予告の時からすごく観たかった。

タイトルからなんとなくイメージできる通り、レンタルして人を集めたり、客の要望通りに人物を演じたり。

主演のブレンダン・フレイザーは「ハムナプトラ」の印象が強い。

典型的なイケメン・目力強・長身という見た目で。

でも数年前のオスカー主演男優賞を取った時に、わぁ、老けたなあ、と思いつつ「ホエール」観てみたいなと思っていた。

今作はオスカー受賞後の作品とのこと。

冒頭からなんか、イメージしていたのと違って凄く感じのいいブレンダン・フレイザー。

演技だけど、なんていうか、いい歳の取り方したんだろうなって感じ。

優しいまなざし、遠慮がちな仕草、大柄な体型を目立たせないようにする気遣い、そんな主人公フィリップ。

日本で役者の仕事がしたくてオーディションに通う日々。

中々いい役にありつけないけれど、夜、せまいアパートのベランダでビール片手に周りのマンションで暮らしている人々を優しく、少し羨ましく眺めている。

ひょんなことからレンタル・ファミリー社の仕事をするようになって、生活が一変する。

依頼人の要望に答えて架空の人間を演じることは、その周りの人々を騙すことにもなる。

だけど依頼人には感謝される。

優しい嘘を演じるにはフィリップは優しすぎて。

それでもこの仕事を、依頼人の気持ちを、色んなことを考えながら演じていくフィリップの世界が開けていくのを感じるのはとても楽しかった。

薄暗かったフィリップの部屋が明るくなっていく感じがした。

変化は怖くないよ、いいことだよって言ってるみたいに思えた。

色んな依頼人との出会いや別れ、そして日本的なあれこれがたくさん溢れていて、なんだか穏やかな気持ちになれた。

観ている私の心も落ち着いてくる。

物語はゆっくりと進んで、時には事件も起こるけど。

美しい日本の風景とか、日本的なしきたりとか、そう言えばものが心地よい。

コミカルなシーンや日本語と英語のミックスも絶妙で違和感なく観られた。

化け猫祭りのシーン、とても可愛かった。

音楽も素敵で。

私、この映画、好きだなあ。

白い布が揺れた時、その奥が見えた時、神様はいるんだなと思った。

その体の中にも、きっと私の中にも、神様はいるんだと思えた。