【ウクライナに勝利を】ジョンソン下院議長「ロシア領内への米製兵器による攻撃を全面的に支持する」 | 疑うがゆえに知り、知るがゆえに疑う

【ウクライナに勝利を】ジョンソン下院議長「ロシア領内への米製兵器による攻撃を全面的に支持する」



ウクライナ軍による、米製兵器を用いた攻撃を全面的に支持すると表明したジョンソン下院議長。態度が真逆に変わってて嗤うしかないが、全く同感。ここ10日ほど、ウクライナ軍によるナチスロシア軍の撃破報告が目に見えて増加している。ウクライナ軍は、武器さえあればナチスロシアを敗北させることが可能なんだから。もはやクリミアを強奪された頃の貧弱なウクライナ軍ではない。




【ウクライナ空軍、F-16戦闘機の4個飛行隊編成へ ただし一気には実現せず
David Axe

ウクライナ空軍司令部のセルヒー・ホルブツォウ航空部長(准将)はかねて、ロシアがウクライナで拡大した戦争の1000kmにおよぶ戦線の一区域でウクライナ側が航空優勢を確保するには、F-16戦闘機の作戦飛行隊が4個必要だとの認識を示していた。

ウクライナ、ノルウェー、オランダ、デンマーク、ベルギー各国の当局者による1年以上にわたる精力的な外交努力の結果、ホルブツォウは念願の4個飛行隊を編成できる運びになった。

ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は28日、ベルギーから余剰のF-16が30機ウクライナに供与されると発表した。これにより、ウクライナが今夏以降受け取ることになるF-16の総数は85機に増えた。

85機あれば、現在ルーマニアに派遣されているウクライナのF-16訓練部隊(オランダ供与の18機を使用中)に加え、4個飛行隊(各16機配備)をつくることができる。残り3機は、戦闘で不可避の損失を補うための予備に回されると考えられる。

ホルブツォウは昨年5月のインタビューで、戦闘機64機体制の4個飛行隊(米空軍の1個戦闘航空団に相当)があれば、ウクライナは一時的にせよ局所的な航空優勢を達成できるとの考えを示していた。

「作戦全体の立案ということであれば、少なくとも1個飛行隊、つまり最低12〜16機の航空機について話す必要があるでしょう。(中略)少なくとも3〜4個の飛行隊があれば、どこかの方面で航空優勢をとれると思います」(ホルブツォウ)

ウクライナに供与されるF-16は、1980年代に製造され、1990年代後半から2000年代前半にかけてノルウェー、オランダ、デンマーク、ベルギー各国の空軍によって共通規格に改良されたものだ。比較的新しいレーダーを搭載し、さまざまな精密弾薬やジャマー(電波妨害装置)に対応している。

これらのF-16は対レーダーミサイルや衛星誘導の滑空爆弾によって、ロシア軍の防空網を制圧したり、補給線を攻撃したりすることも可能だろう。ただ、ホルブツォウは昨年時点で、AIM-120空対空ミサイルを搭載するF-16について「敵(ロシア軍)に対して、現在、一部の地域で行っている攻撃の完全な放棄を強いることができるでしょう」と述べ、最も重要な目標は空中目標になるとの見方を示している。
ここでの「攻撃」は、ロシア軍が激化させつつあった滑空爆弾作戦を指す。ロシア空軍のSu-30戦闘機、Su-34戦闘爆撃機、Su-35戦闘機は昨年半ばごろから、ウクライナ側で「KAB」と呼ばれている誘導滑空爆弾を最大4発搭載し、ウクライナ軍の陣地やウクライナの都市に向けて最大65km離れた空域から発射している。使用数は月に最大3000発にのぼる。

この滑空爆弾は重量が1t以上あるものもあるとみられ、命中精度は照準点から数十m以内と推測される。ウクライナ軍の第3独立強襲旅団に所属する軍人、イェホル・スハルは「これらの爆弾はどんな陣地も完全に破壊する。建物も構造物もただの穴と化してしまう」と説明している。

