・頻繁にトルコへ渡航する元オウム「上祐史浩」はISに興味があるのか(週刊新潮 2015年11月26日雪待月増大号)
※紺碧の空に切り立った海岸線。年300日が晴天という太陽の恵みに浴し、山間部にはオリーブの果樹園が広がる。“トルコのリビエラ”と称される地中海沿岸のリゾート地、アンタルヤ。当地の空港に不釣り合いな男女3人連れが降り立ったのは、10月中旬のことだった。元オウム教団の大幹部、上祐史浩氏(52)らご一行である。だが、イスラム国(IS)とコンタクトを取るとでも疑われたのか、彼らは入管当局に行く手を阻まれた。
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現在、オウム後継団体の一つ、『ひかりの輪』の代表を務める上祐氏。実は、これが5回目のトルコ訪問だったが、入国拒否されたのは、今回が初めてだ。
「彼が初めてトルコを訪れたのは一昨年10月。以来、昨年2回と、今年も5月に渡航したばかりでした」
と、公安関係者。
「ロシアには未だにオウム時代の信者が多数いるが、上祐代表は混乱を避けるため、ロシアへの入国を自粛しています。そこで隣国のウクライナに渡り、その地にロシア人信者らを呼び寄せ、説法会を行っていた。ところが、2013年2月、はウクライナから入国拒否処分を受けた。そのため、新たに欧州で布教活動を行う拠点として求めた新天地がトルコだったのです」
トルコと言えば、ISの急台頭で、国民の半数が難民化しているシリアと国境を接している。戦闘員としてISへの参加を目指す外国人や取材目的のジャーナリストらがシリアに入る経由地として、トルコを利用してきた経緯がある。今年1月、ISに処刑された後藤健二さんも同じルートでISへのアクセスを図り、悲劇に見舞われたことは未だ記憶に生々しい。
■狙いはロシア人信者獲得!?
「そのためトルコ政府は今年半ば頃から、過激派などとの関係が疑われる要注意人物をリスト化し、約1400人を国外に追放。約700人を入国禁止処分にした。また人質事件の勃発を避けるため、ジャーナリストの入国拒否も連発してきたのです」(外務省関係者)
しかも、この10月10日には、首都アンカラで100人以上の犠牲者を出す自爆テロが発生したばかり。
「その数日後に上祐代表らがのこのことアンタルヤに現れた。かつてテロ組織の幹部だった上祐代表は当然、入国禁止者リストにアップされていたわけです」(同)
アンカラの事件は、当局によって、IS関連組織の犯行と断定された。一方の上祐代表自身もかつては東京の亀戸道場から猛毒の炭疽菌を散布し、無差別テロを謀った疑いが残っている。“東西文明の十字路”トルコで二つの組織は危険な邂逅を果たしたのか。彼の国で彼らは一体何を行っていたのか。
ご本人にご説明願おう。
「ISと接触を図るなんて、あり得ないでしょう。それにトルコには支部はなく、トルコ人に対する勧誘をしている事実もありません。オウム真理教やアレフの信者だったロシア人で、脱会を望んでいる方たちがいる。その脱会支援を行っているのです。以前はウクライナで行っていたが、入国できなくなってしまった。そこでロシア人からすると交通費も安く、来やすいトルコで、同じ活動を行っているだけ。アンタルヤ空港から車で2時間ほどのチャムユヴァという街のホテルで脱会の相談を受けてきました」
しかし、オウム問題に詳しい有田芳生参議院議員は、
「『ひかりの輪』は、主流派のアレフに比べれば、国内勢力も広がらず、食い扶持をどうするかという問題を抱えている。こうした状況の中、かつてロシア支部長として3万人にも上るロシア人信者を指導した上祐氏にすれば、このパイを資金源として求めていくのは当然あり得る。善意だけで脱会支援を行っているとは素直に受け取れません」
元オウム信者をアレフと奪い合ったり、そこから引っ剥(ぺ)がそうとしているのだから、海外での布教活動の一環には違いあるまい。
・「米軍は日本を守らない!」という事実が米公文書によって明らかに! 政府が日米新ガイドラインに施した翻訳上の姑息な仕掛けとは!? ~『仮面の日米同盟』著者・春名幹男氏に岩上安身が直撃インタビュー第1弾(IWJ 2016年1月28日)
※尖閣、東シナ海、北朝鮮──日本の周辺で不穏な動きがある時、その都度、日本政府から「有事の際には米軍が守ってくれる」というアナウンスが流され、日本のほとんどの国民は羊のようにおとなしく信じて疑わない。しかし、果たして本当に、「米軍は守ってくれる」のだろうか?
2016年1月28日、『仮面の日米同盟』の著者で国際ジャーナリストの春名幹男氏は、岩上安身のインタビューに応じ、「1997年の日米ガイドライン改定で、米軍は日本防衛から撤退し始めている。それを認めたくない外務省が、意図的な翻訳によってガイドラインの内容ごまかしている。だから、有事の際、米軍が日本を守るとは限らない」と衝撃的な事実を明らかにした。
春名氏は、公開された1971年のアメリカ政府の機密文書に、『在日米軍は日本を守るために駐留してはいない。日本防衛は、日本の責任だ』との記述を見つけた。そして2015年の日米新ガイドラインには、日本が武力攻撃を受けた際、主体的に防衛するのは自衛隊であり、米軍の任務は「あくまで自衛隊を支援するのみ」ということが書かれているという。そして、その「支援」の中身も不明確なのだという。
春名氏がインタビューで指摘した、外務省の官僚による日米新ガイドラインの作為的翻訳の事例は、以下のようなものだ。
「日米2ヵ国の作戦」を意味する「Bilateral operations」を外務省は「共同作戦」と訳し、「Supplement(補足、追加)」は、米軍が自衛隊の作戦を「補完する」と、より強い語句に置き換えられている。
また、「日本の防衛には自衛隊がPrimary responsiblity(主たる責任、第一次的責任)を持つ」というくだりは「自衛隊が主体的に実施する」と訳され、「日本の防衛は一義的には自衛隊が負う」という主旨が弱められている(※)。春名氏は「自衛隊が独立して動くのか、(米軍もいるけれど、自衛隊が)率先して動くのか。主体的という翻訳によって中身が曖昧にされている」と指摘した。
さらに、日本語訳では『米軍は自衛隊を支援し補完するため、打撃力の使用を伴う作戦を実施することが、できる』と書かれている文章の英語原文を見ると、「can(できる)」ではなく「may(できるかもしれない)」が使われている。春名氏によれば、ガイドラインの随所で、米軍が日本防衛に積極的に関わる印象が強くなるよう、意図的な翻訳がなされているのだという。
その理由について春名氏は、「安保法制が可決されやすいように、米軍の関与を過剰に演出したのだろう。日本人は『アメリカは日本を守ってくれる』という共同幻想にどっぷり浸かっている」と断じた。
岩上安身は、そんな日米安全保障の実態を、関係が冷え切った夫婦が仲睦まじい姿を演じている仮面夫婦にたとえつつ、「外務省発の日本語(翻訳)の情報を鵜呑みにして、メディアも政治家も国民も間違った方向に行ってしまう」と危惧した。
・「日本はまだ米軍の占領下」は真実だった(日刊ゲンダイDIGITAL 2016年7月10日)
「日本はなぜ、『戦争ができる国』になったのか」矢部宏治著(集英社インターナショナル)
※日本はいまだに米軍の占領下にある。本書を一言で要約すると、そうなる。「そんなバカな」と思われるかもしれないが、著者はきちんと証拠を示しながら丁寧に論証しているから、これは事実だ。
正直言って、私自身、そんなことじゃないかと思っていた。経済分野の日米交渉で、日本は一度も勝ったことがないのはなぜなのか。2012年に航空自衛隊の航空総隊司令部が米軍横田基地に移転されるなど、米軍と自衛隊の統合運用が強化されているのはなぜなのか。日本がまだ、米軍の支配下にあるのだとしたら、そうした疑問に完全な答えが出るのだ。
著者は、日本において米軍は基地権と指揮権を持っているという。基地権というのは、米軍基地内で米軍が自由に行動できるだけでなく、基地への自由なアクセス権を持つというものだ。例えば、米軍関係者は日本が管制権を持たない横田空域を飛んで横田基地に入り、そこから六本木の米軍ヘリポートに軍用ヘリで移動する。日本に入国するのに手続きもパスポートも要らない。
指揮権というのは、有事の際に自衛隊は米軍の指揮下で活動するということだ。私はずっと自衛隊は日本を防衛するための組織だと思ってきたのだが、そうではない。自衛隊は、米軍支援のための部隊だったのだ。
そうした事実が国民の前に明らかになっていないのは、安保条約や地位協定などに書かれているのは、表向きの話だけで、日本国民にとって都合の悪いことは、すべて日米合同委員会で密約として決められるからだという。
この日米合同委員会の出席者は日本政府の代表と米軍の代表だ。つまり、日米関係というのは、政府間交渉のレベルにも達しておらず、いまだに占領下と同じ、米軍の支配下に置かれているのだ。それが戦後70年たった日本の現実なのだ。
ただ、著者はあきらめてはいけないという。いくら密約があったとしても、国民の声は、無視できないからだ。
日本が本当の主権を回復するために、まず私たちがやらなければならないことは、日本の安全保障の実態がどのようになっているのかを知ることだ。その点で、本書は必読と言ってよい良書だ。★★★(選者・森永卓郎)
・ロシアとイスラエル、自由貿易協定調印を計画(SPUTNIK 2016年02月12日)
※ロシアとイスラエルは近い将来、自由貿易協定(FTA)に調印を行なう計画だ。ロシア農業省のセルゲイ・レヴィン次官が述べた。
「農業部門のロシアとイスラエルの協力を最大限拡大することを目指した決定だ」。アルカージイ・ドヴォルコヴィチ副首相とともにイスラエルの実業家代表団と会談した後、述べた。
ロシアはイスラエルに卵や牛肉含む肉を供給する計画。
ロシアは伝統的にイスラエルへの穀物供給国であり、イスラエル市場の17-18%を占めている、とレヴィン次官。
・“反安倍”になった右翼教団 日本会議の母体「生長の家」の今(新潮45 2016年10月号掲載)
(上)宗教法人生長の家の本部「森の中オフィス」にある神像
※「私たちは、美しい日本の再建と誇りある国づくりのために、政策提言と国民運動を推進する民間団体です」――こうHPで謳う「日本会議」は、これを支援する議員連盟に安倍内閣閣僚も多く所属する、いわゆる右派組織である。
その母体は、1930年に創設された宗教団体「生長の家」。こちらも右寄りの教団として知られてきたが、近年、その思想・教義に“異変”が起きていた。「新潮45」10月号に掲載の「『反安倍』となった日本会議の母体『生長の家』」で、フリーライターの藤倉善郎氏がその変化の様を取材している。
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藤倉氏によれば、生長の家はもともと、日本国憲法を改正する「明治憲法復元論」や「紀元節の復活」を主張する「右翼教団」だった。
そんな生長の家が今年6月に発表した声明文は、古くからの教団を知る人々に衝撃を与えたという。「当教団は、安倍晋三首相の政治姿勢に対して明確な『反対』の意思を表明」「原発の技術輸出に注力するなど、私たちの信仰や信念と相容れない政治運営」「『集団的自衛権』を行使できるとする“解釈改憲”を強行」といった文言で“反安倍”の立場を表明した上、「生長の家の信念と方法とはまったく異質」と、日本会議との決別も主張したのである。
これには「やや日刊カルト新聞」を主宰し、宗教問題に通じている氏も、
宗教、とりわけ歴史の長くない新宗教では、指導者の代替わりによって教義や政治的スタンスが変化すること自体は珍しくないだろう。しかし「右翼」から「左翼」へという極端な変化は、生長の家以外では思い当たらない。
