・経団連会長、人手不足への対応「日系人に日本で働いてもらう」(日本経済新聞 2017年4月10日)
※経団連の榊原定征会長は10日午後の記者会見で、人手不足について「今後さらに深刻になる。いまの外国人労働者の規模では足りなくなる」と認識を示した。そのうえで「海外の労働力の活用を長期的に検討していく必要がある」と述べた。外国人労働者の活用の一例として「日系人に日本で働いてもらう」ことを挙げた。
・安倍首相の「本当のお友達」に、こうして血税176億円が流れた 森友よりも問題なのは、こっちでしょ!(週刊現代 2017年4月15日号)
※「これは違法じゃない。けど、異常だ」地元でこう囁かれる疑惑の土地。主役は長年、安倍総理が親しくしてきた名門のトップ。今度は「あの人はしつこいんだ」と言って、切り捨てるわけにもいかない。
総理がサポートする教育ビジネス
〈どんなときでも心の奥で繋がっている(中略)30年来の友人である私と加計さんはまさに腹心の友であると私は思っています。そのスタートは振り返れば、アメリカでの留学時代でありました。共に学生という自由な身分で、共に遊び、そして語り合いました〉(銚子市の地元紙・大衆日報より)
安倍総理は、'14年5月24日、銚子に建つ千葉科学大学の開学10周年記念式典でこう語った。
同大学を運営する学校法人加計学園は、岡山県を本拠地とし、全国に5つの大学を構え、2万人以上の学生を抱える加計学園グループの中核。そのトップが、安倍総理の親友、加計孝太郎氏だ。
加計氏は'01年に父で創業者の故・勉氏の跡を継ぎ、理事長に就任。名家の跡継ぎという同じ重責を担い、歳も近い。若き日の安倍総理が心を許したのも自然なことだろう。
「現在、安倍総理と加計氏は、年に数回ゴルフをしたり、昭恵夫人もまじえて会食していることが新聞の首相動静に載っていますが、その3倍は秘密裏に会っていると聞きます」(全国紙政治部デスク)
この加計グループにいま、注目が集まっている。同グループは近年、各地で広大な土地の無償貸与・譲渡を受け、自治体から巨額の補助金を受け取り、学校を次々に建設している。さながら、スケールの大きな森友学園だ。
本誌は3月25日・4月1日合併号で、加計氏の姉が理事長を務める、学校法人順正学園の土地取得の経緯を報じた。淡路島にある「吉備国際大学南あわじ志知キャンパス」だ。記事を受け、順正学園は本誌を提訴したと発表している。
〈岡山市の学校法人・順正学園(加計美也子理事長)が24日、発行元の講談社に2000万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴訟を東京地裁に起こした〉(3月25日、毎日新聞朝刊)
しかし、新聞記事掲載から5日が過ぎた3月30日時点で、週刊現代編集部に訴状は届いていない。マスコミに提訴をリークし、一方的に言い分を述べるとは、学校法人にしては奇妙な対応だ。
加計氏の父・勉氏は、生前こう公言していた。
「僕は教育者ではない。教育実業家だ」
「腹心の友」の教育ビジネスを、総理が政界からサポートする――詳しくは後述するが、加計グループに対する行政の優遇ぶりを見れば、こう思われても仕方ない面がある。
「官邸が意向を示し、霞が関が動き、行政は財源も担保せず学校を作らせる。森友のような忖度があるのではないか。
加計さんは昭恵夫人ではなく、安倍総理自身の交友関係だからシラを切ることもできない。総理はこの話に本気で触れてほしくないんです」(自民党ベテラン議員)
加計学園の役員には、内閣官房参与、木曽功氏がいる。順正学園は官邸とも情報共有のうえ、本誌を提訴すると決めたようだ。本誌は順正・加計の両学園に取材を申し込んだが、「係争中なので回答できません」と答えるのみだった。
総理からの「ご指示」
本誌が報じた、順正学園の土地取得の経緯はこうだ。閉校した県立高校の跡地と建物を、民間企業が購入の意志を示していたにもかかわらず、順正学園が入手、'13年春に大学の新学部を開設した。
土地は広さ約5.5ha、建物と合わせて評価額約30億円、市の補助金額は最大13億3300万円だった。このうちの土地が、順正学園に貸与されている。