ウクライナの調査分析グループ、ディープステートは今年3月、滑空爆弾はロシア軍にとって「ミラクル兵器」になっていると評し、ウクライナ側に「対抗手段はほとんどない」と述べている。ウクライナ空軍が現在75機かそこら運用している旧ソ連製戦闘機は、新型のレーダーや空対空ミサイルを搭載していない。同軍の地対空ミサイルシステムは数が少ないので、すべての都市や軍事拠点を守ることはできない。

F-16がロシア空軍の滑空爆弾搭載機を160km以上離れた空域から攻撃するようになれば、滑空爆弾による爆撃を受けやすい都市や陣地から敵機を遠ざけ、ロシア側のこの強みを初めて損なうことができるかもしれない。

もっとも、そうできるのはF-16が最新型のAIM-120を搭載する場合だけだ。旧型のAIM-120Bの射程は50km程度しかないが、新型のAIM-120Dは160km超にまで伸びている。

米国防総省はウクライナに供与するAIM-120の型式を公表していない。しかしウクライナ空軍のユーリー・イフナト報道官は昨年、「米国はウクライナに射程160〜180kmの(AIM-120)AMRAAM航空ミサイルを供給するだろう」と述べており、AIM-120Dが供与されることを事実上認めている。

4個飛行隊規模のF-16は、戦線のパワーバランスをウクライナ優位に戻す可能性もあるが、いずれにせよそれが一気に起こることはないだろう。F-16は、ウクライナ空軍の老朽化した現有機がオーバーホールされたり、パイロットの訓練を完了したりするのに合わせて、数年かけて少数ずつ導入される方向になっている(編集注:ゼレンスキー大統領によるとベルギーからの30機も2028年までに供与され、今年中に最初分が届くとされる)。

(forbes.com 原文)】


前線のウクライナ軍も、今か今かと待ち焦がれているF16。アメリカも、850機くらいはF16を保有している。やろうと思えば100機程度は供与可能だろう。


【スウェーデン、ウクライナに2千億円の軍事支援 早期警戒管制機も

 スウェーデン政府は29日、ウクライナに133億スウェーデンクローナ(約2千億円)規模の軍事支援をすると発表した。2022年2月にロシアによる全面侵攻が始まって以来、スウェーデンとして最大の支援となる。


 発表によると、今回の支援には「早期警戒管制機」が含まれる。同機がウクライナ軍に導入されることで、空中と海上の双方で遠距離の脅威を識別し、交戦する能力が向上するという。

 スウェーデンは支援によって「自国の防衛能力が一時的に低下することになる」と認めつつ、別の機体を調達することで補うとしている。また、「保有するすべての」装甲兵員輸送車や、155ミリ砲弾もウクライナに送るという。

 ウクライナに供与される兵器をめぐっては、ロシア領内での使用を認めるかについて、欧米諸国の間で見解が分かれている。ただ、スウェーデンメディアによると、ヨンソン国防相は26日、「ウクライナは違法な侵略戦争にさらされており、自国を防衛する権利がある」として、ロシア領内での使用を認めると回答したという。(ロンドン=藤原学思)】




自国のすべての装甲兵員輸送車を送るとか、スウェーデンが頼もしすぎる。ただ、サプライズの早期警戒機の運用は工夫が必要だとか。

 
【スウェーデン、ウクライナに早期警戒機をサプライズ供与 運用は要工夫
David Axe

スウェーデンは29日、ウクライナへの新たな軍事支援を発表した。それにはサプライズの要素があった。供与される兵器に2機のサーブ340早期警戒機(AEW)が含まれていたのだ。

「これを予想していた人は少なかったと思います」。ノルウェー王立空軍士官学校のクヌート・オーラ・ナースタ・ストレム准教授もX(旧ツイッター)にそう書き込んでいる。

スウェーデンのポール・ヨンソン国防相は、上部にレーダーを搭載し、高高度を飛行するサーブ340AEWについて、ウクライナに「空中と海上両方の目標に対する新たな能力」を与えるものになると述べ、ウクライナの「遠距離の目標を識別する能力が強化されるだろう」と続けている。

サーブ340AEWは北大西洋条約機構(NATO)のデータリンク規格「リンク16」にも対応しており、ウクライナ空軍に配備されるF-16戦闘機と安全にデータをやり取りすることもできる。

