コメディアンであり個性派俳優でもあり
リリース曲の数は少なくても
歌手としての評価も高い左とん平さん。

昨年7月、第39回「夏祭りにっぽんの歌」で
久々に「とん平のヘイ・ユー・ブルース」を聴きました。


1973(昭和48)年、
当時中東戦争が勃発し、日本は深刻な石油危機。


「モノ不足が発生する」という噂が日本中に飛びかい、
買いだめ騒動が全国で続発。


消費者がパニック状態になった頃に発売されたこの曲

コミックソングにしてはあまりにもソウルフルで
今の時代に聴いてもちっとも古さを感じず、
歌詞も大不況の今に合っているように気さえします。


当時左とん平が「ヘイユーワッチャネーム?」というネタを
流行させていたのに目をつけた

ミッキー・カーチスがプロデュース。


作詞は郷伍郎、作曲は望月良道。


苦悩、悲哀に満ちた男の叫びのような
ラップ風のソウルソングは後に
筋肉少女帯やお笑いコンビカンニングがカヴァー、
名曲として歌い継がれています。


その左とん平が25年ぶり
2000(平成12)年にリリースした
「ヘイ・ユー・ブルース」に負けない
隠れた名曲があります。


作詞岡田冨美子、作曲杉本眞人


「人間って何だろう?」。


♪ 人間って 何だろう?
失恋するたびに
   おまえは 泣きながら
   星に 訊いていたね
   誰にも わからない
   人間は なぜ生まれるの~


タイトルでドキッとしますが、
人間の本質に迫る歌詞に心を動かされます。


やさしさとせつなさを感じるメロディは
あたたかい温もりを感じます。


しかもなんとなくパワフルで

聴いて歌って心地よい。


この曲がにわかに脚光を浴び始めたのは
やはり杉本眞人への注目が集まる中、
演歌系の歌手がカヴァーし始めたから。


あさみちゆきもその一人でした。


ライブで歌っていたこの曲が
昨年10月に発売された
「あさみのうたⅣ」の中に収録されました。


♪ 神様が決めた この人と
   おまえは結ばれる
   神様が決めた この人が
   おまえの神様になる


神様が決めた運命の人に出逢うために
人は生まれて来るということのようです。


人生はいいこと悪いこといろいろあるけど
そんなときにお互いをしっかりと支え合いなさい
というメッセージも込められているようです。


左とん平の歌唱は年長者の奥深さや
演技者としての味わいがありました。


あさみちゆきは
若さと愛らしさと爽やかさで
とても感動的な曲に仕上げています。


とりあえずカラオケでは
現在左とん平の「人間って何だろう?」が配信されていますが、


あさみちゆきバージョンも
いずれ配信されるものと期待しています。