日14時43分からのやつがありますが、これはあの、あなたに私信ですから一応、許可を得て、明日の委員会にでも出したいと思いますがいいですね。事実ならいいじゃないですか。
籠池氏 ちょっと、今のことをもう一度お願いできませんか。
西田氏 要するにですね、籠池さんとの会話を記録をしております。文字起こしをしております。2月23日です。それをあなたの証言と今の食い違っていますから、これをしっかり文字おこしをして公開したいと思いますがよろしいですね。
籠池氏 えーっと、どんなものかをお示しいただかないとわからないんです。えー、それを出していただかないとわからないんで。はい。
山本委員長 ただいまのことにつきましては後刻理事会で協議したいと思います。ちょっと、速記を止めて。
(一時中断)
西田氏 ですから、いまのこれ後刻、委員長に諮(はか)るのですか。これの整理だけはっきりさせてください。
山本委員長 籠池証人、先ほどの質問について、出していいのかどうかと。見ていないなら駄目なら駄目だというようにご証言ください。
籠池氏 えー、それは別疑義ですからおやめいただきたいと思います。
西田氏 拒否をされると。その拒否される理由がわからないですが、後でとにかくですね、調べてください。それと、もう一つ言いますが、夫人にですね、あなたは何か小学校の開設について頼んだと。それで安倍総理には頼まれたんですか。夫人に頼まれた。その辺のことをもう一度、事実関係を言ってください。夫人が3回来られたけれども、小学校開設について便宜を図っていただくように夫人に頼まれたとおっしゃっていますがさっき、それでいいんですか。
籠池氏 安倍総理のほうにはもう、直接、一切お願いしたことはございません。安倍昭恵夫人を通じて、いろいろなことをご相談申し上げたことはあります。
西田氏 相談したのと頼んだのではぜんぜん意味が違うんですよ。何を相談したんですか。何を頼んだんです。
籠池氏 日本語の言葉というのは、言葉の「あや」がありますから。その相談したという中にお願いしたことも当然、含まれるわけであります。
西田氏 だから何を頼んだんですか。
籠池氏 瑞穂の国記念小学院について「このような副読本はどうでしょうか」とお見せしたこともありますし、「こういうふうなカリキュラムですけど」ということもお話したこともありますし、まあ一つ一つ、あの教育的なことをお願いしたということでございます。
籠池氏「首相夫人と妻のメールの内容は公表したい」
西田氏 分かりました。ですから、開設について頼んだということではないということだけ確認しました。次にいきますが、もう一つ、あなたはですね、参議院の予算委員会が16日にありましたね。当初あなたは出てこないという予定でしたが出てこられて、その後ですね、野党議員だけを集めて、自宅でですね、会見されてますよね。これ非常に中身が分からない。なぜ野党議員だけを集めてですね、そこで話をするとかいうようなことをされるんですか。なぜ予算委員会とか開かれた場、その野党議員だけでやってるんですか。(議場がざわつく)
山本委員長 静粛に願います。
西田氏 非常に不公平感、不透明感を感じるんですが、なぜ野党議員だけだったんですか。
山本委員長 証人が補佐人に助言を求める際には、そのつど委員長の許可を取ってもらいたいと思います。許可します。
籠池氏 えー、お越しになったことについてですね、あの、私のほうから別に拒否をすることもありませんから、ですから、えー、その先生方にお入りいただいたということですが、何か問題があるんでしょうか。
西田氏 あなたが招いたのではないんですね。
籠池氏 私がお招きをしたということはございません。
西田氏 じゃあなぜ、あの方々が4人集まって一緒にその時間でできたんですかね。どういう打ち合わせでできたんですか。
籠池氏 それは私が知るところではございません。
西田氏 この辺も不透明なことがありますが。そのときに、皆さんがたの……野党の皆様方、まじめにやってください。そのときにメールをですね、夫人の方から、昭恵夫人から奥様とのメールのやりとりがあるという話で先ほどもありましたけれどもね、野党の皆さんがたにそのメールを見せられましたか。
籠池氏 それは記憶にございません。はい、私がしたことではありませんので私の記憶にはございません。
西田氏 これもですね、今、メールのやり取りがあちこちで報道なんかで出てるんですね、私も実は総理の奥様から許可をいただいて、メールを文字おこしで全部持っております。これは誤解のないようにこれもあなたの奥様のメールですから、あなたの直接ではないけど、ぜひここでですね、あなたの責任で、このやりとりのメールをですね、一覧、総理が公表したいとお話になってますから、あなたの奥さんに公表させたいと言うことでご了解を得たいと思いますがいかがですか。
山本委員長 補佐人に意見を求めるんですね。許可します。
籠池氏 そのメールの内容については、家内の分ですけど、私はいいと思っております。
西田氏 ですから、これは事実関係をね、明日の予算委員会にも出したいと思います。承認いただけましたから。私はですね、今の問題でもまず総理の話でいいますと、この片方は、総理は絶対もらってない。奥様も渡していないとね。おっしゃってるんですけど、「密室の中で2人だけで渡したんです」と。そういうことを言われると、はっきり言いましてね、私とあなたは初めて会いましたけど、仮に「西田昌司の名前で、100万円をもらいました」と。そういう振込票を書くこともできるんですよ。
だから、そのこと自体が全くこれ証拠にならないし、そして、そもそもですね、私はなぜそういう話になってきたのか背景考えるときに、私はどうしてもね、あなたが今回のですね本質は寄付金を集めて、小学校を建てていこうとされてきたんだけれども、その寄付金が集まるのが大変しんどかったと思いますよ。だから当初は安倍晋三小学校という名前でやったし、安倍さんの名前で募金があったということにするとですよ、非常に募金の集まりもいいでしょう。そういう形の思いがあったんじゃないかと。ところが現実問題、安倍さんの方から、これは拒否されたんで、それは長い間使っておられたようだけれども途中でやめられているんですけどもね。その寄付金集めのために安倍さんの名前や著名人、何よりもですよ、皇室までいろいろ使っておられるじゃないですか。あなたは例えば、皇室との関係があって、森友学園に陛下がこられたように書いておられるけれどもね、そういう事実ないでしょ。
籠池氏 えー……。ご皇室の方がおいでになったということはございませんので、私のほうがそういう書きぶりをしたことはありません。それと、先ほどのことですけども「安倍晋三記念小学院」というのは、本当に当初の当初だけでありまして、先生がおっしゃるように逆のイメージもあるわけです。従いまして、寄付金集めにそれを供した(「安倍晋三記念小学校」の名前を利用した)ということではなくて、逆に寄付金集めの場合でしたら安倍晋三記念小学院という冠はいたしません!
