【ウクライナに勝利を】ウクライナ軍兵士「俺だよ俺!!。ちょっと戦車について教えてよ!!」 | 疑うがゆえに知り、知るがゆえに疑う

【ウクライナに勝利を】ウクライナ軍兵士「俺だよ俺!!。ちょっと戦車について教えてよ!!」





さすがはウクライナ軍兵士(笑)。大胆不敵、豪胆。ユーモアたっぷりにやってくれた(笑)。



【ウクライナ兵士、鹵獲した戦車の不調についてロシア製造元に「苦情」

David Axe


ロシアがウクライナに侵攻してから20カ月の間に、ウクライナ軍はロシア軍のT-72B3戦車を200両ほど鹵獲(ろかく)した。


ロシアの軍需企業ウラルヴァゴンザヴォートが同国スベルドロフスク州ニジニ・タギルで製造しているT-72B3はロシアの新型戦車の1つだ。T-64BVやT-80U、T-72AMTなどとは異なり、ウクライナの産業界にはこの種の戦車を扱った経験があまりない。


そのため、鹵獲したロシア軍のT-72B3に問題が発生したとき、ウクライナ側ですぐに解決できず、「コチェフニク」というコールサインを持つウクライナ軍の戦車兵はウラルヴァゴンザヴォートの技術相談窓口に電話した。そして信じられないことに、その電話相談サービスは実際に役に立った。


ウクライナの軍事サイトMilitarnyiはコチェフニクが電話相談をする様子を映像に収めた。


コチェフニクはウクライナ東部のクラマトルスク周辺で戦うウクライナ軍第54機械化旅団に所属している。同旅団はT-64戦車やBMP歩兵戦闘車など、主に旧ソ連時代の装備を運用し、また鹵獲したロシア軍のT-72B3もいくらか所有している。


コチェフニクの電話はほぼ相手をからかうものだった。だが、重量45トン、乗員3人のT-72B3に対して本当に不満だった。T-72B3はオイルを垂れ流し、コンプレッサーは機能していなかった。電動で回転するはずの砲塔は故障続きで、そのため乗員は手動で回転させなければならなかった。


どんな戦車でも動作が不安定なことはあるものだが、コチェフニクが対処していた故障の数々は、ウラルヴァゴンザボードの製品の品質に一貫性がないことを物語っているのかもしれない。


電話に出たアレクサンドル・アナトレビッチというロシア人は、コチェフニクがウクライナ軍の兵士であることに明らかに気づいていなかったが、ニジニ・タギルの設計局に問題を提起すると約束。また、チェリャビンスクのエンジン製造会社にも連絡すると言った。


その後もコチェフニクのいたずらは続き、ウラルヴァゴンザボードのディレクター、アンドレイ・アバクモフとも話をした。アバクモフはコチェフニクにメッセンジャーアプリのWhatsAppで戦車の問題を詳しく説明するよう頼んだ。


そのときになって、コチェフニクは自身がウクライナ人であり、自らが所属する軍隊が昨年末にウクライナ東部イジウム周辺で故障の多いT-72を鹵獲したことを明かした。そしてコチェフニクは笑いながら電話を切った。


(forbes.com 原文)】


見事にだまされたロシアのサポートセンター(笑)。ウクライナ軍からの、前代未聞のオレオレ詐欺にひっかかり、必要なサポートを与えたロシア人(笑)。電話を切られた後、彼が行方不明になったかどうかは定かではない(笑)。アルメニアでは、ついに国際刑事裁判所条約に加盟決定(笑)。全部ロシアの自業自得だがな。

 


【アルメニア、国際刑事裁に加盟 親ロ国で異例、ナゴルノ紛争背景

時事通信社


 旧ソ連構成国アルメニアの議会は3日、国際刑事裁判所(ICC)への加盟を決めた。既にICC設立条約に署名しており、今回、議会が批准法案を最終的に可決した。ICCは今年3月、ウクライナ侵攻に絡んでロシアのプーチン大統領に逮捕状を発付しており、親ロシア国家としては異例の対応だ。


