「いいわよ、行きましょ」
売り言葉に買い言葉。
ついて行く、と言ってしまった。
「じゃ」
早速スタスタと、花子さんが階段に向かって歩き出す。
「おまえも、行くか?」
オジサンが、ガブ君に向かって尋ねる。
「もちろん」
断る理由がない…と、ガブ君はスタスタと、花子さんを
追う。
「え~っ、ちょっと待ってよ」
置いてきぼりにされそうな気がして、アキもあわてて
追いかける。
何だか、おかしな感じだ…
(それにしても…リンネさんは、どこにいるんだろう?)
まさか本当に、鏡の中にいるんじゃあないでしょうね?
チラッと、そんなことまで思い浮かぶ。
「ここ…すべるから、気を付けて上がってよ」
花子さんが、アキに向かって話しかける。
「手すりを持った方がいいかも」
アキはひそかに…花子さんが普通に歩くことに驚く。
(ユーレイなのに、普通に歩くんだ)
アキは何だか、妙に感じる。
「アキちゃんが、したいようにしなさい」
アキが何かを言い出す前に、花子さんはサッとそう言いきる。
「だったら、リンネさんたちも、見つかったらいいなぁ」
ポツンとそう言うと、
「あぁ~あれっ?」
面倒臭そうに、花子さんがチラッと、アキの方を振り返る。
「先に言っておくけど、今日は早いこと、行った方がいいわ」
アキに向き直って言う。

