【ウクライナに勝利を】クリミア拠点のナチスロシアミサイル艦全滅 | 疑うがゆえに知り、知るがゆえに疑う

【ウクライナに勝利を】クリミア拠点のナチスロシアミサイル艦全滅




セバストポリから逃げたしたナチスロシア黒海艦隊、ついに、黒海艦隊のミサイル艦全てを失う。にしても、ATACMSおそるべし。


【クリミア拠点の露ミサイル艦、全滅か ウクライナ、「最後の1隻」の撃破発表

ウクライナ軍参謀本部は21日、ロシアの実効支配下にあるウクライナ南部クリミア半島南端のセバストポリで、露ミサイル艦「ツィクロン」を撃破したと発表した。ウクライナメディアによると、同国軍のプレテンチュク報道官は「ツィクロンの撃破でクリミアを拠点に活動していた露ミサイル艦はゼロになった」との見方を示した。

セバストポリは露黒海艦隊の本拠地。一部の露メディアもこれに先立ち、セバストポリに係留されていたツィクロンが、米国からウクライナに供与された長射程ミサイル「ATACMS」3発による攻撃を受け、撃沈されたとする消息筋の話を伝えていた。

露国防省は21日時点でツィクロンの状況について言及していない。

同報道官によると、ロシアは黒海海域に最大10隻のミサイル艦をなお保持しているが、いずれもクリミアではなく、露南部ノボロシースクなどに配備しているという。

ウクライナはロシアの侵略以降、ミサイルや水上ドローン(無人艇)攻撃で黒海艦隊旗艦「モスクワ」を含む露軍艦艇を相次いで撃沈。今年2月時点で、侵略開始前に70隻超で編成されていた黒海艦隊の約3分の1を無力化したと報告していた。

ウクライナの艦艇攻撃の狙いは、露海軍による自国へのミサイル攻撃の脅威を減らすとともに、露軍の兵站を困難にして地上部隊を支援することだとみられている。】


ハルキウに侵攻したナチスロシア軍部隊は押さえ込まれたっぽいが、東部の状況はかなり厳しいのは変わらないとか。はやく米欧の支援が行き渡りますように。

 

【ロシア軍の車両不足がますます深刻化 70年前の軽装甲車両で無謀な突撃
David Axe

1950年代に開発され、防護の薄いBTR-50装甲兵員輸送車は、ロシア軍がウクライナ軍の陣地に対する直接攻撃に用いている車両のなかで、最もひどい代物ではないにしても、おそらく最も古いものだろう。

最もひどくはないと言えるのは、たとえばゴルフカートのような前後左右吹き抜けの中国製の新しい車両よりは、たとえ厚さ10mmでも装甲のある車両に乗り込んで移動するほうが、ロシア兵にとってまだ安全だろうからだ。とはいえ、ロシアのウクライナに対する全面戦争が2年4カ月目に入ろうとするなか、ウクライナ東部の戦場でBTR-50の出番が増えているというのは、やはりロシア側にとって不吉なことである。

ウクライナの調査分析グループであるフロンテリジェンス・インサイトは「戦車のような相応の戦闘車両を完全に装備する機械化部隊がなければ、防御を迅速かつ決定的に突破することは非常に難しいだろう」と解説している。そのうえで「ロシア側はこうした制約があるために、前進は遅く限定的なものになり、全体の進捗も妨げられる公算が大きい」と予想している。

BTR-50はディーゼルエンジンを搭載し、無限軌道(キャタピラ)を履いた重量14.5tほどの装甲車両で、乗員2人のほか、兵員最大20人が乗り込める。通常、重機関銃を装備する。

BTR-50は1950年代初めにソ連で開発され、1954年に就役してから12年にわたってソ連軍の主力戦闘車両だった。乗員はBTR-50で歩兵部隊などを戦場に運び、防護しながら下車させ、その後兵士たちを機関銃で支援した。

ただ、BTR-50は1960年代の基準ですら軽武装で軽装甲だった。そのため、より重く、より重武装のBMP-1歩兵戦闘車が1966年に導入され、数千両のBTR-50は第二線の部隊に回された。これらのBTR-50は砲兵や工兵、対空砲などを運ぶのに使われたが、その役割ものちにMT-LB装甲牽引車が担うようになった。

