「ユウタ、あれ」
じいちゃんが、裕太を突っつく。
「なに?」と聞き返すけれど、すぐに
「あぁ~さっきのあれ?」
じいちゃんお手製の道具を取り出す。
「おっ!」
早速、ジュンペイが食いつく。
「なになに?それ!ユウタが作ったの?」
ジュンペイは手を伸ばし、裕太から奪い取るようにすると、
奇声を上げて、そのヤリを振り回す。
「ちょっとぉ!危ないってば!」
じいちゃんが急場しのぎに作ったとはいえ、先端には鋭い石を
使っている。
「おい、おい」
じいちゃんが呆れて、はははと笑い出す。
「さっき、じいちゃんが作ってくれたんだよ。
何にもないと、不便だからって」
「へぇ~」
次にオノのようなもので、ためし切りを始めるジュンペイが、
すぐにじいちゃんの方を向く。
「じいちゃんって、すごいなぁ~
これ、けっこうよく切れるよ」
嬉しそうに、ブンと振り回す。
「だからぁ~危ないってば!」
たまりかねて裕太が、ジュンペイに向かって声を上げる。
ジュンペイには、刃物を持たせない方がいいかもなぁ、と
裕太はひそかにそう思う。
「気に入ってくれて、何よりだ」
だがじいちゃんは、少しもジュンペイを注意したりはしない。
ちょっとは、言ってくれよぉ~と不満に思う裕太なのだが。
「だったら、それは…人前で振り回すなよぉ。
万が一、ケガをしたら大変だ」
諭すように、そう声をかけると、
「さぁ、暗くなる前に、サッサとしよう」
じいちゃんは声を張り上げると、拾ってきた石で、カマドらしき
ものを作り始めた。