 野党が反対する中、与党の賛成多数で可決した。プーチン氏がアルメニアを訪問した場合、同国には理論上、逮捕する義務が発生する。ロシア外務省は9月下旬、「最も悪い影響を及ぼす」と警告していた。】



アゼルバイジャンを優先し、アルメニアを見捨て冷遇するからこうなる。そんなロシアだが、短期的には経済は好調。ただし、対ドルで、1ドル100ルーブルを割り込んだし、これはクリミア侵略開始前の3分の1程度。金利引き上げ効果は薄い。



【ロシア経済、短期的には戦争特需、長期的にはイラン化 ロシアを代表する有識者16人とのホンネの議論

西谷公明(エコノミスト)


したたかなロシア経済、将来はイランのようになる

9月11日から14日まで4日間、現代ロシアを代表する有識者16人と、オンラインで会見した。


ウクライナはロシアに勝てるのか?~戦時の経済力が違いすぎる


経済では、元ロシア中銀エコノミストのA.プロコペンコさん、石油・ガス業界コンサルタントのM.ベローヴァさん、モスクワ大学地理学部教授のN.ズバレヴィッチさんが会談に応じた。ロシアがウクライナに対しておこなう「軍事作戦」(プーチン政権はそう呼ぶ)を否定的にみていることは、言葉の端々に窺えた(もちろん、口には出さない)。


3人の見立てをまとめると、どうやら戦争が特需になり、ロシア経済は投資と消費の両面ですこぶる景気がいいらしい。むしろ加熱気味で、それを抑えるために政策金利を上げているということのようだ。


戦争特需がもたらす好景気

2022年のロシアの実質GDP(国内総生産)成長率は、侵攻開始後しばらくは前年比10%を超えるマイナスが避けられないとみられていた。けれども、数カ月後には持ち直し、結局は2.1%のマイナスに止まった。


23年の見通しを、IMF(国際通貨基金)は四半期ごとのアップデートで塗り替えてきた。1月時点のプラス0.3%から4月のプラス0.7%へ、さらに7月にはプラス1.5%へ。まもなく発表される10月改訂では、プラス2%前後の成長に上方修正されるだろう(なんとG7よりも高い!)。


財政から軍事セクターへの投融資増により、産業界の軍需シフトが急速に進んだ。その結果、23年上半期には機械、金属(兵器部材)、兵器・防衛、エレクトロニクス、建設、運輸、衣料(軍服)など幅広い分野で、前年同期比で二桁成長を記録。工場では3交代、4直もおこなわれているという。


人手不足に対処するため、企業は賃金を引き上げて他産業からの移転を促した。なかには賃金が2倍に跳ね上がったケースもあるそうだ。インフレ率を考慮した実質賃金は、23年上半期に前年同期比で10%も上昇した。私が以前勤務していたロシアの日本企業でも、23年9月の撤退表明後、多くの従業員が高額給料で軍需産業へ転職したと聞く。


また、政府は子供を持つ家庭への所得補助もおこなっている(23年予算は1兆5000億ルーブル≒約2兆3000億円)。軍人や兵士に対する手厚い給料(地方都市における月給の数倍)、戦傷者に対する補償(年収以上)もあって、動員がおこなわれた地方(つまり、政権の支持基盤である)を中心に、所得が上昇した。年金もインフレ率に応じて引き上げられる。


その結果、一人当たり所得は、インフレ率を上回る実質ベースで上昇した。それが消費を支え、小売業の売上高も伸び、外食産業のそれは23年上半期に14%も伸びた。会見で、N.ズバレヴィッチさんは統計数字をあげて坦々と述べた。


石油収入は前年を上回る?