一方で、早期警戒機は非常に狙われやすい機体でもある。ロシア側では今年初め、全面侵攻の開始時点で8〜9機しか運用されていなかった貴重なA-50早期警戒管制機のうち、2機がウクライナ軍のミサイル攻撃で撃墜された。ウクライナ側はさらにA-50の製造・修理工場も攻撃している。

サーブ340AEWはA-50以上に攻撃を受けやすいかもしれない。ジェットエンジンを4基搭載するA-50が最高速度900km/h、実用上昇限度1万2000mであるのに対し、ターボプロップエンジン2基のサーブ340AEWは最高速度480km/h、実用上昇限度7620mにとどまる。

A-50の搭乗員はウクライナ軍のミサイルをかわすのに苦労した。サーブ340AEWの搭乗員はもっと苦労するかもしれない。ウクライナ側にとってさらに悪いことに、ロシア空軍はこの戦争で最も強力な空対空ミサイルである射程320kmのR-37Mを配備している。

両国の国境付近を飛ぶロシア空軍のMiG-31BM迎撃戦闘機は、R-37Mでウクライナのほぼすべての空域を脅かすことができる。英王立防衛安全保障研究所(RUSI)のジャスティン・ブロンク研究員らは「R-37Mは射程の長さに、MiG-31BMの非常に高い性能と高い運用高度も相まって、ウクライナ軍機を脅かす大きな自由を得ている」と解説している。
R-37Mで武装したロシア軍機がいるために、ウクライナ軍の戦闘機のパイロットが任務を断念し、退避したことは何度もある。注意すべきなのは、鈍重なサーブ340AEWは回避行動もとりにくいという点だ。

早期警戒機はそもそも隠れることができない。早期警戒機は基本的にレーダーのプラットフォームだからだ。レーダーを切っているときは、本来の役目を果たしていないということになる。しかしレーダーを照射している間は、探知しているだけでなく、自機が探知されることにもなる。サーブ340AEWが飛び立つときは常に、ロシア側に捕捉されていると考えるべきだろう。

米空軍が早期警戒任務を早期警戒機から衛星に移しつつあるのも、理由のないことではないのだ。

早期警戒機が狙われやすいからといって、ウクライナ空軍がその無償供与を断るはずもない。とはいえ、ウクライナはサーブ340AEWをすぐに失うのを避けるために、ロシア軍のミサイル攻撃に遭うリスクを軽減する方法を考え出す必要があるだろう。

考えられるのは、たとえば▽あまり頻繁には飛行させず、予測がつかないような運用をする▽レーダーの起動をできるだけ遅くする▽飛行エリアを最も安全なウクライナ西部のポーランドとの国境付近に限定する──といった方法だ。

ウクライナはポーランドを説得して、ポーランドの空域でサーブ340AEWを飛行させてもらうという手もあるかもしれない。その場合、ロシアは攻撃をためらうとみられるからだ。実際、NATOの偵察機は毎日、国境のポーランド側を飛行してロシア軍に関する情報を収集し、ウクライナ側に伝えている。

ポーランド空軍もサーブ340AEWを運用しているので、ウクライナ空軍はポーランドに保守整備の面でも支援を期待できるかもしれない。

(forbes.com 原文)】
 

中国、いや世界最大の監視カメラメーカーのハイクビジョン社に、突然夜逃げ(笑)されたっぽいナチスロシア(笑)。高価値目標を次々撃破され、いよいよマジにクリミアが危うくなってる(笑)。


【ロシア軍が「最新兵器」次々と喪失か ウクライナ東部の「要衝」周辺で激しい戦闘
乗りものニュース編集部

ロシア軍がチャシウ・ヤール方面に最新装備を投入
 防衛省・自衛隊は2024年5月24日、「ロシアによるウクライナ侵略の状況」を発表。その中で、ロシア軍がウクライナ東部のチャシウ・ヤール方面に、最新装備であるT-90M戦車、BMP-3歩兵戦闘車、BMD-4装甲輸送車を投入しているものの、ウクライナ軍の対戦車装備やFPVドローンで排除されているとの見解を示しました。

 チャシウ・ヤールは、ロシア軍が2023年5月に占領したバフムートのすぐ西に位置する高台の街です。ロシア軍は同地の完全占領を目指して攻勢を強めていますが、ウクライナ軍が激しく抵抗しており、攻めあぐねている模様です。