と指摘する。
■3代目・谷口雅宣
指導者の代替わりがもたらした変化とは、どのようなものだったのか。
3代目となる生長の家の総裁は、創始者・雅春の孫にあたる谷口雅宣氏である。
雅宣に批判的な古参信者たちは、雅宣を「愛国運動嫌い」どころか、はっきり「左翼」と呼ぶ、という思想の持ち主で、総裁に就いたのは2009年のことである。就任する過程で多くの古参信者や親族までもが教団を離れた。
藤倉氏は、創始者の教えに立ち返ることを主張して発足され、教団と対立関係にある「谷口雅春先生を学ぶ会」代表の中島省治氏に接触している。中島氏は取材に対し、教団が方針を変えた“ターニングポイント”について証言をした。ひとつ目は、信者議員を政界に送り込んだ生長の家政治連合(生政連)が83年に“凍結”(活動休止)されたこと、もうひとつは92年に決定された教祖・雅春の著作が事実上の絶版になったこと。いずれも雅宣氏の意向によるものだという。
■「森の中のオフィス」
教団は活動の拠点である国際本部を2013年に山梨県北杜市の「森の中のオフィス」に移転している。ここへ足を運んだ藤倉氏は、思いもよらない施設群を見る。
約2万坪の森林の中に屋根にソーラー発電のパネルを敷き詰めたCO2排出量ゼロの“ゼロ・エネルギー・ビル”が立ち並んでいた。そこに通う職員の通勤用バスは電動、食堂では飼育時に発生するCO2を嫌って「ノーミートフード」が提供されていた。
受付カウンターの壁に教団のロゴマークがあるだけで、見学者の目に触れる範囲に教団ポスターなどの掲示物や祭壇はない。
肉食を推奨しないのは、教祖・雅春の教えでもある。しかし現在、職員が口にするのは「CO2排出量」の抑制という「エコの論理」だ。
そして藤倉氏は、こう問うのだ――「これは本当に「宗教」なのか?」。
最盛期の約300万人の信者数から、52万人(数字はいずれも公称)に激減した生長の家の変節を、「新潮45」でより詳しく報じている。
・米国人「1.2億人の顔写真」データベースが警察に利用されている:研究結果(WIRED 2016年10月20日)
※米国26州では、運転免許証や身分証明書に掲載された写真を法執行機関がスキャンしており、その数は約1億1,700万人分に上るという研究結果が発表された。
10月18日付けで発表されたジョージタウン大学プライヴァシー&テクノロジーセンターの研究によると、米国成人の約半数が法執行機関の顔認識データベースに登録されているという。つまり、警察や米連邦捜査局(FBI)が所有する顔認識データベースに約1億1,700万人の成人のデータが保存されているというのだ。
「果てしなく続く面通しの列:米国における警察による無規制の顔認識」(The Perpetual Line-up: Unregulated Police Face Recognition in America)というタイトルの研究論文によれば、米国の法執行機関の4分の1が顔認識データベースにアクセスでき、こうした利用はほとんど規制されていないという。
論文の共同執筆者である同センターのエグゼクティヴディレクター、アルヴァロ・ベドヤは次のように述べている。「顔認識技術を利用して、26州の運転免許証や身分証明書に掲載された写真の顔をスキャンすることにより、警察とFBIは、『ヴァーチャルな面通し』の長い列に、全成人の半分を並べてきたことになります。指紋やDNAでは、ここまでの規模での照合は行われてきませんでした」
研究論文によると、26以上の州が警察当局に対し、データベースまたは運転免許証や身分証明書の写真を対象とした「捜査の実施や要請」を認めており、「米国成人の約2人に1人は、写真をこのようなかたちで調べられている」という。
さらに研究者チームは、シカゴやダラス、ロサンジェルスなど、少なくとも5つの主要都市の警察署が、通りに設置された監視カメラからリアルタイムでの顔認識を行うための技術をすでに購入したか、購入に関心を示したという内容の文書を入手したという。
ジョージタウン大学の研究によれば、警察はデータベース利用の監視をほとんど行っておらず、悪用の有無を調べる監査も行っていないという。
・ヒラリーもトランプもTPP反対なのに日本だけがなぜ強行するのか? 安倍政権のTPPインチキ説明総まくり(LITERA 2016年10月30日)
※「結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」と言ったのは誰だったのか。──安倍政権は早ければ11月1日に環太平洋経済連携協定(TPP)承認案と関連法案を衆院で強行採決する見込みだという。
しかし、一体何のために政府はこれほどまでにTPPに前のめりなのか。安倍首相は「日米関係の強化」などと述べ、政府筋も「オバマが成立したがっているのだから仕方がない」と言うが、当のアメリカの世論はTPPに批判的で、トランプもヒラリーも反TPPの姿勢を強調。さらにオバマ大統領が任期中にTPP発効の承認を議会で得ることは難しく、アメリカが批准する可能性はゼロに近づきつつある。こうした事態に自民党の茂木敏充政調会長も「TPPも通せないような大統領は、私はアメリカの大統領じゃないなと思いますね」と言い出す始末だ。
「アメリカのためのTPP協調」だったならば、日本にもはや意味をなさなくなったはず。なのになぜ強行採決までして押し進めようと躍起なのか。その理由は、呆気にとられるようなものだ。
「オバマなんてたんなる言い訳で、TPPは経産省の"悲願"だからですよ。戦前、軍部が悲願のために暴走したのと同じで、走り続けてきたものをもう引き返せなくなっているだけ。とくに安倍首相の主席秘書官である今井尚哉氏は経産省出身で第二次安倍政権のTPP交渉を後押ししてきた人物。官邸も"TPPありき"で進んできたので、何の合理性もないんです」(大手新聞政治部記者)
制御不能のフリーズ状態に陥りながら、満足な説明もないままTPP承認案・関連法案はいままさに強行採決されようとしているというのだ。国民を馬鹿にするにも程があるだろう。
しかも、安倍政権は馬鹿にするだけでなく、嘘の説明によって国民をあざむき続けている。
まず、安倍首相は「TPPの誕生は、我が国のGDPを14兆円押し上げ、80万人もの新しい雇用を生み出します」と今年1月の所信表明演説で述べたが、これは空言虚説と言うべき恣意的な数字だ。
そもそも、安倍政権は2013年の段階では「TPPによって10年間でGDPが3兆2000億円上昇」と公表していたが、これに対して理論経済学や農業経済学、財務会計論などの多岐にわたる研究者たちで構成された「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」は、同年、「GDPは約4兆8000億円減少」「全産業で約190万人の雇用減」という影響試算を出している。
さらに、アメリカのタフツ大学も今年1月、「日本のGDPは10年間で0.12%(約56億4000万円)減少、約7万4000人の雇用減」という影響試算を公表。これらは政府とはまったく真逆の評価だ。
この影響試算の食い違いについて、元農林相でTPP批准に反対してきた山田正彦氏は著書『アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!』(サイゾー)で、政府試算は〈関連産業や雇用への影響など、ネガティブな面を考慮に入れず、地域別の試算もなされていないため国民生活への悪影響が出てこない〉ものだとし、一方の「大学教員の会」やタフツ大学の試算はネガティブな面も含めて試算された結果であることを指摘している。つまり、政府試算は〈ネガティブな面をほぼ無視した数字〉でしかないのだ。
しかも、安倍首相は昨年10月のTPP大筋合意の後の記者会見で、農産物重要5品目(コメ、麦、牛肉、豚肉、乳製品、砂糖)の"聖域"を死守したとし、「国民の皆様とのお約束はしっかりと守ることができた」「関税撤廃の例外をしっかりと確保することができました」と語ったが、これもとんだ詭弁だ。山田氏は前掲書で、〈重要5品目の分野が586品目あり、そのうちに関税が撤廃されるものは174品目、残りは関税が削減されるものなので、それだけでも約3割は「聖域は守れなかった」と断定できる〉と批判する。
さらに、同年11月に公表された協定案では、アメリカ、オーストラリアなど5カ国と、相手国から要請があれば協定発効から7年後には農林水産物の関税撤廃の再協議に応じる規定があることがわかった。これはあきらかに日本を狙い撃ちした規定であり、7年間の"執行猶予"を与えられただけだったのだ。
にもかかわらず、テレビは大筋合意を政権の言うままに「歴史的快挙」などと大々的に取り上げ、「牛肉や豚肉が安くなる」「これで品薄状態のバターも安価で手に入りやすくなる」などと強調。報道によって、他方で甚大なリスクがあるという事実を隠してしまったのだ。
少し考えればすぐわかるように、輸入品が増えることによって国内の農畜産物が大打撃を受けることは明々白々で、廃業に追い込まれる生産者は続出するだろう。となれば、食料自給率も低下するのは必然だ。日本の食料自給率は2015年のデータでもカロリーベースで39%と主要先進国のなかでも最低水準なのだが、農林水産省は2010年の試算でTPPが発効されれば食料自給率は14%に低下すると発表している。それでなくても命に直結する食を海外に依存している状態であるのに、もしも気候変動で農作物が凶作となり輸入がストップしても、そのとき国内に広がっているのは生産者のいない荒廃した農地だけだ。
それだけではない。アメリカなどでは牛肉や豚肉、鶏肉などに発がん性リスクが懸念されている成長ホルモン剤を使っており、食肉だけではなく牛乳などの乳製品にも健康リスクへの不安は高まる。くわえて心配なのが、遺伝子組み換え食品の問題だ。前述した山田氏は〈TPP協定では、何とこれらの遺伝子組み換え鮭など数多くの遺伝子組み換え食品を安全なものとして、域内での自由な貿易を前提にさまざまな規定が置かれている〉と指摘し、現行では遺伝子組み換え食品には表示がなされているが、これもTPP協定下ではできなくなってしまう可能性にも言及。そればかりか、「国産」「産地」といった表示もできなくなる可能性すらあるのだという。
しかし、こうした問題点は氷山の一角にすぎない。TPPをめぐる問題は、挙げ出せばキリがないほど多岐にわたる。たとえば、山田氏が前掲書で提起している問題を一部だけ取り出しても、この通りだ。
・リンゴやミカンなどの果樹農家が打撃を受け、水産業・関連産業で500億円の生産額減少
・残留農薬や食品添加物などの安全基準が大幅に下がる
・薬の臨床試験や検査が大幅にカット。また、ジェネリック薬品が作れなくなる可能性
・医薬品はさらに高額となり、タミフル1錠7万円のアメリカ並みかそれ以上に
・健康保険料が現在の2~3倍になり、国民皆保険も解体される可能性
・パロディなどの二次創作物が特許権に反するとして巨額の損害賠償を求められるように
・政府はプロバイダを規制できるようになるため「知る権利」「表現の自由」が大きく損なわれる
・外国企業から訴えられるために最低賃金引き上げができなくなる
そして、最大の問題が、「ISD条項(投資家対国家間の紛争解決条項)」だ。前述した遺伝子組み換えの食品表示などもISD条項が問題の根本にあるが、それはISD条項が企業などの投資家を守るためのものであるためだ。しかも、国内法ではなく国際仲裁機関が判断を下すISD条項は、〈最高裁判所の判決よりも、ワシントンD.C.の世界銀行にある仲裁判断の決定が効力を生じることになっている〉(前掲書より)。これは日本国憲法76条第1項「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する」に反することになる。さらに〈私たちに憲法上保障されている基本的人権もTPP協定によって損なわれていくことになる。憲法25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあるが、TPPでは貧富の格差がさらに拡大して、金持ちでないと医療も受けられず、安全な食料も手に入らなくなってくる〉のだ。
