「とうちゃーく!」
ジュンペイが、「一番のり~!」とピョンと
洞窟の中に飛び込む。
「ちょっと、待ってよぉ」
さすがにこの木の箱が、岩の上をスムーズに
勧めるとは思えない。
案の定、ガタガタと、大きく揺れる。
風が反響して、悲鳴のような音を立てる。
「何だか不気味だなぁ」
急に裕太の足が止まる。
ジュンペイは一向に、気にする様子もなく、
トコトコと進んで行く。
裕太は場を盛り上げよう…と、
「とりゃあ~」
わざと大きな声を上げると、
「おりゃあ~」
ジュンペイも調子に乗って、大きな声で走り出す。
「あっ、ちょっと!待って、待って!」
颯太があわてて、二人の後を追いかける。
「うりゃあ~」
「そりゃあ~」
裕太とジュンペイは、まるでどっちが面白いか
選手権みたいに、ムキになって、騒いでいる。
「そんなに騒いだら…竜たちが驚いちゃうよ」
颯太が、二人に声をかけるけれど、
「そんなの、大丈夫さぁ」
「そうそう!このくらい景気よく、行かなくちゃ!」
こういう所だけは、二人の息はぴったりだ。
(似た者同士か?)
颯太が笑う。
ゴツゴツした岩にぶつかるように、ここからセーブ
して歩くと…ようやく例の洞窟が見えてきた。