西田氏 要するに大事なのは皇室の方が来られてないと。しかしあなたのホームページにはね、載っているんじゃないですか。これ、どう説明するんですか。
籠池氏 あの、おそれおおいことですから、そういうような書きようにはなってないと思います。私は、天皇国日本という考えのもとでご皇室を敬愛、そしてお守り申し上げないといかんという気持ちは今も一緒でございますので、いかなる政権が立っていこうとも天皇国日本であればそれでよろしかろうというような認識は今も持っております。従いまして、私自身がそのように指示し、私自身(HPに記載)したということは決してございませんので言っておきます。
山本委員長 証人に言っておきます。証人が補佐人に助言を求める際には挙手の上「委員長、補佐人に助言を求めたいと思います」と言ってください。
自民・西田氏「問題の核心は事業計画。新しい小学校を作る資金をどうするつもりだったのか」
西田氏 籠池さん、あなたそうおっしゃったけど、慄然(りつぜん)と事実としてHPに載ってますから、皆さんが見てどちらがでたらめを言っているか歴然とします。今回の問題の本質で新聞やテレビも今日たくさん入っているが、私の目から見ると論点がずれているんですよ。政治的関与で安い土地を売ったとか、総理や昭恵夫人との関与があったとかそこで配慮があったとか言うが、そうでなしに、もともと大阪であなたが小学校を建てようとした計画そのものに無理があったんでないかと思っているんですよ。
今日ニュースでも出ていたが、あなたが工事を発注した藤原工業さんが幼稚園を含め仮差し押さえした。私も謄本を見たが、3月15日にされてますよね。11億円の工事費が未払いだったということですね。なぜ未払いになっているんですか。
籠池氏 そもそも認可適当というものを大阪府の方でいただきまして、それから国有地の方を定期借地で契約いたしました。その後、藤原工業と契約いたしましたから、それからどんどんどんどん工事が進んでいったということです。認可適当というもの、これはすごい大きな担保でありまして、今までに認可適当をいただいて認可されなかったことがないように聞いております。それが地方政府の大阪府の中でいつのまにか、どういうことがあったのかわかりませんが、「認可をさせない」というふうな方向に進んで行ったように認識しております。
その結果、3月11日……10日……えー、11日、認可取り下げをいたした経緯につきましても、大阪府の担当官が前日に瑞穂の国記念小学院の建物を視察し、そこで私と話をすることになっていましたけども、それがうまくいかなかった。それで取り下げをした結果ですね、銀行の取引の方の約定もできなくなって今にいたっておるということであります。
西田氏 わかりました。ということは、11億円は銀行から借り入れて払うということだったのか。
籠池氏 当然、寄付金とそして銀行からの借り入れもあったというふうなことでございます。
西田氏 あのね、これが一番、重大なポイントなんですよ。あなたの事業計画をここで教えてほしいんです。つまり、もともとこの小学校、幼稚園は大阪ではできない形だったんだが、あなたの働きかけで規制緩和になって幼稚園の道が開かれたと。しかし道は開かれたが新しい幼稚園、小学校を作るには莫大な金がかかりますね。その金をどう手当てするかが私学審議会でも一番の焦点だったわけですよ。あなたはそれをどう説明してきたんですか。
山本委員長 (籠池氏の要請を受け)え? 補佐人に意見を求めたいとおっしゃてください。
籠池氏 (補佐人に)意見を求めたいと思います。
山本委員長 認めます。速記止めて。止めない? そんな時間かからないから止めないで。
籠池氏 それはですね、大阪府のほうに書類を出してご審議いただいた、そのままの所に入ったとおりのことでございます。
西田氏 あなたがそういうふうに証言拒否をするので、私が大阪府私学審議会の書類を朗読するが、何が書いてあるかと言えば、当初から財源あるかと常に危惧されているんですよ。こう出ていますね。今の幼稚園の方だが、幼稚園でも借りている金があると。黒塗りにされているが。何億あるんでしょうね。今借りている負債の償還やっていくんだが、その中で「今回建てることにつきましては、負債を増やすことは考えておりませんので償還計画はこのままでいい」と。要するにあなたは借り入れせずに寄付でやると大阪府私学審議会の中で言っているんですよ。あなたは(審議会で)言っている通りと言うんだから。要するに寄付金だけでやるって意味でしょ。
籠池氏 あの、えっと、恐れ入りますけども私は私学審議会の審議内容の記録というのは拝見しておりませんので中身がわかりません、はい。
西田氏 要するに今回の問題の核心はここなんですよ。今現在も失礼ながらあなたの幼稚園、森友塚本幼稚園は現在、小学校を建てる前から負債があったと思いますが、何億円ありましたか。
籠池氏 えっと、幼稚園の建物、そして土地を購入するのに約3億円くらいだったと思いますけどね、はい。
西田氏 3億円の負債が残っているんですよ。そして総資産枠ってのがありますね。総資産いくらくらい、あなたの幼稚園はありますか、学園全体で。
籠池氏 ちょっと今はっきりとは覚えておりませんけれども。はい。
西田氏 想像だが私学の場合は30%基準がありますよね。30%超えていたら「できない」ってことだから、おそらく3億円の借金ってことは10億円くらいの総資産があったと類推されるがそうじゃないですか。
籠池氏 えーえーそうですね、そのような感じですね。
西田氏 それが小学校を作る前の財政状況なんですよ。さて、ここで次に小学校建てようと思うと何が出てくるか。あなたが大阪府の審議会には「7億5000万円」という形で出されたが、今回発注した藤原工業さんは15億5000万円の支払金額だったと言ってますよね。だから実際には15億5000万円かかったってことでしょ。
山本委員長 補佐人と話すことを認めます。
籠池氏 えー、それは刑事訴追を受ける可能性がありますのでお答えすることはいたしません。
西田氏 そこで一つ大きな疑問が残ったままだが、事実として15億5000万円の仮押さえされてます。そこであなたがもともと出した7億5000万円で小学校を建てようとしても、7億5000万円が正しいとしても、一体7億5000万円はどうやって工面するつもりなんですか。
籠池氏 それは建物を建てていくうちに寄付金も当然集まってまいりますし、時系列的にやはり潤ってくるというように思います。しかも、なんていうんですかね、資産価値というものが当然ありますから、当然資産の価値を再評価することによって高まっていくことも当然ありますので。はい。
西田氏 まったく意味不明なんですね。あなたもご存じのように、そもそも新たに小学校を作る場合に作る建設費用の3分の2しか借金できないんです。大阪府私学審議会の基準なんですよ。7億5000万円の3分の2は5億くらいですよね。要するに5億分しか借金できないが、そのほかは当然寄付金で集めないといけない。15億5000万円の藤原工業の支払いで結局5億しか払ってない。11億円残っているから。ということはあなたが集めた金は4億5000万円しか集まってなかったってことじゃないですか
籠池氏 私立の小学校、中学校というのは施設整備補助金がまったくありません。高校、幼稚園、大学とかと違ってまったくありませんですね。この中で学校を作ろうというのはかなりの懸命の努力がいるわけです。で、私どもの内部留保の資金と、ご寄付いただく資金によりまして、7億5000万円くらいの枠であれば30%の資金はきちんとできるというふうに認識しておりましたので、それで可能だったと思います。またいろいろな、なんていうんですかね、空調の関係の補助金とかいうものも……はい、そうですね、以上です。