今日のロシア軍も、もともとはBTR-5をほとんど使っていなかった。だが、2022年2月のウクライナ全面侵攻後1年3カ月ほどたった頃から、ロシア軍がウクライナで月に失う近代的な装甲車両の数は、新規生産や1980年代製以降の比較的新しい保管車両の改修による補充分を上回るようになった。

ロシアはやむを得ず、2023年初め、屋外で保管していたBTR-50を再利用し始めた。ロシア軍の指揮官たちも、さすがに当初はBTR-50を前線には投入せず、後方の支援任務に振り向けていた。しかし2023年末になると、BTR-50はウクライナ東部の突撃部隊の間に姿を見せ始めた。

それから半年の間に、ロシア軍はBTR-50を少なくとも5両戦闘で失ったことが、オランダのOSINT(オープンソース・インテリジェンス)分析サイト「オリックス(Oryx)」のアナリストによって確認されている。うち1両は19日かその少し前、ドネツク州ノボミハイリウカの西にあるウクライナ側の防御線を攻撃した際、ジャベリン対戦車ミサイルの直撃を受けた。

この方面の防御線を維持する第79独立空中強襲旅団の対戦車ミサイル兵は、血に飢えていることで有名だ。第79旅団に対しては、厚さ数百mmの装甲を備えるT-72戦車を送り込むのでさえ危険だろう。まして、わずか10mmという薄い装甲のBTR-50を送り込むのは自殺も同然だ。

BTR-50による破滅的な突撃は、ロシア軍の抱えるより広範な問題を浮き彫りにしている。ウクライナには、米国と欧州から数百億ドル規模の新たな軍事援助の一部が届き始めている。ロシア側はこうした援助が到着する前に少しでも多くウクライナの領土を奪うつもりだったのか、2週間ほど前、ウクライナ北東部の国境を越えて南進し、新たな攻勢に乗り出した。

ロシアとの国境から40kmしか離れていないウクライナ第2の都市、ハルキウを最終目標に据えている可能性もあるこの攻勢で、ロシア軍は当初、国境沿いでいくつかの村を一気に制圧した。しかしその後、米国から届いた新たな砲弾を発射するウクライナ軍の機械化旅団の壁に阻まれた。

ロシア軍がウクライナ南部での陣地戦と並行して、東部と北東部で攻勢を継続するのは困難だということが明らかになった。フロンテリジェンス・インサイトによれば、北東部でロシア軍が大きな前進を遂げるには「大量の車両」が必要になる。だが、ロシアは毎月数万人の新兵を動員しているものの、これらの兵士に十分な近代的な車両をあてがうことはできていない。

BTR-50は、博物館から直接引っ張り出したようなものを除けば、ロシア軍で最も古い戦闘車両である。防護も、ゴルフカートのようなデザートクロス1000-3全地形対応車に比べれば多少はましという程度だ。BTR-50で突撃しているところをウクライナ軍の対戦車ミサイル部隊に見つけられるというのは、老朽化した70年物の車両の乗員や兵員にとって非常にまずい事態になるだけではない。それは、ロシアの戦争努力全体にとってもゆゆしい問題があらわになるということでもある。

(forbes.com 原文)】


ウクライナ軍のドローンに地雷をばら蒔かれ、動きが止まったところに、対戦車ミサイルなり自爆ドローンの直撃をうけ、屍の山を築くナチスロシア軍。自軍の窮状を訴えるまともな将校を解任したあげく逮捕するとか、こいつら、本気でウクライナに勝つつもりがあるのか?。ポポフ少将の敵は、ウクライナではなかった件。
 
 

【ようやくロシア戦闘機と戦える…! 間もなく誕生「F-16ウクライナ仕様」で戦況が激変するワケ
関 賢太郎(航空軍事評論家)

古くなってもアップデートされていれば性能は上
 
 ロシアによるウクライナへの侵略戦争は2年以上にも及んでいるものの、いまだ終わりの兆しが見えません。そのような中、まもなくウクライナが長きにわたり待ち望んでいたF-16「ファイティングファルコン」戦闘機の配備が始まろうとしています。

