「昭和」という国家 を読みました
司馬遼太郎氏の「昭和」という国家 を読んだ。氏の昭和についてのNHK教育テレビでの語りを書籍にした本である。氏は、日本に初めて出来た明治憲法に内在された統帥権なる権力が、昭和に独り歩きし、統帥権は大元帥たる天皇の専権事項を盾に軍部が独走した。挙句、国内に、参謀本部を常設し(本来、参謀本部は戦時のみ存在し終戦と同時に解散される)国会内閣も超絶し、昭和初期にには参謀本部が、国家を事実上運営するという異常事態を引き起こした。その挙句、朝鮮、中国を侵略し、太平洋戦争を引き起こし、無条件降伏の形で国家を破滅に導いた。氏はこのプロセスを解りやすく一人語りで綴っている。 解説の田中氏の鋭利な指摘が、氏の一人語りにある面からの批判ををしている事が素晴らしかった。氏は、日清、日露戦争は、日本のやもうえない自衛戦争と断じている。が、田中氏は、清国との戦いは、事前に入念な準備を日本側が行い、朝鮮に布石を打ったうえで日本が仕掛けた戦争であり、日露戦争もその延長線上であったと指摘している。両戦争は日本側の大陸侵攻による帝国侵略の先駆けであった事が歴史上証明されている。所謂、司馬史観も批判的にみる必要がある。とこの本の指摘は重要である。