バラマキによる財政赤字の拡大を危ぶむ声もある。だが、いまのところ、それも巧みにハンドリングされているようだ。


ロシアに対する石油の禁輸と、輸出価格に対する上限キャップ(60ドル/バレル以下)が効を奏し、ロシア政府の石油・ガス収入は23年上半期に前年同期比でほぼ半減した。


しかし、それも最近では様相が異なる。中国やインドが輸入を増やしたことはいまや周知の事実だが、世界的な油価高騰の折から(ロシアを含むOPEC+は年末までの減産継続で合意)、ロシア産原油は現実に80ドル/バレル超の高値で取引きされている(WSJ, 9/29)。M.ベローヴァさんは、輸出価格の上限キャップには違反、勧告を回避する方法があると打ち明けた。その結果、制裁にもかかわらず、23年の石油収入は前年を上回る見通しだという。


石油の輸出収入が減らないなかで、金融・財政当局はルーブル・レートを下げることにより、財政収支の改善に成功している。財政赤字は年末までにGDP比2%以内に収まりそうだ。資源輸出が可能にする財政運営の妙技と言ってよい。


付言すれば、EU(欧州連合)は27年までにロシア産天然ガスへの依存をなくす方針だが(現実には海底パイプラインが爆破されて輸入できない)、LNG(液化天然ガス)は制裁の対象外で、ロシアからの輸入が相変わらず続いている。


それどころか、スペインやベルギーでは、ロシア産LNGの輸入量がウクライナ侵攻後の一年でほぼ倍増した(ロイター, 9/8)。両国の輸入基地でガスに戻されて、パイプラインでEU域内へ送られている。EUは、依然としてロシアのエネルギーに依存しているのが実情だ。ハンガリー、スロヴァキア、ギリシャなどは、トルコ経由のパイプラインで、いまもロシアから天然ガスを輸入している。


半分だけのフェンスをフェンスとは言わない

「正直言って、私たちはほとんど困っていません」


3月下旬にモスクワから東京を訪れた友人は、私にそう語った。無いはずの西側商品がふつうに手に入るそうだし、日用品やアパレルの多くは、韓国製やトルコ製、国産品への置き換えが進んでいる。


“Zara”と“H&M”は、ローカルブランドの“Maag”と“Vilet”に看板を変えて、“IKEA”は相変わらず欠けたままだが、小売業全体でみると、消費は適応できており、街の表情も表向き変わらないようだ。


はっきり変わったのは自動車の販売で、日本をはじめ西側メーカーが撤退したあとの空白を中国車が席捲する。


23年上半期、中国からロシアへの自動車の輸出は、なんと前年同期の6倍ちかい34万台を超えた。きょうび、ロシアでもっとも売れているトップ10のうち6モデルは中国ブランドだ。いまやロシアは、中国車の世界最大の輸出市場になった。


その友人は、レクサスの買い替えが叶わないことを嘆いていた。


他方、並行輸入のルートは中国、トルコ、UAE(アラブ首長国連邦)、中央アジア、シンガポールなどへ広がっている。統計はモノの流れを物語る。23年上半期、中央アジア5ヵ国からロシアへの輸出は前年同期比で50%増えた。これと符合するように、欧州から中央アジアへの輸出が急増している。


22年10月に私がモスクワを訪れた時、ロシア政府の知人は、制裁で入手が困難になると予想される品目リストの作成に追われていた。あれから一年が過ぎ、ボーイング機やエアバス機の補修部品も代替ルートで調達されて、必要なソフトウェアも更新されている。