籠池氏「大阪府と松井知事にはしごを外された」
西田氏 契約書が3通あった話はあなたが証言拒否したから私は言ってない。そうでなしに資金繰りを聞いているんですよ、もともと小学校を建てようとすると莫大な自己資金がないとできないんですよ。ところが、あなたが今自らおっしゃったように10億円の総資産があるけど、3億円の借り入れがすでに幼稚園であったんですよ。そこからプラスアルファ、今、「15億5000万円を藤原工業が支払いして」と言っている。それだけの金を持ってたら私学審議会でもOKですよ。ところが持ってないから、今回払えなかったんです。だからこれは認可適当を取り下げたからとかこの騒動でどうなった、とかいう次元の話じゃないんですよ。初めから金がないんじゃないか。だからそこが本質だって言っているんですよ。だから、あなたはどれだけのお金があったんですか。
委員長 静粛に願います。
籠池氏 この問題の本質を審議していただいているのは、そこにどのような口利きがあり、どのようなことがあったかということでございますから、議員のおっしゃっていることは的外れていると思います(議場内の笑い声)。
西田氏 あのね、それじゃ口利きがあったというなら、どういう口利きがあった? どう金が調達できることになっているんですか。どういう口利きしたら金が集まるんですか。
籠池氏 口利きがあったということがこの事件の発端のとこだったと思います。えー、「口利き」というものがどういう類いの口利きだったかということになってくると思う。えっと、私はこの土地が出てまいりました時にいいものが出てきたなということは先に申し上げましたですね、従いまして近畿財務局にお願いしにいった。でも、行ったけれども、一民間の人間が行くだけではどうしようもありませんので、やはりそこはなんと言うんですかね、ご紹介をいただいて行かしていただいたということですね。その後はアヒルの水かき運動のごとく何回も何回も何回も行かしていただいて、しかも定期借地になりましたけれども、その定期借地も高い金額で、高止まりで結果としてなっております。
本来、口利きがありましたら低どまりになるんじゃないでしょうか、ええ。あまり高い所に止まっていましたから口利きということはそういう点ではなかったんだろうと思います。
西田氏 今また意味がわからないです。口利きがあったかなかったかと言えば、なかったんですか。
籠池氏 私の方は、口利きというもの自身、皆さん方が思っているお金を呈しての口利きというものはなかったというように思っています。
西田氏 そりゃそうだと思いますよ。口利きでどうにもならん。それよりも一番の問題はこの私学審議会の審議録を見て非常に疑問に思った。私、税理士をやっている。幼稚園はないが社会福祉法人はじめ顧問先があり、新たな事業をやる時は借り入れをどうするか、事業計画を見て「社長いいですよ、理事長いいですよ」となる。
ところがあなたの今日の状況を見ていると志は良かったかもしれないが、要は金の手当てができないままどんどん話をスタートさせている。それを本来なら大阪府私学審議会で審議委員が再三にわたり、「これは危ない。どうするんだ」と言っているんですよ。ところがあなたが言ったかどうかわからないがここには事務局が「今回建てることについては負債を増やすことは考えておりません」と。「自前の金で建てます」と。だから条件付きだが認可適当となった。はじめの計画はかなりむちゃくちゃだったということじゃないか。
籠池氏 当初から価格が高騰していったことは当然あろうかと思います。でも今、建設をはじめます時には同じ条件の中で高いもの、上質なもの……(質問者からの反論)。あの、そういうことではない? では、どういうことかもう一度言ってください。
西田氏 要するにあなた弁護士さんかいろんな方と想定問答されてきたと思うけど、まったくそういうことを聞いているんじゃないんですよ、私。そもそも論を聞いているんですよ。7億5000万円で建つ予定だったでいいですよ。だったら7億5000万円がなければいけないじゃないですかってことですよ。7億5000万円あるなら、15億5000万円の請求をされたら少なくとも7億5000万円は払えるじゃない。なぜ11億円が未払いになっているのと。つまり7億5000万円の金すら集まってなかったんでしょ。
籠池氏 それは違います。7億5000万は集まっています。はい。7億5000万の内訳につきましては当然のことながら我々の方のいわゆる軍資金と。そして、軍資金というんですか、建設資金といいますけども。それが高まってきている、きておったということは否めない話だと思います。
西田氏 だんだん時間なくなってきたんでね、あれなんですけども要するに、これせっかく今回はね、テレビでたくさんやってますから言いますけれども、問題のポイントが皆さんがつくのが間違ってるんですよ。もともと、無理な計画で建てるとき自身ですね。大事なことだから言っているんです。それが認可されたこと自体が問題。そして今となっては大阪側がですね「なんで認可を出したのか」とまで言ってるけれども、これはしっかり大阪がしっかり調査していただきたい。それと土地の取得については、初めからこの建てるときには土地の取得関係ないんですよ。定期借地権で建てる認可でやってるんですからね。土地価の話は全く後の話なんですよね。だからこの土地の話、何で熱くなったかということは、ちょっと時間なくなったんで、後半の衆議院で葉梨委員が質問しますが、要は問題のポイントははじめから、ならないものがなってしまったということですよ。それであなたもおっしゃったようにね、結局、二階に上がってはしご外されたというように思ってるんじゃないですか。
籠池氏 そうですね。九分九厘でき上がってて、高下駄を外された、はしご段を外されたという思いですね。大阪府、松井知事というふうに思ってます。
※23日の参院予算委員会での証人喚問に出席した大阪市の学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長の主な発言は以下の通り。
<冒頭発言>
籠池泰典理事長 まずこのたび国会で陳述の機会を与えてくださいましたことを深く感謝申し上げます。
私は「真に日本国のためになる子どもを育てたい」という教育者としての思いから、今年の4月に「瑞穂の国記念小学院」を開校できるよう、これまで頑張ってまいりました。教育者としての私の思いにつきまして、安倍首相や昭恵夫人、大阪府議会の先生方をはじめ、多くの関係者の皆さんにご理解をいただきましたことは、今でも本当に感謝しております。その一方、多くの皆さまのご期待を受けて、舞い上がっていたところも私の中にございました。
結果として、手続き上の便宜から、設計士の助言にしたがって、工事請負契約書が3種類作成されたことや、幼児教育の現場において、指導の行き過ぎなど、もろもろの不行き届きが生じてまいりました。それらの不行き届きについては、自分の至らなさを認めますとともに、反省すべき点について反省し、謝りたいと思います。今後は行政のご指導をいただきながら適切に改善を行ってまいります。
しかし、現在、新しい小学校を開設する手続きについては、各方面から疑問が呈される中で、弁護士からの指示で、申請を取り下げました。これまで応援してくれていたと思っていた方々が、手のひらを返すように離れていくのを目のあたりにして、自分自身、「どうしてこうなってしまったんだろう」という思いもあります。本日は、この問題について、私の承知しておりますことを、率直に先生方にお話しいたします。
「真に日本国を支える人材を育てる小学校」をつくることは今でも私の夢であります。その名前については、明治維新を担った多くの人材を輩出した「松下村塾」のことが念頭にありました。同じく長州出身で、以前から私の教育理念に共感していただいている安倍首相に敬意を表したいと思いまして、当初は安倍晋三記念小学校とするつもりで、昭恵夫人にもご相談申し上げて、ご理解をいただいたものと思っておりました。