昨年、来日したノーベル経済学者のジョセフ・E・スティグリッツ教授は「ISD条項で日本国の主権が損なわれる」と指摘したというが、この言葉通り、TPPはわたしたちのいまの生活を悪化させるだけでなく、憲法という根底さえも崩す。そう、「TPPは、グローバル企業のロビイストたちが書き上げた世界の富を支配しようとする管理貿易協定」(スティグリッツ教授)でしかないのだ。
このような問題点は国会でも野党が追及、参考人質疑でも専門家から厳しく指摘がなされたが、安倍首相は「TPP協定には、わが国の食品の安全を脅かすルールは一切ない」などと大嘘をつくだけで、同じように山本有二農水相も石原伸晃TPP担当相も納得のいく具体的な説明を一切行っていない。情報開示を求められた交渉記録さえ、いまだ黒塗りのままだ。
国民からあらゆるリスクを隠蔽し法案を強行採決する──特定秘密保護法や安保法制でも安倍首相のそのやり口を見てきたが、またしても同じことが、いままさに繰り返されようとしているのである。(野尻民夫)
・日本の精神性が世界をリードしていかないと地球が終わる」 安倍昭恵氏インタビュー(BLOGOS 2016年11月9日)
※以下、昭恵夫人の発言
「深く考えないで」というか。何をするか考える時にも、「じゃぁ、これ!」みたいな感じで生きているので。
「そうですね。でも今はごちゃごちゃで、自分でも何してるのか、よくわかっていなくて。でも「神様に動かされてる」と思っているので(以下略)」
「キリスト教の学校で育ったんですけど、今は別にキリスト教というわけじゃなくて、どちらかというと神道です。」
「私は、大きな自然の一部であって、“動かされてる感”がすごくあるんですよね。主人もよく言うのですが、総理大臣は努力でなれるものではなくて。」
「そこで総理大臣になるっていうのは、“何か持ってる”“何か別の力”だと思うんですよ。「神」という言い方をしなくてもいいんだけど、なんかこう、“大いなる力”が働いていると私は思っていて。その力にある意味流されてるというか、乗っかっているのかなと、私は感じます。 」
「主人自身も特別な宗教があるわけじゃないんですけど、毎晩声を上げて、祈る言葉を唱えているような人なんですね。 」
・幸福の科学・大川総裁の長男が俳優デビュー 親バカぶりが浮き彫りに(週刊新潮 2016年12月29日・2017年1月5日新年特大号)
※信仰のためには、時としてなりふり構わず。古今東西、宗教家が繰り返してきた振舞いである。「幸福の科学」の大川隆法総裁もまた、ご多分に洩れず。このたびご長男(27)が俳優デビューしたとかで、あの大ヒット作を引き合いに、親バカぶりまで浮き彫りに……。
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さる幸福の科学ウォッチャーが言う。
「12月7日、教団の祭典『エル・カンターレ祭』が幕張メッセで催され、そこで大川総裁は映画『君の名は。』に言及しました。いわく、『魂の入れ替わりや運命などを信じなければ成り立たないアニメだと思う』とのことで、RADWIMPSの歌う主題歌『前前前世』についても『非常に人々の心に食い込んだ』と持ち上げたのです」
同曲について総裁は、
〈魂や霊界があり、何度もの転生輪廻があり、その過程で多くの人たちがさまざまな結びつきを持っているという世界観が前提となっている〉
〈これを多くの人たちが受け入れたということは、幸福の科学を受け入れる前段階だと考えていいのでは〉
などと自説を展開したという。まさしく物は言いようで、実は17年夏、総裁の原案による実写映画の公開を控えているのだ。
「“スピリチュアル・ミステリー”と銘打った青春映画で、その名も『君のまなざし』。主演は教団の芸能事務所の所属俳優ですが、同社の社長で総裁の長男である宏洋(ひろし)副理事長も出演。俳優デビューを果たします」(同)
長男はこれまで自作映画のプロデューサーを務め、9月には何とCDデビューしている。今回は父の作詞作曲した主題歌を引っ提げ、そこに俳優の肩書まで加わるというわけだ。
■相変わらず我田引水
前出の幕張メッセでも、総裁の前座で長男が登場。マイクを振り回しながらロックとも歌謡曲とも形容しがたい2曲の持ち歌を披露したのだった。
「歌唱力と呼べるレベルではありませんでしたけれど、総裁はそれを受け、『当会のにわかグループ(息子のバンド)の方が、RADWIMPSより、よほど上手い気がしてならない』などと褒め称えていました」(同)
総毛立つような身びいきを展開した教団に、あらためて聞くと、
「大川宏洋氏が当日初披露した主題歌は、映画の世界観の深みを表し、霊的バイブレーションに満ちた素晴らしい曲と演奏でした」(広報局)
としつつ、「君の名は。」が当たった理由について、
「背景には、30年間にわたり公開霊言や講演・書籍を通じて霊的世界観を訴えてきた当教団の活動もあると考えています」
そう主張するのだ。ジャーナリストの藤倉善郎氏が言う。
「幸福の科学の特徴の1つに、大川総裁の強い政治的野心があります。実際に12年には『助かりたかったら私の本を読みなさい』と過激な街頭演説もしていた。それでも09年の結党以来、幸福実現党は国政で一人の当選者も出せず、総裁にも弱気が見られるようになってきた。先日刊行された霊言本では、教団製作の映画について“後世で評価されればよい”といったニュアンスの発言もしています」
そうした現状にあって、
「長男が表舞台に出てきたのは頼もしいのでしょうが、流行のエンタメを取り上げても、相変わらず我田引水ばかり。いまだ大きな勘違いをしたままなのです」(同)
父子ともども、目が覚めるのはいつの日か。
・ネオナチ組織「ナショナル・アクション」、イギリスで初の非合法化(The Huffington Post UK 2016年12月13日)
※イギリスのアンバー・ラッド内相は12月12日、イギリスのネオナチ組織「ナショナル・アクション」を極右組織としては初めて反テロ法にもとづき非合法化し、禁止団体に指定した。
EU残留派だったジョー・コックス下院議員が殺害された事件を称賛したネオナチ団体の非合法化が決定した。
今回の非合法化でナショナル・アクションはテロリスト集団とみなされ、所属するだけで最長禁錮10年の実刑判決を受ける可能性がある。
ナショナル・アクションへの支援や支持集会の開催、さらに支持していると疑いを招くような衣服の着用や出版物の持ち歩くことなども同様に犯罪行為となる。
ラッド内相はナショナル・アクションを「人種差別主義、反ユダヤ主義で、ホモフォビア(同性愛嫌悪)だ」と説明している。
ラッド内相は11月、極右団体「ブリテン・ファースト」に対しても同様の措置を取るよう求められている。
ナショナル・アクションのスローガンは「裏切り者に死を、イギリスに自由を」。このフレーズは、コックス議員を殺害した極右信奉者のトーマス・メア被告が、法廷で自身の名前を名乗るよう言われたときに、この言葉を発している。
この団体は自らを「急進的」ではあるが「過激派」ではないと主張しているが、「白人のイギリス」を目指していると宣言しており、Twitterアカウントではナチスのイデオロギーや、ユダヤ人の「毒殺」を支持している。
11月にはナショナル・アクションの名前を掲げ、「白人以外お断り」を呼びかける複数のポスターがニューベリーで見つかった。
ナショナル・アクションの活動理念をまとめた声明文は、以下のように締めくくられている。
我々が異議を唱えるのは政府、新たな支配階級、グローバル資本主義、そして我々以外の裏切り者の白色人種だ。我々はマイノリティーに対する憎悪を煽ったり、暴力を奨励するつもりはないし、この考えを貫いてきた。我々が主張するのは、イギリス人が母国を取り戻し、血統を浄化し、力を取り戻す権利だけだ。
我々が強く信じている目標を達成するには、社会的、文化的、政治的活動を通して我々の地域社会を構築するといった現実的な方法を活用すると、はっきりと述べてきた。
我々との関係が折に触れて複雑化しても、国家権力はナショナル・アクションに対していかなる非合法化の措置も取ってこなかった。また我々は、ある種の集団を組織していると反ファシズム主義団体から執拗な無実の追及を受けているが、国家権力にとっては大した問題ではないようだ。平和を理想としているが、過去は暴力的だ。
ナショナル・アクション幹部のジャック・レンショー容疑者は、ユダヤ人を撲滅されるべき「寄生虫」と呼び、現在取り調べを受けている。
ブラックプールのデモで撮影されたジャック・レンショー容疑者(中央)。人種的増悪を煽ったとして現在取り調べを受けている。
3月に行われたブラックプールでのデモでは、レンショー容疑者は自らを「ナチス」と呼び、ナショナル・アクションの敵は処刑すると語った。さらに支持者に対してイギリスは「ユダヤ人問題」を抱えており、白色人種は「優れた人種」だと語った。レンショー容疑者の発言は、同団体が撮影した動画に収められており、YouTubeに投稿されている。
レンショー容疑者は、第二次世界大戦中にイギリスが「誤った陣営」を支持し、「ヨーロッパからユダヤ人を撲滅させようとした」ナチスと戦っていたと述べた。
レンショー容疑者は支援者に続けてこう語った。「我々は本当の敵に焦点を絞っていく必要がある。本当の敵とは、ユダヤ人だ」
ナショナル・アクションの副代表アレックス・デイビスは2016年初め、見た目だけでは白人かどうかはわからないことを認め、笑いものになり、その場から立ち去る羽目になった。
アレックス・デイビスは、バースの中心地で4人の仲間と屋外演説をしている最中、恥ずかしいやりとりを動画に収められてしまった。
デイビスは、ある女性とその娘から批判を受け、少女が「追い出される」べきなのかと問いただされた。
少女が実は「ハーフ」だと明かされると、デイビスは「彼女がイギリスから追い出されるべきなのかはわからない」と認め、さらに「自分には白人に見える」としか反応できなかった。
少女の母親が、娘の人種が何かはっきりわかっていると伝えられると、デイビスは「そう言ったって、俺と議論するために言ってるだけじゃないか」と言い張るしかなかった。
仲間と一緒にその場を立ち去ろうとしたデイビスは、母親からこう告げられた。「逃げたらいいでしょ。もっと役に立つことに頭を使いなさいよ。さあ、どっかへ行きなさい」
ナショナル・アクション創設者の1人は2014年、ハフィントンポストUK版の取材に同団体の目的は「人々を苛立たせることが狙いだ」と答えた。
・OSCE、「1万人のヨーロッパ人がISISと協力」(PersToday 2017年1月14日)
※OSCE欧州安全保障協力機構のクルツ議長が、テロ組織ISISとの協力を目的にシリアやイラクに渡ったヨーロッパ人の数はおよそ1万人であるとしました。
新聞エクスプレスによりますと、現在OSCEの議長国となっているオーストリアの外相でもあるクルツ議長は14日土曜、「イラクとシリアから帰国してくるISISのメンバーは、ヨーロッパにとって大きな危険とされる」と語っています。
また、OSCEの加盟国はなんらかの措置によりテロに対抗すべきだとしました。
OSCEには、ヨーロッパのみならず世界の多くの国が加盟しており、イギリス、フランス、ドイツと共にアメリカやロシア、モンゴルもこの組織に加盟しています。
