フラリ…
カガリが前に、足を踏み出す。
「カガリちゃん、行ったらダメよ!
これはきっと…ワナよ!」
そのさなかに、アキは鋭い声を投げかける。
「でも!」
カガリがクルリと、振り返ると…
「いつまでも、こうしては、いけないでしょ?
過去に戻るには、行かなくちゃ」
アキの手を振り払って、鏡の方に進む。
黒いシルエットが、次第に近付いて来る。
これが安全だとは、誰にもわからない。
「それに、ショータもユージも、そこにいる保障は
どこにもないのよ」
「でも、行かなくちゃあ、それもわからないでしょ」
いつになく、カガリは強い口調で言う。
「それは、そうなんだけど…」
二の足を踏むアキに向かって、カガリはキッパリとした
態度で、
「今が、その時よ!
だったら思い切って、飛び込まなくちゃ」
その言葉を耳にしたのか、黒い影がまるで二人を誘う
ように揺れる。
「だったら、これを持って行きなさい」
二人の背後で、リンネさんが声をかける。
そこには、カラフルなリボンで彩られた彼女の鈴が、
握られている。
「ダメよ!これは、リンネさんの大切な鈴…」
「そうよ!
それにこれは…私たちには使いこなせない」
あわてて押し戻そうとする二人に向かって、リンネさんは
強引にアキに押し付ける。