そして、加計学園が絡むもう一つの土地問題が、愛媛県今治市「いこいの丘」で進行中の、岡山理科大学獣医学部の建設用地である。広さ16.8ha、評価額36億7500万円の広大な土地を加計学園に譲渡し、さらに県と市が最大96億円という破格の補助金を支払うことが、この3月に市議会で決まったばかりだ。
これら二つの大学建設で加計グループが手に入れるであろう土地の評価額と補助金は、淡路島が不動産30億円+補助金13億3300万円、今治が土地37億円+補助金96億円で、計176億円。財源は、もちろん血税だ。
しかも、今治の用地で工事を主に担当している業者「SID創研」は、加計学園グループ企業で、加計氏の親族が役員を務める。学校建設費に充てられる補助金が、結局はグループ企業に還流するわけだ。ある今治市議が明かす。
「もともとあの土地には、県が運動公園やドームを作るつもりだったそうですが、資金不足で頓挫していたんです。それがここ何ヵ月かで、急に大学用地にあてるという話になった。あまりにも早すぎる展開に驚きました」
急速に事が動き始めたのは、昨年11月9日に行われた政府の国家戦略特区諮問会議からである。安倍議長のもと、麻生太郎財務相、菅義偉官房長官など、政権最高幹部が顔を揃える、特区関連の最高意思決定機関だ。
今治はこの時点で、すでに総理が最終決裁権をもつ「国家戦略特区」に指定されていた。この会議の中で、山本幸三地方創生相がこう述べている。
〈(今治の獣医学部設置を含む)重点課題につきましては、法改正を要しないものは直ちに実現に向けた措置を行うよう総理から御指示をいただきました〉
今治は総理案件だから、審議抜きですぐやるぞ――ここで総理の決裁を得て、今治市は加計学園に対する土地無償譲渡に邁進を始めたのだ。
まず今治市は、11月18日から1ヵ月間、獣医学部開設に関するパブリックコメントを募った。だが奇妙なことに、寄せられた意見の75%が「反対」だったにもかかわらず、市は「目的が実現されるよう、取り組んでまいります」と、これを黙殺してしまう。
その後、12月27日の市議会で37億円の補正予算決議があり、市はその日のうちに用地を今治市土地開発公社から購入。こうして土地をいったん市の所有としたうえで、年明けの公募の後、加計学園に無償譲渡するという手筈を整えたわけである。
「前々から契約書の下書きはできていて、決議の瞬間、ハンコが押せる状態になっていたんでしょう」(前出・今治市議)
市民はほとんどが反対している。それなのに、市は手続きをどんどん進めてゆく――不可解な状況の中、10月2日と12月24日の2回、加計氏は安倍総理と昭恵夫人同席で会食している。加計氏と総理が今治の件について、このときまったく話さなかったということはあり得ないだろう。
ところが年明け以降、今治市議会で異論が噴出し始める。市の企画課長が、議員たちの質問攻めに遭ったのだ。
今回、本誌は今治市議会特別委員会の議事録を全文入手した。それをもとに、このときの議論を再現しよう。
近藤博市議 土地の無償譲渡契約を加計学園と結ぶ前に、市が出す補助金の額は決まるんですか?
企画課長 その件に関しましては、県のほうから、「まずは最終的な総理大臣認定を待って議論をすべし」というお話をいただいているところです。
石井秀則市議 市民の方が一番心配しているのは、財政的なことよりも、生徒が来るのかということなんですよ。その辺の見込みはどうですか?
企画課長 (一般的な獣医学部の)志願倍率といたしましては、15倍というような数字も出てございまして、獣医学部はどの大学にも定員を超えた学生さんがいる状況でございますので、まず大丈夫と思っております。
重松眞司市議 ささいなことですけど、大学名が岡山理科大学ですが、最終的に四国とか愛媛とか今治とか、そういう名前が付くんでしょうか。
企画課長 今は仮称という形にさせていただいております。
国会でおなじみ、財務省の佐川宣寿理財局長を思い起こさせる、腰は低いが要領を得ない企画課長の答えに、議場は紛糾した。すると、市長が宥めるように口を開いた。
「話が先行しますと、県議会が『われわれは聞いてないぞ』ということになってもいけません。(マスコミの取材に対しては)具体的な数字については今少し慎重であってほしい。非常に重要な場面でもありますので、そのことも含めてお願いしたいと思います」
これも「忖度」か?