・ISISのメンバーの大半がヨーロッパ人(PersToday 2017年8月2日)
※シリアやイラクに存在するテロ組織ISISのメンバーの多くが、ヨーロッパ人であることが明らかになりました。
セルビア新聞のポリティカによりますと、ボスニア・ヘルツェゴビナは、人口100万人のうち92人の割合でISISに参加しており、イラクやシリアで戦っているISISのメンバーの最も多くの割合を占めているということです。
また、2番目に割合が多いのはコソボで、100万人当たり83人となっており、次いでベルギーとアルバニアが46人で3位となっています。
なお、スウェーデンも32人でISISに多くの市民が参加した国です。スウェーデンの情報機関の長官によりますと、スウェーデン人およそ300人がISISに加わっています。
また、インターネットサイト・バルカンの報告によりますと、セルビア人49人がシリアやイラクのISISに加わっているということです。
・『家庭教育支援法』提出、安倍政権の真の狙いは憲法24条の改正か(週刊女性 2017年2月8日)
※『働くママたちの共感を集めた「保育園落ちた日本死ね!!」から、もうすぐ1年。待機児童は依然、解消されないまま。介護と育児のダブルケアを担う女性、子どもの学費のためパートを掛け持ちする母親も珍しくない。そうした負担が軽くなる法律があれば、誰もが喜んで賛同するだろう。
ところが反対に、女性を追い詰める法案が今の国会へ提出されようとしている。その名も『家庭教育支援法』。
聞こえのいい名称とは裏腹に、この法案が掲げる“家庭教育”はトンデモない。
女性や子どもにかかわる問題を数多く手がける打越さく良弁護士が解説する。
「家庭を、国家に貢献する子どもをつくるための人材育成装置とするのが狙い。国に役立つ人、国や郷土を愛する人に育つよう教育すれば国や自治体は手助けしますよ、というものです」
支援法案は、核家族化や地域との関係が希薄になったことで家庭教育の緊急支援が必要だとして、《保護者が子に社会との関わりを自覚させ》るための責任を負っていると強調、
さらに《国家や社会の形成者として必要な資質が備わるよう環境を整備する》よう保護者に要求している。
支援といっても、子どもの虐待防止や貧困解消につながるものではないのだ。
「国がこうあるべきとする教育、つまりお国のために役立つ人材を育成していない親は、責任を果たしていないことになるという法律。そのとき、責任を果たしているかどうかを判断するのは国です。家庭の事情やライフスタイルを尊重するのではなく、枠にあてはめ上から目線でコントロールしようとしています」
その国家観、家庭観は、さながら「日本を取り戻す」といったシロモノ。三世代同居の『サザエさん』一家を理想に挙げる保守団体『日本会議』とも通底する。
自民党が'12年に発表した『憲法改正草案』にも通じる、とは打越弁護士。
「家庭のなかでの男女平等や個人の尊厳を謳っているのが憲法24条。
ところが支援法も自民党改憲草案も、個人ではなく家族を社会の基礎的な集団と位置づけている。
ここでは、個人は家族より下に置かれます。いきなり憲法改正をするのは難しいから、支援法を作って実質的に改憲したのと変わらない状態にして、下準備する狙いがあるのでは」
家庭教育に対する安倍首相のこだわりは人一倍だ。'06年の第一次安倍政権で、最初に手をつけたのが教育基本法の改正だった。
「愛国心や郷土愛が盛り込まれると同時に、保護者が子どもの教育に責任を負うとする条文も加えられました。国があるべき規範を押しつけ、家庭教育へ介入する動きはこのとき、すでに始まっていたのです」
支援法案は努力義務的な色合いが強く、特に罰則が設けられているわけではない。それでも打越弁護士は、「気づかない間に影響が出てくる」と懸念する。
「ライフスタイルを自由に選ぶ女性はわがままと言われる社会になっていく。卵子が老化する前に結婚しろ、子どもを産め、国にとって役立つ子に育てよ。働け輝け、活躍しろ。でも保育園は期待するなよ、と」
国が取り戻したい形とは異なる家族、例えばシングルマザーや同性カップルへのプレッシャーも高まる。
「LGBTの場合、当事者が自分のセクシャリティーに否定的な見方をせざるをえなくなるでしょうね」
とはジャーナリストの渋井哲也さん。
「支援法案を推進する人たちは、基本的に権利意識が邪魔なわけです。それより規範を強化したいと思っている。自民党は『子ども・若者支援法』の改正も目論んでいますが、やはり道徳的な規範を強化する方向性。複数の法律が連動して息苦しさが高まり、無力感が国全体に蔓延するのを危惧しています」(渋井さん)』
※ブログ主は基本的には保守なので、この記事の内容には反対である。だが安倍自民党政権の偽りの「愛国」にも与しない。安倍政権は「売国」「壊国」である。
・外国人労働者、2016年に初の100万人超え 技能実習・留学生が増加(ロイター 2017年1月27日)
※厚生労働省が27日発表した外国人雇用の届出状況によると、2016年10月末時点で日本で働く外国人は108万3769人となり、初めて100万人を超えた。前年同期比19.4%増加し、4年連続で過去最高を更新した。
技能実習生が同25.4%と大幅に増え、21万1108人だった。留学生は同25.0%増の20万9657人。専門的・技術的分野のいわゆる高度人材も20%超の増加となった。
全体の3割強が中国から
国別では、中国が最も多く34万4658人(全体の31.8%)、次いでベトナム17万2018人(同15.9%)、フィリピン12万7518人(同11.8%)だった。前年比伸び率が最も高かったのはベトナム(56.4%増)、次いでネパール(35.1%増)。
この数値は、昨年10月末時点で事業主から届け出のあった数を集計した。届け出は2007年から事業主に対し義務化されている。
厚生労働省では、外国人労働者の増加要因として「留学生の就職支援の強化など、政府が進めている高度外国人材の受け入れが着実に増えていることに加え、雇用情勢の改善が着実に進んでいる」としている。
日本政府は「移民政策はとらない」との姿勢を保っており、安倍晋三首相も移民の受け入れより、女性や高齢者の活用が先としている。
だが、自民党は昨年、特命委員会を作って外国人労働者の受け入れについて議論、介護・農業・旅館などの分野で受け入れを進めていくべきと提言した。
日本では2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、とりわけ建設現場で労働者不足が深刻化している。建設業では参入する若年層が急速に減少、高齢化も進んでいる。ある大手ゼネコン幹部は、ロイターの取材に「のどから手が出るほど(労働力が)ほしい」と話した。
移民政策研究所の坂中英徳所長は「外国人労働者といっているが、アルバイトをしている留学生や、本来、技能を学ぶために来ている研修生である技能実習生の数字が含まれているのはおかしい。日本が移民に扉を閉ざしていることから目をそらすため、数字を大きく見せようとしているのかもしれないが、労働力不足に対処し、正面から移民の受け入れを進めることがなにより重要」と話している。
※ブログ主は日本国家と日本民族を消滅させる移民の受け入れに絶対反対です。
・北朝鮮「核開発」の協力者か? 京都大学原子炉実験所准教授と「拉致実行犯」の娘が結婚していた!(新潮45 2017年2月20日掲載)
※金正男暗殺に、新型の中距離弾道ミサイルの発射。
北朝鮮をめぐる情勢がふたたび動き出した。彼の国は昨年、2回の核実験と19回のミサイル発射実験を行っている。これらを通じ、ミサイルに搭載する小型の核兵器製造に成功したとの観測が一部にあるが、そうでなくとも核ミサイル関連の技術が飛躍的に向上したことは確かだろう。
こうした状況のなか、驚くべき事実が明らかになった。
北朝鮮の核開発協力者と目される人物の岳父が、大物工作員だというのだ。
問題の准教授は、現在51歳。登録上は韓国籍である。
実は昨年2月、日本国政府は、北朝鮮の核実験を受け、北朝鮮関係者22人に対して、一度北朝鮮に渡航したら日本には戻れない「再入国禁止」措置を取った。その中には5名の科学者がおり、2人がミサイルの、3人が核技術の研究者だった。当時その名前は発表されなかったが、問題の准教授はそのひとりだったのである。少なくともその時点で、彼ははっきり核技術の協力者と見なされていたということだ。
では、その准教授はどんな人物なのか。
神奈川県川崎市生まれで、朝鮮学校で学んだのち、
「89年、名古屋大学工学部に進み、95年、名古屋大学大学院工学部工学研究科修士課程修了。97年、京都大学大学院入学。2000年、エネルギー科学博士号を取得。産業技術総合研究所特別研究員を経て、02年京都大学原子炉実験所の助手となり、現在、准教授である」
まばゆいばかりの研究歴である。専門は、原子炉物理と原子力教育。優秀な研究者である証拠に、2014年、15年と英文の論文の引用回数が最も多かったという。さらに原子力の専門家によれば、核兵器の小型化に応用できる研究もあるというのだ。
そのエリート研究者たる彼は、1998年、ある在日韓国人女性と結婚した。そしてその父親が外事警察からマークされている重要危険人物だった。それはなんと、
「『洛東江』(ナクトンガン)という北朝鮮直属の秘密工作機関の親玉だった」
「洛東江」――神戸のラーメン店店員、田中実さんの拉致を実行した北朝鮮直属の工作機関である。その人物の部下だった張龍雲が「文藝春秋」1997年1月号に手記を寄せたことから、組織の実態と拉致事件とのかかわりが明るみに出た。その後、彼は「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会・兵庫」から兵庫県警に告発されるが、現在のところ逮捕はされておらず、野放しの状態になっている。
終盤で筆者はこう書く。
「国立大学の研究費は、すべて国民の税金で賄われる。我々の税金がこともあろうに、我々の生存を脅かす独裁国家の大量破壊兵器の開発に使われているとすれば、それは悪夢以外のなにものでもない」
再入国禁止にしようとも、情報ならさまざまな手段で伝えることができる。一刻も早く、国レベルでの対策が必要である。
※紺碧の空に切り立った海岸線。年300日が晴天という太陽の恵みに浴し、山間部にはオリーブの果樹園が広がる。“トルコのリビエラ”と称される地中海沿岸のリゾート地、アンタルヤ。当地の空港に不釣り合いな男女3人連れが降り立ったのは、10月中旬のことだった。元オウム教団の大幹部、上祐史浩氏(52)らご一行である。だが、イスラム国(IS)とコンタクトを取るとでも疑われたのか、彼らは入管当局に行く手を阻まれた。
***
現在、オウム後継団体の一つ、『ひかりの輪』の代表を務める上祐氏。実は、これが5回目のトルコ訪問だったが、入国拒否されたのは、今回が初めてだ。
「彼が初めてトルコを訪れたのは一昨年10月。以来、昨年2回と、今年も5月に渡航したばかりでした」
と、公安関係者。
「ロシアには未だにオウム時代の信者が多数いるが、上祐代表は混乱を避けるため、ロシアへの入国を自粛しています。そこで隣国のウクライナに渡り、その地にロシア人信者らを呼び寄せ、説法会を行っていた。ところが、2013年2月、はウクライナから入国拒否処分を受けた。そのため、新たに欧州で布教活動を行う拠点として求めた新天地がトルコだったのです」
トルコと言えば、ISの急台頭で、国民の半数が難民化しているシリアと国境を接している。戦闘員としてISへの参加を目指す外国人や取材目的のジャーナリストらがシリアに入る経由地として、トルコを利用してきた経緯がある。今年1月、ISに処刑された後藤健二さんも同じルートでISへのアクセスを図り、悲劇に見舞われたことは未だ記憶に生々しい。
■狙いはロシア人信者獲得!?