 ウクライナ空軍は、これまで旧ソ連製のMiG-29「フルクラム」やSu-27「フランカー」といった戦闘機も少ないとはいえ保有していましたが、防空の主力は各種地対空ミサイルシステムでした。しかしF-16の導入によって今後、ウクライナ空軍は改めて戦闘機による領空防衛が行えるようになるでしょう。

 では、従来のMiG-29やSu-27といった戦闘機と、アメリカ製のF-16では何が違うのでしょうか。

 MiG-29やSu-27が開発された時期はいずれも1980年代ころです。飛行性能こそ現代的な水準にありますが、搭載するレーダーシステムなどは陳腐化しており、新型機と比べると劣勢は否めない状況にあります。

 一方、ウクライナ空軍へ引き渡される予定のF-16は、オランダならびにデンマーク両国の空軍に配備されていた中古機で、年式だけで見るとMiG-29やSu-27よりもさらに10年古い機種です。

 しかし、これらはMLU(中期アップデート)プログラムと呼ばれる寿命延長・近代化改修を受けているため、2024年現在もアメリカ空軍など世界中で数的主力を担うF-16ブロック50と呼ばれるタイプと同等までに性能が引き上げられており、最新鋭とは言えないものの十分に戦える性能を有しています。そのため、MiG-29やSu-27よりも古いものの性能は格段に上だと言えるでしょう。

搭載可能なミサイルの性能差が圧倒的
 
 MLUプログラムが適用された近代改修型は「F-16AM」と呼ばれます。このF-16AMはMiG-29やSu-27に比べて具体的にどのように強いのか。最も空中戦能力に大きな影響を与えると見られる違いが、AIM-120「アムラーム」中射程空対空ミサイルを搭載できるという点です。

「アムラーム」ミサイルは、タイプによるものの約100kmの射距離を有していると推測されます。また、ミサイル本体に照準用レーダーが搭載されており、ミサイル自身が敵をレーダーロックオンし、発射後はF-16AMの助けを必ずしも必要としない「撃ちっ放し」と呼ばれる自律誘導が可能です。こうした誘導方式を「アクティブレーダー誘導」と呼びます。

ウクライナには西側製の地対空ミサイルも数多く供与されている。

 一方、MiG-29やSu-27が搭載するR-27空対空ミサイルは射距離こそ「アムラーム」に匹敵するものの、ミサイル本体にはレーダーがありません。そのためR-27を発射した戦闘機は常に相手を自機のレーダーでロックオンし続け、命中までミサイルを誘導する必要があります。こうした誘導方式を「セミアクティブレーダー誘導」と呼びます。

 現代の戦闘機による空中戦は、ミサイルの性能が戦闘機の機動性をはるかに凌駕するため、「相手の射距離に入る=撃墜される」という厳しい状況にあります。

F-16の運用開始でようやくロシア空軍と対等に
 セミアクティブレーダー誘導の空対空ミサイルを相手に命中させるためには、相手の射距離に入る覚悟を持った上で、命中までミサイルを誘導してやらねばならないという大きなリスクを抱える必要があります。

 それに対し、「アムラーム」を含むアクティブレーダー誘導の空対空ミサイルなら、発射後は早期に相手の射程圏外に逃げることが可能なので、こういった撃ちっ放し空対空ミサイルは、現代戦闘機の必需品と言えるまでになっています。

ウクライナ空軍にF-16が供与されるのは2024年夏の予定
 
 ロシア空軍の主力戦闘機であるSu-35SやSu-30SMなどは、「アムラーム」とほぼ同等の性能を持つといわれるR-77「RVV-AE」空対空ミサイルを搭載しているため、R-27しか持たないウクライナ空軍のMiG-29やSu-27では太刀打ちできません。そのため、F-16AMによってはじめて対等に戦えるようになるといえるでしょう。

「RVV-AE」を搭載したSu-35Sと、「アムラーム」を搭載したF-16AMの戦いは、戦闘機やミサイルの性能だけではなく、状況認識を得るためのデータリンク・ネットワークや、パイロットが実行する戦術など、さまざまな要素によって決まることは間違いありません。