さらに3月3日の議会では、最終的な補助金の額、そして無償譲渡そのものの是非について、厳しい意見が続出した。
松田敏彦市議 補助金は、今治市は64億が限度額だと言っていて、一方で県のほうではまだ最終決定はできていないですね。市長さんも県知事とお話しされていると思いますが、もし県からお金を出してもらえない場合、足らない部分は市が出さないといかんという状況にはならないですよね?
企画課長 県知事は「前向きに検討してまいりたい」とおっしゃったと聞いております。県にはしっかり対応していただけると確信しております。
松田澄子市議 すみません、1年生議員が恐縮なんですけど、事が性急すぎるんじゃないでしょうか。急ぎたいという気持ちも分からんではないのですが、今、市民が納得するのかと言ったら、私は疑問があります。この大学を誘致するには、無償譲渡じゃなきゃいけないんでしょうか。
市長 昔、今治に東海大学が進出してもいいという話があったんですが、その際も土地については今治市が全面的に(負担してほしい)という話があったようです。
ここは無償譲渡を、覚悟を決めてやる。この際思い切って無償譲渡に踏み切るべきではないかということで、強くしっかりと取り組んできたわけです。先ほど拙速ではないかというお話もありましたけれども、決してそうではなくて……。
結局この日の市議会で、「今治市は結局、いくら出すことになるのか」「なぜ土地を無償譲渡しなければならないのか」という問題は決着しないまま、無償譲渡と、補助金を最大96億円とする補正予算案が可決された。
前出の市議は、憤りつつこんな指摘をする。
「いちばんおかしいのは、加計学園に市が無償譲渡した土地を担保に、加計学園がカネを借りられる契約になっている点です。市の説明では、『新設の獣医学部は、国際レベルの教育環境を整備する必要があるため、安定的な資金調達が必要になる』ということですが、これじゃ加計学園が丸儲けじゃないですか」
今治を戦略特区に指定し、獣医学部新設のゴーサインを出したのは、他でもない安倍総理だ。広大な土地の無償譲渡の大元に、総理の意志が存在していたことは事実である。総理はこれも「忖度」と言って逃げ切るつもりだろうか。
・明治神宮で液体まいた疑い 中国人の女2人に逮捕状(NHK NEWS web 2017年4月13日)
※東京の明治神宮の鳥居などで油のような液体がまかれた事件で、防犯カメラの映像から、すでに出国した中国人の女2人が事件に関わったとして、警視庁は建造物損壊などの疑いで全国に指名手配しました。京都や沖縄などでも同様の被害が確認されているため、各地の警察が関連を捜査することにしています。
指名手配されたのは、いずれも中国人で、朴今玉容疑者(49)と、朴善愛容疑者(49)の2人です。
警視庁の調べによりますと、2人は、今月3日の午前、東京の明治神宮の境内にある南神門や大鳥居など4か所で、15回にわたって油のような液体をかけたとして、建造物損壊と器物損壊の疑いが持たれています。
警視庁が付近の防犯カメラの映像を解析したところ、2人が液体をかける様子が写っていたことから、逮捕状を取ったということです。
これまでの調べで、2人は先月27日に日本に入国し、今月1日から都内に滞在したあと、4日の未明に羽田空港から出国していたと見られ、警視庁は再び入国する可能性もあるとして、全国に指名手配したということです。
都内では、今月に入って、徳川将軍家の菩提寺として知られる増上寺でも、液体がまかれたような跡が見つかったことから、警視庁は関連についても調べることにしています。
また、世界遺産に登録されている京都市の下鴨神社や、那覇市の首里城などでも同様の被害が確認されているため、各地の警察が関連を捜査することにしています。
身柄の引き渡し
日本と中国の間には容疑者の身柄の引き渡し条約がないため、中国側が応じなければ、2人の身柄の引き渡しを受けることはできません。
各地の被害は
寺や神社などで液体がまかれた跡が見つかった被害は、今月に入って京都、奈良、東京など各地で起きています。
今月1日には、世界遺産に登録されている京都市の下鴨神社や奈良県の金峯山寺で液体がまかれた跡が見つかりました。
翌日の2日から3日には、那覇市にある首里城公園内の守礼門、瑞泉門、漏刻門、万国津梁の鐘の4か所で液体がまかれた跡が見つかりました。
