早いものでもう2月。


最近はあまり耳にしませんが
「1月行く、2月逃げる、3月去る」
という言葉。


韻を踏みながら
1月~3月が早く過ぎていくことを
表した言葉ですが、


その通りに今年もあっという間に
桜の季節になるような気がします。



さて、以前
「My Better Life」という曲で記事にした
尾崎紀世彦の「風のグラフィティー」という
アルバムについて、


そのタイトル曲の「風のグラフィティー」と
大好きな曲「Lonely Again」が
カラオケDAM配信されましたので、


この2曲を中心に
取り上げたいと思います。


アルバムの発売時期は
1980(昭和55)年。


この前年に発売された
シングル「My Better Life」
カップリング曲「Only Yesterday」を含む
全10曲のアルバムでした。


アルバムをプロデュースしたのは
日本のポップス音楽に
大きな功績を記した
作曲家、編曲家、ジャズピアニストの大野雄二。


「ルパン三世」をはじめ
テレビドラマや映画の劇中音楽や


すっかり耳に残ってしまった
「レディーボーデン」の
サウンド・ロゴをはじめCM音楽を
たくさん手がけられている方です。


ライト&メロウな歌唱が冴える10曲のうち


「風のグラフィティ」
「Lonely Again」
「お嬢さんお手をやわらかに」
「子猫と酔いどれ」
「季節風」と
「My Better Life」が


岩崎宏美「聖母たちのララバイ」の
作詞者山川啓介と大野雄二のコンビ。


残りの4曲
「Only Yesterday」
「ニューヨーク・バラード」
「OK」
「遥かなる孤独」は


しばたはつみの隠れた名曲
「シンガーレディ」で
大野雄二とコンビを組んだ武田全弘が作詞し、

「聖母たちのララバイ」を作曲した
故・木森敏之という
ちょっとややこしい組み合わせ。


曲としての「風のグラフィティー」は


若い日に過ごし
恋の記憶が残る街に
時を隔てて訪れた男の
想いを綴った詞。


♪ あの頃毎日が パーティーだったね
   夜明けまではしゃいで もつれあい歩く
   あなたの香りさえ 甦る


若い頃の弾けていた日々を想い出すと
誰もがこんなフレーズに
キュンとなるような気がします。


やさしく穏やかな
詞とメロディがとてもいい。


以前も書きましたが
アルバムの全曲に共通する
上質さ、心地よさ、穏やかさ。


ちょうどこの時期、
日本で「AOR」と略した
「アダルト・オリエンテド・ロック」や
「AC」と略された
「アダルト・コンテンポラリー・ミュージック」が


音楽用語としてよく使われ

少し大人向けのソフトな響きが
心地よい楽曲が洋楽で人気を博し、


日本でもその傾向を受けた
上質な曲が静かに生まれていましたが
このアルバムのどれも
そんな雰囲気の曲ばかり。


「風のグラフィティー」は
1983(昭和58)年に
元ザ・スパッツというGSグループに
所属していた高宝財という方が
シングルをリリースしていいます。


もう1曲「Lonely Again」は
リズムが心地よい
ボサノヴァ調。


恋人と別れた男が


♪ おまえと別れてよかった
  夜明けまで飲むジン 止めるやつもいない


と見栄を張ってみせるが
でも Lonely Againと
強がる男の心情に
共感できる
ちょっとせつない詞。


♪ Lonely Again
   滲んだブルーの夜は
   かみころす あくびのせいさ
   涙じゃない


このラストフレーズがいい。 


結局、ほとんど知られていなかった
このアルバムから3曲
カラオケDAMに配信されましたが


他にも尾崎紀世彦が
一番気にいっていた曲といわれる「季節風」をはじめ
どれもいい曲ばかりですから
まだまだ期待できます。


このアルバム「風のグラフィティー」の
復刻盤「風のグラフィティー+6」が
昨年5月に一周忌追悼盤の意味もこめて

CD化されました。


これがその復刻盤


風のグラフィティー



ボーナストラックとして
「宇宙刑事シャリバン」「ルパン三世」の挿入歌や
ちあきなおみの「喝采」のカヴァーなどが6曲。


UGAにしか配信されていない
「星空の街を歩こう」や「クリスマス・エトランゼ」も
収録されています。


こちら2曲もDAM配信が待たれます。


ヴォーカリスト尾崎紀世彦の
魅力を満喫できるこの
復刻CDアルバム「風のグラフィティー+6」。


洋楽的な雰囲気が漂う

落ち着いた曲を好まれる方に
ぜひ、おすすめしたいアルバムです。