本日、2月27日は
徳永英明と新沼謙治の誕生日。


どちらかの記事をと考えましたが、
雪もちらつく寒い一日、
この曲が心に流れましたので、
新沼謙治の「津軽恋女」を
取り上げようと思います。


日本テレビのオーディション番組
「スター誕生」をきっかけに
「おもいで岬」でデビューしたのが1976(昭和51)年。


「嫁に来ないか」、「ヘッドライト」と
阿久悠作詞のヒット曲を立て続けに出して、
約10年後の1987(昭和62)年にリリースして
久々のヒット曲となったのが「津軽恋女」でした。


詞もメロディも素晴らしいし、
詞とメロディがよくフィットした
珠玉の名曲です。


♪ 津軽の海よ 竜飛岬は吹雪に 凍えるよ
   日毎夜毎 海鳴りばかり 愚図る女の泣く声か~


詞は演歌ですが
同じ津軽を歌った「津軽海峡冬景色」や
「津軽平野」と比べても
フォーク系の爽やかさ、すがすがしさが
この曲には感じられます。


作詞は、日吉ミミの「男と女のお話」や
森進一「わるいひと」、
最近は竹島宏の曲などを数多く作詞している
キャリア40年以上のベテラン作詞家、久仁京介。


作曲の大倉百人は、
スター誕生出身の歌手から作曲家へ転身。


新沼謙治より3年先輩となる
1973(昭和48)年、男性デュオ
鷲と鷹名義で「さすらい渡り鳥」でデビューしています。


作曲家としてつくられた
他の曲もぜひ聴いてみたいと
思ってしまうほど、
好きなメロディラインです。


この曲、作詞の前に原案永井俊一の表記がされています。


歌詞の中にその秘密が。


♪ 津軽には七つの 雪が降るとか
   こな雪 つぶ雪 わた雪 ざらめ雪
   みず雪 かた雪 春待つ氷雪~


実は太宰治の小説「津軽」の冒頭に


 津軽の雪 
 こな雪 
 つぶ雪 
 わた雪 
 みづ雪 
 かた雪 
 ざらめ雪
 こほり雪
 (東奥年鑑より)


と書かれています。


雪の配列が少し変わってはいますが
このフレーズを引用して歌がつくられているようです。


太宰治も出典を示していますが、
そのもとは、1941(昭和16)年まで遡り、
「東奥年鑑」に雪の種類として
7つの雪が解説とともに挙げられているようです。


7つの雪は降り積もった雪の状態を指しており、
そのうち「こな雪」、「つぶ雪」、「わた雪」、「みづ雪」の
4つは降っている雪の様子を指す場合もあるそうです。


雪国で生活をしたことがない私は
雪の種類はについてよくわかりませんが、

なんとなくふわふわだったり、べとっとしてたり、綿みたいだったり

ざらめや粉などの表現でわかるような気もします。


♪ 降りつもる雪 雪 雪 また雪よ~


雪に埋もれた町、凍る海、
鉛色の空、津軽三味線の響き…

冬の津軽を想い浮かべながら
聴くたびに歌うたびに
心に降り積もる雪を感じる「津軽恋女」。


2008(平成20)年に発売された
「風列車」のカップリング曲が「津軽恋女~ニュー・アレンジ~」。


こちらの新しいアレンジも
カラオケに配信されていますので
ぜひ、この季節にぴったりの
「津軽恋女」をニュー・アレンジでお楽しみください。


演歌が苦手な方にもおすすめしたい1曲です。