「アキちゃん…どうだった?」
カガリが明るく声をかける。
玄関に向かったアキが、戻って来たのは…30分後のことだった。
だが、いくら何でも、ちょっと遅い。
そう感じたカガリが、あえて追及しようとはせず、にこやかに
応対する。
「うん…」
けれども何だか、アキの反応がおかしい。
アキ自身も、戸惑っているようだ。
「あっ、カガリちゃん」
アキの後ろから、ユウジが声をかける。
何があったのか、すぐにでも確かめたいところなのだが…
アキのことが気になって、我慢している。
「郵便だった」
ポツンと、アキがカガリに封筒を差し出す。
「えっ?見てもいいの?」
何の変哲もない、白い封筒とアキの顔とを見比べる。
受け取ってもいいものかどうか…と、カガリは迷っている。
「うん…」
答えるアキは、どこか上の空だ。
一体、誰からなのだろう?
クルリと、封筒を裏返すけれど、やはり無記名だ。
せめて文字の感じだけでも…と、裏返して見るけれど。
残念なことに、一文字も記されてはいない。
「あら」
思わずカガリが、声をもらす。
「中を、見てもいいの?」
もう一度、アキに尋ねる。
「うん」
アキは魂の抜けたような、顔をしている。