ところが、後日、昭恵夫人から「首相の名前を使うことは遠慮してほしい」という旨のお申し出がありましたので、小学校の名称は「瑞穂の国記念小学院」へと変更いたしました。
昭恵夫人にも私どもの教育理念を、深くご理解をいただいていると思っております。昭恵夫人には3回にわたって幼稚園にお越しいただき、まして、ご視察をいただきました。昭恵夫人に瑞穂の国記念小学院の名誉校長に就任いただいたのは平成27年9月5日にご講演をたまわった時のことです。そしてその9月5日、昭恵夫人は講演の控室として利用をいただいた園長室で、私と対面していただいた時、同行したお付きの方に、席を外すようにおっしゃった後に、私と2人きりの状態で、「1人にさせてすいません。どうぞ安倍晋三からです」というふうにおっしゃって、寄付金として封筒に入った100万円をくださいました。昭恵夫人はまったく覚えていないとおっしゃっているようですが、私たちには大変名誉な話なので鮮明に覚えております。
また小学校の設立に関する大阪府の申請では、先にお亡くなりになられましたが、大阪府議会議長を務められた畠成章先生から頂戴したご恩も忘れられません。畠先生には森友学園の監事も務めていただくなどして、いろいろご指導いただいておりました。畠先生は、松井(一郎)知事のお父さまとも親しいお付き合いがあり、松井知事が維新会派を作る時にも、陰ながら助力されたということで、大阪府の松井知事や府にお力ぞえをいただくよう、畠先生にお願いしておりました。
そのおかげで大阪府の当時の総務部長などにも説明させていただきました。小学校設置の認可申請では、特別なとりはからいをいただいたものだと感謝をしております。ただその後、大阪府の中でどのようなやりとりがなされたのかは、うかがい知ることはできません。松井大阪府知事や関係者の方からお話を聞いて、国会や府議会で真相を究明していただきたいと存じます。
次に土地の取引について申し上げます。小学校の建設用地である、あの豊中の国有地の存在については、不動産屋さんから平成25年に紹介を受けました。これはすばらしい場所だと思い、小学校のために土地を確保したいと思いました。
その土地は国有地ということで、平成27年5月29日に定期借地契約を締結いたしました。その土地の買い上げの条件として、10年だったものをもっと長い時間へ、期間へ、変更できないかとの思いから、私たちの教育理念に賛同している、昭恵夫人に助けをいただこうと考えまして、昭恵夫人の携帯に電話をいたしました。平成27年の10月のことです。留守電でしたので、メッセージを残しました。すると後日、内閣総理大臣夫人付の、スタッフという方からご連絡をいただき、なかなか難しいとのお返事をいただきました。
平成27年11月17日に、総理夫人付きスタッフからいただいたファクスでは、大変恐縮ながら、現状では希望に沿うことはできない、なお、本件は昭恵夫人にも既に報告させていただいておりますというお言葉をいただきましたが、お骨折りに感謝しておったところでございます。
しかしながら、私は財務省の中でこの間、どのようなことが起きていたのか詳しく存じあげません。昭恵夫人、総理夫人付スタッフ、財務省の関係者に詳しくその経緯を聞いていただきたいと思います。
またあの土地に、ヒ素や鉛などの有害物質があるということは契約上も明らかだったのですが、平成28年3月に入って工事が始まってから、新たに生活ごみが出てきました。その後、工事を施行していました、中道組に北浜法律事務所の酒井康生弁護士を紹介していただきまして、以降の土地取引に関する一切の交渉をお願いしましたところ、最終的に土地価格を8億円あまりも値引きされた、1億3400万円になったとお聞きして、想定外の大幅な値下げに、その当時は、ちょっとびっくりいたしました。が、売買契約を結びました。私は、交渉の詳細については詳しく承知していないので、値引きの根拠などについては、近畿財務局、当時の迫田理財局長、酒井弁護士にお聞きいただきたいと思います。
なお先日、私は大阪府への小学校設置認可申請を取り下げました。これは顧問弁護士であった酒井先生のご指示によるもので、私は断腸の思いで申請を取り下げました。しかし、その後、なんら事態は改善することなく、むしろこの問題で、私だけを悪者にするような政府の要人や大阪府知事の対応を見て、何かおかしいと気付き始めました。財務省の佐川理財局長の名として部下の島田さんが、10日間隠れていてと、顧問弁護士の酒井先生から申し添えられましたことも、そのときはなんでだろうと不思議に思っておりました。
平成29年3月15日になって、もうこれ以上かかわることはできないと、突然、顧問弁護士辞任の申し出をいただきましたが、私には何があったのか理解できません。酒井先生が財務省近畿財務局や大阪府とどのような関係があったのか、ぜひ国会でも聞いていただきたいと思います。
この問題が国会で議論されるようになってから、私の妻の所に昭恵夫人から、ご夫妻が今、大変なことは想像がつきますが、主人にとっても大変なことに巻き込まれたということも理解いただきたいと思いますとか、私がかかわったということは裏で何かがあるのではと疑われないように、という口止めともとれるメールが届きました。あんなに私たちの学校の開校を楽しみにしてくれていて、考え方に非常に共鳴しているのですとか、森友学園の先生の教育に対する熱意はすばらしいという話を聞いていると、総理もおっしゃっていただいていたのに、どうしてなのか割り切れない思いです。
私は純粋に自分の理想とする教育を実現するために、小学校設立に夢中になって走り続けてまいりました。その途中で、多少無理をしてしまったことがあるかもしれません。でも、私が昭恵夫人や畠先生にお願いした先で、どのような対応をなされたというのか、本当に分かりません。
国有地の大幅な値引きなど一連の経緯の真相を明らかにするためにも、私だけがとかげのしっぽ切りで、罪をかぶせようとするのではなくて、まず私がこうして、国会の場で正直にお話をさせていただきますので、どうぞ、せひそのほかの関係の方々を国会に呼んで、事実関係をお聞きいただき、真相を究明を進めていただくよう、心からお願い致します。以上です。ありがとうございました。
<山本一太委員長の質問>
山本一太参院予算委員長 本委員会が3月16日に小学校予定地を視察した際、籠池証人は私たちの前で、小学校の建設費には安倍総理の寄付金が入っており、平成27年9月に総理夫人が講演会に来られた際に、安倍総理からの寄付として受け取ったと説明をされました。先ほどの証言でも2人きりの状態で、寄付金100万円の入った封筒を受け取ったというふうにお話をされました。一方で、総理官邸はその事実を否定しており、双方の説明が食い違っております。先ほどの証言を含めて、証人の発言は事実でしょうか。事実であるとするならば、どのような経緯で寄付が行われたのか。受け取った現金をどこでどのように振り込んだのか。できるだけ詳細に受け取りの事実を示していただきたいと思います。
籠池泰典理事長 今、委員長のほうからご質問をいただきましたが、平成27年の9月5日に昭恵ご夫人に当園において講演会をしていただきました。その講演会を開催いたします前のひとときの間、私の園長室でお話をさせていただきました。その際、夫人の方から、封筒をカバンの中からお出しなされまして、私に「一人で申し訳ありません、どうぞ」ということでいただきました。
