「いいって…なんだよ」
「ヘンなヤツ!」
それでも裕太は「仕方がないなぁ」と声を張りあげると、
「いち、にぃ、のぉ、さん!」
颯太と息を合わせて、箱を押す。
グイグイ押しながら、走り出す。
思ったほど、重くはなく、車輪が気持ちがよいほど、
コロコロと回る。
「ひゃっほーい!」
ジュンペイが嬉しそうに、箱から顔を突き出すと、
声を上げる。
「なんか、ズルイなぁ」
もちろんこれは、遊びではない…とわかって
いるのだが、ついつい二人とも、ジュンペイの
ことが羨ましくなってしまう。
へへへぇ~
ジュンペイがニヤニヤしながら、二人を見る。
「やっぱり、裕太たちも、乗りたいんだなぁ」
ヘラヘラと笑う。
「うん、それはもちろん、そうだよぉ
だって、楽しそうなんだもん!」
自分ばっか、ズルイぞぉ。
まったく悪びれもしないジュンペイのことを、
むしろ羨ましく思っている。
「だろ?人のやっていることって、
ついついしたくなるんだよなぁ」
ジュンペイは、相変わらずのマイペースで、
楽しそうにしている。
裕太は何だか、真面目にしているのが、バカ
らしくなってくる。
「トロッコって、思ったよりも、楽しいなぁ」
ジュンペイが大きな声で言うので、
「あんまり大きな声を出すなよぉ」
裕太が渋い顔になる。

