裕太の言葉に、
「そうだよなぁ」と颯太もうなづく。
「それで…このアンテナは、竜を管理するために
立っているんですね?」
確かめるように、じいちゃんに聞くと、
「あっ、そうだった」
忘れていたのか、じいちゃんはハッとした顔をする。
「歳をとるもんじゃあないな。
己の言っていたことを、忘れるなんて!」
情けないなぁ~
ハハッとじいちゃんが笑うと、
「このアンテナ…誰が立てたの?」
じいちゃんじゃあないよね、と裕太が口をはさむ。
「あぁ~ワシたちの他にも、同じようにこの島のことを
調べている人が、いるらしい」
もっとも、まだ直接、会ったことがないんだけどな!
じいちゃんは、少し遠い目をする。
「えっ?あってないの?」
いきなりジュンペイの声がした。
「おい、ちょっと!」
驚かせないでくれよ!
「おまえ、忍者の末裔か?」
裕太が軽く、ジュンペイをにらむ。
「そんなわけ、ないだろ」
いくらすばしっこいと言っても、忍者は言い過ぎだ。
ジュンペイの感性は、どうも普通とはちょっとずれている
らしい…
裕太の反応は無視して、
「ねぇ、それって、ホント?」
ジュンペイがじいちゃんに詰め寄る。
「あぁ、ホントだよ」
じいちゃんは相変わらず、のどかな顔をして、うなづく。
「ねぇ、その人って、どんな人?」
「だから、会ってないって、言ってるだろ?」
裕太がジュンペイに、声をかけると、
「ホントに、仲がいいなぁ」
じいちゃんが、ハハッと笑う。