その封筒をいただきまして、少し上のほうから拝見しましたところ、金子(きんす)が入っておりました。その金子をいただきまして、「これは、いいんでしょうか」とお伝えしましたところ、「安倍晋三からです」というようにおっしゃっていただきました。
私はその封筒をいただきまして、ずーっとこう、机の円周をまわりまして、職員室の方に参りました。いただいた時には、私と昭恵夫人だけでございましたが、いただく前には秘書の方も同席し、私の家内も同席しておりました。お人払いをされましたので秘書の方が出ました。そして私の家内は他の事柄で退室をいたしました。2人でございました。そこでいただいたということでございます。
その金子につきましては、早々に職員室におりました副園長の方に渡しました。いただきましたということで確認をいたしたということでございます。その後、その日は土曜日でございましたので、中身を確認し、そして、100万円であるということも確認しまして、金庫の中に入れました。それで月曜日、すぐ近くの新北野郵便局の方へ参ったということでございます。そのあたりからは伝聞でございますので、私は直接いたしておりませんので、後は、その辺のところは聞いていただけたら、よろしいんではないかなと思っております。
山本氏 今、証人がおっしゃった受け取った現金をどこでどのように振り込んだのかという点についてもう少し、お聞きしたいと思います。振込用紙の左側に、振込取扱い表の振込委任欄というのがあって、そこに森友学園と証人の奥様が手書きをしたと。右側についている振込受領書の振込人欄は空欄のまま、森友学園の職員に渡したと。これは籠池証人が直接ご説明されているか、あるいはマスコミの報道等でお話をされている内容ですがこれが事実なのか。事実ならば事実だということでお答えをしていただきたいと思います。
籠池氏 はい。それは事実でございます。
山本氏 証人の奥様から、振込用紙を受け取った職員が郵便局に持参したと伝えられていますが、これも事実でしょうか。事実かどうかだけお答えください。
籠池氏 はい、それも事実でございます。
山本氏 職員が振込受領書の振込人欄に安倍晋三と書いて郵便局に持参した。これも事実でしょうか。
籠池氏 はい、それも事実でございます。
山本氏 職員がその場で学園の会計士に電話したら、会計士は安倍晋三ではまずいとおっしゃたということですが、これも事実でしょうか。
籠池氏 えー、それはですね、郵便局に参りまして、われわれの職員が書きました時に、職員室のほうに副園長がおりましたもんですから、そこから会計士の方に聞いて、そしてそれはまずいということで、郵便局におります職員に伝達したということでございます。
山本氏 職員がその場で、最初は匿名、次に学校法人森友学園と書き直したと。修正テープを使ってそのつど消したと。これは事実でしょうか。
籠池氏 はい。それはその通りでございます。
山本氏 小学校の認可申請から国有地の買い受け。こうした建設にいたる経緯において、政治的な関与があったのかなかったのか。それについて簡潔にお答えください。
籠池氏 国有地の収得につきまして、政治的関与という内容について、あったのだろうと認識しております。さまざまな長短があろうと思いますが、そのつどの場所で政治的な関与があったのではないかと思っております。
山本氏 委員長からお尋ねすることは以上でございます。
<西田昌司氏(自民)の質問>
西田昌司氏 今、籠池証人は安倍総理の奥さんから直接もらったというふうにお話になりました。しかし大事なことをおっしゃったのはですね、そこには奥様(昭恵夫人)と2人だけだとこういうことなんですね。で、実は私はこの質問する前に奥様の方から事情を聞いております。そうするとその日は当日はですね、2人のお付きの方がおられたと。
そして2人がずっと一緒に奥様とおられて、次の予定で出られるときには1人の方が出てですね、電話連絡等あったけれども、その席を外した事はないと。つまり奥様は1人ではないとおっしゃってるんですよ。あなたの証言と全く食い違うんですが、事実ではないんではないんじゃないんですか。
籠池氏 そのお話は違っていると思います。えー、私とご夫人と、そして秘書の方がいらっしゃいましたが、秘書の方は直前にお人払いをされましたので2人であります。
西田氏 そうすると、これ事実をどうやるかということですが、奥様もおられない。夫人と2人だけだということになりますと堂々巡りの話になりますが、とにかく私は今のあなたの証言を聞いてましてね、要するに自分の都合のいい事実はそういう形でいえるけれども、それが事実かどうかということの証明ができないんですよ。特に郵便局で振り込みにいかれたという話です。当然ですね、これは安倍総理からお金がいっていないですから、安倍総理の名前で振り込むことはできないわけですね。できないのに、わざわざですね、安倍総理の名前で振り込みをしようとしたその意図はなんですか。
籠池氏 意図というものはありません。私は安倍総理の本当に大熱望者というか大ファンというんですかね、それでありましたから「安倍総理に迷惑がかかることはできるだけしないように、しないように」というふうに考えておったもんでございます。従いまして、安倍昭恵夫人の方から「安倍総理からです」とおっしゃったその段階で、これはやはり、あまり他の方と同じように名前を出さないほうがいいのではないかと、いうようなことは認識したということでございます。
西田氏 それもちょっと納得いかないんですね。というのは、あなたはもともとですよ、ご自分でもお話になったように安倍晋三記念小学校としてやってるわけですよ。そして安倍晋三記念小学校の振込用紙でですね、寄付金を集めているんですね。これどういう意味なんでしょう。安倍晋三の名前を使って、寄付をたくさん集めたいとそういう意図があるんじゃないですか。
籠池氏 そんなことはありません。やはり偉人である、例えば吉田松陰先生とかのお名前を、新渡戸稲造先生とかのお名前を、冠にするのは当然、当たり前のことでありますが、安倍晋三先生はその当時、第一次安倍内閣をおりられて一衆議院議員でございましたのでね、ですからそれは安倍昭恵ご夫人を通じて「どうでしょうか。大丈夫でしょうかこのお名前は」というようなことを再三やり取りをしまして、その間のことのなかで、ときに安倍晋三小学校という名前でしていきたいというような認識をしておりました。
ただ、もうそれは平成27年……にじゅう……いや、もとい、平成27年ごろでしょうか。ちょっともとい、日にちのことはちょっとはっきりとわかりませんが、覚えておりませんので、ですけども、安倍昭恵夫人のほうから「それはちょっとね、ご遠慮いただきたい」ということでございましたので、それ以降は使っておりません。
西田氏 それもまた事実と違うと思うんですよ。そもそもですね、安倍晋三記念小学校という名前でやることを安倍総理はお断りになっておられたし、夫人のほうも断っておられたはずなんです。あなたが自分の目的、寄付を集めるために、安倍晋三記念小学校の名前で寄付金を集めたと。しかもですね、これあの、実は2月23日に総理の秘書とあなたが電話をされています。その電話はですね、ここに議事録があるんですね。これを公開したいと思いますけれどもよろしいですよね。今年の2月23日です。この事件ができてから出てるんですよ。
で、その中によりますと、要するに秘書官と話をしているときにですね、あなたが言っているのは「この安倍晋三小学校の冠の部分はほんの一時、1日か2日だけしか使用しておりません」と。「決して安倍先生のお名前を活用しようとしたくて寄付金を使ったんではないんだ」とそういう趣旨をうたっているんだけども、そうおっしゃってるんだけども、実際にはこの寄付金がですよ、いろんなところで安倍晋三小学校の名前で寄付金の申し込みが出てるんですよ、長い間、そうでないですか。