3日には、東京・渋谷区の明治神宮の境内にある門や鳥居など少なくとも4か所で、4日には東京・港区の増上寺でも同様の跡が見つかったほか、6日には大阪・ミナミの法善寺にある石像でも液体がかけられているのが見つかるなど、被害は各地に広がっています。
各地の警察は、何者かが液体を故意にまいた疑いがあると見て、防犯カメラに不審な人物が映っていないかなど捜査を進めています。
寺や神社の文化財などに液体がかけられる被害は、おととしにも全国で相次ぎ、警察庁によりますと、16の都府県の48の寺や神社で被害が確認されたということです。
このうち千葉県内の神社で起きた事件で、警察は、アメリカ在住の日本人医師で宗教団体創立者の男について、建造物損壊の疑いで逮捕状を取り、外務省が旅券の返納を命じています。
・総人口1億2693万人、6年連続減 少子高齢化が加速 2016年10月1日時点(日本経済新聞 2017年4月14日)
※総務省が14日発表した2016年10月1日時点の人口推計によると、外国人を含む総人口は15年に比べて16万2千人少ない1億2693万3千人となった。6年連続で減少した。出生児より死亡者が多い「自然減」は、現行の推計を始めた1951年以降、過去最多の29万6千人となった。65歳以上の高齢者人口が全体に占める割合は上昇が続き、初めて27%を超えた。少子高齢化がさらに加速していることが浮き彫りとなった。
・外国人純流入、最大13.6万人 人手不足で増す存在感(日本経済新聞 2017年4月15日)
※総務省が14日に公表した2016年10月時点の人口推計で、外国人の入国者数から出国者数を差し引いた「純流入」が13万6千人となった。15年の実績を4割強上回り、比較可能な統計がある1950年以降で最大だった。15~64歳の生産年齢人口が急ピッチで減る中、貴重な働き手として外国人の存在感がじわりと増している。医療・教育面のインフラ整備といった外国人材の呼び込み策強化も政策の優先度が上がりそうだ。
15年10月~16年9月に日本に3カ月を超えて滞在した外国人は約240万人に達し、この5年で50万人増えた。外国人の純流入は4年連続。日本人の海外流出をしのぐ規模で外国人の安定した流入が続き、その増加幅も拡大が続いている。
厚生労働省によると、事業者から届け出があった外国人労働者数は16年10月末時点で108万人で、初めて100万人の大台を突破した。前の年より2割増えるなどペースが早まっており、中国を筆頭にベトナムやネパールからの渡航が増えるなど出身地域の幅も広がる。労働者のみならずその配偶者らの来日も増えつつあり、潜在的な消費の担い手としての期待も高まっている。
外国人が流入している背景には、緩やかな景気回復とともに、安倍晋三政権の経済政策への期待感がある。深刻な労働力人口の減少が続くなか、企業側は外国人登用を積極化。食品スーパーのライフコーポレーションでは1月、タイから技能実習生15人を受け入れた。首都圏に展開するサミットでは17年度の受け入れ人数を16年度の4倍超の30人に増やす計画だ。
政府では働き手確保のため、優れた経営手腕や技術を備えた高度外国人材の定着を後押しするための施策に動いている。永住権を取得できるまでに必要な滞在期間を短縮化。医療通訳者が常駐し、周辺病院に派遣もできる病院への補助金の枠を広げるなど、生活面もサポートする。
外国人の呼び込みとともに、日本人の減少を食い止めるために労働市場や雇用制度、子育て支援に至る腰を据えた有効な策が欠かせない。15歳未満の年少の人口は12.4%と過去最低を更新する一方、75歳以上の後期高齢者が13.3%を占めて年少者を逆転。現役世代は年金や医療の負担が家計に一段と重くのしかかる。高齢者の窓口負担増などによる医療の効率化も避けて通れない。
労働力となる15~64歳の生産年齢人口の低下も避けられない情勢で、対応を打たないと0%台で低迷する日本の潜在成長力をさらに押し下げる可能性が出てくる。
女性は男性よりも340万2千人多く、子育て支援を軸に女性の活躍を促す仕組みづくりも欠かせない。厚生労働省は共働き世帯の子育てを支援するため、13年に「待機児童解消加速化プラン」をはじめた。17年度末までの5年間で50万人分の受け皿を確保し、保育所に申し込んでも入れない待機児童を解消するのが狙いだ。
