(えっ?)
まさか、ワナだろうか?
そんなことを思いながらも、好奇心には勝てない。
アキは思い切って、扉を大きく押し開く。
どれだけ重たいのだろう?
そう思いきや、思ったよりもすんなりと開く。
薄暗い中に、ランプの光が見える。
(誰か…いる?)
さすがにアキは警戒して、足音を立てないようにして、中に
足を踏み入れる。
(まさか…魔物?)
こんな所で襲われたら、ひとたまりもないだろう。
なぜならアキは、武器になるものなど、何も持ってはいない。
ただユー子さんにもらった手鏡が、あるだけだ。
(いざという時は、この鏡を使って…)
そうは思うものの、果たしてこんな鏡で、何が出来るのだろう?
そんなことなど、とうてい思えないのだ。
「あの…」
小声で、中の人に声をかける。
「誰か…いませんか?」
なるべく明るい声を出すけれど、わずかに声が震えている。
(カガリちゃん…ショータ、ユウジ…誰か、助けて!)
もしもここにいるのが、ケイタだったなら!
そう期待して、中に入ってみる。
「あっ、お姉さん?」
ランプの光に映し出されたのは、以前にも見かけた男の子の
姿だった。