 それらを鑑みると、ウクライナがF-16を本格的に前線で使用するようになった場合、航空優勢を確保しようと双方の戦闘機による空中戦が激化すると予想されます。】


パイロットと同じく重要な存在である、整備士の訓練も終了しているもよう。


【ウクライナ、単一弾頭の新型ATACMSも入手か クリミアの掃海艇撃沈が示唆
David Axe

ウクライナはロシア海軍黒海艦隊の軍艦をまた1隻撃沈した。

ウクライナ軍参謀本部やウクライナ海軍によると、18日から19日にかけての夜、前線から南へ240kmほど離れたロシア占領下クリミアのセバストポリ港を攻撃し、黒海艦隊の掃海艇「コブロベツ」を撃沈した。通信アプリ「テレグラム」のロシア側の複数のチャンネルもこの損失を認めている。

「ロシア黒海艦隊にとって再び悪い日になった」。ウクライナ国防省はそう皮肉っている。

ロシアがウクライナに対する戦争を拡大して以来、2年3カ月にわたる激しい戦闘で、ウクライナ側は戦争拡大前におよそ35隻あった黒海艦隊の大型艦のうち、十数隻を撃沈したり大破させたりしてきた。したがって、黒海艦隊に所属する掃海艇2隻の一隻で全長61mのコブロベツの損失自体は、もはやそれほど注目すべきことではない。

むしろ注目すべきは、ウクライナ側がコブロベツを撃沈した方法である。ロシア側の情報源によれば、今回の攻撃はATACMS弾道ミサイル2発によるものだった。

発射重量1500kg前後の地上発射型ミサイルであるATACMSは、地上の目標に対する攻撃に使われるのが普通だ。通常、艦艇に対する攻撃に使われないのには理由がある。基本的に慣性誘導されるATACMSの命中精度は、多くの情報源によると目標から約9m以内とされ、大型弾頭1発で確実に艦艇を沈めるには不十分なのだ。

ウクライナはこれまでに、米国からATACMSを少なくとも2回にわたって合計で120発以上受け取っている。それには射程165kmのM39型のほか、射程300kmのM-39A1型が含まれていた。両タイプは空中で炸裂して擲弾(てきだん)サイズの子弾を数百個〜1000個近くばらまくので、命中精度の低さはある程度相殺される。

ただ、M39やM-39A1で艦艇を攻撃した場合、飛散する子弾は艦艇の上面に損害を与えることはできても、艦艇を沈めることはおそらく無理だろう。沈めるには艦体(ハル)を破壊する必要があるからだ。
コブロベツに対する攻撃に使われたのが実際にATACMSだったとすれば、2つのことが考えられる。

1. ウクライナは子弾搭載型のM39とM-39A1のほかに、それぞれ210kgの単一弾頭を搭載するM48型(射程270km)やM57型(射程300km)のATACMSも密かに受け取っていた

2. M48やM57は一般に想定されている以上に命中精度が高い

もしこの通りなら、意味するところは重大だ。まず、M39A1、M48、M57の射程圏内であるセバストポリに停泊する黒海艦隊の生き残っている軍艦も、非常に大きな危険にさらされていることになる。英スコットランドのセントアンドルーズ大学のフィリップス・オブライエン教授(戦略研究)は「ATACMSでセバストポリのロシアの軍艦も除去できるのなら、この基地はロシアにとってほとんど使い物にならなくなるのではないか」と述べている。

セバストポリや近郊のベルベク飛行場を守っているS-400長距離地対地ミサイルシステムはATACMSの迎撃に失敗しており、このシステム自体もよく被害を受けている。ポルトガルの軍事コンサルタント、ヌーノ・フェリックスは「ロシア軍にはATACMSに対処する能力がほとんどない」と指摘する。

単一弾頭型で命中精度の高いATACMSはさらに、ロシア南部とクリミアをつなぐケルチ橋にとっても深刻な脅威になりそうだ。ノルウェーのオスロ大学で核兵器問題に関するプロジェクトに携わるファビアン・ホフマン研究員は、M48やM57によってこれほどの精度で攻撃できるのなら、ケルチ橋も「実行可能な攻撃目標」になるだろうと言及している。

たしかに、現在はロシア占領下のウクライナ南部を通ってクリミアに延びる鉄道が開通しており、ロシア軍のクリミアへの補給路はケルチ橋経由のものだけではない。だが、ウクライナ側はこの鉄道路線を遮断し、ケルチ橋も落とせば、ロシア軍のクリミア駐留部隊への補給を断つことができる。