「そのためトルコ政府は今年半ば頃から、過激派などとの関係が疑われる要注意人物をリスト化し、約1400人を国外に追放。約700人を入国禁止処分にした。また人質事件の勃発を避けるため、ジャーナリストの入国拒否も連発してきたのです」(外務省関係者)
しかも、この10月10日には、首都アンカラで100人以上の犠牲者を出す自爆テロが発生したばかり。
「その数日後に上祐代表らがのこのことアンタルヤに現れた。かつてテロ組織の幹部だった上祐代表は当然、入国禁止者リストにアップされていたわけです」(同)
アンカラの事件は、当局によって、IS関連組織の犯行と断定された。一方の上祐代表自身もかつては東京の亀戸道場から猛毒の炭疽菌を散布し、無差別テロを謀った疑いが残っている。“東西文明の十字路”トルコで二つの組織は危険な邂逅を果たしたのか。彼の国で彼らは一体何を行っていたのか。
ご本人にご説明願おう。
「ISと接触を図るなんて、あり得ないでしょう。それにトルコには支部はなく、トルコ人に対する勧誘をしている事実もありません。オウム真理教やアレフの信者だったロシア人で、脱会を望んでいる方たちがいる。その脱会支援を行っているのです。以前はウクライナで行っていたが、入国できなくなってしまった。そこでロシア人からすると交通費も安く、来やすいトルコで、同じ活動を行っているだけ。アンタルヤ空港から車で2時間ほどのチャムユヴァという街のホテルで脱会の相談を受けてきました」
しかし、オウム問題に詳しい有田芳生参議院議員は、
「『ひかりの輪』は、主流派のアレフに比べれば、国内勢力も広がらず、食い扶持をどうするかという問題を抱えている。こうした状況の中、かつてロシア支部長として3万人にも上るロシア人信者を指導した上祐氏にすれば、このパイを資金源として求めていくのは当然あり得る。善意だけで脱会支援を行っているとは素直に受け取れません」
元オウム信者をアレフと奪い合ったり、そこから引っ剥(ぺ)がそうとしているのだから、海外での布教活動の一環には違いあるまい。
・「米軍は日本を守らない!」という事実が米公文書によって明らかに! 政府が日米新ガイドラインに施した翻訳上の姑息な仕掛けとは!? ~『仮面の日米同盟』著者・春名幹男氏に岩上安身が直撃インタビュー第1弾(IWJ 2016年1月28日)
※尖閣、東シナ海、北朝鮮──日本の周辺で不穏な動きがある時、その都度、日本政府から「有事の際には米軍が守ってくれる」というアナウンスが流され、日本のほとんどの国民は羊のようにおとなしく信じて疑わない。しかし、果たして本当に、「米軍は守ってくれる」のだろうか?
2016年1月28日、『仮面の日米同盟』の著者で国際ジャーナリストの春名幹男氏は、岩上安身のインタビューに応じ、「1997年の日米ガイドライン改定で、米軍は日本防衛から撤退し始めている。それを認めたくない外務省が、意図的な翻訳によってガイドラインの内容ごまかしている。だから、有事の際、米軍が日本を守るとは限らない」と衝撃的な事実を明らかにした。
春名氏は、公開された1971年のアメリカ政府の機密文書に、『在日米軍は日本を守るために駐留してはいない。日本防衛は、日本の責任だ』との記述を見つけた。そして2015年の日米新ガイドラインには、日本が武力攻撃を受けた際、主体的に防衛するのは自衛隊であり、米軍の任務は「あくまで自衛隊を支援するのみ」ということが書かれているという。そして、その「支援」の中身も不明確なのだという。
春名氏がインタビューで指摘した、外務省の官僚による日米新ガイドラインの作為的翻訳の事例は、以下のようなものだ。
「日米2ヵ国の作戦」を意味する「Bilateral operations」を外務省は「共同作戦」と訳し、「Supplement(補足、追加)」は、米軍が自衛隊の作戦を「補完する」と、より強い語句に置き換えられている。
また、「日本の防衛には自衛隊がPrimary responsiblity(主たる責任、第一次的責任)を持つ」というくだりは「自衛隊が主体的に実施する」と訳され、「日本の防衛は一義的には自衛隊が負う」という主旨が弱められている(※)。春名氏は「自衛隊が独立して動くのか、(米軍もいるけれど、自衛隊が)率先して動くのか。主体的という翻訳によって中身が曖昧にされている」と指摘した。
さらに、日本語訳では『米軍は自衛隊を支援し補完するため、打撃力の使用を伴う作戦を実施することが、できる』と書かれている文章の英語原文を見ると、「can(できる)」ではなく「may(できるかもしれない)」が使われている。春名氏によれば、ガイドラインの随所で、米軍が日本防衛に積極的に関わる印象が強くなるよう、意図的な翻訳がなされているのだという。
その理由について春名氏は、「安保法制が可決されやすいように、米軍の関与を過剰に演出したのだろう。日本人は『アメリカは日本を守ってくれる』という共同幻想にどっぷり浸かっている」と断じた。
岩上安身は、そんな日米安全保障の実態を、関係が冷え切った夫婦が仲睦まじい姿を演じている仮面夫婦にたとえつつ、「外務省発の日本語(翻訳)の情報を鵜呑みにして、メディアも政治家も国民も間違った方向に行ってしまう」と危惧した。
・「日本はまだ米軍の占領下」は真実だった(日刊ゲンダイDIGITAL 2016年7月10日)
「日本はなぜ、『戦争ができる国』になったのか」矢部宏治著(集英社インターナショナル)
※日本はいまだに米軍の占領下にある。本書を一言で要約すると、そうなる。「そんなバカな」と思われるかもしれないが、著者はきちんと証拠を示しながら丁寧に論証しているから、これは事実だ。
正直言って、私自身、そんなことじゃないかと思っていた。経済分野の日米交渉で、日本は一度も勝ったことがないのはなぜなのか。2012年に航空自衛隊の航空総隊司令部が米軍横田基地に移転されるなど、米軍と自衛隊の統合運用が強化されているのはなぜなのか。日本がまだ、米軍の支配下にあるのだとしたら、そうした疑問に完全な答えが出るのだ。
著者は、日本において米軍は基地権と指揮権を持っているという。基地権というのは、米軍基地内で米軍が自由に行動できるだけでなく、基地への自由なアクセス権を持つというものだ。例えば、米軍関係者は日本が管制権を持たない横田空域を飛んで横田基地に入り、そこから六本木の米軍ヘリポートに軍用ヘリで移動する。日本に入国するのに手続きもパスポートも要らない。
指揮権というのは、有事の際に自衛隊は米軍の指揮下で活動するということだ。私はずっと自衛隊は日本を防衛するための組織だと思ってきたのだが、そうではない。自衛隊は、米軍支援のための部隊だったのだ。
そうした事実が国民の前に明らかになっていないのは、安保条約や地位協定などに書かれているのは、表向きの話だけで、日本国民にとって都合の悪いことは、すべて日米合同委員会で密約として決められるからだという。
この日米合同委員会の出席者は日本政府の代表と米軍の代表だ。つまり、日米関係というのは、政府間交渉のレベルにも達しておらず、いまだに占領下と同じ、米軍の支配下に置かれているのだ。それが戦後70年たった日本の現実なのだ。
ただ、著者はあきらめてはいけないという。いくら密約があったとしても、国民の声は、無視できないからだ。
日本が本当の主権を回復するために、まず私たちがやらなければならないことは、日本の安全保障の実態がどのようになっているのかを知ることだ。その点で、本書は必読と言ってよい良書だ。★★★(選者・森永卓郎)
・ロシアとイスラエル、自由貿易協定調印を計画(SPUTNIK 2016年02月12日)
※ロシアとイスラエルは近い将来、自由貿易協定(FTA)に調印を行なう計画だ。ロシア農業省のセルゲイ・レヴィン次官が述べた。
「農業部門のロシアとイスラエルの協力を最大限拡大することを目指した決定だ」。アルカージイ・ドヴォルコヴィチ副首相とともにイスラエルの実業家代表団と会談した後、述べた。
ロシアはイスラエルに卵や牛肉含む肉を供給する計画。
ロシアは伝統的にイスラエルへの穀物供給国であり、イスラエル市場の17-18%を占めている、とレヴィン次官。
・“反安倍”になった右翼教団 日本会議の母体「生長の家」の今(新潮45 2016年10月号掲載)
(上)宗教法人生長の家の本部「森の中オフィス」にある神像
※「私たちは、美しい日本の再建と誇りある国づくりのために、政策提言と国民運動を推進する民間団体です」――こうHPで謳う「日本会議」は、これを支援する議員連盟に安倍内閣閣僚も多く所属する、いわゆる右派組織である。
その母体は、1930年に創設された宗教団体「生長の家」。こちらも右寄りの教団として知られてきたが、近年、その思想・教義に“異変”が起きていた。「新潮45」10月号に掲載の「『反安倍』となった日本会議の母体『生長の家』」で、フリーライターの藤倉善郎氏がその変化の様を取材している。
***
藤倉氏によれば、生長の家はもともと、日本国憲法を改正する「明治憲法復元論」や「紀元節の復活」を主張する「右翼教団」だった。
そんな生長の家が今年6月に発表した声明文は、古くからの教団を知る人々に衝撃を与えたという。「当教団は、安倍晋三首相の政治姿勢に対して明確な『反対』の意思を表明」「原発の技術輸出に注力するなど、私たちの信仰や信念と相容れない政治運営」「『集団的自衛権』を行使できるとする“解釈改憲”を強行」といった文言で“反安倍”の立場を表明した上、「生長の家の信念と方法とはまったく異質」と、日本会議との決別も主張したのである。
これには「やや日刊カルト新聞」を主宰し、宗教問題に通じている氏も、
宗教、とりわけ歴史の長くない新宗教では、指導者の代替わりによって教義や政治的スタンスが変化すること自体は珍しくないだろう。しかし「右翼」から「左翼」へという極端な変化は、生長の家以外では思い当たらない。
と指摘する。
■3代目・谷口雅宣
指導者の代替わりがもたらした変化とは、どのようなものだったのか。
3代目となる生長の家の総裁は、創始者・雅春の孫にあたる谷口雅宣氏である。
雅宣に批判的な古参信者たちは、雅宣を「愛国運動嫌い」どころか、はっきり「左翼」と呼ぶ、という思想の持ち主で、総裁に就いたのは2009年のことである。就任する過程で多くの古参信者や親族までもが教団を離れた。
藤倉氏は、創始者の教えに立ち返ることを主張して発足され、教団と対立関係にある「谷口雅春先生を学ぶ会」代表の中島省治氏に接触している。中島氏は取材に対し、教団が方針を変えた“ターニングポイント”について証言をした。ひとつ目は、信者議員を政界に送り込んだ生長の家政治連合(生政連)が83年に“凍結”(活動休止)されたこと、もうひとつは92年に決定された教祖・雅春の著作が事実上の絶版になったこと。いずれも雅宣氏の意向によるものだという。
■「森の中のオフィス」
