「そんなこと、ないよ!」と言いつつも、内心裕太の
心臓が、はち切れんばかりに、ドクンドクンと
激しく動いている。
(やっぱり…何かあるんだ?)
そのことだけは、裕太にもわかる。
「血は争えないなぁ」
いきなりじいちゃんが、ニヤリと笑う。
「裕太…あの先生のこと、好きだろ?」
そうして裕太の顔を見る。
「えっ?」
「岸本先生だよ」
どうやらじいちゃんには、すべてお見通しのようだ。
「うん、まぁ、そうだけど…」
何だかとても、照れくさい。
「それは、ワシも同じだ。
そのすごい先生のことを気に入って、毎日後を
追いかけまわしていたんだ」
楽しそうに、裕太に打ち明ける。
「じいちゃんが?うそぉ」
そんな話、聞いたことがない。
「大丈夫!ボクたちの他には、誰もここにはいない
から」
安心しろよ、とそぅっとささやく。
「そうかぁ」
じいちゃんは、はぁ~と息を吐く。
「もちろん、今みたいに調べることは、出来なかった
けれど…それでもそれなりに、収穫があった」
嬉しそうに、声を上げる。
