「鉢植えでも桃って育てられるの?」
そんな方の参考になればと思い、この記事では私の実体験をもとにした鉢植え桃栽培のコツをまとめました。
私はこれまでに24種類の果樹を育ててきましたが、桃はその中でも「育てやすいけどトラブルも多い」果樹という印象です。
鉢植えでも十分実を楽しめますが、少しのコツと対策がとても大切になります。
苗選びについて
「1年生苗」→棒状の太い枝が一本だけ伸びている
「2年生苗」→棒状の太い枝からさらに小枝が何本か伸びている
鉢植えで育てる場合は、なるべく背が低く、小枝が左右もしくは三方向に均等に伸びている苗を選ぶのがポイントです。
(あまりに小枝が多い場合は、余計な小枝を根元から切除します)
購入時期は2月頃がベストかと思います。
ちなみに桃は実がなるのが早いので、2年生の苗を買った場合、翌年には実がなる可能性が高いです。
植え付けは冬|土と鉢選びが超重要
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植え付けのタイミングは葉が落ちている冬がベスト。
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2月~3月上旬くらいがオススメ。
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土はホームセンターで売っている「果樹の土」が最も手軽で安定します。
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鉢植えでは土の品質が今後の成長に直結するため、そのへんの適当な土は絶対NG!
■ オススメの鉢:スリット鉢
初心者がやりがちな失敗のひとつに根腐れがありますが、スリット鉢を使えば通気性と排水性がよく、リスクが大幅に減ります。
初めての方ほど、ぜひスリット鉢を選んでください。
鉢のサイズと収穫量のバランス
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10号鉢(直径約30cm):3〜5個の実が期待できる
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8号鉢(直径約24cm):さらにコンパクトに育てたい方向け。2〜3個の実が期待できる
もちろん、もっとたくさん実を付けることもできますが、1つ1つに食べ応えを持たせるには数を絞ったほうがいいです。
肥料は年3回|鉢植えは液肥か化成肥料が◎
鉢植えの場合、土に混ぜ込む有機肥料は扱いにくいため、化成肥料や液体肥料がおすすめです。
■ 肥料を与えるタイミング
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3月:芽吹く前(春のスタートに向けて)
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5月:実が膨らみ始める時期
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9月:収穫後の回復期
■ オススメの肥料
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ハイポネックス(錠剤)
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マグァンプK
水やりのコツ|「乾いたらたっぷり」が正解!
水やりをする上で大事なのは下記の2点!
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土の表面がしっかり乾いてから
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鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水やり
水切れを心配して頻繁に水やりをする方がたまにいますが、土が常に湿った状態になっていると、根腐れのリスクが上がるので注意!
逆に、しっかり乾いた状態を確認してからであれば、水はドバドバあげちゃってOK。
「しっかり乾かす→たっぷり与える」が基本です。
剪定は冬に|「間引き剪定」だけでOK
剪定は葉が落ちた冬の間に行います。
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混みあっている枝を根元から切り落とす「間引き剪定」を中心に。
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桃は「切り返し剪定(途中で枝を切る)」をすると高確率でその枝が枯れるため、避けた方が無難です。
剪定ミスが次年の結果枝に大きく影響するため、特に鉢植えでは慎重に。
実はつきやすいけど「摘果」が必要
品種にもよりますが、桃は花がたくさん咲き人工授粉しなくても勝手に実がつきます。
ただし、そのままでは実が多すぎて1つ1つが小さくなるため、摘果が必要です。
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実がビー玉くらいの大きさに育った頃に、葉っぱ30枚につき1果程度になるように間引きましょう。
害虫・害獣対策に「袋掛け」は必須
私の育てた24種の果樹の中でも、桃はダントツで虫・動物の被害が出やすい果樹でした。
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イモムシ、コガネムシなどによる食害
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地方では夜にハクビシンが実を食べにくることも…
こうした被害を防ぐためには、果実が小さいうちに袋掛けをするのが必須です。
都市部のベランダ栽培なら動物被害は少ないですが、虫対策は必ず行いましょう。
鉢植えの桃は少し小ぶり。でも美味しい
スモモやアンズ、イチジクなどは鉢でも十分な果実サイズになりますが、桃はどうしてもひとまわり小さい印象です。
それでも、甘くてしっかりした味わいの実が収穫できるので、自分で育てる楽しさはひとしおです🍑
まとめ|鉢植えでも桃は十分楽しめる!
桃は実が付きやすく、育てやすい反面、害虫被害が多く対策が欠かせない果樹です。
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冬にスリット鉢+良質な土で植え付け
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剪定は間引き中心、切り返しはNG
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肥料と水やりの基本を守る
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袋掛けで害虫・害獣対策をしっかりと
このあたりをおさえておけば、ベランダや小さな庭でも甘い桃を楽しめます。
これから育ててみたい方の参考になればうれしいです!