フェリックスはATACMSについて「この戦争で鍵を握る土地、クリミアを防御できない場所にするという重大な変化をもたらす」とも書いている。掃海艇の撃沈はウクライナ側にとって、もはやおまけ程度のものかもしれない。

(forbes.com 原文)】

ナチスロシア軍が、A50やS400の穴埋めに前線にだしたであろう、ミグ31二機まで破壊され、いよいよクリミアの防空網は穴だらけ。面白いように、亜音速の巡航ミサイルストームシャドーを喰らってるナチスロシア軍。
 

【ロシア・ウクライナ、一夜に大規模ドローン攻撃応酬 露石油精製工場が稼働停止

ロシア国防省は19日、18~19日にかけた夜間に露領土などを標的としたウクライナ軍の大規模なミサイル・ドローン(無人機)攻撃があり、多数を撃墜したと主張した。インタファクス通信によると、この攻撃で露南部クラスノダール地方の石油精製工場が稼働を停止した。稼働再開時期は未定だという。

露国防省によると、ロシアの実効支配下にあるウクライナ南部クリミア半島上空で、ウクライナ軍が発射した長射程ミサイル「ATACMS」9発とドローン1機を撃墜。露南部ベルゴロド州とクラスノダール地方でもドローン計60機を撃墜・無力化したとした。

一方、ウクライナ空軍のオレシチュク司令官は19日、18~19日の夜間に露軍がウクライナ各地にドローン37機を発射したが、全て撃墜したと発表した。また、ウクライナ軍参謀本部は19日、露海軍の掃海艇「コブロベツ」を撃破したと発表した。撃破の詳細は不明。

ウクライナメディアによると、東部ハリコフ州が19日、露軍の砲撃を受け、市民5人が死亡、15人が負傷した。】


まもなく、ウクライナ空軍にF 16がお目見えする。ここまで本当に長かった。ようやく、ナチスロシアと対等に戦えるウクライナ軍。


 【「ロシア系住民も、『解放』なんて望んでいない」...ジャーナリストがウクライナ国境で目にした、残酷すぎる「侵攻の現実」
マリーナ・オフシャンニコワ

「NO WAR 戦争をやめろ、プロパガンダを信じるな」...ウクライナ戦争勃発後モスクワの政府系テレビ局のニュース番組に乱入し、反戦ポスターを掲げたロシア人女性、マリーナ・オフシャンニコワ。その日を境に彼女はロシア当局に徹底的に追い回され、近親者を含む国内多数派からの糾弾の対象となり、危険と隣り合わせの中ジャーナリズムの戦いに身を投じることになった。

ロシアを代表するテレビ局のニュースディレクターとして何不自由ない生活を送っていた彼女が、人生の全てを投げ出して抗議行動に走った理由は一体何だったのか。

長年政府系メディアでプロパガンダに加担せざるを得なかったオフシャンニコワが目の当たりにしてきたロシアメディアの「リアル」と、決死の国外脱出へ至るその後の戦いを、『2022年のモスクワで、反戦を訴える』(マリーナ・オフシャンニコワ著)より抜粋してお届けする。

『2022年のモスクワで、反戦を訴える』連載第14回

『「あの男に見覚えがある」...当局に追われるジャーナリストが経験した、ヤバすぎる「身の危険」』より続く

戦火の広がるウクライナ
翌朝、クルマに乗り、ウクライナ国境へ向かった。ピーターは集中してナビを見ていた。わたしは携帯のニュースをスクロールしていた。後部座席に座った2人の同僚はドイツ語で何か話していた。

道の両側を畑と、ポツンと見える村々が過ぎて行った。モルドヴァはヨーロッパの最貧国とされている。行く手を牛の群れが横切っていた。わたしたちは牛が反対側に渡りきるのをじっと待った。

「そうだ、トランスニストリアで爆発があったのは見ましたか?」ピーターがきいた。「どうやらロシアは第2戦線を開きたいようです」

「ええ、見ました。ここからトランスニストリアとの境界まではどのくらい?」

「クルマで一時間ほどです。でもあっちには行けません。あそこの飛び地はロシアの管轄下ですから」

「そうね。あなたはイギリス人だから間違いなく捕虜にされるわね」

「あなたも逮捕されますよ」

「トランスニストリアでも逮捕か。ロシアでも逮捕されるし、ウクライナには入れてもらえないし。ねえ、あなたたちはわたしの代わりにキーウに行ってくれる?」冗談で『ヴェルト』の仲間にきいた。

