期待どおりの「新プロX」、感動が半端ない! | 臨床美容師のつぶやき(豊後大野市共育塾)

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2000年からおよそ5年半に渡って放送された「プロジェクトX」は、黒四ダムや青函トンネルなどの巨大建設工事、VHSや国産乗用車などの製品開発、あさま山荘事件の舞台裏など、日本の産業史・現代史に残るプロジェクトに関わった人々のドラマを紹介し、大きな反響を呼びました。


そんな伝説のドキュメンタリー番組が、昨夜「新プロジェクトX〜挑戦者たち〜」として18年ぶりに復活しました。旧プロジェクトX〜挑戦者シリーズでは「戦後復興」と「高度成長」をメインテーマに、日本が戦後の焼け野原から先進国の仲間入りを果たすまでの物語を紹介しました。


しかし今回主に光を当てるのは、バブル崩壊以降の「失われた時代」です。平成から令和の時代に、さまざまな分野で挑戦し続けてきた人々をクローズアップします。「どんな時代にも挑戦者は必ずいる」ということを証明したいとの意気込みのようでした。


前シリーズから18年が経つ今、「新プロジェクトX」を放送する意義、制作意図も関係者からは語られています。わたしもいつかまた放送してほしいと思っていた番組でした。ただ、今どんなテーマでと考えるとなかなか難しいようでした。


そんな中、バブル崩壊後から今日まで続く日本の低迷期を指す「失われた時代」という言葉がふと頭をよぎったそうです。その進行役の関係者は51歳なので、大人になってから過ごした時間の大半が「失われた時代」だったそうです。


それでは、次の世代の子どもや孫に負の遺産しか残してこなかったのかというと、決してそんなことはないと思ったそうです。戦後の復興期や経済成長が右肩上がりだった時代に比べると、時代を象徴するような巨大プロジェクトは確かに減りました。


しかし、より良い社会を作ろうと、多彩なアイデアや夢を抱き、ひたむきに働いている人は今もたくさんいます。そうした人々を「失われた時代」という言葉で簡単に括るのではなく、その挑戦や活躍に光を当てたいと思ったそうです。


どんな時代にも頑張っている人がいることを証明したい、そして2024年の今こそ光を当てるべきテーマがあるはずだと考え、今回新シリーズ制作に踏み切った理由とのことです。そして番組として特に大事にしているものもありました。


そして放送された復活の第一回目が、東京スカイツリーのドラマでした。昭和33年に東京タワーが建てられてから半世紀以上が経ち、建築技術も相当進歩しているので、昔ほど大変ではないのではないかと勝手に思い込んでいたそうです。


しかし、それは完全な見過ごしと勘違いで、どんなに技術が進んでも、大事なのは、やはり人の力であるということを再認識させられた内容になりました。そして旧シリーズに負けない熱い人間ドラマとなったのでした。


東京スカイツリーは東京タワーの約4分の1という狭い敷地に、超高層タワーを建てる難工事に挑んだ挑戦でした。凄腕の設計士や全国各地から選りすぐられた精鋭の職人など、のべ58万人がそこに集結しました。


雷や突風、東日本大震災など、度重なる難題を乗り越え「世界一のタワーをこの手で作る」と集った技術者たちの意地の物語でした。工事に参加されたのべ58万人の中から、デザインから現場までさまざまな人間ドラマがあったのです。


そして特に心に残ったのが、鳶(とび)職人の方の言葉でした。あんなに高い所で作業するのは、いくら高所に慣れている方でもさすがに怖いんじゃないかなと思ったのですが、高さ以上に恐ろしいのは、道具を落とすことなのだったのです。


ボルトを1本落としても、地上にいる人に当たれば大事故になるので、身につけている物を絶対に落とせない。一方で、競合他社に負けられないというプレッシャーもあり、作業のスピードも重視しなければなりませんでした。 


その緊張感たるや凄まじいものがありました。選りすぐりのスペシャリストばかりが集まっている現場なのですが、やはり上には上がいて、技術の差を肌で感じさせられたというシーンもありました。


自分の技術をさらに磨くためにほかの職人さんに教えを乞い、そこで新たな絆が生まれたというエピソードも印象的でした。そうした職人さんたちの姿は、業種や時代関係なく本当にかっこいいなと実感しました。 


この人たちの何万分の一でも見習いたい、素直にそう思いました。公募にもはずみがつきました。命がけでのぞみます(笑)。ではまた明日。