「ここは…魔物の住むお城だから…そんなことがあっても、
ちっともおかしくないのかもしれないわ」
おそるおそる、鏡を見つめる。
「そんなことは、ないよ」
穏やかな声で、ナイトが話しかける。
「あれは…魔法の鏡だ。
真実を映したり、人を惑わす不思議な鏡だ。
だから気を付けていれば、それでいい」
そう言うと…鏡の奥で、黑い影が動いたような気がした。
あれ?
なんだろう?
目をこらすと、モクモクと煙のように、影が動いている。
「ねぇ」
アキが、カガリを突っつく。
「何か…動いてる」
カガリにささやくと…
カガリはチラリと鏡を見やると、無言でうなづく。
何だか、警戒しているようだ…
どうやら自分たち二人だけが、気が付いているようだ。
言おうかどうか、迷っていると…
「キミたち」
ルークが二人に、話しかける。
(何を言うんだろう?)
二人は少し、緊張した顔になる。
「これからのプランなんだが」
ルークが、言いにくそうな顔をしている。
この人がこんな顔をするのは、滅多にないので…
アキは何となく、嫌な予感がする。
「まずは、ここからはキミたちの意思で、決めて欲しい」
回りくどい言い方をする。
何だか、あまり言いたくはないのだろう。
ナイトと顔を見合わせて、表情を硬くする。
「なんですか?」
アキは挑むように、ルークを見上げる。
何を言われても…ここで引き下がるような真似はしたくない…
そう固く心に決める。