※経団連の榊原定征会長は10日午後の記者会見で、人手不足について「今後さらに深刻になる。いまの外国人労働者の規模では足りなくなる」と認識を示した。そのうえで「海外の労働力の活用を長期的に検討していく必要がある」と述べた。外国人労働者の活用の一例として「日系人に日本で働いてもらう」ことを挙げた。
・安倍首相の「本当のお友達」に、こうして血税176億円が流れた 森友よりも問題なのは、こっちでしょ!(週刊現代 2017年4月15日号)
※「これは違法じゃない。けど、異常だ」地元でこう囁かれる疑惑の土地。主役は長年、安倍総理が親しくしてきた名門のトップ。今度は「あの人はしつこいんだ」と言って、切り捨てるわけにもいかない。
総理がサポートする教育ビジネス
〈どんなときでも心の奥で繋がっている(中略)30年来の友人である私と加計さんはまさに腹心の友であると私は思っています。そのスタートは振り返れば、アメリカでの留学時代でありました。共に学生という自由な身分で、共に遊び、そして語り合いました〉(銚子市の地元紙・大衆日報より)
安倍総理は、'14年5月24日、銚子に建つ千葉科学大学の開学10周年記念式典でこう語った。
同大学を運営する学校法人加計学園は、岡山県を本拠地とし、全国に5つの大学を構え、2万人以上の学生を抱える加計学園グループの中核。そのトップが、安倍総理の親友、加計孝太郎氏だ。
加計氏は'01年に父で創業者の故・勉氏の跡を継ぎ、理事長に就任。名家の跡継ぎという同じ重責を担い、歳も近い。若き日の安倍総理が心を許したのも自然なことだろう。
「現在、安倍総理と加計氏は、年に数回ゴルフをしたり、昭恵夫人もまじえて会食していることが新聞の首相動静に載っていますが、その3倍は秘密裏に会っていると聞きます」(全国紙政治部デスク)
この加計グループにいま、注目が集まっている。同グループは近年、各地で広大な土地の無償貸与・譲渡を受け、自治体から巨額の補助金を受け取り、学校を次々に建設している。さながら、スケールの大きな森友学園だ。
本誌は3月25日・4月1日合併号で、加計氏の姉が理事長を務める、学校法人順正学園の土地取得の経緯を報じた。淡路島にある「吉備国際大学南あわじ志知キャンパス」だ。記事を受け、順正学園は本誌を提訴したと発表している。
〈岡山市の学校法人・順正学園(加計美也子理事長)が24日、発行元の講談社に2000万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴訟を東京地裁に起こした〉(3月25日、毎日新聞朝刊)
しかし、新聞記事掲載から5日が過ぎた3月30日時点で、週刊現代編集部に訴状は届いていない。マスコミに提訴をリークし、一方的に言い分を述べるとは、学校法人にしては奇妙な対応だ。
加計氏の父・勉氏は、生前こう公言していた。
「僕は教育者ではない。教育実業家だ」
「腹心の友」の教育ビジネスを、総理が政界からサポートする――詳しくは後述するが、加計グループに対する行政の優遇ぶりを見れば、こう思われても仕方ない面がある。
「官邸が意向を示し、霞が関が動き、行政は財源も担保せず学校を作らせる。森友のような忖度があるのではないか。
加計さんは昭恵夫人ではなく、安倍総理自身の交友関係だからシラを切ることもできない。総理はこの話に本気で触れてほしくないんです」(自民党ベテラン議員)
加計学園の役員には、内閣官房参与、木曽功氏がいる。順正学園は官邸とも情報共有のうえ、本誌を提訴すると決めたようだ。本誌は順正・加計の両学園に取材を申し込んだが、「係争中なので回答できません」と答えるのみだった。
総理からの「ご指示」
本誌が報じた、順正学園の土地取得の経緯はこうだ。閉校した県立高校の跡地と建物を、民間企業が購入の意志を示していたにもかかわらず、順正学園が入手、'13年春に大学の新学部を開設した。
土地は広さ約5.5ha、建物と合わせて評価額約30億円、市の補助金額は最大13億3300万円だった。このうちの土地が、順正学園に貸与されている。