教団は活動の拠点である国際本部を2013年に山梨県北杜市の「森の中のオフィス」に移転している。ここへ足を運んだ藤倉氏は、思いもよらない施設群を見る。
約2万坪の森林の中に屋根にソーラー発電のパネルを敷き詰めたCO2排出量ゼロの“ゼロ・エネルギー・ビル”が立ち並んでいた。そこに通う職員の通勤用バスは電動、食堂では飼育時に発生するCO2を嫌って「ノーミートフード」が提供されていた。
受付カウンターの壁に教団のロゴマークがあるだけで、見学者の目に触れる範囲に教団ポスターなどの掲示物や祭壇はない。
肉食を推奨しないのは、教祖・雅春の教えでもある。しかし現在、職員が口にするのは「CO2排出量」の抑制という「エコの論理」だ。
そして藤倉氏は、こう問うのだ――「これは本当に「宗教」なのか?」。
最盛期の約300万人の信者数から、52万人(数字はいずれも公称)に激減した生長の家の変節を、「新潮45」でより詳しく報じている。
・米国人「1.2億人の顔写真」データベースが警察に利用されている:研究結果(WIRED 2016年10月20日)
※米国26州では、運転免許証や身分証明書に掲載された写真を法執行機関がスキャンしており、その数は約1億1,700万人分に上るという研究結果が発表された。
10月18日付けで発表されたジョージタウン大学プライヴァシー&テクノロジーセンターの研究によると、米国成人の約半数が法執行機関の顔認識データベースに登録されているという。つまり、警察や米連邦捜査局(FBI)が所有する顔認識データベースに約1億1,700万人の成人のデータが保存されているというのだ。
「果てしなく続く面通しの列:米国における警察による無規制の顔認識」(The Perpetual Line-up: Unregulated Police Face Recognition in America)というタイトルの研究論文によれば、米国の法執行機関の4分の1が顔認識データベースにアクセスでき、こうした利用はほとんど規制されていないという。
論文の共同執筆者である同センターのエグゼクティヴディレクター、アルヴァロ・ベドヤは次のように述べている。「顔認識技術を利用して、26州の運転免許証や身分証明書に掲載された写真の顔をスキャンすることにより、警察とFBIは、『ヴァーチャルな面通し』の長い列に、全成人の半分を並べてきたことになります。指紋やDNAでは、ここまでの規模での照合は行われてきませんでした」
研究論文によると、26以上の州が警察当局に対し、データベースまたは運転免許証や身分証明書の写真を対象とした「捜査の実施や要請」を認めており、「米国成人の約2人に1人は、写真をこのようなかたちで調べられている」という。
さらに研究者チームは、シカゴやダラス、ロサンジェルスなど、少なくとも5つの主要都市の警察署が、通りに設置された監視カメラからリアルタイムでの顔認識を行うための技術をすでに購入したか、購入に関心を示したという内容の文書を入手したという。
ジョージタウン大学の研究によれば、警察はデータベース利用の監視をほとんど行っておらず、悪用の有無を調べる監査も行っていないという。
・ヒラリーもトランプもTPP反対なのに日本だけがなぜ強行するのか? 安倍政権のTPPインチキ説明総まくり(LITERA 2016年10月30日)
※「結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」と言ったのは誰だったのか。──安倍政権は早ければ11月1日に環太平洋経済連携協定(TPP)承認案と関連法案を衆院で強行採決する見込みだという。
しかし、一体何のために政府はこれほどまでにTPPに前のめりなのか。安倍首相は「日米関係の強化」などと述べ、政府筋も「オバマが成立したがっているのだから仕方がない」と言うが、当のアメリカの世論はTPPに批判的で、トランプもヒラリーも反TPPの姿勢を強調。さらにオバマ大統領が任期中にTPP発効の承認を議会で得ることは難しく、アメリカが批准する可能性はゼロに近づきつつある。こうした事態に自民党の茂木敏充政調会長も「TPPも通せないような大統領は、私はアメリカの大統領じゃないなと思いますね」と言い出す始末だ。
「アメリカのためのTPP協調」だったならば、日本にもはや意味をなさなくなったはず。なのになぜ強行採決までして押し進めようと躍起なのか。その理由は、呆気にとられるようなものだ。
「オバマなんてたんなる言い訳で、TPPは経産省の"悲願"だからですよ。戦前、軍部が悲願のために暴走したのと同じで、走り続けてきたものをもう引き返せなくなっているだけ。とくに安倍首相の主席秘書官である今井尚哉氏は経産省出身で第二次安倍政権のTPP交渉を後押ししてきた人物。官邸も"TPPありき"で進んできたので、何の合理性もないんです」(大手新聞政治部記者)
制御不能のフリーズ状態に陥りながら、満足な説明もないままTPP承認案・関連法案はいままさに強行採決されようとしているというのだ。国民を馬鹿にするにも程があるだろう。
しかも、安倍政権は馬鹿にするだけでなく、嘘の説明によって国民をあざむき続けている。
まず、安倍首相は「TPPの誕生は、我が国のGDPを14兆円押し上げ、80万人もの新しい雇用を生み出します」と今年1月の所信表明演説で述べたが、これは空言虚説と言うべき恣意的な数字だ。
そもそも、安倍政権は2013年の段階では「TPPによって10年間でGDPが3兆2000億円上昇」と公表していたが、これに対して理論経済学や農業経済学、財務会計論などの多岐にわたる研究者たちで構成された「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」は、同年、「GDPは約4兆8000億円減少」「全産業で約190万人の雇用減」という影響試算を出している。
さらに、アメリカのタフツ大学も今年1月、「日本のGDPは10年間で0.12%(約56億4000万円)減少、約7万4000人の雇用減」という影響試算を公表。これらは政府とはまったく真逆の評価だ。
この影響試算の食い違いについて、元農林相でTPP批准に反対してきた山田正彦氏は著書『アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!』(サイゾー)で、政府試算は〈関連産業や雇用への影響など、ネガティブな面を考慮に入れず、地域別の試算もなされていないため国民生活への悪影響が出てこない〉ものだとし、一方の「大学教員の会」やタフツ大学の試算はネガティブな面も含めて試算された結果であることを指摘している。つまり、政府試算は〈ネガティブな面をほぼ無視した数字〉でしかないのだ。
しかも、安倍首相は昨年10月のTPP大筋合意の後の記者会見で、農産物重要5品目(コメ、麦、牛肉、豚肉、乳製品、砂糖)の"聖域"を死守したとし、「国民の皆様とのお約束はしっかりと守ることができた」「関税撤廃の例外をしっかりと確保することができました」と語ったが、これもとんだ詭弁だ。山田氏は前掲書で、〈重要5品目の分野が586品目あり、そのうちに関税が撤廃されるものは174品目、残りは関税が削減されるものなので、それだけでも約3割は「聖域は守れなかった」と断定できる〉と批判する。
さらに、同年11月に公表された協定案では、アメリカ、オーストラリアなど5カ国と、相手国から要請があれば協定発効から7年後には農林水産物の関税撤廃の再協議に応じる規定があることがわかった。これはあきらかに日本を狙い撃ちした規定であり、7年間の"執行猶予"を与えられただけだったのだ。
にもかかわらず、テレビは大筋合意を政権の言うままに「歴史的快挙」などと大々的に取り上げ、「牛肉や豚肉が安くなる」「これで品薄状態のバターも安価で手に入りやすくなる」などと強調。報道によって、他方で甚大なリスクがあるという事実を隠してしまったのだ。
少し考えればすぐわかるように、輸入品が増えることによって国内の農畜産物が大打撃を受けることは明々白々で、廃業に追い込まれる生産者は続出するだろう。となれば、食料自給率も低下するのは必然だ。日本の食料自給率は2015年のデータでもカロリーベースで39%と主要先進国のなかでも最低水準なのだが、農林水産省は2010年の試算でTPPが発効されれば食料自給率は14%に低下すると発表している。それでなくても命に直結する食を海外に依存している状態であるのに、もしも気候変動で農作物が凶作となり輸入がストップしても、そのとき国内に広がっているのは生産者のいない荒廃した農地だけだ。
それだけではない。アメリカなどでは牛肉や豚肉、鶏肉などに発がん性リスクが懸念されている成長ホルモン剤を使っており、食肉だけではなく牛乳などの乳製品にも健康リスクへの不安は高まる。くわえて心配なのが、遺伝子組み換え食品の問題だ。前述した山田氏は〈TPP協定では、何とこれらの遺伝子組み換え鮭など数多くの遺伝子組み換え食品を安全なものとして、域内での自由な貿易を前提にさまざまな規定が置かれている〉と指摘し、現行では遺伝子組み換え食品には表示がなされているが、これもTPP協定下ではできなくなってしまう可能性にも言及。そればかりか、「国産」「産地」といった表示もできなくなる可能性すらあるのだという。
しかし、こうした問題点は氷山の一角にすぎない。TPPをめぐる問題は、挙げ出せばキリがないほど多岐にわたる。たとえば、山田氏が前掲書で提起している問題を一部だけ取り出しても、この通りだ。
・リンゴやミカンなどの果樹農家が打撃を受け、水産業・関連産業で500億円の生産額減少
・残留農薬や食品添加物などの安全基準が大幅に下がる
・薬の臨床試験や検査が大幅にカット。また、ジェネリック薬品が作れなくなる可能性
・医薬品はさらに高額となり、タミフル1錠7万円のアメリカ並みかそれ以上に
・健康保険料が現在の2~3倍になり、国民皆保険も解体される可能性
・パロディなどの二次創作物が特許権に反するとして巨額の損害賠償を求められるように
・政府はプロバイダを規制できるようになるため「知る権利」「表現の自由」が大きく損なわれる
・外国企業から訴えられるために最低賃金引き上げができなくなる
そして、最大の問題が、「ISD条項(投資家対国家間の紛争解決条項)」だ。前述した遺伝子組み換えの食品表示などもISD条項が問題の根本にあるが、それはISD条項が企業などの投資家を守るためのものであるためだ。しかも、国内法ではなく国際仲裁機関が判断を下すISD条項は、〈最高裁判所の判決よりも、ワシントンD.C.の世界銀行にある仲裁判断の決定が効力を生じることになっている〉(前掲書より)。これは日本国憲法76条第1項「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する」に反することになる。さらに〈私たちに憲法上保障されている基本的人権もTPP協定によって損なわれていくことになる。憲法25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあるが、TPPでは貧富の格差がさらに拡大して、金持ちでないと医療も受けられず、安全な食料も手に入らなくなってくる〉のだ。
