先日、赤字の出ていた大手地方ホテルの経営陣として再建業務に携わっていたクライアントさんから、以前に勤めていた地方銀行時代に患った脳梗塞の再手術を行うという話を聞きました。最初に受けた手術では、動脈瘤のある箇所へ血液が流れ込まないように、血管をクリップで止めていたそうですが、再度手術を受ける必要があるとのことで、今後は出来るだけストレスの少ない職場を選びたいという気持ちを持たれているようです。
特に脳梗塞に関して言うと、その人があまり使っていないと思われる側の脳で起こるこが多いようで、ふだんから使わない側の(おそらく毛細血管の)血流が少ない脳にストレスが追い打ちをかけて血流が落ち、脳梗塞になるのかもしれないと、「人に向かわず天に向かえ」の著者で脳外科の篠浦伸禎医師は推測しています。篠浦医師は同書の中で、ストレスを契機に脳の使い方を見直すことの大切さについて、このように述べています。
以下転載
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人間は、どんな平時でもストレスはあります。ストレスがたまると、左右の脳が弱まり、動物脳が暴走します。そのことを自覚していれば、「ストレスだ」と感じたときに、逆に意識してそれをコントロールするためのよいきっかけになります。ストレスを受けると「動物脳」は動揺し、逃げ出したくなったり、暴発したりまします。そんなときに冷静に、「私」の脳である「動物脳」を突き放し、できるだけ意識を「公」、広い視野で意識して見つめ直すことが、「私」の執着をときほぐしてくれます。
ストレスは「私」のみに関わるのではなく、左右の脳のバランスの崩れ、能動、受動のバランスの崩れからも生じます。自分の脳の使い方が、極端に片方に偏れば、ひずみが生じてそれがストレスとなって表に出てくるからです。そんなときに、逃げたり、人のせいにしたり、自分を責めたりするよりも、少し離れて、俯瞰した視線で、冷静に自分のことを見つめ直してみることは重要です。「どうしてこうなったのか」ということを分析することで、目の前のストレスは消えないまでも、そこから受けるつらさや苦しさを軽減することができるからです。起きてしまったことはしかたがないことだけれども、どうしてそうなったかがわかれば、もう二度と同じようなことで苦しまなくても済む。未来にストレスの種を持ち込まずに済むのです。
ストレスは、脳のバランスが悪くなっていることを知らせてくれる合図と考え、自分の脳の使い方を見直すということは、「失敗」をひとつの「有意義な経験」と置き換えることでもあるのです。それは自分がさらに進歩するターニングポイントになることでしょう。
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転載終了
脳梗塞になる原因を学問的に証明するのは、これから膨大な研究が必要でしょうが、少なくとも認知症に関しては、ストレスが関与しているのはよく言われることのようです。それらの脳の病気を防ぐという意味も含めて、ふだんでもストレス下でも脳の使い方をよくしていくことが人生を生きるための大事なポイントだと思います。
ストレスを、脳の使い方を改善するきっかけとせずに、アルコールなどを過剰に摂取することで、そこから逃げて自分の都合よい脳の使い方だけに引きこもることは、結果的に脳のバランスを崩し、脳を「人として死ぬ」方向にもっていくことになるようです。