そして、加計学園が絡むもう一つの土地問題が、愛媛県今治市「いこいの丘」で進行中の、岡山理科大学獣医学部の建設用地である。広さ16.8ha、評価額36億7500万円の広大な土地を加計学園に譲渡し、さらに県と市が最大96億円という破格の補助金を支払うことが、この3月に市議会で決まったばかりだ。
これら二つの大学建設で加計グループが手に入れるであろう土地の評価額と補助金は、淡路島が不動産30億円+補助金13億3300万円、今治が土地37億円+補助金96億円で、計176億円。財源は、もちろん血税だ。
しかも、今治の用地で工事を主に担当している業者「SID創研」は、加計学園グループ企業で、加計氏の親族が役員を務める。学校建設費に充てられる補助金が、結局はグループ企業に還流するわけだ。ある今治市議が明かす。
「もともとあの土地には、県が運動公園やドームを作るつもりだったそうですが、資金不足で頓挫していたんです。それがここ何ヵ月かで、急に大学用地にあてるという話になった。あまりにも早すぎる展開に驚きました」
急速に事が動き始めたのは、昨年11月9日に行われた政府の国家戦略特区諮問会議からである。安倍議長のもと、麻生太郎財務相、菅義偉官房長官など、政権最高幹部が顔を揃える、特区関連の最高意思決定機関だ。
今治はこの時点で、すでに総理が最終決裁権をもつ「国家戦略特区」に指定されていた。この会議の中で、山本幸三地方創生相がこう述べている。
〈(今治の獣医学部設置を含む)重点課題につきましては、法改正を要しないものは直ちに実現に向けた措置を行うよう総理から御指示をいただきました〉
今治は総理案件だから、審議抜きですぐやるぞ――ここで総理の決裁を得て、今治市は加計学園に対する土地無償譲渡に邁進を始めたのだ。
まず今治市は、11月18日から1ヵ月間、獣医学部開設に関するパブリックコメントを募った。だが奇妙なことに、寄せられた意見の75%が「反対」だったにもかかわらず、市は「目的が実現されるよう、取り組んでまいります」と、これを黙殺してしまう。
その後、12月27日の市議会で37億円の補正予算決議があり、市はその日のうちに用地を今治市土地開発公社から購入。こうして土地をいったん市の所有としたうえで、年明けの公募の後、加計学園に無償譲渡するという手筈を整えたわけである。
「前々から契約書の下書きはできていて、決議の瞬間、ハンコが押せる状態になっていたんでしょう」(前出・今治市議)
市民はほとんどが反対している。それなのに、市は手続きをどんどん進めてゆく――不可解な状況の中、10月2日と12月24日の2回、加計氏は安倍総理と昭恵夫人同席で会食している。加計氏と総理が今治の件について、このときまったく話さなかったということはあり得ないだろう。
ところが年明け以降、今治市議会で異論が噴出し始める。市の企画課長が、議員たちの質問攻めに遭ったのだ。
今回、本誌は今治市議会特別委員会の議事録を全文入手した。それをもとに、このときの議論を再現しよう。
近藤博市議 土地の無償譲渡契約を加計学園と結ぶ前に、市が出す補助金の額は決まるんですか?
企画課長 その件に関しましては、県のほうから、「まずは最終的な総理大臣認定を待って議論をすべし」というお話をいただいているところです。
石井秀則市議 市民の方が一番心配しているのは、財政的なことよりも、生徒が来るのかということなんですよ。その辺の見込みはどうですか?
企画課長 (一般的な獣医学部の)志願倍率といたしましては、15倍というような数字も出てございまして、獣医学部はどの大学にも定員を超えた学生さんがいる状況でございますので、まず大丈夫と思っております。
重松眞司市議 ささいなことですけど、大学名が岡山理科大学ですが、最終的に四国とか愛媛とか今治とか、そういう名前が付くんでしょうか。
企画課長 今は仮称という形にさせていただいております。
国会でおなじみ、財務省の佐川宣寿理財局長を思い起こさせる、腰は低いが要領を得ない企画課長の答えに、議場は紛糾した。すると、市長が宥めるように口を開いた。
「話が先行しますと、県議会が『われわれは聞いてないぞ』ということになってもいけません。(マスコミの取材に対しては)具体的な数字については今少し慎重であってほしい。非常に重要な場面でもありますので、そのことも含めてお願いしたいと思います」
これも「忖度」か?
