「あっ、ワシの水筒は?」

「あぁ~あれは今、ジュンペイが飲んでる…」

「そうか」

 さすがにじいちゃんは、返せとは言わない。

(じいちゃんだって、喉が渇いただろうに)

何だか申し訳ない気持ちで、一杯になる。

「あと…食べ物とかあると、いいんだけど…」

上目遣いで、裕太はじいちゃんに言ってみる。

「そうだな」

じいちゃんはさして、気にならないようで、アッサリとうなづく。

「これから、何があるか、わからないしなぁ」

ここに連れて来た以上、大人である自分が、責任を持たなければ…

と考えているようだ。

「まぁ、竜にも、何かやらないとなぁ」

じいちゃんが、ボソッとそう言う。

そこまでは、考えていなかった…

裕太はあらためて、そう思う。

 

「悪かったなぁ」

 いきなりじいちゃんが、ボソリと言う。

「えっ」

何か?

裕太は思わず、言葉に詰まる。

(じいちゃん…ちゃんとわかっていたんだ)

急に黙り込む裕太を見て、じいちゃんはあらたまった態度で、

「すまん」

深々と頭を下げる。

「止めてよぉ」

ここに来て、そんなことを言わないでよぉ。

じいちゃんの腰に、手をかけると、

「そんなこと、ないよ。

 だって無人島には、来てみたかったし、竜に乗るなんて…

 中々経験出来ないし」

一生懸命に、裕太は訴える。

「そりゃあ、普通は、竜に会うこと自体が、出来ないんだぞぉ」

じいちゃんが目をグリグリさせて、裕太に向かって笑ってみせる。

 

 

 

PVアクセスランキング にほんブログ村