やはりジュンペイは、本気にしてもらえないことが、不満だった
のだろう。
「これはねぇ、恐竜の卵なんだよ!」
キッパリと言い切る。
「え~っ、ウソだろ」
「恐竜の卵が、こんな所に落ちているわけがないだろ」
すぐに裕太と颯太が、ジュンペイに向かって言い返すけれど…
「これって、岩じゃなくて、卵だったのかぁ」
どうしてもまだ、あの固い岩が卵だった…という事実が、
信じられないようだ。
「だけど…肝心の恐竜は、どこにいるんだよ!」
ジュンペイは、本当にそう信じ込んでいる…ということを、
裕太はあらためて感じ入る。
「それはきっと、エサを探しに行っているとか、
まだシーズンじゃあないから、まだここに渡ってきて
いなかったのかもなぁ」
やけに饒舌に語る。
「へぇ~シーズン?
シーズンって、何のこと?」
何でジュンペイが、そんなことを知っているのだ、と聞き返す。
「そりゃあ、いわゆる繁殖シーズンのことなんじゃあないの?」
何のためらいもなく、颯太がポンとそう言う。
「はんしょく?」
一瞬、聞きなれない言葉に、裕太の頭の処理能力が追いついて
こない。
「おい、ユウタ、わかっているかぁ?」
ジュンペイが、からかうように言う。
ようやく裕太の頭の中で、その言葉の意味がつながった。

