渡辺真知子を最初に見かけたのは、
横浜のヤマハ。


と言っても横浜西口か日吉かが定かでないけど、
当時は高校生、笑顔の可愛い女の子でした。


「将来有名になる」オーラを
しっかり持っていたように思います。


その頃からシンガーソングライターを
目指していた彼女は
1975年、PIAの名義で
第9回ヤマハポピュラーソングコンテストに出場
「オルゴールの恋唄」で特別賞を受賞しています。


洗足学園短期大学音楽科を卒業後
1977年に自ら作詞作曲した「迷い道」で
鮮烈にデビュー。


この曲が大ヒットし、渡辺真知子の名前を
世間に知らしめました。


そう言えば、今年30周年なんですね。



シンガーソングライターは
テレビに出演して歌わないという
当時の業界の常識を覆して、
よくテレビに出ていました。



一応声楽科出身だし、声量、歌唱力とも
抜きんでていましたので、
いずれ歌手デビューするとは思っていましたが、
デビューが意外とアイドル的だったのでびっくりしました。



ただ、タイミング的にはそれでよかったし、
「迷い道」の楽曲としてのよさ、本人の実力と、
ヒットする要因が揃っていました。



メロディーもインパクトが強く、
「迷い道 く~ねくね~」というフレーズで締める
この曲の詞は、経験の長い作詞家が
書くような詞で二度びっくり。



翌年のNHK紅白歌合戦に
初出場したから三度びっくりでした。
ある意味、後に控えたシンガーソングライターたちの
新たな道筋を彼女がつくったかもしれません。



その後、「かもめが翔んだ日」もヒットさせた後、
リリースしたのが、本日の曲「ブルー」。



渡辺真知子の曲は、
この他にも、「たかが恋」、「エスプレッソでお別れ」
「悲しみを消さない」あたりをよく歌いますが、

やはり、この傑作「ブルー」を
評価する人が多いと思います。



作詞作曲は本人、渡辺真知子。



本人のキャラクターはわりと明るく
いつも元気いっぱいという渡辺真知子の歌は、
この「ブルー」をはじめ、恋愛につまづいた女性の
せつなさがにじみ出るものが多く、
詞を引き立てるメロディがまたいいんです。



「♪ あなたは 優しい目
   だけど とてもブルー
   凍りついて しまうけど~」



曲はボサノバ風に軽めの出だし。



サビは、


「♪ とりとめもない 心
   人はどう いやしてるの
   あなたと 私いつも
   背中合わせの ブルー」


「せな~か あわ~せのブルー~~」


のところでせつなさが頂点に達して
ファルセットになる。



ここがいいですね。



渡辺真知子のすごいところは
30年の間にずっと進化し続けているということ。


大人の雰囲気で、過去の歌も歌う、

ずっといい歌をつくり続ける

シンガーソングライターでありながら、

ジャズやラテンのスタンダードも歌う。


ライブを見たい歌手のひとりです。


最近は、少しゆっくりとしたテンポで歌う
「ブルー」にしても30年を経た彼女の
魅力が十分が伝わる歌唱になっています。



年配の方は
テンポ操作で、少しゆっくり目に歌うと、
さらにいい雰囲気になると思います。


ぜひ、お試しください。