さらに3月3日の議会では、最終的な補助金の額、そして無償譲渡そのものの是非について、厳しい意見が続出した。
松田敏彦市議 補助金は、今治市は64億が限度額だと言っていて、一方で県のほうではまだ最終決定はできていないですね。市長さんも県知事とお話しされていると思いますが、もし県からお金を出してもらえない場合、足らない部分は市が出さないといかんという状況にはならないですよね?
企画課長 県知事は「前向きに検討してまいりたい」とおっしゃったと聞いております。県にはしっかり対応していただけると確信しております。
松田澄子市議 すみません、1年生議員が恐縮なんですけど、事が性急すぎるんじゃないでしょうか。急ぎたいという気持ちも分からんではないのですが、今、市民が納得するのかと言ったら、私は疑問があります。この大学を誘致するには、無償譲渡じゃなきゃいけないんでしょうか。
市長 昔、今治に東海大学が進出してもいいという話があったんですが、その際も土地については今治市が全面的に(負担してほしい)という話があったようです。
ここは無償譲渡を、覚悟を決めてやる。この際思い切って無償譲渡に踏み切るべきではないかということで、強くしっかりと取り組んできたわけです。先ほど拙速ではないかというお話もありましたけれども、決してそうではなくて……。
結局この日の市議会で、「今治市は結局、いくら出すことになるのか」「なぜ土地を無償譲渡しなければならないのか」という問題は決着しないまま、無償譲渡と、補助金を最大96億円とする補正予算案が可決された。
前出の市議は、憤りつつこんな指摘をする。
「いちばんおかしいのは、加計学園に市が無償譲渡した土地を担保に、加計学園がカネを借りられる契約になっている点です。市の説明では、『新設の獣医学部は、国際レベルの教育環境を整備する必要があるため、安定的な資金調達が必要になる』ということですが、これじゃ加計学園が丸儲けじゃないですか」
今治を戦略特区に指定し、獣医学部新設のゴーサインを出したのは、他でもない安倍総理だ。広大な土地の無償譲渡の大元に、総理の意志が存在していたことは事実である。総理はこれも「忖度」と言って逃げ切るつもりだろうか。
・明治神宮で液体まいた疑い 中国人の女2人に逮捕状(NHK NEWS web 2017年4月13日)
※東京の明治神宮の鳥居などで油のような液体がまかれた事件で、防犯カメラの映像から、すでに出国した中国人の女2人が事件に関わったとして、警視庁は建造物損壊などの疑いで全国に指名手配しました。京都や沖縄などでも同様の被害が確認されているため、各地の警察が関連を捜査することにしています。
指名手配されたのは、いずれも中国人で、朴今玉容疑者(49)と、朴善愛容疑者(49)の2人です。
警視庁の調べによりますと、2人は、今月3日の午前、東京の明治神宮の境内にある南神門や大鳥居など4か所で、15回にわたって油のような液体をかけたとして、建造物損壊と器物損壊の疑いが持たれています。
警視庁が付近の防犯カメラの映像を解析したところ、2人が液体をかける様子が写っていたことから、逮捕状を取ったということです。
これまでの調べで、2人は先月27日に日本に入国し、今月1日から都内に滞在したあと、4日の未明に羽田空港から出国していたと見られ、警視庁は再び入国する可能性もあるとして、全国に指名手配したということです。
都内では、今月に入って、徳川将軍家の菩提寺として知られる増上寺でも、液体がまかれたような跡が見つかったことから、警視庁は関連についても調べることにしています。
また、世界遺産に登録されている京都市の下鴨神社や、那覇市の首里城などでも同様の被害が確認されているため、各地の警察が関連を捜査することにしています。
身柄の引き渡し
日本と中国の間には容疑者の身柄の引き渡し条約がないため、中国側が応じなければ、2人の身柄の引き渡しを受けることはできません。
各地の被害は
寺や神社などで液体がまかれた跡が見つかった被害は、今月に入って京都、奈良、東京など各地で起きています。
今月1日には、世界遺産に登録されている京都市の下鴨神社や奈良県の金峯山寺で液体がまかれた跡が見つかりました。
翌日の2日から3日には、那覇市にある首里城公園内の守礼門、瑞泉門、漏刻門、万国津梁の鐘の4か所で液体がまかれた跡が見つかりました。
