長年高校野球と関わってきたので,この問題の反応が楽しみであった。
関東同士の準決勝では坊主頭がいない珍しい光景であった。
こういう時代がもっと早く来るだろうと思っていた。
時間はかかるものだな。
監督時代は練習試合を組もうとすると、頭髪が坊主でないと断る学校があった。
相手は公立であった。
その後甲子園に行くこともなかったので、所詮狭い見識の指導者だと内心バカにしていた。
監督と同じ出身校でやる学校も多かった。
私は県外出身で、大学体育会野球部出身ではなかったのでので、相手にされないこともあった。
力の差がありすぎる学校にはさすがに頼まなかった。
監督時代に生徒に言った。
「必ずしも坊主にすることはないから好きにすれば」と言った。
生徒は「やはり高校野球は坊主です」と却下された。
ある年、某宗教団体が大きな事件を起こした。
逮捕者に坊主頭が多いかった。
イメージが悪いから坊主にしなくてもいいよと言った。
それでも生徒はやめなかった。
でも今は違う。
時代が変わったのだ。
それでいい。
明日決勝戦である。
野球学校と名門大学付属校である。
名門附属高校ともは一度だけ練習試合をしたことがあった。
まだ甲子園に出るレベルではなかったが、強かった。
当時の監督はその後、「エンジョイベースボール」という新書を出版した。
すぐ買って読んだ。
日本の野球には確かにおかしなところが多かった。
いろいろ参考になった。
その頃は、若い頃夢見た甲子園などというのは幻想だと自覚した。
生徒が人間的に成長すればいいのだと、自分にも言い聞かせた。
明日の決勝戦。
楽しみではある。
最初からじっくり見たい。
でも音声は聞きたくないなと。
こういう試合は静かに見たい。
いつも球場だとスコアブックをつける。
明日はどうしようかなと迷う。