「アキちゃん…あれは、なに?」
カガリがすっかりおびえて、アキの腕をぎゅうっとつかむ。
カガリの爪が、腕に食い込んでいたいけれど…
アキはそれをガマンして、目の前の異変に目をこらす。
「あれって…リンネさんの言っていた…鬼火?」
「えっ?鬼火?」
自分で言いながらも、アキは目の前の出来事が、マボロシか、
見間違いであってくれ…と願っている。
ユラユラユラ…
何かが揺れながら、動いている。
「ねぇ、まさか…あれって私たちを、案内しているのかなぁ」
おびえながらも、カガリの目が、それに吸い寄せられている。
(カガリちゃん、大丈夫?
魅入られたら、ダメだよ)
心の中でそう思うけれど…アキ自身も、その光から目が離せ
られなくなっている。
振り返ると、ショータもユウジも、同じように固まっている。
(マズイなぁ)
アキは初めて、恐怖を感じる。
その光は、青白い炎が、大きくなったり、小さくなったりして、
揺れている。
「まるで…私たちがついてきているかどうか、確かめている
みたい」
カガリが言うのを、
「まさか…」と笑ってみせるけれど、実をいうと、アキ自身も
本当はそう感じていたのだ。
認めてしまうと…この鬼火に、呑み込まれてしまう…
アキはそう思っている。