3日には、東京・渋谷区の明治神宮の境内にある門や鳥居など少なくとも4か所で、4日には東京・港区の増上寺でも同様の跡が見つかったほか、6日には大阪・ミナミの法善寺にある石像でも液体がかけられているのが見つかるなど、被害は各地に広がっています。
各地の警察は、何者かが液体を故意にまいた疑いがあると見て、防犯カメラに不審な人物が映っていないかなど捜査を進めています。
寺や神社の文化財などに液体がかけられる被害は、おととしにも全国で相次ぎ、警察庁によりますと、16の都府県の48の寺や神社で被害が確認されたということです。
このうち千葉県内の神社で起きた事件で、警察は、アメリカ在住の日本人医師で宗教団体創立者の男について、建造物損壊の疑いで逮捕状を取り、外務省が旅券の返納を命じています。
・総人口1億2693万人、6年連続減 少子高齢化が加速 2016年10月1日時点(日本経済新聞 2017年4月14日)
※総務省が14日発表した2016年10月1日時点の人口推計によると、外国人を含む総人口は15年に比べて16万2千人少ない1億2693万3千人となった。6年連続で減少した。出生児より死亡者が多い「自然減」は、現行の推計を始めた1951年以降、過去最多の29万6千人となった。65歳以上の高齢者人口が全体に占める割合は上昇が続き、初めて27%を超えた。少子高齢化がさらに加速していることが浮き彫りとなった。
・外国人純流入、最大13.6万人 人手不足で増す存在感(日本経済新聞 2017年4月15日)
※総務省が14日に公表した2016年10月時点の人口推計で、外国人の入国者数から出国者数を差し引いた「純流入」が13万6千人となった。15年の実績を4割強上回り、比較可能な統計がある1950年以降で最大だった。15~64歳の生産年齢人口が急ピッチで減る中、貴重な働き手として外国人の存在感がじわりと増している。医療・教育面のインフラ整備といった外国人材の呼び込み策強化も政策の優先度が上がりそうだ。
15年10月~16年9月に日本に3カ月を超えて滞在した外国人は約240万人に達し、この5年で50万人増えた。外国人の純流入は4年連続。日本人の海外流出をしのぐ規模で外国人の安定した流入が続き、その増加幅も拡大が続いている。
厚生労働省によると、事業者から届け出があった外国人労働者数は16年10月末時点で108万人で、初めて100万人の大台を突破した。前の年より2割増えるなどペースが早まっており、中国を筆頭にベトナムやネパールからの渡航が増えるなど出身地域の幅も広がる。労働者のみならずその配偶者らの来日も増えつつあり、潜在的な消費の担い手としての期待も高まっている。
外国人が流入している背景には、緩やかな景気回復とともに、安倍晋三政権の経済政策への期待感がある。深刻な労働力人口の減少が続くなか、企業側は外国人登用を積極化。食品スーパーのライフコーポレーションでは1月、タイから技能実習生15人を受け入れた。首都圏に展開するサミットでは17年度の受け入れ人数を16年度の4倍超の30人に増やす計画だ。
政府では働き手確保のため、優れた経営手腕や技術を備えた高度外国人材の定着を後押しするための施策に動いている。永住権を取得できるまでに必要な滞在期間を短縮化。医療通訳者が常駐し、周辺病院に派遣もできる病院への補助金の枠を広げるなど、生活面もサポートする。
外国人の呼び込みとともに、日本人の減少を食い止めるために労働市場や雇用制度、子育て支援に至る腰を据えた有効な策が欠かせない。15歳未満の年少の人口は12.4%と過去最低を更新する一方、75歳以上の後期高齢者が13.3%を占めて年少者を逆転。現役世代は年金や医療の負担が家計に一段と重くのしかかる。高齢者の窓口負担増などによる医療の効率化も避けて通れない。
労働力となる15~64歳の生産年齢人口の低下も避けられない情勢で、対応を打たないと0%台で低迷する日本の潜在成長力をさらに押し下げる可能性が出てくる。
女性は男性よりも340万2千人多く、子育て支援を軸に女性の活躍を促す仕組みづくりも欠かせない。厚生労働省は共働き世帯の子育てを支援するため、13年に「待機児童解消加速化プラン」をはじめた。17年度末までの5年間で50万人分の受け皿を確保し、保育所に申し込んでも入れない待機児童を解消するのが狙いだ。