「アキちゃん!」
リンとした声で、カガリがアキに向かって声を放つ。
「ケイタくんは今、ここにはいないの。
だから私たちが、ここで火事にやられたら…
今までの苦労が水の泡よ」
何をしているのよ、とアキが止める。
「でも…」
ここにはケイタがいないって…本当に言えるの?
アキの瞳が、強い意志を秘めている。
「ホントに、もう…」
手がかかるなぁ~と言いながら、
「アキちゃん、鏡を貸して!」
カガリが空の手を伸ばす。
「えっ?カガミ?」
何に使うのよぉ。
一瞬、アキはポカンとする。
「男の子を探すんでしょ?」
しかめっ面でそう言うと、
「ナイトの懐中時計があると、いいんだけどねぇ」
ショータに向かって、カガリが言う。
「あっ、そうかぁ」
確かに、あの懐中時計は、かなり便利だ…
静かに納得すると、ポケットに手を突っ込んで、手鏡を取り出す。
取り出すとすぐに、キラキラと光の粒が、鏡面で点滅している。
「ほーら、やっぱり!」
カガリが確信に満ちた声で、得意気にそう言う。
これだけでも、十分収穫があった…といっても、いいだろう。
「おい、おまえ、何をしているんだ?」
死にたいのか?
ピシャリとキツイ口調で、声をかけられた。

