音楽の試験も、同時進行でいくつかの部屋で行われていました。
必ずしもピアノである必要はなく、
ギターを持参している人も何人かいました。
そして、また順番に数名ずつ呼ばれ、
試験が行われる教室の前で待機の指示を受けます。
音楽室のような教室が4つほど並んでいて、
にぎやかというか、うるさいというか…。
ここでまた、言語の時のかわいこちゃんが隣になったので、
少し話をしたところ、彼女は保育園でアルバイトのようなことをしているらしく、
それなら先ほどの貫録の素話も納得です!
他の演奏を聴いていてふと気になったので、
「ペダルつける?」
と聞いてみたところ、
「つけますよ!」
との返答が。
床に直置きの(音の出ない)ピアノで練習を積んだ私には、
ペダルをつける、という発想がまるで浮かばなかった…。
確かにペダルをつけると、多少の粗はごまかせるし、
演奏も上手に聞こえるけれど、
ぶっつけ本番でペダルをつけるのはあまりにも危険、
と判断し、ペダルは無しでいくことに。
先ほどと同じく、かわいこちゃんが先に試験会場に消え、
またまた貫録の演奏で今度はつつがなく試験を終え、
ほっとした表情で出てきました。
いよいよ、私の番だー、とまた緊張が走ります。
教室の中に入ると、先ほどと同じように、
受験番号のシールを審査官に渡し、名前と受験番号を告げ、
ピアノの前に楽譜を持って座ります。
本番で初めて、自分のメロディと歌声を融合させるのは、
おそらく1,000人近くいる受験生の中で私くらいなんだろうなー
と思いつつ、やっと音の出る鍵盤を叩けました。
今まで、電器屋でこっそり練習してた時ですら、
ボリュームは最小限にしぼっていたので、
普通のアップライトピアノの音量に若干びびりつつ、
上ずった歌声が教室に響き渡りました。
てゆうか、私の声量、
完全にピアノの音量に負けてる…(_ _。)
声を張り上げれば音程が崩れるし、
それでなくても四方八方から
ピアノの音やら歌声やらが聞こえてきてやかましいのに、
果たして審査官には私の歌声が届いたのだろうか、
と不安になりつつも、
なんとかピアノの演奏自体はミス無く終わり、
私は思いがけず早く終わってラッキー♪と思いつつ、
土砂降りの中を凍えながら帰ったのでした。