 T-90Mは、「プラルィヴ」(ブレイクスルーの意)という愛称を持ち、出力1130馬力の新型ディーゼルエンジンを搭載。T-90から砲塔形状を一新しており、ロシア軍では最強クラスの戦車です。
 
 BMP-3は、ソ連時代の1987年に正式採用された歩兵戦闘車ですが、ソ連崩壊後も生産が続いています。100mm砲や30mm機関砲、7.62mm機銃など強力な武装が特徴で、100mm砲からは対戦車ミサイルも発射可能です。

 BMD-4は2016年から配備が始まった空中投下が可能な空挺戦闘車両で、BMP-3と同様に100mm砲や30mm機関砲、7.62mm機銃などを備えます。】

常に技術革新を続けるウクライナ軍。そうしないと負けてしまうという必要に迫られているからだが、その甲斐あって、FPVドローン戦では、ナチスロシアを圧倒している。


【ロシアはウクライナとの「FPVドローン戦」に負けている
David Hambling

小型のドローン(無人機)、とりわけ自爆型のFPV(一人称視点)ドローンは、ウクライナで繰り広げられている消耗戦で重要な兵器になっている。北大西洋条約機構(NATO)の当局者は最近フォーリン・ポリシー誌に、ここ数カ月、ロシア軍が被った戦車の損害の3分の2超はFPVドローンによるもので、大砲や誘導ミサイルなどほかの兵器によるものを凌駕していると語っている。双方とも大量のFPVドローンを生産しているが、ここへきてロシア軍のドローン攻撃は失速し、ウクライナ軍のドローン攻撃が急増している。ロシア側が行き詰まった背景には何があるのだろうか?

生産方式の違い
FPVドローンは、小型のレーシング・クワッドコプターを自爆機に改造したもので、20km先の戦車やその他の目標を破壊できる低コストの精密兵器だ。大砲や歩兵陣地、トラックなどに対しても有効であることが証明されている。2023年に入りFPVドローンの使用が増えるにつれて、ロシア軍もウクライナ軍もこの新兵器の重要性を認識し始めた。

ウクライナでドローン向けの資金集めに携わる人は昨年11月、「何度も言ってきたことだがもう一度言う。もし国がいま、この産業(FPVドローンの製造)に大きなリソースを投じなければ、数カ月後に軍の状況は著しく悪化しているだろう」と警鐘を鳴らした。

ロシアでも同年12月、プーチン大統領自身が「高精度弾薬とドローンの生産と供給を大幅に増やす必要がある」と言及している。

FPVドローンは市販の部品などを組み立ててつくられ、総額で500ドル(約7万8000円)もかからない。ウクライナではスタートアップのエスカドローン(Escadrone)やNPO(非営利組織)のワイルド・ホーネッツ(Wild Hornets)など、数十の小規模組織から調達されている。政府は国民に空き時間を利用して自宅でFPVドローンを組み立てることを奨励するイニシアチブも進めており、1万人以上が登録している。

こうしたさまざまな取り組みは実を結んでいるようだ。ウクライナでは昨年12月に約5万機、今年1月と2月には月平均10万機のFPVドローンが製造されたと報告されている。ゼレンスキー大統領は2024年に100万機の生産を目標に掲げており、その達成に向けて順調に進んでいる。
一方、ロシアでは事情が異なる。ロシアでも多くの小規模な事業者が「ウプイリ(吸血鬼)」や「ジョーケル(ジョーカー)」といったFPVドローンを製造しているが、これらのドローンは政府の支援を受けず、資金を寄付に頼っている。ロシアでのドローン生産はウクライナよりも集中化されているとみられ、志願兵部隊が前身のドローン製造スタートアップで、ロシア国防省から資金援助を受けるスドプラトフ・グループが中心を担っている。スドプラトフは昨年12月、FPVドローンを1日あたり1000機生産していると主張し、製造工程などの動画も公開している。