昨年、来日したノーベル経済学者のジョセフ・E・スティグリッツ教授は「ISD条項で日本国の主権が損なわれる」と指摘したというが、この言葉通り、TPPはわたしたちのいまの生活を悪化させるだけでなく、憲法という根底さえも崩す。そう、「TPPは、グローバル企業のロビイストたちが書き上げた世界の富を支配しようとする管理貿易協定」(スティグリッツ教授)でしかないのだ。
このような問題点は国会でも野党が追及、参考人質疑でも専門家から厳しく指摘がなされたが、安倍首相は「TPP協定には、わが国の食品の安全を脅かすルールは一切ない」などと大嘘をつくだけで、同じように山本有二農水相も石原伸晃TPP担当相も納得のいく具体的な説明を一切行っていない。情報開示を求められた交渉記録さえ、いまだ黒塗りのままだ。
国民からあらゆるリスクを隠蔽し法案を強行採決する──特定秘密保護法や安保法制でも安倍首相のそのやり口を見てきたが、またしても同じことが、いままさに繰り返されようとしているのである。(野尻民夫)
・日本の精神性が世界をリードしていかないと地球が終わる」 安倍昭恵氏インタビュー(BLOGOS 2016年11月9日)
※以下、昭恵夫人の発言
「深く考えないで」というか。何をするか考える時にも、「じゃぁ、これ!」みたいな感じで生きているので。
「そうですね。でも今はごちゃごちゃで、自分でも何してるのか、よくわかっていなくて。でも「神様に動かされてる」と思っているので(以下略)」
「キリスト教の学校で育ったんですけど、今は別にキリスト教というわけじゃなくて、どちらかというと神道です。」
「私は、大きな自然の一部であって、“動かされてる感”がすごくあるんですよね。主人もよく言うのですが、総理大臣は努力でなれるものではなくて。」
「そこで総理大臣になるっていうのは、“何か持ってる”“何か別の力”だと思うんですよ。「神」という言い方をしなくてもいいんだけど、なんかこう、“大いなる力”が働いていると私は思っていて。その力にある意味流されてるというか、乗っかっているのかなと、私は感じます。 」
「主人自身も特別な宗教があるわけじゃないんですけど、毎晩声を上げて、祈る言葉を唱えているような人なんですね。 」
・幸福の科学・大川総裁の長男が俳優デビュー 親バカぶりが浮き彫りに(週刊新潮 2016年12月29日・2017年1月5日新年特大号)
※信仰のためには、時としてなりふり構わず。古今東西、宗教家が繰り返してきた振舞いである。「幸福の科学」の大川隆法総裁もまた、ご多分に洩れず。このたびご長男(27)が俳優デビューしたとかで、あの大ヒット作を引き合いに、親バカぶりまで浮き彫りに……。
***
さる幸福の科学ウォッチャーが言う。
「12月7日、教団の祭典『エル・カンターレ祭』が幕張メッセで催され、そこで大川総裁は映画『君の名は。』に言及しました。いわく、『魂の入れ替わりや運命などを信じなければ成り立たないアニメだと思う』とのことで、RADWIMPSの歌う主題歌『前前前世』についても『非常に人々の心に食い込んだ』と持ち上げたのです」
同曲について総裁は、
〈魂や霊界があり、何度もの転生輪廻があり、その過程で多くの人たちがさまざまな結びつきを持っているという世界観が前提となっている〉
〈これを多くの人たちが受け入れたということは、幸福の科学を受け入れる前段階だと考えていいのでは〉
などと自説を展開したという。まさしく物は言いようで、実は17年夏、総裁の原案による実写映画の公開を控えているのだ。
「“スピリチュアル・ミステリー”と銘打った青春映画で、その名も『君のまなざし』。主演は教団の芸能事務所の所属俳優ですが、同社の社長で総裁の長男である宏洋(ひろし)副理事長も出演。俳優デビューを果たします」(同)
長男はこれまで自作映画のプロデューサーを務め、9月には何とCDデビューしている。今回は父の作詞作曲した主題歌を引っ提げ、そこに俳優の肩書まで加わるというわけだ。
■相変わらず我田引水
前出の幕張メッセでも、総裁の前座で長男が登場。マイクを振り回しながらロックとも歌謡曲とも形容しがたい2曲の持ち歌を披露したのだった。
「歌唱力と呼べるレベルではありませんでしたけれど、総裁はそれを受け、『当会のにわかグループ(息子のバンド)の方が、RADWIMPSより、よほど上手い気がしてならない』などと褒め称えていました」(同)
総毛立つような身びいきを展開した教団に、あらためて聞くと、
「大川宏洋氏が当日初披露した主題歌は、映画の世界観の深みを表し、霊的バイブレーションに満ちた素晴らしい曲と演奏でした」(広報局)
としつつ、「君の名は。」が当たった理由について、
「背景には、30年間にわたり公開霊言や講演・書籍を通じて霊的世界観を訴えてきた当教団の活動もあると考えています」
そう主張するのだ。ジャーナリストの藤倉善郎氏が言う。
「幸福の科学の特徴の1つに、大川総裁の強い政治的野心があります。実際に12年には『助かりたかったら私の本を読みなさい』と過激な街頭演説もしていた。それでも09年の結党以来、幸福実現党は国政で一人の当選者も出せず、総裁にも弱気が見られるようになってきた。先日刊行された霊言本では、教団製作の映画について“後世で評価されればよい”といったニュアンスの発言もしています」
そうした現状にあって、
「長男が表舞台に出てきたのは頼もしいのでしょうが、流行のエンタメを取り上げても、相変わらず我田引水ばかり。いまだ大きな勘違いをしたままなのです」(同)
父子ともども、目が覚めるのはいつの日か。
・ネオナチ組織「ナショナル・アクション」、イギリスで初の非合法化(The Huffington Post UK 2016年12月13日)
※イギリスのアンバー・ラッド内相は12月12日、イギリスのネオナチ組織「ナショナル・アクション」を極右組織としては初めて反テロ法にもとづき非合法化し、禁止団体に指定した。
EU残留派だったジョー・コックス下院議員が殺害された事件を称賛したネオナチ団体の非合法化が決定した。
今回の非合法化でナショナル・アクションはテロリスト集団とみなされ、所属するだけで最長禁錮10年の実刑判決を受ける可能性がある。
ナショナル・アクションへの支援や支持集会の開催、さらに支持していると疑いを招くような衣服の着用や出版物の持ち歩くことなども同様に犯罪行為となる。
ラッド内相はナショナル・アクションを「人種差別主義、反ユダヤ主義で、ホモフォビア(同性愛嫌悪)だ」と説明している。
ラッド内相は11月、極右団体「ブリテン・ファースト」に対しても同様の措置を取るよう求められている。
ナショナル・アクションのスローガンは「裏切り者に死を、イギリスに自由を」。このフレーズは、コックス議員を殺害した極右信奉者のトーマス・メア被告が、法廷で自身の名前を名乗るよう言われたときに、この言葉を発している。
この団体は自らを「急進的」ではあるが「過激派」ではないと主張しているが、「白人のイギリス」を目指していると宣言しており、Twitterアカウントではナチスのイデオロギーや、ユダヤ人の「毒殺」を支持している。
11月にはナショナル・アクションの名前を掲げ、「白人以外お断り」を呼びかける複数のポスターがニューベリーで見つかった。
ナショナル・アクションの活動理念をまとめた声明文は、以下のように締めくくられている。
我々が異議を唱えるのは政府、新たな支配階級、グローバル資本主義、そして我々以外の裏切り者の白色人種だ。我々はマイノリティーに対する憎悪を煽ったり、暴力を奨励するつもりはないし、この考えを貫いてきた。我々が主張するのは、イギリス人が母国を取り戻し、血統を浄化し、力を取り戻す権利だけだ。
我々が強く信じている目標を達成するには、社会的、文化的、政治的活動を通して我々の地域社会を構築するといった現実的な方法を活用すると、はっきりと述べてきた。
我々との関係が折に触れて複雑化しても、国家権力はナショナル・アクションに対していかなる非合法化の措置も取ってこなかった。また我々は、ある種の集団を組織していると反ファシズム主義団体から執拗な無実の追及を受けているが、国家権力にとっては大した問題ではないようだ。平和を理想としているが、過去は暴力的だ。
ナショナル・アクション幹部のジャック・レンショー容疑者は、ユダヤ人を撲滅されるべき「寄生虫」と呼び、現在取り調べを受けている。
ブラックプールのデモで撮影されたジャック・レンショー容疑者(中央)。人種的増悪を煽ったとして現在取り調べを受けている。
3月に行われたブラックプールでのデモでは、レンショー容疑者は自らを「ナチス」と呼び、ナショナル・アクションの敵は処刑すると語った。さらに支持者に対してイギリスは「ユダヤ人問題」を抱えており、白色人種は「優れた人種」だと語った。レンショー容疑者の発言は、同団体が撮影した動画に収められており、YouTubeに投稿されている。
レンショー容疑者は、第二次世界大戦中にイギリスが「誤った陣営」を支持し、「ヨーロッパからユダヤ人を撲滅させようとした」ナチスと戦っていたと述べた。
レンショー容疑者は支援者に続けてこう語った。「我々は本当の敵に焦点を絞っていく必要がある。本当の敵とは、ユダヤ人だ」
ナショナル・アクションの副代表アレックス・デイビスは2016年初め、見た目だけでは白人かどうかはわからないことを認め、笑いものになり、その場から立ち去る羽目になった。
アレックス・デイビスは、バースの中心地で4人の仲間と屋外演説をしている最中、恥ずかしいやりとりを動画に収められてしまった。
デイビスは、ある女性とその娘から批判を受け、少女が「追い出される」べきなのかと問いただされた。
少女が実は「ハーフ」だと明かされると、デイビスは「彼女がイギリスから追い出されるべきなのかはわからない」と認め、さらに「自分には白人に見える」としか反応できなかった。
少女の母親が、娘の人種が何かはっきりわかっていると伝えられると、デイビスは「そう言ったって、俺と議論するために言ってるだけじゃないか」と言い張るしかなかった。
仲間と一緒にその場を立ち去ろうとしたデイビスは、母親からこう告げられた。「逃げたらいいでしょ。もっと役に立つことに頭を使いなさいよ。さあ、どっかへ行きなさい」
ナショナル・アクション創設者の1人は2014年、ハフィントンポストUK版の取材に同団体の目的は「人々を苛立たせることが狙いだ」と答えた。
・OSCE、「1万人のヨーロッパ人がISISと協力」(PersToday 2017年1月14日)