「半分だけのフェンスをフェンスとは言わない」


制裁は効いていないのですか? という質問を、N.ズバレヴィッチさんはそう言って斬り捨てた。


市場にルーブルが溢れている

もっとも、すべてがうまく回っているわけでは決してない。バラマキが過ぎて輸入需要を刺激し過ぎたことが、ルーブルの下落を招いている。


A.プロコペンコさんの見方によれば、最近のルーブル下落(通貨の下落といえば、わが円も同じだが)は実需のギャップによるところが大きい。


つまり、中国はじめ第三国経由の輸入が急増して、旺盛な外貨需要がルーブルの下落圧力になっている。他方、そうしたなかで輸出企業は外貨収入をオフショアに留め置こうとするため(油価が上がっても為替市場に動きがないという現象に現れている)、市場にドルが不足して、ルーブルが溢れる状態になっているという。


ロシア中銀が、たてつづけに金利の引き上げを迫られたのは、そのためだ。7月に7.5%から8.5%へ、翌8月に12%へ上がった。経常収支の黒字も著しく減っている。


ルーブルが下落しても、管理できる範囲内ならば問題はない。ロシア中銀(E.ナビウリナ総裁)と財務省(A.シルアノフ大臣)はそう判断して、戦時経済の金融・財政を巧みにハンドリングする。その手腕は、かつてIMFのエコノミストも賞賛したほどだ。


一定の石油収入が続く限り、ロシア経済はあと1、2年は持ち堪えるだろう。ただし、西側の技術が入らないため、長期的にみると衰退は避けられない。それが、3人のエコノミストたちの認識だ。


ウクライナとの戦争は対立したまま、これから先も長く続くだろう。そのかぎりで、制裁も続く。私たちがいっとき期待したような、市場経済を通じた近代化を柱とする、先進性の高いロシアのイメージは遠ざかる。ロシア経済は中国経済への依存をいっそう高めつつ、最後は米国に包囲されてもしたたかに生きるイランのようになっていくのではないか。】



ロシア中央銀行と財務省はなかなかやるな。特にナビリウナ総裁はかなりのやり手だとか。


 


【ロシア軍は戦々恐々…米国がウクライナに供与を決めた長距離ミサイル「ATACMS」のトンデモない実力 専門家は”微妙なさじ加減”に注目

新潮社

 

 ブルームバーグ(日本語版)は9月23日、「バイデン政権、ウクライナにATACMSを少数提供へ-関係者」との記事を配信し、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。ATACMSは「エイタクムス」と発音され、日本語に訳すと「陸軍戦術ミサイル・システム」となる。


「見た目は同じでも速度が3倍?」 普通のロケット弾コンテナと“全く同じ形”をした「ATACMS」の弾体とコンテナ


 ATACMSの性能は極めて高く、いわゆるゲームチェンジャー、戦況を一変させる兵器だと指摘されてきた。今回、初めて供与されるわけだが、ウクライナの念願がようやく叶った形だ。


 2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻すると、早くも6月の時点でATACMSを供与すべきか議論になった。


 ゼレンスキー大統領は供与を切望していた。しかし、バイデン大統領は22年6月21日の会見で「第三次世界大戦は望まない」と強く否定。さらに今年1月にもアメリカ国防省の高官が「性能が過剰だ」と説明したことを読売新聞が報じた(註1)。


 ATACMSを供与するとロシアを過度に刺激しかねない──これがアメリカの本音だった。軍事ジャーナリストが言う。


「ATACMSの射程距離は300キロメートルと長く、命中精度も高いことで知られています。東京都庁から300キロ圏内といえば、静岡県、愛知県、富山県、長野県などです。これらの地域なら、どこでもピンポイントで攻撃できるわけです。ロシアにとって脅威であることは言うまでもなく、対抗措置として戦術核の使用をほのめかしても不思議ではありません。バイデン大統領の『第三次世界大戦は望まない』という発言は、ATACMSの高性能を考えれば当然でした」


やはり怖いロシア

 だが、遂にアメリカは供与へと踏み切った。ロシアの恫喝に屈せず、ウクライナに対する強い支援を実現したということなのだろうか。


「ブルームバーグを筆頭に欧米のメディアは、全て『少数』の供与と報じています。これは異常事態と評しても大げさではありません。ホワイトハウス側が『少量』を強調しているわけですが、本来ならあり得ないことです。情報戦でロシアにプレッシャーを与えるためにも、供与数を公表しないのが普通でしょう。バイデン政権が供与を明らかにしながら同時に火消しにも躍起なのは、依然としてロシアの反応が怖いからです」(同・軍事ジャーナリスト)