「鳩も猫も食べた」避難民の語った地獄
「いやですね。どんなにカネを積まれても行きません。家族がありますから。家族の元へ帰らなきゃならないんですよ」ドイツ人の一人が真剣に答えた。「先月、ブレント・ルノーというアメリカ人ジャーナリストが死にました。昨日、中国人ジャーナリストが銃撃されたのは見ましたか?血も凍るような映像です」

横を向き、黙って道路を見た。窓の外には白いテントが張られた畑が続いていた。

「停めて」わたしはピーターに言った。

テント村ではマリウポリから来た家族と出会った。ロシア軍は事実上地表から町を消し去ってしまった。

30歳くらいの若い男性は、妻と娘を脇へ連れて行ってからこちらに戻ってきた。その視線のせいでわたしは不安になった。その眼は虚ろだった。

「隣人を花壇に埋葬したんです。ハトも猫も食べました。水も電灯も、何もありませんでした。大人の男のわたしが、生まれて初めて泣きました。あの地獄から抜け出たことは、今でも信じられません。

わたしたちは5人で一つのクルマに乗っていたんですが、町を出る際に、ロシア兵に止められて留め置かれ、真っ裸にされて、その後、解放されたんです。ウクライナをクルマで横断したことになります。ここの国境では、わたしたちがマリウポリから来たとわかると、何もきかずに通してくれました。本当は18歳から60歳までの男は通してくれないんです。戒厳令ですから。でもわたしたちを例外扱いしてくれました」

男性は脇へ去った。これ以上話す気力がないのだ。

改めて突きつけられた「戦争」という現実
キシナウへの帰り道、わたしたちは無言だった。わたしは沈黙を破ることにした。

「ねえ、みんな、今日わたしがインタビューした避難民は全員、こちらの質問にきれいなロシア語で答えていたでしょう?

ウクライナでは彼らの権利は侵害されていないのよ。あの人たちがプーチンに解放してくれと頼んだわけじゃないんだわ。彼らは〈ルースキー・ミール(ロシアのこと)〉が欲しいなんて思っていないし、ただ自由で独立した国に住みたいだけなんです」

「その代わり〈ルースキー・ミール〉のほうから彼らのところにやって来た、ってわけだ」皮肉交じりにピーターが言った。

「そして彼らを住宅や財産から解放した」わたしが付け足した。「ロシア人はロクな暮らしをしていないから、他国の人にもまともな生活はさせない、ということね。あなたたちはロシアに行ったこと、ある?モスクワから100キロも離れれば、惨憺たる貧しさよ。3000万ものロシア人が下水道もなく暮らしている。トイレは屋外。国は基本的な生活設備さえ保証できず、人びとは木製のバラックに住んでいるの。設備の整った普通の家を建てる代わりに、ロシアはウクライナ人の家を破壊しているのよ」

ピーターはホテルの脇に駐車した。わたしは急いでいた。モルドヴァからの特別リポートを編集してベルリンに送らなければならなかった。

わたしは翌日ドイツへ発つ予定だった。ピーターは別の記者の警護でキエフに行くことになっていた。キシナウにこれ以上とどまる意味はなかった。結局、ウクライナの記者登録証を取ることはできなかった。】


>モスクワから100キロも離れれば、惨憺たる貧しさよ。3000万ものロシア人が下水道もなく暮らしている。トイレは屋外。国は基本的な生活設備さえ保証できず、人びとは木製のバラックに住んでいるの


誰も否定しようがない事実。文明レベルは、アメリカのスラム街より下。資源大国なのに、これほど規模の貧しさが全く改善されない理由は、プーチン帝国の統治が間違っているからに他ならない。だから、心あるロシア人は、ウクライナに味方し、ロシア軍と戦っている。シベリア大隊、ロシア義勇軍、自由ロシア軍団。ベラルーシやチェチェンの反政府組織、各国からの義勇兵、ナチスロシアの占領下で、尋常で内危険を犯して戦う勇気あるパルチザン達も。

ウクライナに勝利を。ウクライナ軍に栄光あれ。ウクライナに自由と正義と真の平和を。