こうした生産方式は、ロシアによるほかのドローンの生産の場合と同様だ。ロシアが主に用いている長距離ドローンはイランで設計された「シャヘド」(ロシア名「ゲラン2」)、戦術攻撃ドローンはカラシニコフ・コンツェルン製の「ランセット」とそれぞれ1種類だけで、シャヘドはロシア国内の生産工場も西部のエラブガの1カ所しかない。対照的に、ウクライナではさまざまなメーカーが長距離ドローンを少なくとも15種類、「ウクライナ版ランセット」とも呼ばれる戦術攻撃ドローンも数種類つくっている。

昨年12月まで、ロシア軍はFPVドローン攻撃をウクライナ軍より多くとまではいかなくても、同数程度は実施しているとみられていたが、FPVドローン戦でどちらが優位に立っているのかは不明だった。

米シンクタンクの海軍分析センター(CNA)と新アメリカ安全保障センター(CNAS)のアドバイザーを務め、ロシアのドローンに詳しいサミュエル・ベンデットによると、「ロシア側でもウクライナ側でも、解説者やブロガーは、敵側のほうがドローンを多く保有しており、運用にも長けていると言うことが多い」という。

ソ連式の集中化は規模の経済性をもたらすが、こうした生産方式には大きな欠点もある。ロシア側のFPVドローンに関する取り組みの効率性が劇的に低下したのも、それが関係しているのかもしれない。

急減したロシア軍のFPVドローン攻撃
OSINT(オープンソース・インテリジェンス)アナリストのDanieleは先ごろ、3月末までの両軍によるFPVドローン攻撃に関する詳細なレポートを発表した。

レポートにはこうある。「2023年12月は【略】歩兵作戦におけるドローンの使用の転換点になった。以後は一貫してウクライナ軍の(FPVドローンによる)攻撃回数がロシア軍を上回っている。ロシア軍による(FPVドローンの)使用は2024年1月に頭打ちとなり、それ以降、減少の一途をたどっている」

レポートによると、昨年12月以降、FPVドローンによる攻撃回数ではウクライナ側のリードが月ごとに拡大している。ウクライナのFPVドローン増産は、戦場でロシア軍の車両や歩兵の損耗拡大という目に見える結果をもたらしている。一方、ロシア側はそうなっていない。

ロシア軍によるウクライナ軍に対するFPVドローン攻撃を記録しているウェブサイト「Lostarmor」によると、攻撃の成功数は昨年12月に605回だったのが、今年2月は887回、3月はわずか227回と急減している。

ロシア軍の車両の損害がウクライナ側よりも多いのは、ロシア軍は攻撃する側で、目標にされる車両が多いからだと説明されてきた。ただしFPVドローンは現在、大量に投入されて個々の歩兵も攻撃するようになっており、こちらもウクライナ側のほうがはるかに頻繁に行っている。

両軍の装備の損害を毎日カウントしているOSINTアナリストのアンドルー・パーペチュアは4月下旬、「わたしたちの集計では、過去数カ月、ロシア軍の歩兵に対するドローン攻撃は1日平均45回、ウクライナ軍の歩兵に対するドローン攻撃は同12回だった」と報告している。
平均すると1回の対人FPV攻撃で1人の損耗が出ている。そして、この数は増加している。

電波妨害戦でも劣勢
ロシア側のFPVドローンに関する取り組みが成果をあげていないらしいことについて、ベンデットは、ウクライナ側によるFPVドローンへの電子対抗手段の有効性が高まっているためではないかとみている。たしかに、これは大きな要因のひとつと考えられる。たとえば最近、ウクライナ政府の募金プラットフォーム「UNITED24」は戦術ジャマー(電波妨害装置)2000台を前線に送っている。他方、ロシア側のジャマーはウクライナ側よりも効果が低いことも明らかになっている。

ウクライナ軍のジャマーがロシア軍のFPVドローンを抑え込んでいるのに、ロシア側の同様の取り組みはなぜうまくいっていないのか。ウクライナでの電子戦に関わっている人たちからよく聞くのは、これはいたちごっこだという話だ。ジャマーは常に更新され、ドローンの通信はジャマーを出し抜くために数カ月ごとに更新する必要がある。米国が供与したスカイディオ(Skydio)製ドローンのように、この競争についていけないものはすぐに使い物にならなくなる。

