「え~っ、花子さん、さっきまでどこにいたのよぉ」
オバケだろうが、ユーレイだろうが、みんなと
はぐれてしまったアキにとっては、この際ゼイタク
は言わない…と思う。
「どこにって、私はさっきまでずっと、鏡の中に
閉じ込められていたのよぉ」
やっと、話を聞いてくれる人が現れた…とばかりに、
花子さんはやけに大きな声を出す。
(きっと誰かに、聞いて欲しかっただろうなぁ)
勝手にアキは、そう解釈すると、
「ねぇ、花子さん。
この階段を上がっても、大丈夫かなぁ?」
裏切らないとも限らないのだが、アキはさらに、
花子さんに話しかける。
「そんなに気になるんなら、思いきって行ってみれば?」
焦れたように、花子さんがアキの顔を下からのぞき込む。
「それとも、もしかして…怖いの?」
ヘラッと笑って、アキを試すような目つきで、花子さんが
見る。
「そりゃあ、怖いわよ、もちろん。
だって、つい最近まで、ヘンな人たちがウロウロしてた
んでしょ?」
負けてたまるか、とアキは思い、キッパリと花子さんに
向かって、言ってのける。
「あれっ?それって、大問題じゃあないですかぁ」
すかさずオジサンが、突っ込んでくる。
それなら、と花子さんが指をパチンと鳴らすと、
「それじゃあ、試しに、行ってみたら?」
しごくあっさりと、言ってのける。

