「あっ」
「うそっ」
誰も、期待してはいなかった。
だが本当に、誰かが下りて来た。
「まさか、さっきのサル?」
目で追う裕太が、思わずつぶやく。
「よく見てみろ。人間だ」
興奮の面持ちで、ジュンペイが裕太を突っつく。
しかもジュンペイは、ちょっと得意気な顏をしている。
(どうだ。ボクが呼んだんだぞぉ!」
裕太に向かって、自慢しているように見えた。
「お前たち、何者だ?」
その男が、重々しい声で尋ねる。
「えっ」
裕太は思わず、後ずさりをする。
そのすき間から、怖いもの知らずのジュンペイが、ピョンと飛び出す。
「ボクたち…竜に、ここまで連れてきてもらったんだ」
胸を張って、堂々と答える。
「竜?」
その男が、ジロリとジュンペイの方を見ると、
「お前たちは…竜の使い手なのか?」
聞きなれないことを、口に出す。
「竜の使い手?」
そういえば…あの島の地下でも、オジサンが言っていたような
気がする。
「驚かせて、すまないなぁ」
裕太たちの前に、じいちゃんがスッと身体をすべらせると、
男に向かって話しかける。
じいちゃんを見ると、男の態度が明らかに一転する。
(もしかして…じいちゃんのことを、知っているのか?)

