「うん、裕太がトイレに行ってた時に…」
「え~っ」
それならそうと、言ってくれればいいのに…
裕太としては、とてもガッカリだ。
「ねぇ、他に何か、言ってた?」
「何かって?」
「その島の手がかりとか…」
もしかして、何かあるのでは、と裕太は期待の
まなざしを向ける。
「いや、何も」
アッサリと、その期待も切り捨てる。
「なーんだ」
当てが外れた裕太は「あ~あ」と声を上げる。
「きっとオジサンも…わかんないんじゃあないの
かなぁ」
思い返すように、上を見上げると、颯太はボソッと
つぶやく。
「え~っ、そうなの?」
「そうだよ!だって、この辺りは、魔のバミューダ
トライアングルと言われているんだって!
確か磁石が壊れる…と聞いたよ」
飛行機も漁船も、ここを避ける…と、じいちゃんが
言ってたような気がする。
「なっ、そうだろ?」
裕太の表情を見ると、颯太はようやく、ホッとした
顏になる。
信じてもらえないことが、不安だったのかもしれない。
裕太は「うー」とうなる。
「まぁ、後で、じいちゃんに聞いてみようぜ。
さぁ、早く行かないと、ホントに遭難するぞ」
「あ~っ、それは大変だ」
互いに顔を見合わせると、にぃっと笑う。