籠池氏 そんなことありません。ほんの一瞬であります。ほんの一瞬であります。従いまして、衆院議員の時期の一瞬、ですからそのときだけであります。ですから、もうお断りいただいた段階で、すぐに消却をいたしております。そのことは、えー、そのようなことであります。
西田氏 ちょっと発言が食い違いますが、これすべて証人、もう一度確認しておきますが事実を言わないとあなたが偽証に問われますからね。ですから、慎重に答えてくださいよ。われわれは何年もこれが使われていたという事実をつかんでおりますので、あなたが今言われたということをわれわれは、そのまま認めるわけにはいかないのですけれども、偽証だということを言われてしまいますよ。
それと、もう一つは、もう一つはですよ、この籠池さんとの会話、この2月23日14時43分からのやつがありますが、これはあの、あなたに私信ですから一応、許可を得て、明日の委員会にでも出したいと思いますがいいですね。事実ならいいじゃないですか。
籠池氏 ちょっと、今のことをもう一度お願いできませんか。
西田氏 要するにですね、籠池さんとの会話を記録をしております。文字起こしをしております。2月23日です。それをあなたの証言と今の食い違っていますから、これをしっかり文字おこしをして公開したいと思いますがよろしいですね。
籠池氏 えーっと、どんなものかをお示しいただかないとわからないんです。えー、それを出していただかないとわからないんで。はい。
山本委員長 ただいまのことにつきましては後刻理事会で協議したいと思います。ちょっと、速記を止めて。
(一時中断)
西田氏 ですから、いまのこれ後刻、委員長に諮(はか)るのですか。これの整理だけはっきりさせてください。
山本委員長 籠池証人、先ほどの質問について、出していいのかどうかと。見ていないなら駄目なら駄目だというようにご証言ください。
籠池氏 えー、それは別疑義ですからおやめいただきたいと思います。
西田氏 拒否をされると。その拒否される理由がわからないですが、後でとにかくですね、調べてください。それと、もう一つ言いますが、夫人にですね、あなたは何か小学校の開設について頼んだと。それで安倍総理には頼まれたんですか。夫人に頼まれた。その辺のことをもう一度、事実関係を言ってください。夫人が3回来られたけれども、小学校開設について便宜を図っていただくように夫人に頼まれたとおっしゃっていますがさっき、それでいいんですか。
籠池氏 安倍総理のほうにはもう、直接、一切お願いしたことはございません。安倍昭恵夫人を通じて、いろいろなことをご相談申し上げたことはあります。
西田氏 相談したのと頼んだのではぜんぜん意味が違うんですよ。何を相談したんですか。何を頼んだんです。
籠池氏 日本語の言葉というのは、言葉の「あや」がありますから。その相談したという中にお願いしたことも当然、含まれるわけであります。
西田氏 だから何を頼んだんですか。
籠池氏 瑞穂の国記念小学院について「このような副読本はどうでしょうか」とお見せしたこともありますし、「こういうふうなカリキュラムですけど」ということもお話したこともありますし、まあ一つ一つ、あの教育的なことをお願いしたということでございます。
籠池氏「首相夫人と妻のメールの内容は公表したい」
西田氏 分かりました。ですから、開設について頼んだということではないということだけ確認しました。次にいきますが、もう一つ、あなたはですね、参議院の予算委員会が16日にありましたね。当初あなたは出てこないという予定でしたが出てこられて、その後ですね、野党議員だけを集めて、自宅でですね、会見されてますよね。これ非常に中身が分からない。なぜ野党議員だけを集めてですね、そこで話をするとかいうようなことをされるんですか。なぜ予算委員会とか開かれた場、その野党議員だけでやってるんですか。(議場がざわつく)
山本委員長 静粛に願います。
西田氏 非常に不公平感、不透明感を感じるんですが、なぜ野党議員だけだったんですか。
山本委員長 証人が補佐人に助言を求める際には、そのつど委員長の許可を取ってもらいたいと思います。許可します。
籠池氏 えー、お越しになったことについてですね、あの、私のほうから別に拒否をすることもありませんから、ですから、えー、その先生方にお入りいただいたということですが、何か問題があるんでしょうか。
西田氏 あなたが招いたのではないんですね。
籠池氏 私がお招きをしたということはございません。
西田氏 じゃあなぜ、あの方々が4人集まって一緒にその時間でできたんですかね。どういう打ち合わせでできたんですか。
籠池氏 それは私が知るところではございません。
西田氏 この辺も不透明なことがありますが。そのときに、皆さんがたの……野党の皆様方、まじめにやってください。そのときにメールをですね、夫人の方から、昭恵夫人から奥様とのメールのやりとりがあるという話で先ほどもありましたけれどもね、野党の皆さんがたにそのメールを見せられましたか。
籠池氏 それは記憶にございません。はい、私がしたことではありませんので私の記憶にはございません。
西田氏 これもですね、今、メールのやり取りがあちこちで報道なんかで出てるんですね、私も実は総理の奥様から許可をいただいて、メールを文字おこしで全部持っております。これは誤解のないようにこれもあなたの奥様のメールですから、あなたの直接ではないけど、ぜひここでですね、あなたの責任で、このやりとりのメールをですね、一覧、総理が公表したいとお話になってますから、あなたの奥さんに公表させたいと言うことでご了解を得たいと思いますがいかがですか。
山本委員長 補佐人に意見を求めるんですね。許可します。
籠池氏 そのメールの内容については、家内の分ですけど、私はいいと思っております。
西田氏 ですから、これは事実関係をね、明日の予算委員会にも出したいと思います。承認いただけましたから。私はですね、今の問題でもまず総理の話でいいますと、この片方は、総理は絶対もらってない。奥様も渡していないとね。おっしゃってるんですけど、「密室の中で2人だけで渡したんです」と。そういうことを言われると、はっきり言いましてね、私とあなたは初めて会いましたけど、仮に「西田昌司の名前で、100万円をもらいました」と。そういう振込票を書くこともできるんですよ。
だから、そのこと自体が全くこれ証拠にならないし、そして、そもそもですね、私はなぜそういう話になってきたのか背景考えるときに、私はどうしてもね、あなたが今回のですね本質は寄付金を集めて、小学校を建てていこうとされてきたんだけれども、その寄付金が集まるのが大変しんどかったと思いますよ。だから当初は安倍晋三小学校という名前でやったし、安倍さんの名前で募金があったということにするとですよ、非常に募金の集まりもいいでしょう。そういう形の思いがあったんじゃないかと。ところが現実問題、安倍さんの方から、これは拒否されたんで、それは長い間使っておられたようだけれども途中でやめられているんですけどもね。その寄付金集めのために安倍さんの名前や著名人、何よりもですよ、皇室までいろいろ使っておられるじゃないですか。あなたは例えば、皇室との関係があって、森友学園に陛下がこられたように書いておられるけれどもね、そういう事実ないでしょ。
籠池氏 えー……。ご皇室の方がおいでになったということはございませんので、私のほうがそういう書きぶりをしたことはありません。それと、先ほどのことですけども「安倍晋三記念小学院」というのは、本当に当初の当初だけでありまして、先生がおっしゃるように逆のイメージもあるわけです。従いまして、寄付金集めにそれを供した(「安倍晋三記念小学校」の名前を利用した)ということではなくて、逆に寄付金集めの場合でしたら安倍晋三記念小学院という冠はいたしません!