 ならば「ATACMSはロシアの逆上が心配されるほど高性能な兵器」という言い方も可能だろう。一体、ATACMSの何が凄いのか。


「クリミア半島の港湾都市セバストポリに、ロシア黒海艦隊の司令部があります。ウクライナ軍は9月22日、司令部の攻撃に成功したと発表。34人の将校が死亡し、その中に艦隊司令官のビクトル・ソコロフ大将も含まれているとの情報も飛び交いました。さらにBBCは、攻撃にはイギリスとフランスが共同開発した空中発射巡航ミサイル『ストームシャドウ』が使われたと報じました(註2)」(同・軍事ジャーナリスト)


ロシア空軍の基地も攻撃可能

 ストームシャドウも輸出版は射程距離が280キロある。ATACMSの300キロとほぼ互角と言えるが、性能の差は大きいという。


「ストームシャドウは航空機から発射する必要があり、ウクライナ空軍は数機しか持っていないSU-24戦闘爆撃機を使用しています。機数が足りないのは明白で、いつでも爆撃機を飛ばせるわけではありません。ところが、ATACMSは高機動ロケット砲システム『HIMARS』からの発射が可能です。おまけに、ストームシャドウの最高速度は音速(マッハ1)未満の亜音速ですが、ATACMSはマッハ3で飛びます」(同・軍事ジャーナリスト)


 ウクライナ南部の都市ヘルソンは、反攻作戦における重要拠点の一つ。このヘルソンからセバストポリの距離は約250キロだ。


「ATACMSを使えば、ウクライナ軍はクリミア半島に駐留するロシア軍を広範囲に攻撃できます。例えば、アゾフ海沿岸の都市ベルジャンシクにはロシア空軍の基地があり、戦闘機や軍用ヘリである程度の航空優勢を確保しているとされています。しかし、ウクライナ領内からATACMSを発射すれば、基地を攻撃できます。甚大な被害が出るのは確実で、一定期間、離着陸を不可能にすることが可能です」(同・軍事ジャーナリスト)


封じ込められるロシア軍

 アメリカは以前からHIMARSの供与は行っており、ウクライナ軍はフル活用している。そして重要なことだが、HIMARSがロシア軍の攻撃を受けて破壊されたという報道は今まで一つもない。


「HIMARSが発射するロケット弾の射程距離は約80キロです。ロシア軍は着弾地点から発射地点を算出するレーダーシステムを稼働させており、その範囲は30キロから40キロと推定されています。榴弾砲なら撃たれても発射地点を割り出せますが、HIMARSだとお手上げです。情報の精度が高いことで知られているオランダの戦争研究サイト『ORYX』でも、HIMARSの損害は確認されていません。そしてATACMSに至っては射程距離300キロですから、“絶対的な安全地帯”からロシア軍の重要拠点を攻撃することができます」(同・軍事ジャーナリスト)


 ロシア軍がクリミア半島に拠点を置く司令部、兵站、軍港、空軍基地は、大半が射程圏内となる。ロシア国内とクリミア半島を結ぶクリミア大橋を標的とする可能性も高い。


「ロシア軍は今、ウクライナ領内に攻め込む考えはありません。ATACMSが実戦配備されれば、さらに自陣内に引きこもるでしょう。ロシア軍を封じ込めることができるわけですから、ウクライナ軍にとってはまさに戦術核を手にいれたほどの価値があります。ATACMSでクリミア半島のロシア軍を集中攻撃すれば、反転攻勢に強い追い風が吹くのは間違いありません」(同・軍事ジャーナリスト)