ロシア軍のFPVドローンもそうだ。

エストニアの軍事ブロガー、WarTranslatedによると、ロシアのある軍事ジャーナリストは3月、スドプラトフのドローンは当初期待がもたれたものの「品質が悪いことが判明した。そのうえ、敵(ウクライナ側)がこのドローンに対する電子戦を始めると【略】このドローンは接近時にひっくり返るようになってしまった」と書いている。

同じジャーナリストは、ウクライナ軍の米国製M1エイブラムス戦車2両を撃破したFPVドローンがスドプラトフ製のものではなく、小規模サプライヤーが手がけ、はるかに数の少ないウプイリと「ピラニヤ(ピラニア)」だったことにも言及している。スドプラトフ製のFPVドローンは「使用した際に落下した」という。

こうした報告は珍しい。というのも、ロシアでは2022年に制定された「ロシア軍の信用を落とす行為」を禁じる法律によって、軍に対する批判や、公式の発表や説明と矛盾する「虚偽の情報」は禁錮刑を含む処罰の対象になるからだ。

WarTranslatedの別の情報源であるロシアの軍事教官も、4月にこの記者と同様の報告をしている。ウクライナ東部バフムート方面で「スドプラトフのドローンはメーカーの指定どおりの周波数で運用されており、敵は首尾よく飛行不能にしている」

この教官によれば、スドプラトフ製ドローンは電波妨害が中断したときにしか機能せず、通常は最初の1機は飛行に成功するが、続く機体はすべて失敗するという。教官は、ドローンの3分の1が離陸できず、離陸したドローンの多くも目標に到達できないなど製造品質の悪さも指摘し、さらにこう続けている。

「スドプラトフ製の攻撃ドローンを軍に大量に配備すれば、軍・政治指導部の目を欺けるだろう。だが実際は、メーカー側によって設定された固定の周波数に敵が迅速に適応したため、これらのドローンの有効性は昨年秋以降、急激に低下し、現在も非常に低いままだ」
ウクライナ側による電波妨害に加え、ロシア軍のFPVドローン操縦士はまた別の問題にも直面している。味方のジャマーだ。

ウクライナ側のFPVドローン攻撃に絶えずさらされているロシア側は、ジャミングの防御をオフにするのに慎重になっている。そして、これはロシア軍のドローン操縦士にとって不運な結果をもたらしている。ニューズウィーク誌は3月、ウクライナ東部アウジーウカ方面ではロシア軍の「FPV(ドローン)部隊と電子戦部隊の連絡がまったくなく」、その結果「多くのドローンが自軍による電子戦で抑え込まれてしまっている」という、ロシアの著名な軍事ブロガー、スビャトスラフ・ゴリコフのコメントを伝えている。

こうした状況は「前線の兵士が、より高い指揮権をもつ部門から来る者に問題を報告することを禁じた直接の命令」(ベンデットが引用しているロシア側の情報源)があるために悪化している。悪いニュースは隠蔽しなくてはならないのだ。

ロシアにとって、これは因果応報とも言えるだろう。腐敗した独裁体制が自らの腐敗の犠牲になっている。ロシアの資金はまたしても、有効な兵器を供給しない請負業者に吸い取られ、もっと有能かもしれない競合相手はコネがないため資金不足に陥っている。

ウクライナも軍需品の調達で汚職問題を抱えるが、その根絶に向けた取り組みはロシアよりもずっと効率的に進められるとみられる。ウクライナは自由な企業によるイノベーションの文化が盛んで、ドローンに関しても健全な競争のある多様なエコシステムが生まれている。この違いこそ、小型ドローンの軍拡競争でウクライナ側が着実にリードしている理由だろう。

もちろん、FPVドローンだけで戦争に勝つことはできない。それでも、ウクライナはロシアの車両生産を上回るスピードでFPVドローンを生産でき、それを使ってロシア軍をじわじわと蝕んでいる。その数が百万単位に増えるにつれて、効果はどんどん大きくなっていくだろう。FPVドローン1機で平均1人の損耗が出ているとすれば、FPVドローンが100万機使われれば確実に大きな影響をおよぼすはずだ。

(forbes.com 原文)】

ウクライナに勝利を。ウクライナ軍に栄光あれ。ウクライナに自由と正義と真の平和を。