※OSCE欧州安全保障協力機構のクルツ議長が、テロ組織ISISとの協力を目的にシリアやイラクに渡ったヨーロッパ人の数はおよそ1万人であるとしました。
新聞エクスプレスによりますと、現在OSCEの議長国となっているオーストリアの外相でもあるクルツ議長は14日土曜、「イラクとシリアから帰国してくるISISのメンバーは、ヨーロッパにとって大きな危険とされる」と語っています。
また、OSCEの加盟国はなんらかの措置によりテロに対抗すべきだとしました。
OSCEには、ヨーロッパのみならず世界の多くの国が加盟しており、イギリス、フランス、ドイツと共にアメリカやロシア、モンゴルもこの組織に加盟しています。
・ISISのメンバーの大半がヨーロッパ人(PersToday 2017年8月2日)
※シリアやイラクに存在するテロ組織ISISのメンバーの多くが、ヨーロッパ人であることが明らかになりました。
セルビア新聞のポリティカによりますと、ボスニア・ヘルツェゴビナは、人口100万人のうち92人の割合でISISに参加しており、イラクやシリアで戦っているISISのメンバーの最も多くの割合を占めているということです。
また、2番目に割合が多いのはコソボで、100万人当たり83人となっており、次いでベルギーとアルバニアが46人で3位となっています。
なお、スウェーデンも32人でISISに多くの市民が参加した国です。スウェーデンの情報機関の長官によりますと、スウェーデン人およそ300人がISISに加わっています。
また、インターネットサイト・バルカンの報告によりますと、セルビア人49人がシリアやイラクのISISに加わっているということです。
・『家庭教育支援法』提出、安倍政権の真の狙いは憲法24条の改正か(週刊女性 2017年2月8日)
※『働くママたちの共感を集めた「保育園落ちた日本死ね!!」から、もうすぐ1年。待機児童は依然、解消されないまま。介護と育児のダブルケアを担う女性、子どもの学費のためパートを掛け持ちする母親も珍しくない。そうした負担が軽くなる法律があれば、誰もが喜んで賛同するだろう。
ところが反対に、女性を追い詰める法案が今の国会へ提出されようとしている。その名も『家庭教育支援法』。
聞こえのいい名称とは裏腹に、この法案が掲げる“家庭教育”はトンデモない。
女性や子どもにかかわる問題を数多く手がける打越さく良弁護士が解説する。
「家庭を、国家に貢献する子どもをつくるための人材育成装置とするのが狙い。国に役立つ人、国や郷土を愛する人に育つよう教育すれば国や自治体は手助けしますよ、というものです」
支援法案は、核家族化や地域との関係が希薄になったことで家庭教育の緊急支援が必要だとして、《保護者が子に社会との関わりを自覚させ》るための責任を負っていると強調、
さらに《国家や社会の形成者として必要な資質が備わるよう環境を整備する》よう保護者に要求している。
支援といっても、子どもの虐待防止や貧困解消につながるものではないのだ。
「国がこうあるべきとする教育、つまりお国のために役立つ人材を育成していない親は、責任を果たしていないことになるという法律。そのとき、責任を果たしているかどうかを判断するのは国です。家庭の事情やライフスタイルを尊重するのではなく、枠にあてはめ上から目線でコントロールしようとしています」
その国家観、家庭観は、さながら「日本を取り戻す」といったシロモノ。三世代同居の『サザエさん』一家を理想に挙げる保守団体『日本会議』とも通底する。
自民党が'12年に発表した『憲法改正草案』にも通じる、とは打越弁護士。
「家庭のなかでの男女平等や個人の尊厳を謳っているのが憲法24条。
ところが支援法も自民党改憲草案も、個人ではなく家族を社会の基礎的な集団と位置づけている。
ここでは、個人は家族より下に置かれます。いきなり憲法改正をするのは難しいから、支援法を作って実質的に改憲したのと変わらない状態にして、下準備する狙いがあるのでは」
家庭教育に対する安倍首相のこだわりは人一倍だ。'06年の第一次安倍政権で、最初に手をつけたのが教育基本法の改正だった。
「愛国心や郷土愛が盛り込まれると同時に、保護者が子どもの教育に責任を負うとする条文も加えられました。国があるべき規範を押しつけ、家庭教育へ介入する動きはこのとき、すでに始まっていたのです」
支援法案は努力義務的な色合いが強く、特に罰則が設けられているわけではない。それでも打越弁護士は、「気づかない間に影響が出てくる」と懸念する。
「ライフスタイルを自由に選ぶ女性はわがままと言われる社会になっていく。卵子が老化する前に結婚しろ、子どもを産め、国にとって役立つ子に育てよ。働け輝け、活躍しろ。でも保育園は期待するなよ、と」
国が取り戻したい形とは異なる家族、例えばシングルマザーや同性カップルへのプレッシャーも高まる。
「LGBTの場合、当事者が自分のセクシャリティーに否定的な見方をせざるをえなくなるでしょうね」
とはジャーナリストの渋井哲也さん。
「支援法案を推進する人たちは、基本的に権利意識が邪魔なわけです。それより規範を強化したいと思っている。自民党は『子ども・若者支援法』の改正も目論んでいますが、やはり道徳的な規範を強化する方向性。複数の法律が連動して息苦しさが高まり、無力感が国全体に蔓延するのを危惧しています」(渋井さん)』
※ブログ主は基本的には保守なので、この記事の内容には反対である。だが安倍自民党政権の偽りの「愛国」にも与しない。安倍政権は「売国」「壊国」である。
・外国人労働者、2016年に初の100万人超え 技能実習・留学生が増加(ロイター 2017年1月27日)
※厚生労働省が27日発表した外国人雇用の届出状況によると、2016年10月末時点で日本で働く外国人は108万3769人となり、初めて100万人を超えた。前年同期比19.4%増加し、4年連続で過去最高を更新した。
技能実習生が同25.4%と大幅に増え、21万1108人だった。留学生は同25.0%増の20万9657人。専門的・技術的分野のいわゆる高度人材も20%超の増加となった。
全体の3割強が中国から
国別では、中国が最も多く34万4658人(全体の31.8%)、次いでベトナム17万2018人(同15.9%)、フィリピン12万7518人(同11.8%)だった。前年比伸び率が最も高かったのはベトナム(56.4%増)、次いでネパール(35.1%増)。
この数値は、昨年10月末時点で事業主から届け出のあった数を集計した。届け出は2007年から事業主に対し義務化されている。
厚生労働省では、外国人労働者の増加要因として「留学生の就職支援の強化など、政府が進めている高度外国人材の受け入れが着実に増えていることに加え、雇用情勢の改善が着実に進んでいる」としている。
日本政府は「移民政策はとらない」との姿勢を保っており、安倍晋三首相も移民の受け入れより、女性や高齢者の活用が先としている。
だが、自民党は昨年、特命委員会を作って外国人労働者の受け入れについて議論、介護・農業・旅館などの分野で受け入れを進めていくべきと提言した。
日本では2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、とりわけ建設現場で労働者不足が深刻化している。建設業では参入する若年層が急速に減少、高齢化も進んでいる。ある大手ゼネコン幹部は、ロイターの取材に「のどから手が出るほど(労働力が)ほしい」と話した。
移民政策研究所の坂中英徳所長は「外国人労働者といっているが、アルバイトをしている留学生や、本来、技能を学ぶために来ている研修生である技能実習生の数字が含まれているのはおかしい。日本が移民に扉を閉ざしていることから目をそらすため、数字を大きく見せようとしているのかもしれないが、労働力不足に対処し、正面から移民の受け入れを進めることがなにより重要」と話している。
※ブログ主は日本国家と日本民族を消滅させる移民の受け入れに絶対反対です。
・北朝鮮「核開発」の協力者か? 京都大学原子炉実験所准教授と「拉致実行犯」の娘が結婚していた!(新潮45 2017年2月20日掲載)
※金正男暗殺に、新型の中距離弾道ミサイルの発射。
北朝鮮をめぐる情勢がふたたび動き出した。彼の国は昨年、2回の核実験と19回のミサイル発射実験を行っている。これらを通じ、ミサイルに搭載する小型の核兵器製造に成功したとの観測が一部にあるが、そうでなくとも核ミサイル関連の技術が飛躍的に向上したことは確かだろう。
こうした状況のなか、驚くべき事実が明らかになった。
北朝鮮の核開発協力者と目される人物の岳父が、大物工作員だというのだ。
問題の准教授は、現在51歳。登録上は韓国籍である。
実は昨年2月、日本国政府は、北朝鮮の核実験を受け、北朝鮮関係者22人に対して、一度北朝鮮に渡航したら日本には戻れない「再入国禁止」措置を取った。その中には5名の科学者がおり、2人がミサイルの、3人が核技術の研究者だった。当時その名前は発表されなかったが、問題の准教授はそのひとりだったのである。少なくともその時点で、彼ははっきり核技術の協力者と見なされていたということだ。
では、その准教授はどんな人物なのか。
神奈川県川崎市生まれで、朝鮮学校で学んだのち、
「89年、名古屋大学工学部に進み、95年、名古屋大学大学院工学部工学研究科修士課程修了。97年、京都大学大学院入学。2000年、エネルギー科学博士号を取得。産業技術総合研究所特別研究員を経て、02年京都大学原子炉実験所の助手となり、現在、准教授である」
まばゆいばかりの研究歴である。専門は、原子炉物理と原子力教育。優秀な研究者である証拠に、2014年、15年と英文の論文の引用回数が最も多かったという。さらに原子力の専門家によれば、核兵器の小型化に応用できる研究もあるというのだ。
そのエリート研究者たる彼は、1998年、ある在日韓国人女性と結婚した。そしてその父親が外事警察からマークされている重要危険人物だった。それはなんと、
「『洛東江』(ナクトンガン)という北朝鮮直属の秘密工作機関の親玉だった」
「洛東江」――神戸のラーメン店店員、田中実さんの拉致を実行した北朝鮮直属の工作機関である。その人物の部下だった張龍雲が「文藝春秋」1997年1月号に手記を寄せたことから、組織の実態と拉致事件とのかかわりが明るみに出た。その後、彼は「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会・兵庫」から兵庫県警に告発されるが、現在のところ逮捕はされておらず、野放しの状態になっている。
終盤で筆者はこう書く。
「国立大学の研究費は、すべて国民の税金で賄われる。我々の税金がこともあろうに、我々の生存を脅かす独裁国家の大量破壊兵器の開発に使われているとすれば、それは悪夢以外のなにものでもない」
再入国禁止にしようとも、情報ならさまざまな手段で伝えることができる。一刻も早く、国レベルでの対策が必要である。