西田氏 要するに大事なのは皇室の方が来られてないと。しかしあなたのホームページにはね、載っているんじゃないですか。これ、どう説明するんですか。
籠池氏 あの、おそれおおいことですから、そういうような書きようにはなってないと思います。私は、天皇国日本という考えのもとでご皇室を敬愛、そしてお守り申し上げないといかんという気持ちは今も一緒でございますので、いかなる政権が立っていこうとも天皇国日本であればそれでよろしかろうというような認識は今も持っております。従いまして、私自身がそのように指示し、私自身(HPに記載)したということは決してございませんので言っておきます。
山本委員長 証人に言っておきます。証人が補佐人に助言を求める際には挙手の上「委員長、補佐人に助言を求めたいと思います」と言ってください。
自民・西田氏「問題の核心は事業計画。新しい小学校を作る資金をどうするつもりだったのか」
西田氏 籠池さん、あなたそうおっしゃったけど、慄然(りつぜん)と事実としてHPに載ってますから、皆さんが見てどちらがでたらめを言っているか歴然とします。今回の問題の本質で新聞やテレビも今日たくさん入っているが、私の目から見ると論点がずれているんですよ。政治的関与で安い土地を売ったとか、総理や昭恵夫人との関与があったとかそこで配慮があったとか言うが、そうでなしに、もともと大阪であなたが小学校を建てようとした計画そのものに無理があったんでないかと思っているんですよ。
今日ニュースでも出ていたが、あなたが工事を発注した藤原工業さんが幼稚園を含め仮差し押さえした。私も謄本を見たが、3月15日にされてますよね。11億円の工事費が未払いだったということですね。なぜ未払いになっているんですか。
籠池氏 そもそも認可適当というものを大阪府の方でいただきまして、それから国有地の方を定期借地で契約いたしました。その後、藤原工業と契約いたしましたから、それからどんどんどんどん工事が進んでいったということです。認可適当というもの、これはすごい大きな担保でありまして、今までに認可適当をいただいて認可されなかったことがないように聞いております。それが地方政府の大阪府の中でいつのまにか、どういうことがあったのかわかりませんが、「認可をさせない」というふうな方向に進んで行ったように認識しております。
その結果、3月11日……10日……えー、11日、認可取り下げをいたした経緯につきましても、大阪府の担当官が前日に瑞穂の国記念小学院の建物を視察し、そこで私と話をすることになっていましたけども、それがうまくいかなかった。それで取り下げをした結果ですね、銀行の取引の方の約定もできなくなって今にいたっておるということであります。
西田氏 わかりました。ということは、11億円は銀行から借り入れて払うということだったのか。
籠池氏 当然、寄付金とそして銀行からの借り入れもあったというふうなことでございます。
西田氏 あのね、これが一番、重大なポイントなんですよ。あなたの事業計画をここで教えてほしいんです。つまり、もともとこの小学校、幼稚園は大阪ではできない形だったんだが、あなたの働きかけで規制緩和になって幼稚園の道が開かれたと。しかし道は開かれたが新しい幼稚園、小学校を作るには莫大な金がかかりますね。その金をどう手当てするかが私学審議会でも一番の焦点だったわけですよ。あなたはそれをどう説明してきたんですか。
山本委員長 (籠池氏の要請を受け)え? 補佐人に意見を求めたいとおっしゃてください。
籠池氏 (補佐人に)意見を求めたいと思います。
山本委員長 認めます。速記止めて。止めない? そんな時間かからないから止めないで。
籠池氏 それはですね、大阪府のほうに書類を出してご審議いただいた、そのままの所に入ったとおりのことでございます。
西田氏 あなたがそういうふうに証言拒否をするので、私が大阪府私学審議会の書類を朗読するが、何が書いてあるかと言えば、当初から財源あるかと常に危惧されているんですよ。こう出ていますね。今の幼稚園の方だが、幼稚園でも借りている金があると。黒塗りにされているが。何億あるんでしょうね。今借りている負債の償還やっていくんだが、その中で「今回建てることにつきましては、負債を増やすことは考えておりませんので償還計画はこのままでいい」と。要するにあなたは借り入れせずに寄付でやると大阪府私学審議会の中で言っているんですよ。あなたは(審議会で)言っている通りと言うんだから。要するに寄付金だけでやるって意味でしょ。
籠池氏 あの、えっと、恐れ入りますけども私は私学審議会の審議内容の記録というのは拝見しておりませんので中身がわかりません、はい。
西田氏 要するに今回の問題の核心はここなんですよ。今現在も失礼ながらあなたの幼稚園、森友塚本幼稚園は現在、小学校を建てる前から負債があったと思いますが、何億円ありましたか。
籠池氏 えっと、幼稚園の建物、そして土地を購入するのに約3億円くらいだったと思いますけどね、はい。
西田氏 3億円の負債が残っているんですよ。そして総資産枠ってのがありますね。総資産いくらくらい、あなたの幼稚園はありますか、学園全体で。
籠池氏 ちょっと今はっきりとは覚えておりませんけれども。はい。
西田氏 想像だが私学の場合は30%基準がありますよね。30%超えていたら「できない」ってことだから、おそらく3億円の借金ってことは10億円くらいの総資産があったと類推されるがそうじゃないですか。
籠池氏 えーえーそうですね、そのような感じですね。
西田氏 それが小学校を作る前の財政状況なんですよ。さて、ここで次に小学校建てようと思うと何が出てくるか。あなたが大阪府の審議会には「7億5000万円」という形で出されたが、今回発注した藤原工業さんは15億5000万円の支払金額だったと言ってますよね。だから実際には15億5000万円かかったってことでしょ。
山本委員長 補佐人と話すことを認めます。
籠池氏 えー、それは刑事訴追を受ける可能性がありますのでお答えすることはいたしません。
西田氏 そこで一つ大きな疑問が残ったままだが、事実として15億5000万円の仮押さえされてます。そこであなたがもともと出した7億5000万円で小学校を建てようとしても、7億5000万円が正しいとしても、一体7億5000万円はどうやって工面するつもりなんですか。
籠池氏 それは建物を建てていくうちに寄付金も当然集まってまいりますし、時系列的にやはり潤ってくるというように思います。しかも、なんていうんですかね、資産価値というものが当然ありますから、当然資産の価値を再評価することによって高まっていくことも当然ありますので。はい。
