「それだと、意味がないんだよなぁ」
だがジュンペイに、あっさりとスルーされる。
なぜかジュンペイとしては、これだけは譲れないことのようだ。
何でだ、と思うけれども。
「ふーん」
ジュンペイの目が、暗く光る。
「行きたくないのかぁ~
行きたくないなら、行かなくてもいいけど」
何だったら、今から帰るか?
何となく、投げやりな言葉だ。
(ヤバイ!)
ジュンペイの目が、笑ってはいない。
「あっ、そんなことは、ないよ」
あわてて颯太が、とりなそうとすれけれど…
その声は、あまり楽しそうではない。
(無理するなよぉ。
イヤだったら、イヤと言えばいいじゃないかぁ)
何でそこまで、ジュンペイに気を遣うんだ?
どうしても裕太は、そんな颯太の態度に、納得がいかない。
案の定、そういうことは、ジュンペイにも伝わっているようだ。
「別にいいよ!
ボクに気を使ってもらわなくても…」
トン!
枝の先端から、トンと飛び降りると…目指す屋根の上に飛び乗る。
「あっ!」
そんな、サーカスの雑技団のようなマネ、さすがに、ボクたちには
ムリだ。
颯太はいよいよ、蒼ざめた顔をして、
「高いところから、見下ろせばいいんだね」
弱々しい声で、ジュンペイに向かってそう言う。

