島田俊彦氏の「満州事変」を読みました。

日露戦争以後の中国東北部への日本軍の進出、駐留から満州事変を経て上海事変を起し、日本が如何に満州を建国したがが、外交資料その他の資料によって綿密に記述されている。

 日本、とりわけ、日本陸軍は政府の命令を無視して何が何でも中国の東北部に日本の傀儡政権の樹立を企てていた。そのためには、あらゆる工作を行った。特に上海事変と言う満州から離れた地で事変を起すことによって中国東北部から世界の目をそらし、その間に満州を建国した。そのあまりの狡猾さに同じ日本人として此のことを後の中国の人々にいかに説明することが出来るだろうか。戦時下と言え、他国への侵略が如何に見苦しく、欺瞞に満ちていた事かを感じさせる。