ATACMSと冬

 アメリカが「少量」を強調しているのは前に見た通りだ。これには「在庫」の問題も大きいという。


「ATACMSは1991年の湾岸戦争で初めて実践で使用されました。ところが、中距離核戦力全廃条約(INF)が2019年に失効したことから、アメリカ軍は射程500キロ超のミサイル開発にシフトしており、ATACMSの製造は終了しました。在庫は約4000発と見られているのですが、ウクライナの他にも台湾など供与を求めている国はたくさんあります。そのためアメリカ軍は、ウクライナにATACMSを無制限で供与することは反対していたのです」(同・軍事ジャーナリスト)


 こうした状況から考えると、アメリカはATACMSを「ウクライナが冬を乗り切るための兵器」と位置づけている可能性が高いという。


「秋の終わりに差しかかかると、ウクライナの大地は泥濘と化し、戦車の移動が難しくなります。そして長い冬が到来し、大地は凍って軍事車両の通行は可能になりますが、今度は兵士が寒さで動けなくなります。ただでさえ戦線は膠着するわけですが、ATACMSの射程距離に入っているロシア軍は新しい陣地や兵站の構築さえ難しくなります。衛星で監視され、そこを狙われたらひとたまりもありません。ウクライナ軍はロシア軍を身動きできない状況にさせ、戦況を見ながら重要な軍事施設を破壊し、戦果を宣伝しながら春を迎えようとしているのではないでしょうか」(同・軍事ジャーナリスト)


ロシア軍の悪夢

 春になるとNATO(北大西洋条約機構)加盟国から供与される航空戦力が揃うと言われている。これでウクライナ軍は、戦車を孤立させず、空の支援を得ながら反攻作戦を行うことが可能になる。


「ただでさえロシア軍はATACMSで身動きが取れなくなるわけですが、春になって航空戦力が整うと、かなりの脅威を感じると思います。もしロシアのプーチン大統領にまともな判断能力があれば、停戦交渉に応じても不思議ではない状況です。アメリカの狙いも、おそらくはそこにあるのではないでしょうか」(同・軍事ジャーナリスト)


 停戦交渉が現実のものとなるためにも、ATACMSの大活躍が期待される。もちろん実力は充分だと専門家の誰もが太鼓判を押す。


「ATACMSを搭載しているコンテナは、HIMARSのロケット弾のコンテナと全く同じ形です。操作するアメリカ軍の兵士も『100メートル離れると、どちらか分からない』と口を揃えます。これは敵軍に監視された場合を想定しているからです。戦場に潜むHIMARSを発見し、軍事衛星やドローンで必死にコンテナを判別しようとしても、射程距離が80キロのロケット弾なのか、300キロのATACMSなのか分かりません。HIMARSは『高機動ロケット砲システム』と訳されるように、発射した後は高速で離脱することが可能です。そしてATACMSなら、マッハ3で標的まで飛んでいきます。こうなると、もう誰にも止められません。今冬、ロシア軍にとっては悪夢のような被害が出ると思われます」(同・軍事ジャーナリスト)


デイリー新潮編集部】



今アメリカは大混乱の真っ最中。自党の下院議長を解任するという、前代未聞の愚行をやらかす共和党。とくに、トランプ派といわれる共和党強硬派共。もしこのままウクライナへの支援予算が可決されないと、後2ヶ月で支援途絶と言われている。ロシアを勝たせても自分たちは大丈夫とか、本気で思ってるのか。ロシアは、アラスカの領有権すら主張しているのを忘れてんのか。それとも、本当にロシアと繋がってんのか。頼むぜバイデン大統領。F16やエイタクムスがあればウクライナ軍は勝てるんだから。メリトポリまで到達し、ロシスト軍を分断できる。南部ももう一息だろうに。







ウクライナに勝利を。ウクライナ軍に栄光あれ。ウクライナに自由と正義と真の平和を。