西田氏 まったく意味不明なんですね。あなたもご存じのように、そもそも新たに小学校を作る場合に作る建設費用の3分の2しか借金できないんです。大阪府私学審議会の基準なんですよ。7億5000万円の3分の2は5億くらいですよね。要するに5億分しか借金できないが、そのほかは当然寄付金で集めないといけない。15億5000万円の藤原工業の支払いで結局5億しか払ってない。11億円残っているから。ということはあなたが集めた金は4億5000万円しか集まってなかったってことじゃないですか
籠池氏 私立の小学校、中学校というのは施設整備補助金がまったくありません。高校、幼稚園、大学とかと違ってまったくありませんですね。この中で学校を作ろうというのはかなりの懸命の努力がいるわけです。で、私どもの内部留保の資金と、ご寄付いただく資金によりまして、7億5000万円くらいの枠であれば30%の資金はきちんとできるというふうに認識しておりましたので、それで可能だったと思います。またいろいろな、なんていうんですかね、空調の関係の補助金とかいうものも……はい、そうですね、以上です。
籠池氏「大阪府と松井知事にはしごを外された」
西田氏 契約書が3通あった話はあなたが証言拒否したから私は言ってない。そうでなしに資金繰りを聞いているんですよ、もともと小学校を建てようとすると莫大な自己資金がないとできないんですよ。ところが、あなたが今自らおっしゃったように10億円の総資産があるけど、3億円の借り入れがすでに幼稚園であったんですよ。そこからプラスアルファ、今、「15億5000万円を藤原工業が支払いして」と言っている。それだけの金を持ってたら私学審議会でもOKですよ。ところが持ってないから、今回払えなかったんです。だからこれは認可適当を取り下げたからとかこの騒動でどうなった、とかいう次元の話じゃないんですよ。初めから金がないんじゃないか。だからそこが本質だって言っているんですよ。だから、あなたはどれだけのお金があったんですか。
委員長 静粛に願います。
籠池氏 この問題の本質を審議していただいているのは、そこにどのような口利きがあり、どのようなことがあったかということでございますから、議員のおっしゃっていることは的外れていると思います(議場内の笑い声)。
西田氏 あのね、それじゃ口利きがあったというなら、どういう口利きがあった? どう金が調達できることになっているんですか。どういう口利きしたら金が集まるんですか。
籠池氏 口利きがあったということがこの事件の発端のとこだったと思います。えー、「口利き」というものがどういう類いの口利きだったかということになってくると思う。えっと、私はこの土地が出てまいりました時にいいものが出てきたなということは先に申し上げましたですね、従いまして近畿財務局にお願いしにいった。でも、行ったけれども、一民間の人間が行くだけではどうしようもありませんので、やはりそこはなんと言うんですかね、ご紹介をいただいて行かしていただいたということですね。その後はアヒルの水かき運動のごとく何回も何回も何回も行かしていただいて、しかも定期借地になりましたけれども、その定期借地も高い金額で、高止まりで結果としてなっております。
本来、口利きがありましたら低どまりになるんじゃないでしょうか、ええ。あまり高い所に止まっていましたから口利きということはそういう点ではなかったんだろうと思います。
西田氏 今また意味がわからないです。口利きがあったかなかったかと言えば、なかったんですか。
籠池氏 私の方は、口利きというもの自身、皆さん方が思っているお金を呈しての口利きというものはなかったというように思っています。
西田氏 そりゃそうだと思いますよ。口利きでどうにもならん。それよりも一番の問題はこの私学審議会の審議録を見て非常に疑問に思った。私、税理士をやっている。幼稚園はないが社会福祉法人はじめ顧問先があり、新たな事業をやる時は借り入れをどうするか、事業計画を見て「社長いいですよ、理事長いいですよ」となる。
ところがあなたの今日の状況を見ていると志は良かったかもしれないが、要は金の手当てができないままどんどん話をスタートさせている。それを本来なら大阪府私学審議会で審議委員が再三にわたり、「これは危ない。どうするんだ」と言っているんですよ。ところがあなたが言ったかどうかわからないがここには事務局が「今回建てることについては負債を増やすことは考えておりません」と。「自前の金で建てます」と。だから条件付きだが認可適当となった。はじめの計画はかなりむちゃくちゃだったということじゃないか。
籠池氏 当初から価格が高騰していったことは当然あろうかと思います。でも今、建設をはじめます時には同じ条件の中で高いもの、上質なもの……(質問者からの反論)。あの、そういうことではない? では、どういうことかもう一度言ってください。
西田氏 要するにあなた弁護士さんかいろんな方と想定問答されてきたと思うけど、まったくそういうことを聞いているんじゃないんですよ、私。そもそも論を聞いているんですよ。7億5000万円で建つ予定だったでいいですよ。だったら7億5000万円がなければいけないじゃないですかってことですよ。7億5000万円あるなら、15億5000万円の請求をされたら少なくとも7億5000万円は払えるじゃない。なぜ11億円が未払いになっているのと。つまり7億5000万円の金すら集まってなかったんでしょ。
籠池氏 それは違います。7億5000万は集まっています。はい。7億5000万の内訳につきましては当然のことながら我々の方のいわゆる軍資金と。そして、軍資金というんですか、建設資金といいますけども。それが高まってきている、きておったということは否めない話だと思います。
西田氏 だんだん時間なくなってきたんでね、あれなんですけども要するに、これせっかく今回はね、テレビでたくさんやってますから言いますけれども、問題のポイントが皆さんがつくのが間違ってるんですよ。もともと、無理な計画で建てるとき自身ですね。大事なことだから言っているんです。それが認可されたこと自体が問題。そして今となっては大阪側がですね「なんで認可を出したのか」とまで言ってるけれども、これはしっかり大阪がしっかり調査していただきたい。それと土地の取得については、初めからこの建てるときには土地の取得関係ないんですよ。定期借地権で建てる認可でやってるんですからね。土地価の話は全く後の話なんですよね。だからこの土地の話、何で熱くなったかということは、ちょっと時間なくなったんで、後半の衆議院で葉梨委員が質問しますが、要は問題のポイントははじめから、ならないものがなってしまったということですよ。それであなたもおっしゃったようにね、結局、二階に上がってはしご外されたというように思ってるんじゃないですか。
籠池氏 そうですね。九分九厘でき上がってて、高下駄を外された、はしご段を外されたという思いですね。大阪府、松井知事というふうに思ってます。